1on1ミーティングの9ボックスとは?9つのテーマで効果的な1on1を実現

1on1ミーティングを実施している人の中で「すり合わせ9ボックス」という言葉を聞いたことがある人はいるのではないでしょうか?
これは組織人事コンサルタントである「世古詞一」さんが提唱した1on1で話すべきテーマを体系化したものです。

本記事では1on1ミーティングの「9ボックス」について具体的な活用方法をご紹介していきます。

参考文献)世古詞一著『対話型マネジャー 部下のポテンシャルを引き出す最強育成術』日本能率協会マネジメントセンター(Amazonのリンクに接続します)

そもそも「1on1ミーティングとは?」を知りたい方はこちらの記事をご覧ください

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1on1ミーティングにおける9ボックスとは?

1on1ミーティングにおける「9ボックス」は、組織人事コンサルタントである世古詞一氏が提唱した「すり合わせ9ボックス」のことです。
1on1ミーティングでの対話での目的を「従業員の継続的な成果創出、モチベーション向上、成長促進、働きがい向上のために必要な業務・個人・組織に関する諸認識をすり合わせること」として定義しています。

「すり合わせ9ボックス」は、定義に沿った1on1で話すべきテーマを9つに分類したものです。
上司と部下が話すべき軸として「組織」「個人」「業務」の3つの軸「過去」「現在」「未来」という3つの時間軸で区切った9つのテーマを、上司と部下が対話すべき全体像としています。

9ボックスとしてそれぞれ、以下の9つの項目が設定されています。

  • 理念・制度・カルチャー
  • 人間関係
  • 組織方針
  • パーソナリティ
  • ライフスタイル
  • 将来キャリア
  • 振り返り
  • 業務不安
  • 業務改善

3つのレベルにおける対話

すり合わせ9ボックスの3つのレベルと対話の焦点

それでは「すり合わせ9ボックス」の主要な軸である3つのレベルについて解説していきます。
また、3つのレベルに応じて、どの部分を中心に話していくのかについてご説明します。

3つのレベルは以下の通りです。

  • 組織レベル
  • 個人レベル
  • 業務レベル

組織レベルの対話

組織レベルの対話とは、主に組織やチームに関するテーマのことを話します。
このレベルの対話の目的は「主に上司が持っている情報(会社の方向性やチームの方向性など)を部下に伝え、共感してもらうこと」です。

上司と部下の間では、入ってくる情報が異なります。上司は組織のマネジメント層である以上、会社や部署の方針について議論したりする場合が多いでしょう。
そのようなマネジメント層の上司とメンバーレベルの部下とでは、情報に対する視座が異なります。

この視座が異なったまま話を進めてしまうと、部下は「なんとなく分かったけど、その本質や目的を理解していない」という状態に陥ったり、上司から納得できない目標を突きつけられたと反発を生んだりしてしまいます。

そのようなことを防ぐために、部下に対してきちんと上司の視座の情報を伝えて、共感してもらうことが重要です。

個人レベルの対話

個人レベルの対話は、主に個人の成長やライフスタイルに関するテーマのことを話します。

このレベルの対話の目的は、主に「個人の成長」に焦点を当てて、中長期的に成果を出していくための土台を作ることです。いわゆる、人材育成や人材開発の領域です。

個人レベルの話をすることによって、部下の能力・資質を伸ばしたり、キャリアの方向性など自分の軸を作っていく形になっていきます。
また、先ほどの組織のレベルの話と組み合わせて行うことで、組織の目標と個人の目標が繋がり、上から押し付けられたものではない納得感のある目標となります。

業務レベルの対話

業務レベルの対話は、主に業務から派生するテーマのことを話します。

このレベルの対話の目的は、主に「成果」に焦点を当てて、「担当業務がどのように成果が繋がっているのか」「その業務は効率的に行えているのか」などの業務進捗や懸念点、改善策について話し合うことです。

業務レベルの対話を行うことにより、日々の業務の中で生じる悩み・不安を把握、解決することができます。
また、過去の業務の振り返りを行うことで、部下の成長も促進することができるでしょう。

