社会人生活のスタートダッシュを成功させる上で、新入社員の目標設定は非常に重要です。成長につながるような目標を設定すれば、社会人として羽ばたく道しるべができ、仕事に必要な能力を効果的に向上させられるでしょう。
ただし、新入社員の目標は、本人が主観的に決めてもいいわけではありません。会社の目標と連動させたうえで、ポイントを押さえた目標を設定することにより、より効果が上がります。
そこでこの記事では、新入社員が設定すべき定量的・定性的な目標の具体例や目標設定のポイント、目標設定が必要な理由や目標達成をサポートするおすすめの方法についても解説します。企業の社員研修や社員の育成にも、この記事をぜひ参考にしてみてください!
目次
新入社員に目標設定をするべき理由
新入社員が目標を設定すべき理由として、以下の3つが挙げられます。
- 主体性と行動を促すことができ、新入社員の成長を促すことができる
- 環境でのモチベーションの向上と維持に繋がる
- 現状を把握した上での目標までの方向性の明確化ができる
ここでは、それぞれの理由とその重要性について解説します。目標を設定する前や研修前に、もう一度確認してみましょう。
主体的な行動を促すことができる
新入社員が目標を設定すべき理由の一つ目が、主体的な行動を促すためです。なぜなら、入社1年目の社員には業務についてわからないことが多く、何をすべきかが具体的にイメージしづらいからです。
社会に出たばかりの新入社員にとって、企業での仕事は未知なことだらけです。そのため、何のために仕事をするのか、何をすればよいのかが具体的にわからない状態では、つい受け身の姿勢になってしまいがちです。また、タスクが与えられたとしても一人一人が自分のペースで仕事を進めてしまう可能性があります。
しかし、目標を設定すれば、目指すべきものが明確になります。目指すべきものが明確になれば、自分に足りないものが何かを考え、主体性を持って必要な知識やスキルを向上させるための行動を起こしやすくなります。目標を設定することにより、新入社員の主体的な行動を起こすきっかけになるのです。
このように、設定した目標に向かって何が必要なのかを考え、主体的にアクションに移していくことができる環境を作るためにも目標設定は必要だといえます。目標設定によって、初めて目標達成を見据えたロードマップを想像することができるのです。
モチベーションの向上
目標設定をすべき二つ目の理由は、モチベーションの向上のためです。なぜなら、新入社員が慣れない業務や希望しなかった作業を行う必要がある際に、目標がないと目的やメリットを感じて行動することが難しくなってしまうからです。
例えば、経理の仕事に興味のある新入社員が営業部に配属されてしまったとします。この社員が希望ではなかった営業部において業務に取り組んでいかなければならない際に、何をモチベーションにしたらよいのかという点で悩むことが予測できます。そのような際に、営業部で自身の目標を設定することによって、目指すべき姿を明確に持つことができます。また、達成によってどんな評価が得られるのかを確認し把握できれば、その新入社員は達成時のメリットを感じながら業務に取り組むことができます。
新入社員の多くは、意欲を持って入社しているため、モチベーションが高い傾向にあります。しかし、仕事は必ずしも自分がやりたい業務ばかりをできるわけではありません。そのため慣れない業務や単純作業にストレスを感じ、モチベーションが下がることもあるでしょう。目標が設定されていない場合、希望していない業務の必要性を感じず、成長速度が緩やかになりかねません。
全ての部署での業務が組織としての目標達成へと繋がります。チーム目標・個人目標を設定することは、個人の行いが組織の成果へと繋がっていることの実感にもなるのです。
このように、まずは目標を設定し、慣れない業務や単純作業が目標達成に必要な業務であることを理解すれば、業務内容に関わらず前向きに取り組むことができるはずです。日々のモチベーションを維持するためにも、目標設定は意味のあるものといえます。
現状の把握をして目標までの距離が確認できる
目標設定をすべき三つ目の理由は、現状に不足している知識やスキルなどを把握し、改善に取り組みやすくなるためです。なぜなら、仕事に必要なスキルや知識を十分に把握できてない可能性のある新入社員にとっては、目指す到達点を決めることによって、初めて足りないものを知ることができるからです。
