1on1ミーティングの5つのルールとは?定着率が上がるルールの作り方を解説!

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1on1ミーティングの5つのルールとは?定着率が上がるルールの作り方を解説!

1on1ミーティングは、アメリカのシリコンバレーで人材育成を目的として確立された手法で、日本でもヤフー株式会社などが取り入れたことから注目を集め始め、2020年には、規模に関わらず約4割の企業が導入しています。

1on1ミーティングを導入し始めている企業が多い中「なかなか定着しない」「社員が実施してくれない」など1on1の定着・浸透に悩む企業様が多いように思われます。
また、リモートワークなど環境が変わりつつある昨今、1on1の運用を見直している方もいるかもしれません。
そこで、1on1の定着に非常に効果的な公式ルールの作成方法や設定するメリットまで、本記事で解説していきます!

そもそも「1on1ミーティングとは?」を知りたい方はこちらの記事をご覧ください


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1on1ミーティングの定着にはルールが重要

1on1ミーティングの定着には公式のルールを設定することが非常に重要です。

1on1に限らずあらゆる人事施策は、どんなに素晴らしくとも「現場への押しつけ」と捉えられるとうまくいきません。
「ただでさえ忙しいのに会社が人事部がまた何か始めたぞ、めんどくさいな」なんて思われないために日々の業務で忙しい現場マネージャーの本音を理解して、寄り添い、巻き込みながら運営チームと現場マネージャーが一体となって公式ルールを定着させることをオススメします。

ある程度の形式的なルールがあることによって、現場マネージャーたちも1on1のやり方を理解し、効果的な1on1を実施するきっかけとなります。。
また、1on1の目的の浸透にも役に立ち、人事施策としての1on1の目的も達成できるようになるでしょう。

1on1ミーティングの公式ルールを設定するメリット

それでは、1on1ミーティングの公式ルールを設定するメリットを解説していきます。

1on1の公式ルールを設定することで期待できるメリットは以下の3つです。

  • 1on1ミーティングが定着する
  • 実施のばらつきが生じにくくなる
  • マネージャー・メンバーのガイドラインになる

1on1ミーティングが定着する

まず第一に、1on1ミーティングのルールを設定することで、1on1ミーティングが定着します

1on1の実施頻度や時間、話した内容のメモの保管方法など実施に関する事項についてのルールを設定します。

  • 静かな環境で参加する
  • 1on1中はカメラをつけ、ミュートは原則しない
  • 相手が話し終わってから話す
  • うなずきや相槌などで積極的に反応を示す

などの実施に関しての姿勢のようなものまでルールを設定するとより浸透が促進される場合もあります。

これらのルールも経営層や人事部が勝手に決めて押し付けるような形でなく、現場の声をきちんとしながら、ルールを設計していくことが重要です。

実施のばらつきが生じにくくなる

1on1ミーティングのルールを設定することで、実施のばらつきが生じにくくなります

1on1の頻度や時間をルールとして設定することで、定期的に1on1を実施する習慣が現場層に浸透します。
もし、実施頻度などがルール化されていないと、忙しい現場では「1on1なんかしている暇がない」と導入直後が特に低い1on1の優先度もあり、1on1そのものが実施されないということも多々あるでしょう。
1on1の頻度等をルールとして設定することで、実施回数に関するばらつきを抑えることができるでしょう。

また、組織として話してほしい内容をアジェンダ化して、ルールとして設定することもおすすめしています。
上司・マネージャーの中には、1on1で何を話して良いのか分からないため、1on1を実施したくないという人もいるでしょう。
マネジメントスキルに長けている方と上記のようなそうでない方では、1on1の質にばらつきが生じてしまいます。

1on1のルールとして話してほしい内容を明記することで、1on1の質を一定担保できるようになります。

マネージャー・メンバーのガイドラインになる

1on1ミーティングのルールそのものがマネージャー・メンバーなど現場層のガイドラインとなります。

特に1on1導入期でよく見られる光景で、「1on1を実施しろ」と言われたけれど、どうすれば良いのか分からない」と困っているマネージャー・メンバーを多く見受けられます。
そのため、「最近どう?」「あれどうなった?」といった会話に終始しがちな1on1が頻発します。
このような状態では1on1の効果が感じられないだけでなく、1on1の時間が無駄となり、形骸化してしまいます。

そのため、絶対に守ってほしいルール(実施頻度・時間など)を設定し、1on1の目的や理想的なコミュニケーションなどの一種のガイドラインとしてのルールも設定すると良いでしょう。
1on1の目的や実施する意味・意図、理想の姿をマネージャー・メンバーが理解することで、1on1の質が上がり、効果を実感することで、1on1が定着するようになるでしょう。

1on1ミーティングの設定するべきルール

1on1ミーティングで設定するべきルールの項目について解説していきます。
1on1で設定するべきルールは以下の項目です。

  • 1on1で話す内容の公式アジェンダを作成する
  • 1on1の実施目的を明確化する
  • コミュニケーション指針を作成する
  • 1on1の頻度・時間を設定する
  • 1on1のメモを残す場所を用意する