1on1で対話するべき9つのテーマ

すり合わせ9ボックスの9つのテーマ

3つの対話のレベルを時間軸(過去・現在・未来)に分け、話すべきテーマを分類している「すり合わせ9ボックス」について解説していきます。

世古氏はボックスという表現のことを「それぞれのテーマが人の頭の中の箱に詰まっているイメージを表現している」と言っています。
そのため、1on1で各テーマについてそのボックスを開いて、中身を探すように深掘りをしていく意識を持ちながら対話を進めていくと良いでしょう。
一方で、世古氏は9ボックス全てを部下全員と話す必要はなく、あくまで話してほしいテーマの指標としてほしいと言っています。

何を話すべきなのかわからないと悩んでいる方は、9ボックスの内容を参考にして、1on1を実施していくと良いでしょう。

組織レベルのテーマ

組織レベルのテーマはそれぞれ以下の通りに分類されています。

  • 組織レベル×過去:理念・制度・カルチャー
  • 組織レベル×現在:人間関係
  • 組織レベル×未来:組織方針

それでは、各テーマについてのポイントを紹介していきます。

組織レベル×過去:理念・制度・カルチャー

理念・制度・カルチャー」では、組織の理念や制度など、組織の歴史や文化について話していくテーマです。

例えば、企業理念や行動指針などに対して「なぜそのような理念や行動指針が作られたのか」「どのような行動が行動指針に則したものなのか」などについて深掘りをしていくことで、組織に対しての理解を深めていく対話が考えられます。
また、評価制度について話し合うことも納得度の高い評価の実践のために効果的でしょう。

このように組織の理念や制度など、過去に組織が培ってきたものに関して深掘りをしていくテーマとなっています。
そうすることで、各制度への納得度が上がったり、愛着心が培われたりされる効果が期待できます。

具体的な質問例として以下のものがあります。

  • 企業理念や行動指針でどういう意味かわからないものはありますか?
  • 「〇〇」という行動指針・バリュー体現のために行ったことは何ですか?
  • 評価制度で不明点はありますか?

組織レベル×現在:人間関係

人間関係」では、現在のチームメンバーや上司自身の状況などについて話していくテーマです。

部署やチームに関する部下の悩みをきっかけとして、他の人の状況や発言・指示の背景などを詳細に話すことで、部下と事実の認識の差をなくしていきます。

そうすることで、情報がアップデートされ、お互いの状況が理解できることで、部下の悩みが解消されることも多々あるでしょう。
人間関係に関する話をすることで、離職でよくある人間関係の問題の大部分は解消されるようになり、離職の予防につながるでしょう。
また、メンバー間の相互理解も深まることで、連携の強化や部下のモチベーション向上にもつながります。

具体的な質問例として以下のものがあります。

  • 最近、調子いいなと感じる人や逆に大丈夫かな?と感じる人はいますか?
  • 会社内の人間関係で困っていることや悩んでいることはありますか?
  • チーム内の人で、その人の持ち味が発揮できていないと感じる人はいますか?

組織レベル×未来:組織方針

組織方針」では、今後の組織の方針や全体の進捗など、部下では知り得ない経営層に近いところで行われている議論や問題について共有するテーマです。

上司と部下の情報には格差があるため、しばしば部下は納得いかない指示も受けていることだと思います。
そのような問題を解消するため、今後の方針や戦略を共有し、未来について話していくことで、日常の指示も戦略に基づいたものであると納得できるようになるでしょう。

また、上層部の考えに触れることで、部下の視座も上がり、より経営層と近い視点で業務を行えるように成長する効果も期待できます。

このテーマは、部下から聞き出すというよりも部下の方に情報を伝えるものですので、上層部のみの会議で決まったことやその背景、部下の方にどのような影響が出るのかを伝えると良いでしょう。

個人レベルのテーマ

個人レベルのテーマはそれぞれ以下の通りに分類されています。

  • 個人レベル×過去:パーソナリティ
  • 個人レベル×現在:ライフスタイル
  • 個人レベル×未来:将来キャリア

それでは、各テーマについてのポイントを紹介していきます。

個人レベル×過去:パーソナリティ

パーソナリティ」では、過去部下が培ってきた特性や強み・弱みなどについて話すテーマです。
パーソナリティとは、人の個性や人柄という意味で、その人の行動や判断のもとになる考え方の傾向のことを指します。
そして、人が生まれながらにして持つ性格や素質に加えて、家族や生活環境、周囲との人間関係など、子どもから大人になる成長の過程で次第にパーソナリティが形成されます。