例えば、営業目標がないまま営業活動を行っている社員がいたとします。この社員が毎日何件のアポを取るのか、顧客を獲得するのかがわからずに業務を行っている場合、スキルアップをしたくても何から学んでいけばいいのか、想像しづらくなってしまいます。
しかし、「1日5件のアポを取る」「月間で15人の顧客を得る」等の具体的な目標があった場合に、目標から必要な行動を逆算し「アポを取るために架電数を増やすか、トーク内容を改善する」「顧客獲得率を上げるためにアプローチ方法を改善する、獲得率が高いメンバーにコツを聞く」など、その目標に到達するために努力できるポイントを探しやすくなります。
また、目標を設定することによって、現状と比べて足りないものを探し出し、スキルや能力を身に着けながら日々の業務に取り組む上で、本人の能力アップに繋がるのはもちろんのこと、達成に近づく喜びもやりがいとなります。さらにスキルアップによって能力を身に着けることで、今後の業務の効率化も考えていけるようになります。つまり、「目標を達成するために必要かどうか」といった判断基準ができるだけで、成長速度が上がってくのです。
この先どんなスキルが必要なのかを想像することは容易ではありません。しかし、このように目標を設定し、達成するために何が必要なのかを考えることにより、現状の自分に不足している知識やスキルに気が付きます。現状と目標のギャップを把握できれば、それを埋めるために必要な行動がわかるはずです。
新入社員におすすめの3目標
目標設定は大切、とはいえスキルや技術をこれから身に着けていく立場の新入社員が、最初から成果を出すことは難しいと言えます。そこで、新入社員が目標を達成するためには、立てる「目標の内容」に工夫が必要です。
ここでは新入社員に立ててもらうのにおすすめのフレームワーク「状態目標」「結果目標」「行動目標」の意味と、具体的な目標の例を確認してみましょう。
状態目標
新入社員に立ててもらうべき1つ目の目標は、「状態目標」です。状態目標とは、「こうありたい、という理想の姿」を目標にするものです。
状態目標では、「こういう状態になりたい!」とワクワクするようなものを設定しましょう。このように設定することによって、新入社員に目指したい自己イメージをリアルに想像してもらい、実現させたいというモチベーションに働きかけます。
状態目標の例には、以下のようなものが挙げられます。
- 仕事に必要な資格を取得する
- 語学を活かせるポジションに就きたい
- プライベートの時間を確保したい
このように、自分が叶えたい何かを想像して立てるのか、状態目標です。
行動目標
新入社員に立ててもらうべき2つ目の目標は、「行動目標」です。行動目標とは、「取り組みたい実際の行動」を目標にするものです。
行動目標では、「いつ」「何を」「どれだけ」行動するかを、具体的に目標に組み込みます。結果目標と行動目標の違いは、結果目標は「ゴール」であるのに対し、行動目標は「ゴールに向かうためにすること」を目標に設定しているという点です。
行動目標の例には、以下のようなものが挙げられます。
- 朝の通勤時間に、アプリで資格を学習する
- 半年間でTOEICのテキストを3冊勉強する
- ボリュームの大きい仕事は毎日15時までに完了させる
このように、状態目標を叶えるために行いたいアクションを掲げるのが、行動目標です。
成果目標
新入社員に立ててもらうべき3つ目の目標は、「成果目標」です。成果目標とは、「達成したい具体的なゴール」を目標にするものです。また成果目標は、結果目標または到達目標とも呼ばれます。
状態目標と結果目標の違いは、状態目標が「広い範囲の理想状態」であるのに対し、結果目標のほうが「より具体的でピンポイントなゴール」を目標に設定しているという点です。
成果目標の例には、以下のようなものが挙げられます。
- 1年後には資格試験に合格している
- 海外とやり取りするポジションに就いている
- 余裕を持って業務を終わらせ、毎日定時に退勤できている
このように、状態目標に対し行動した結果、自分が得たい具体的な成果についての目標を掲げるのが、成果目標です。この3つの目標から個人目標達成までのロードマップを想像できると、仕事へのモチベーションアップにも繋がります。
新入社員の目標設定で意識する事
では、実際に新入社員の目標設定を行う際に、具体的にどんなポイントを意識すべきなのでしょうか?