1on1で話す内容の公式アジェンダを作成する

まず、1on1ミーティングの定着に最も効果的なものが「話す内容を公式アジェンダとして設定する」ことです。
1on1ミーティングの公式アジェンダには、以下の3つの要素を盛り込むことが大切です。

  • 組織として話してほしいこと
  • 上司・マネージャーが話したいこと
  • 部下・メンバーが話したいこと

この3者がお互いに話したいことを話せる仕組みを作ることで、1on1の定着率が非常に高まります。

組織としてで話してほしいこと

組織として1on1で話してほしいことは「企業理念・行動指針(バリュー)などの企業文化に関すること」と「解決可能な離職リスクを抑制するため、体調不良やモチベーションの低下などを早期に把握すること」、「納得度の高い公平な人事評価の実施のため評価材料を集めること」などがあるでしょう。

それぞれの項目に関するアジェンダに盛り込む具体的な質問は以下のようなものが考えられます。

  • 企業理念・行動指針(バリュー)などの企業文化に関すること
    • 「〇〇」という行動指針・バリュー体現のために行ったことは何ですか?
    • バリューに沿って心からの賞賛を自分以外のメンバー1人に贈るとしたら誰でしょうか?
  • 解決可能な離職リスクを抑制するため、体調不良やモチベーションの低下などを早期に把握すること
    • 最近眠れていますか?体調は大丈夫でしょうか?
    • 仕事量は問題なさそうでしょうか?
    • 周りの人とは問題なくやれていますか?気になることはありますか?
    • 今、特に気になっていることはどんなことですか?
  • 納得度の高い公平な人事評価の実施のため評価材料を集めること
    • この評価期間において自分に評価をつけると10点満点中何点でしょうか?
    • 点数の理由は何でしょうか?
    • この評価期間で残した結果と成功(または失敗)の要因は何でしょうか?

上司・マネージャーが話したいこと

上司・マネージャーが話したいことは「目標の進捗や達成度」についての場合が多いです。
一般的に1on1では、「部下の話だけを聞きましょう」「部下の時間にしましょう」と上司の話はしてはいけないという風潮があります。
これは「海外の1on1事例」をベースに話されることが多いことが要因です。海外は成果重視で解雇がしやすいため、元々業務コミュニケーションの質が日本より高いうえに、書籍で紹介されている有名企業のGoogle社やYahoo社など「個人力が圧倒的に高い」企業だから成立している側面があります。

上記のような認識を徹底すると、特にミドルマネージャーのマネジメントレベルが低い企業は非常に失敗する確度が高まりますので、マネージャーが話したい「目標の進捗管理に関する内容」をアジェンダに入れることがおすすめです。

具体的には以下のような質問項目が考えられます。

  • 次の評価期間で目標にしたいことを教えてください(期初)
  • あなたの目標が全体目標とどのように繋がっているのかわかりますか?
  • 目標を達成する上での懸念点やハードルは何かありますか?
  • 目標を達成するために具体的にどのように行動していきますか?

部下・メンバーが話したいこと

一般的に1on1では、業務に関する話はせずに、部下のキャリアやモチベーションについて聞くようにしましょうとされています。
実際は、部下も業務や仕事に関する話をしたいと感じています。
株式会社オーが実際に1on1を実施している方達にアンケートを実施したところ、部下が話したいと思っていることは「個人・キャリアの話」と「会社・業務の話」に大別されることがわかりました。
実際に部下が話したいと思っていることは以下の通りです。

1on1で従業員・メンバーが話したいことトップ9
  • 個人・キャリアの話
    • 業務を通して実現したい個人のキャリア・なりたい姿・価値観の共有
    • 個人の目標を設定すること
    • 個人の目標の進捗状況
  • 会社・業務の話
    • 会社や部署の目的や目標について認識を揃える
    • 業務において発生する課題やその原因の分析
    • チーム(部署)に対する意見や悩みごと
    • 業務改善のための対策やネクストアクションの整理
    • 会社に対する 意見や悩み事

その他にも「1on1をする目的について話し合うこと」について話したいという意見も見られました。
個人・キャリアの話の中にも、業務や目標に関することなど、日常業務に関する話題が多く見られました。
このような内容を参考にメンバーの話したいことも含めたアジェンダを作成すると良いでしょう。


「組織として話してほしい内容」がテンプレートとして設定できる1on1ツールは「Co:TEAM(コチーム)

コチームアジェンダテンプレート機能
  • 組織として話してほしいことを全員の1on1に反映できる組織アジェンダ機能
  • 部下ごとに質問のテンプレートを決めれる個人テンプレート機能
  • 社内で良かったテンプレートを共有できる共有テンプレート機能
  • コチームがおすすめするアジェンダテンプレート

1on1の実施目的を明確化する

1on1ミーティングのルール設定で重要なことが「実施目的を明確にする」ことです。
1on1の実施目的は企業によって様々でしょうが、大きく以下のようなものがあります。