その人が「どうして今この場所にいるのか」「どのような強みがあるのか」などこれまでの人生での経験や行動などの具体的な事象をもとに、部下のパーソナリティを特定していきます。

部下自身が自分のパーソナリティを自覚していることも少ないため、自身の強み・弱みなどに気づかせ、成長につなげていくことが重要です。

具体的な質問例として以下のものがあります。

  • やる気が上がることや下がることはどんなことですか?
  • 自分の強み・弱みは何だと思いますか?
  • 仕事をする上で、好きなタイプや苦手なタイプはありますか?

個人レベル×現在:ライフスタイル

ライフスタイル」では、現在の部下のライフスタイルについて話すテーマです。
ライフスタイルとは、「生活の様式や営み方」という意味です。一般的には、「人生観・価値観・習慣などを含めた個人の生き方」という意味で使われおり、その人の人生観なども含めその人の「生き方そのもの」を指します。

そのため、部下の健康面や趣味、家族についてなど部下の生活全般の事柄や考え方について話します。
特に、体調や睡眠状況など健康面については、離職の前兆となる事柄ですので、聞いておくと良いでしょう。

部下の仕事以外での現在の状況を聞くことで、相互理解が深まり、日常での声の掛け方なども変わってきます。
あまりにもプライベートに踏み込みすぎると、逆に信頼関係が損なわれる恐れがあるので、注意が必要なテーマでもあります。

具体的な質問例として以下のものがあります。

  • 最近眠れていますか?
  • 仕事以外で嬉しかったことや辛かったことは何かありますか?
  • 今ハマっていることや趣味は何かありますか?

個人レベル×未来:将来キャリア

将来キャリア」では、部下の未来のキャリアをテーマに話します。
1on1の導入目的として「自律的なキャリア支援を実施する」ことを掲げている企業も多いことから、話す機会が多いテーマです。

将来のキャリアについて、本人の意向と会社が提供できることについて話し合うことで、未来への期待感や実現可能性が高まり、日常業務に精が出たり、漠然とした不安感の解消につながります。

また、所属している会社で「どのようになりたいか」「何をやっていきたいか」が明確となり、組織への帰属意識も高まるでしょう。

具体的な質問例として以下のものがあります。

  • 将来やりたいことやキャリアの方向性はどのようなものを考えていますか?
  • 今後、どのような能力を伸ばしていきたいですか?
  • 会社内に目指したいと思う人はいますか?

業務レベルのテーマ

業務レベルのテーマはそれぞれ以下の通りに分類されています。

  • 業務レベル×過去:振り返り
  • 業務レベル×現在:業務不安
  • 業務レベル×未来:業務改善

それでは、各テーマについてのポイントを紹介していきます。

業務レベル×過去:振り返り

振り返り」では、過去に実施してきた業務の振り返りを実施するテーマです。

1on1ミーティングは、部下の経験学習サイクルを回すのに非常に効果的な手法です。
経験学習サイクルとは、アメリカの教育学者であるコルブが提唱した「経験から学び成長するためのフレームワーク」のことです。

コルブの経験学習のサイクル
  1. 経験:具体的な経験をする
  2. 内省:行動の振り返り・フィードバック
  3. 概念化:何を学んだかを明らかにする
  4. 実践:次に行うときに学びを応用する