ここでは、効果的な取り組みに変えていくために重要な6つのチエックポイントと考え方を、事例とともにまとめて紹介していきます。
目標が具体的になっているか
新入社員の目標設定を行う際には、目標が具体的であるかを意識することが大切です。なぜなら、目標が具体的なことによって具体的なアクションプランが立てやすくなるからです。
例えば、「顧客と接する機会を増やしたい」という目標を立てるときには、以下のような目標設定が考えられます。
■良い例:一日一回以上、顧客との商談に出席する
→頻度と回数、行動の内容まで言及できている
■悪い例:できるだけ顧客と話す
→どれほどの頻度で、いつ顧客に話せば目標達成になるのかわからない
「一日一回以上」といった具体的な頻度を盛り込んだり、「商談」という具体的な場面を盛り込んだりすることで、目標達成のためにすべき行動が明確になり、より実効性の高い目標となります。このように、目標設定の際には5W1Hの観点も活用しながら、できる限り具体的に言葉にしてみてください。
目標が測定可能な物になっているか
目標が測定できるものであるかも、目標設定において意識したいポイントです。なぜなら、測定が可能なことによって自分の達成状況を知ることができるからです。
例えば「企画書の作成」というテーマに沿った目標を設定する際は、以下のような目標が考えられます。
■良い例:型に沿った企画書を1時間以内で作れるようになる
→どのレベルをどのくらいの時間で仕上げるのかに言及できている
■悪い例:企画書をわかりやすく書く
→企画書のレベル・期日が定まっていない
どのような企画書を何時間で作ることができれば目標達成なのかが明確に測定可能です。このように測定可能な基準を目標に設定することで、目標の達成状況を把握し改善に活かせるようになります。
メンバーが達成したいと思える目標になっているか
メンバーが「達成したい!」と感じる魅力的な目標かどうかも、新入社員の目標設定において意識したいポイントの一つです。なぜなら、「達成したい」というモチベーションこそが自発的な行動を促す原動力となるからです。
新入社員の目標設定をする際には、上司から一方的に目標を提案し、本人に押し付けてしまうことが少なくありません。しかし、自分自身で決めていない、周囲や誰かに与えられた目標では目標達成の意義や意味を見失ってしまいます。
そのため、目標設定の際には新入社員の意欲や興味をヒアリングしながら、組織目標と新入社員の目標が重なるような内容にすることを意識しましょう。新入社員が「心からやりたい」とモチベーションをもって取り組めるような内容になっていることが重要です。
達成不可能な目標になっていないか
達成不可能な目標設定になっていないかどうかも、新入社員の目標設定における重要なポイントです。なぜなら、高すぎる現実的ではない目標設定では、達成している状態がイメージしづらく、モチベーションを低下させる逆効果を生んでしまうからです。
例えば営業に関する目標として、以下のようなものが考えられます。
■良い例:一日に5件、新規顧客を訪問する
→スケジュール的に無理がなく、日々達成することでやりがいも感じられそう
■悪い例:一日に50件、新規顧客を訪問する
→あまりにスケジュール的に無理がある
十分達成できる内容であれば、目標達成に向けて取り組むべきアクションが明確になります。さらに、目標達成できたことで自信が生まれ、モチベーション向上や新しいチャレンジへの促進が期待できるでしょう。
目標達成の期限が設定されているか
目標達成の期限を設定されているかどうかも、新入社員の目標設定において重要なポイントです。
具体例としては、以下のようなものが考えられます。
■良い例:12月までに、上司の担当案件を5件引き継ぐ
→いつまでに、何をどのくらい行うかが言及されている
■悪い例:案件を上司から引き継ぐ
→いつまでという期限が記されていない
良い例では、「12月まで」という具体的な期限が盛り込まれています。このように期限を設定することで、期限から逆算して今行うべき行動を洗い出すことができるのです。