  • 従業員の成長を促進
  • 上司・部下間の信頼関係の構築
  • 目標の達成力の向上
  • 部下の自律的なキャリア支援

これらの実施目的を明確化して、経営・人事部と現場の上司・マネージャーと共通認識を持つことで、適切なコミュニケーションが実施できます。
そのため、1on1のルールブック等の冒頭に1on1の実施目的を書いておくと効果的でしょう。

1on1の頻度・時間を設定する

1on1ミーティングの頻度・時間を明確にルールとして設定しておきましょう。

1on1ミーティングは「上司とメンバーが1対1で定期的に行われる対話の時間」ですので、実施頻度や時間は明確には決まっていません。
しかし、ルールとして頻度や時間を設定しておかないと、実施目的を達成できるような効果的な1on1は実施されないでしょう。

1on1はできるだけ高頻度で実施することが重要ですので、週に1回30分をルールとして設定することをおすすめしています。

どうしても現場層の反発が強い場合には隔週に1回、月に1回など頻度を調整したり、1回15分など時間を短くしても、従来の評価面談のように3ヶ月や半期に1回の実施よりも良くなるでしょう。

1on1導入前に事前研修や説明会を実施して、しっかりと現場層に1on1の目的や重要性を理解してもらい、できるだけ高頻度で実施できるようにすることが重要です。

1on1の効果的な実施頻度や時間については下記の記事をご覧ください!

コミュニケーション指針を作成する

1on1の公式ルールと共に、1on1のコミュニケーション指針を用意しておくと良いでしょう。

例えば、「メンバーの悩みを聞く」「耳を傾ける」「一方的な意見や指導をしない」などの傾聴の姿勢や、「内省の促す」「気付きを与える」「解決策を導き出させる」などのコーチングの姿勢など、様々な1on1の場面に対応できるようなコミュニケーションにおける基本的な内容を設定しておくと良いでしょう。

また、それぞれにおいて具体例を示してあげることで、従業員はだんだんコツを掴んで効果的な1on1を実施できるようになるでしょう。


1on1の時に重要な「傾聴」や「承認」の具体的なやり方について解説!
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1on1のメモを残す場所を用意する

1on1ミーティングを会社の制度として実施する場合は特に、1on1のメモを残す場所を用意することが重要です。
1on1は従業員の悩みや課題など現場の情報がたくさんあります。それでは宝の持ち腐れで、もっと1on1で起こっていることをオープンにする必要があります。
1on1で話した内容を記録しておかないと、それらの情報を活用できないだけでなく、1on1の実施状況や内容などをモニタリングすることができなくなってしまいます。

そこで、ツールやエクセルなどを使って、1on1時に取ってもらうメモのフォーマットと管理場所を用意しておくことが必須です。

1on1の記録を残すことで以下のようなメリットが期待できます。

  • 前回の1on1内容を一目で思い出せる
  • 「言った・言わない」を予防できる
  • 評価時の工数を劇的に削減できる
  • 宿題事項を漏れなく進捗確認できる
  • 部下の成長記録として使える
  • 異動時に引き継げる

このように人事部の施策への応用だけでなく、現場マネージャーのサポートにもなるため、1on1のメモを取るルールを設定することをおすすめします。

1on1を現場の負担なく定着させるツールは「Co:TEAM(コチーム)」!

1on1の際に現場の負担となる部分を全て解決!
・定期的なスケジュール設定/管理
・1on1のメモを書き、保存する
・1on1で話す内容を準備する

ココが選ばれる理由「Co:TEAM(コチーム)」の1on1機能

・1on1で話した内容をチャット形式で簡単に記録・管理・保存できる!
・1on1で話すことに困らないアジェンダテンプレート機能!
・1on1の実施率・アジェンダの使用率がわかる分析機能!

まとめ

1on1の質を高め、効果を最大化するためには公式ルールを設定することが非常に重要です。
1on1を効果的に実施するために、この機会に公式ルールの作成を進めてみてはいかがでしょうか?

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1on1に関するよくある質問(Q&A)

ここからは1on1ミーティングに関するよくある質問について答えていきます。

1on1ミーティングを実施するメリットは?

1on1ミーティングを実施することで以下のようなメリットが期待できます。

  • 上司と部下の間に信頼関係を構築でき、心理的安全性が高まる
  • 部下の変化を早期にキャッチアップでき、休職や離職を未然に防止できる
  • 部下のモチベーションが高まる
  • 納得度が高い評価を実施できる
  • 上司・マネージャーの人事評価業務の工数を削減できる
  • 部下の目標達成力が高まる
  • 部下の成長プロセスが明確になり、社内教育に活用できる

効果的なマネジメントは部下の特徴・特性に合わせたコミュニケーションだった!?
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1on1ミーティングで重要なスキルとは?

1on1ミーティングで必要な能力・スキルは以下の4つです。

  • 傾聴力(コーチングスキル)
  • 承認力(フィードバックスキル)
  • 問題解決/提案力(ティーチングスキル)
  • 質問力
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1on1ミーティングの導入企業例を知りたい人はこちらの記事をご覧ください