というステップを踏み、人は学習・成長していくとされています。

1on1を効果的に実施するには、STEP2の「内省」とSTEP3の「概念化」を1on1内のコミュニケーションで実施することが重要です。

そのため、過去の業務での経験を振り返ることで、部下は成長していくため、このテーマは人材育成の観点でも非常に重要になります。

経験学習サイクルに沿った1on1を実践するために、以下のような順序で質問してあげると良いでしょう。

  1. 成功した・失敗したプロセスを聴く
  2. 成功・失敗は何に起因したのか
  3. 成功・失敗を再現・予防するために何をすべきか

業務レベル×現在:業務不安

業務不安」では、部下が現在持っている業務に対しての不安を聞き出し、解決していくためのテーマです。

部下は業務を行っている中で、様々な不安を抱えています。
例えば、「業務に優先順位がつけられず、何から手をつけて良いのかわからない」「クライアントへのアプローチに行き詰まっている」など悩みの粒度感は多様です。
これらの悩みを放置していると、部下にとってストレスとなり、生産性を大きく損なってしまいます。

そこで、1on1で抱えている不安を聞き出し、一緒に解決策を模索したり、サポートを提供したりして、悩みを解消していくことが効果的です。

具体的な質問例として以下のものがあります。

  • 今の業務で困っていることや難しいと感じることはありますか?
  • 今の業務の中で、今後の懸念点があれば教えてください。
  • もっと上手くやるために、必要なことやサポートしてほしいことは何かありますか?

業務レベル×未来:業務改善

業務改善」は、業務の効率化や改善点を考えたり、部下が課題と感じていることについて話すテーマです。

例えば、「導入しているサービス・ツールの使い方が非効率である」や「他メンバーの業務進捗がわからない」、「日報を出す意味がわからない」など、部下が考えている業務上で改善が必要な点について話し合います。

このような会話をすることで、上司の目線では見えなかった業務の改善点を発見することができます。
また、実際に部下の意見が反映された業務改善が図られると、部下としても組織の一員として貢献できている実感を持てることで、やりがいを感じることができるでしょう。

具体的な質問例として以下のものがあります。

  • 今のチームや部署を良くするためにもっとこうした方が良いと感じている部分はありますか?
  • 業務をしている中で、もっとここを仕組み化できたら良いとか非効率と感じていることはありますか?
  • 後輩社員のために、業務がうまくいくためにアドバイスをするとしたらどんなことを言いますか?

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1on1ミーティングを効果的に行うための5つのコツ

これまで「すり合わせ9ボックス」について説明してきましたが、ここからは1on1を効果的に実施するためのコツについてご紹介していきます。

5つのコツは以下の通りです。

  1. 経験学習のサイクルを意識する
  2. 部下から上手に話を聞き出す傾聴の姿勢
  3. 部下に合わせたコミュニケーションをとる
  4. バリューを元にフィードバックする
  5. 事前にアジェンダを作成し、共有する

各項目についての詳細を説明していきます。

1.経験学習のサイクルを意識する

コツの1つ目は「経験学習のサイクルを意識する」です。
上述の通り、1on1ミーティングは「部下の経験学習サイクルを回すことで人材育成を促進する」のに効果的な手法です。

  1. 経験:具体的な経験をする
  2. 内省:行動の振り返り・フィードバック
  3. 概念化:何を学んだかを明らかにする
  4. 実践:次に行うときに学びを応用する

というステップを踏み、人は学習・成長していくとされています。

1on1を効果的に実施するには、STEP2の「内省」とSTEP3の「概念化」を1on1内のコミュニケーションで実施することが重要です。
日常業務で得た経験を振り返り(内省)し、学びを明確にする(概念化)を実施し、1on1後の行動に応用していく(実践)ことが重要です。

このサイクルを回すために、1on1と1on1の間に部下が日常業務で十分な経験をしておく必要がありますので、1on1の頻度としては週に1回をお勧めしています。

1on1中の対話の中で、部下が今どのステップにいるのか、次のステップに行くためにはどのような質問をすれば良いのかを考えながら進めると良いでしょう。

2.部下から上手に話を聞き出す傾聴の姿勢

コツの2つ目は「部下から上手に話を聞き出す傾聴の姿勢」です。
うまく行っている1on1では上司の方の傾聴力が高いことが多いので、「部下から上手に話を聞き出す方法」について説明していきます。

まず、会話を横に展開しながら聞くことです。
部下がどんな事を考えて業務をしていたかを網羅的に聞く事で、現在の状況を把握できます。
例えば、部下が話した内容について「他にも意識したことはある?」と問うことで、様々な物事について聞き出すことができます。