また、期限付きの目標は中長期的、短期的な目標へと細分化することもおすすめです。例えば上記の目標であれば、「8月までに3件引き継ぐ」「6月までに1件引き継ぐ」といった方法での分割が考えられます。このように、1ヶ月、1週間、1日といったいくつかの単位で進捗状況の目標を分割することで、自分がいつまでに何をするべきなのかわかりやすくなるのです。
上司とメンバーで話し合って決めた目標になっているか
上司やメンバーと話しあって、客観的なアドバイスを取り入れた目標になっているかも大切なポイントです。なぜなら、新入社員にとってはどのくらい高い目標であれば、どのような内容であれば適切なのか、想像することが難しいからです。
そのため、上司が客観的なアドバイスを提供することも、新入社員の目標設定を成功させるポイントです。ただし、先ほども述べたとおり上司が一方的に目標を押し付ける形にならないような注意が必要です。もちろん最初の頃は、新人が自分で目標を定めることが難しいので、上司が決めるしかないというシチュエーションが発生することもあります。
その際には、最低でも目標を設定した背景とその意図について説明し、お互いが納得した状態を作り上げましょう。また、新入社員が自分で目標を設定した場合には、上司が定期的に助言やフィードバックを行いましょう。客観的な意見をもらうことによって、新入社員は自分に今何ができていて、何が足りていないのか明確に認識できます。
また、上司がフィードバックを提供することで、自分一人では難しいような軌道修正もできるようになります。上司からのフィードバックを通じてアクションを調整すれば、目標達成できる確率が上がり自信もつき、今後の部下の成長につながります。
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新入社員向け目標設定の例文
では、新入社員は実際にどんな目標設定をしているのでしょうか?
新入社員が目標を持つようなスキルや業務とひとえに言っても、社会人をスタートさせてから最初に覚える業務は会社によって異なります。
一般的な新入社員は、「ビジネスマナー」「社会人としてのマインドセット」「コンプライアンス」のような業界に順応するスキルから身に着けることもあれば、配属先によっては「ロジカルシンキング」「ExcelやWordなどの基本的なPCスキル」が必要とされる場合もあります。
この章では、これらのスキルを学ぶ準備としての新入社員の目標設定に、どのような具体例があるのかを紹介します。
基本的なPCスキルに関わる目標設定の例
ExcelやWordを代表とするOAスキルは、営業に配属になっても人事などのバックオフィスに配属になっても必要です。また、社会人としてのキャリアを長い目で見たときには回避できない、必須スキルとも言えます。
基本的なPCスキルに関わる目標設定は以下が主な例となります。
- 3ヶ月間で、Excelの基本的な操作を学び、業務で実践する
- 1年間で、Excelで関数を使ってデータの分析とグラフ化ができるようになる
- 半年間で、Wordを使って資料を会議で使用できるレベルで作成できるようになる
このように、基本的なPCスキルは業務の幅を広げたり、効率化には欠かせません。いつまでに、どの業務を覚えるかを明確に設定できる職種だと思います。例文のように、なるべく具体的に設定しましょう。
マインドセットに関わる目標設定の例
新入社員は社会人としての規則や規範を知らず、中にはまだ学生気分だったり、サービスを受ける側の気分が抜けていない人もいるでしょう。そのため、マインドセットを身につけ、社会人としての心構えや組織での振る舞いを身につける必要があります。
社会人としてのマインドセットの目標設定は以下が主な例となります。
- 何をしたらいいかわからない時は、仕事が来るのを待つのではなく自ら仕事を貰いに行く
- ミスが起きた際には隠さず、すぐに上司に連絡する
- アイデアが必要なシーンでは、他のメンバーに任せ過ぎず主体的に発言する