次に、会話を横に展開していく中で、もっと深掘りしていくと良さそうと思った話を縦に深ぼって聞くことで部下の考えをより明確にしていきます。
そうすることで、悩みの原因の把握や解決のためのフィードバックが見えてきます。
例えば、「〜〜と言っていたけど、具体的にはどんなことしたの?」と具体的に話してもらえるように聞いていくことが重要です。

時には、なかなか部下から意見が出てこない場合もあると思います。
その際に話を広げるために、上司が仮説を持って聞くということも効果的です。

例えば、「〇〇にこだわって業務しているのかなと思ったんだけど、あってたりする?」と仮説を提示しながら部下に確認するイメージです。
このような質問は、仮説が当たる、外れるは気にしなくても良いです。
部下としては、抽象度の高い質問ばかりされるよりも「〇〇にこだわって業務しているのかなと思ったんだけど」と聞かれる方が、「意識はしてなかったけど上司にはそう見えていたのか」「無意識の中で自分は〇〇にこだわっていたのかも」と考える視点を与えることができるメリットがあります。

このように部下の話を、横に広げたり、縦に深掘りをしたりするコミュニケーションを繰り返して、部下から話を聞き出していくことが重要です。

3.部下に合わせたコミュニケーションをとる

コツの3つ目は「部下に合わせたコミュニケーションをとる」です。

例としてはソーシャルスタイルごとにメンバーを場合分けするのがおすすめです。
ソーシャルスタイルには、主導型、促進型、分析型、指示型があります。

例えば、主導型の方は特徴として、合理的に物事を達成していく傾向にあり、プロセスよりも結果を重視するビジネスライクな性格な方が多いです。
そのため、1on1の最中に雑談等は少なめにして、「いかに目標達成していくか?」を軸に話すと、メンバーを1on1でうまくマネジメントしやすいため、おすすめです。

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4.バリューを元にフィードバックする

コツの4つ目は「バリューを元にフィードバックする」です。

9ボックスにも「理念・制度・カルチャー」というテーマがある通り、1on1を実施することで、組織の理念浸透を促進することができます。
組織の理念浸透を促進するための1on1にするためのコツは、具体的なバリューの名前を出しながらフィードバックを行うことです。

例えば、「この前〜〜していたけど、あれって〇〇ていうバリューを体現しているよね」というように、行動指針やバリューを用いてフィードバックすることで、部下がバリューに沿った行動を経験的に理解していきます。

そうすることで、組織にとって好ましい行動をとる従業員が増えていき、結果的に理念や文化が浸透していくようになります。

このフィードバック方法は、上司が行動指針やバリューに関して、理解を深めている必要があるため難しいと感じる方もいらっしゃると思います。


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5.事前にアジェンダを作成し、共有する

コツの5つ目は「事前にアジェンダを作成し、共有する」です。

せっかく9ボックスで話すべきテーマが明確になったにも関わらず、会話がうまく進まなかったりする場合は多々あります。
その原因は明確で、上司自身は何を聞こうか決めていても、部下にとっては初耳なので回答に戸惑ってしまうということです。

そのような事態を避けるために、上司が話したいことのトピックを書いたアジェンダシートを共有することが効果的です。
そして、部下の方にも話したいトピックを追加してもらいます。
さらに、それぞれのトピックについて、部下の考えや所感などを記載してもらって共有してもらいます。

そうすることで、1on1の時には書いてもらった内容をもとに話を進めることができ、非常に効果的な1on1を実施することができます。
また、いくつかのアジェンダのテンプレートを作っておくことで、1on1の準備時間も短くなり、上司の方の負担の削減にもつながるため、非常におすすめです。

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まとめ

本記事では、1on1ミーティングにおける「9ボックス」についてお伝えしてきました。

「すり合わせ9ボックス」を提唱した世古氏の著書(『対話型マネジャー 部下のポテンシャルを引き出す最強育成術』日本能率協会マネジメントセンター(Amazonのリンクに接続します))は現在1on1を実施中の方は特におすすめの書籍となっておりますので、ご興味あればご一読の価値はあると思います。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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