このように、学生やお客様気分ではなくビジネスを動かす組織の中の一人として、責任を持って業務に取り組める人材が求められています。マインドセットに関する目標は抽象的になりがちですが、例文のように行動の内容を具体的に言語化することによって、適切な目標を設定できます。
ビジネスマナーに関わる目標設定の例
社会人になったら身に着けたいスキルの一つに、ビジネスマナーを思い浮かべる人も多いでしょう。挨拶から始まり、名刺の渡し方や言葉遣いなど、学生時代には触れる機会の少ないビジネスマナーですが、ビジネスの機会においては失礼のないように働くために必須なスキルです。
社会人としての基礎でもあるビジネスマナーの目標設定は、以下が主な例となります。
- 出勤・退勤時には社員同士ではきはきと挨拶をする
- 電話対応や伝言の際に必ずメモを取り、担当者に正しく引き継ぎを行う
- ビジネスメールでは、正しい尊敬語や丁寧語を使い文章作成をする
このように、一見当たり前に見える内容でも、実際に意識して行動している人と意識していない人では、周囲からの印象が変わります。信頼関係の基礎ともなるビジネスマナーにおいては、失礼のないよう自ら意識して気を付けることが大切です。
ロジカルシンキングに関わる目標設定の例
ロジカルシンキングは、一定のレベルを保ってスムーズに業務を進めるためにも、社会人に必須のスキルです。どのような職種に配属となっても、論理的に説明したり、考えたりしなければならない場面は多く訪れます。
ロジカルシンキングの目標設定は以下が主な例となります。
- PCDAサイクルを考え、自らの業務の役割を整理することができる
- 上司への報告や説明を、結果・原因・分析に分けて話すことができる
- 因果関係を正しく把握し、課題解決に取り組める
このように、自分の理解度とチームめばーの理解度を同じくらい深く落とし込むためにも、ロジカルシンキングは必要なスキルです。繰り返していくことによって身についてくるものではありますが、もし不安があれば上司に客観的なフィードバックを求めるのもおすすめです。
【職種別】新入社員の目標設定の例文
では、職業やポジションによってそれぞれの目標はどのように掲げられているのでしょうか?
ここでは、職業・ポジション別に新入社員の目標例を紹介していきます。
営業職
営業職とは、企業や組織が提供する製品やサービスを顧客に販売することを主な職務とするポジションです。営業職の主な目的は、顧客との関係構築を通じて売上を増やし、市場シェアを拡大することです。
営業職の仕事の流れにおいて、担当者はまず顧客とのニーズや要求を理解し、企業の製品やサービスがどのようにそのニーズを満たすかを説明します。そのためには、製品やサービスの特長や利点を理解し、顧客のどのニーズに最適であるかを分析する能力が求められます。
さらに、営業職は市場調査や競合分析を行い、戦略スケジュールを立てて顧客を開拓し、新規顧客を獲得することも重要な役割です。既存顧客との関係を深め、顧客満足度を高めることも、リピート購入や口コミでの新規顧客獲得に繋がります。
- 目標例
- 9月末までに、一人で新規の相談から提案、受注までのトータルアプローチをできる状態になる。
- 3月末までに新規顧客から100万、継続案件で150万分、サービスの契約を獲得し、顧客満足度も平均以上の数字を獲得する。
- OKポイント
- どうやって、何を、いつまでに達成したいかのプロセスが具体的。
- また、「顧客満足度の獲得」という信頼関係に関わる情報が、数値でも測定できる状態で言及されている。
営業職の中には、数字に追われて、とにかく目標数字を達成したいという雰囲気の影響から、いつの間にかクライアントとの関係性が疎かになってしまう場合があります。しかし、組織として「クライアントと築いてほしい関係性」が予め目標の中に含まれていることで、顧客からの視点も意識していけるようになるでしょう。
事務職
事務職とは、企業や組織内で事務的な業務を担当する職種です。一般的にはオフィスワークとも呼ばれ、組織の円滑な運営や業務効率を支える役割を果たします。具体的な業務内容や責任は企業や組織によって異なりますが、一般的には以下のようなものが挙げられます。
- 文書管理とファイリング:書類や資料の整理、保存、データベース管理など
- スケジュール管理と会議運営:上司やチームのスケジュール調整、会議やイベントの手配や運営
- 電話応対と来客対応:電話やメールでの問い合わせ対応、来客の案内や応対
- 経費精算と購買管理:出張経費や請求書の処理、オフィス用品や消耗品の調達と管理
- データ入力と処理:手書きの情報や電子データの入力、データの整理と報告書の作成
【目標例】
6か月目までに毎月の経費処理、振り込み対応、振り込み確認、給与振り込み対応を1人でできるようになり、数字の違和感や誤りにも気付けるようになる。
【OKポイント】
何をできるようになっていればいいかが明確で、誰が見ても同じように解釈ができる内容になっています。この目標があると、新入社員自身で、自分ができていない作業に気づき、学ぼうとする行動も起きやすいでしょう。
事務職は組織内の基盤を支える重要な役割を担い、効率的な業務運営と情報管理を確保することが求められます。個人情報を扱うこともあるため、正確で、漏れの無い対応をすることが求められています。
エンジニア職
エンジニア職とは、科学や数学を応用して技術的な問題を解決し、製品やシステムの開発、設計、および保守を担当する職業です。エンジニアは、ITなどのさまざまな分野で活躍し、技術革新や円滑化に寄与する役割を果たしています。
【目標例】
一年後には保守運用ができるようになっており、○レベル(〇〇会社)の内容は仕様書をみてコーディングすることができる。
半年後の特定の技術認定試験(例えば、AWS 認定ソリューションアーキテクト、Microsoft Certified Azure Developer など)の資格取得を目指す。
【OKポイント】
業界で共通認識がある「レベル」や「具体的に担当している会社の案件」など、どの程度のスキルを求められているのか、新入社員でも理解できる内容になっています。
技術的なスキルに関しては案件により難易度が変ってしまうため、どの程度のレベルを目指すかに言及できているのがよいです。
期限を決めた試験合格という目標は、ロードマップを考えやすく設定できています。
エンジニアは常に技術の進化に敏感であり、新たな課題に対処しながら、革新的な解決策を提案し続けることが求められます。
新入社員の目標設定・達成をサポートする施策
では、このような新入社員の目標設定と目標達成をサポートできる、効果的な施策はあるのでしょうか?
ミーティングの活用方法や、eラーニングの効果的な導入方法、OJT研修の有効的な実施について解説していきます。
研修を実施する
新人を対象とした目標設定・達成のサポートには、社員研修が代表的な方法としておすすめです。社員研修の実施によって、ビジネスマナーや上司との報連相などのスキルを伝え、職種ならではの基礎知識をシェアし目標の設定、そして目標達成までをサポートすることができます。
研修の方法の一つとしては、OJTとOFF‐JTの組み合わせがおすすめです。OJTとは”On-the-Job Training”の略で、実際の仕事を進めつつ、先輩や上司からマンツーマンで直接指導を受けることを指します。反対に、OFF-JTとは「OFF the Job Training」の略で、実践の場を離れてセミナーや社内外での研修、オンラインでのeラーニングを行う教育方法のことです。
知識のインプットがメインのOFF-JTに比べ、OJTは知識のアウトプットをその場で行いながら、先輩社員と共に業務に携われる点に違いがあります。新入社員のサポートには、OFF‐JTによって目標設定を行い、OJTで目標達成を目指しながら伴走し、スキル習得をフォローする方法が適しています。
例えば、目標設定の際には先にOFF‐JTによって理念や業務内容のインプットを行います。この段階は、主に後のOJTにおける実践に向けた準備を行います。OJTでは先輩社員が「やってみせる」「言って聞かせる」「させてみる」「ほめる」の4ステップで目標達成までの進捗管理を行っていきます。
目標達成までの期間において、経験のない新入社員がどのくらいのペースで、何をこなしていけば成果が出せるのかは手探りになります。このような状態では、基準や正解が分からず、一向に達成までのペースを掴むのが難しくなってしまいます。
そのため、先輩社員が目標達成までの進捗の進め方の習得をサポートすることで、体感として実際の段階を学んでもらうことが近道となります。
目標までの期間が終了した後にはフィードバックも欠かせません。これまでの成長をOJTトレーナーとともに振り返ることで、新入社員は自分の仕事ぶりに自信を持つことができます。新入社員のモチベーションを維持してあげることで、新入社員は次の目標にもポジティブな気持ちで臨むことができるでしょう。
このように、OFF‐JT・OJTは適切に行い分けることによって、新入社員の目標設定・達成までの経験をサポートし、組織でビジネスを行う仲間として向き合うことができます。
1on1ミーティングを行う
新入社員の目標達成のサポートには、1on1ミーティングの導入も検討してみましょう。1on1ミーティングは、上司と新入社員が1対1で話すミーティングのことです。
目標管理に1on1ミーテングを用いるメリットは、大きく分けて3つあります。
1つ目は、マンツーマンでじっくり話すことができるため、目標達成に向けた業務に対するアドバイスやフィードバックを個々に提供できる点です。グループやチームでの会議では、わからないことがあっても聞きづらいと感じてしまう新入社員も少なくないです。そのため、マンツーマンという状態で上司に直接質問ができるこの方法は、新入社員に安心感を与えることができ、個人に合わせたサポートも行いやすくなります。
2つ目は、1on1ミーティングで定期的に目標の達成状況を振り返れば、目標達成に向けた軌道修正やアクションプランの策定が行える点です。1on1ミーティングで上司が密なフォローアップを行うことで、達成状況に対する細やかなアドバイスやサポ―トが可能になり、新入社員の目標達成に向けたモチベーションと行動を継続しやすいです。
3つ目は、メンバーが抱えている課題に上司が直接アドバイスできる点です。なぜなら、個別の対話を通じて自身の悩みを打ち明けやすい環境と時間を提供することができ、目標の進捗や課題を詳細に把握し、個々のニーズやモチベーションに効果的なサポートやアドバイスを提供できるためです。
例えば1on1ミーティングが行われておらず、複数人でのミーティングのみが行われているとします。複数人で行われるミーティングにおいては、どうしても発言や相談ができない人が、上司と話すことができずに終わってしまうこともあるでしょう。また全社研修等が開かれても、一人ひとりに合った改善活動までは注力できないといったデメリットもあります。
しかしこのような課題には、個別の1on1ミーティングによってアプロ―チすることが可能です。1on1ミーティングによって一人一人に時間を取って向き合うことで、業務におけるつまづきや疑問点を明確に洗い出し、共に目標達成に向けた取り組みを行うことが可能になります。
このように、目標管理において1on1を導入することでメンバーとマネジメント側間のコミュニケーションが円滑となり、目標管理における課題のサポートがしすくなります。
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まとめ
以上のように、新入社員の目標設定のポイントをきちんと理解し、効果的にサポートすることによって、社会人としての成長に向けたスタートダッシュが可能になります。
そのためには、新入社員研修の段階からきちんと目標設定を行い、目標達成に必要なスキルや能力を具体的に意識させることが重要です。また、早期に目標達成の経験をすることでモチベーションを高めたり、成功体験が自信にも繋がります。 今後、新入社員にキャリアと機会を多く提供するためにも、この記事でご紹介・解説した特徴や具体例を参考に、会社でのより良い人材育成に活かしてしてみてください。
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