1on1で「話すことがない」から脱却する対処法!効果的なテーマ・質問例
1on1ミーティングは、アメリカのシリコンバレーで人材育成を目的として確立された手法で、「上司と部下の1対1で行う定期的な面談」のことです。
日本でもヤフー株式会社などが取り入れたことから注目を集め始め、2020年には、規模に関わらず約4割の企業が導入しています。
一方で、1on1で何を話せば良いかわからない、進め方がわからない、話す内容を考えるのに時間がかかって本来の業務に支障が出るなどといったお悩みを持たれる方も多いと思います。
本記事では、1on1で「話すことがない」と感じている方々に向けて、原因を明らかにして対処法を提案し、1on1の効果を最大限発揮するための実施ポイントについて徹底解説していきます。
そもそも「1on1ミーティングとは?」を知りたい方はこちらの記事をご覧ください
目次
1on1ミーティングでなぜ「話すことがない」と感じるのか?
1on1ミーティングにおいて「話すことがない」と感じてしまう理由は何でしょうか?
上司と部下でその理由は異なりますので、両方の立場から説明していきます。
上司・マネージャーが「話すことがない」と感じる理由
上司・マネージャーなど部下をマネジメントする立場で1on1ミーティングを実施する人が「話すことがない」と感じる理由は主に以下のようなことが考えられます。
- 1on1のやり方が分からない
- マネジメントスキルが低い
- 部下の話を上手く聞き出せない
- 1on1を実施する意義が分からず、時間の無駄に感じている
- 部下との信頼関係を構築できていない
- 部下の人材育成に関心がない
- 業務が多すぎて話題を考える時間がない
上司側の視点では、相手の話を引き出せない・話題が思いつかないといったコミュニケーションののスキル不足や、1on1ミーティングやマネジメントに対するモチベーションの低さ、マネージャーとしての忙しさが原因と想定できるでしょう。
このように、話すことがないと感じている1on1では、ただ雑談で終わってしまったり、「最近どう?」「あれどうなった?」といった当たり障りのない対話しかしない、効果のない1on1となるケースが多いです。
対策するには、それぞれ異なるアプローチが必要になるので工夫が必要です。
部下・メンバーが「話すことがない」と感じる理由
部下・メンバーなど1on1ミーティングを受ける側が「話すことがない」と感じる理由は以下のことが考えられます。
- 1on1を実施する意義が分からず、時間の無駄に感じている
- 上司のことを信頼していない
- そもそも1on1で何を話せば良いのかわかっていない
- 実施回数が積み重なるごとに純粋にネタ切れを起こしてしまっている
- 上司と2人で話すことに緊張感を覚えている
- 自分の話を誰かに聞いてもらうこと自体が苦手
部下の視点では、上司と同様に1on1に対するモチベーションの低さや、そもそも何を話すべきなのかわかっていない、自分のことを話さないといけない苦痛、特に上司を信頼していないがために話したくないと心を閉ざしていることが原因と想定できます。
業務以外にも将来のことやプライベートなことなど様々なテーマを話していい機会であるからこそ、話すことが分からないというケースも多いでしょう。
部下に本音で話してもらうためにも、上司と部下の信頼関係を構築することが重要です。
1on1ミーティングの目的やメリットとは?
1on1ミーティングの目的や効果は、既に色々なところで解説されている内容で、知っている方も多いと思います。
しかし、正直なところ「話すことがないと悩んでまで、1on1ミーティングは本当に必要なのだろうか?」「業務時間を割いてまでやるべきことなのだろうか」などと感じる方もいるのではないでしょうか。
そこで改めて、1on1の目的やメリット・デメリットを説明していきます。
1on1ミーティングの目的
1on1ミーティングの目的は「部下の成長を促進する」ことです。
部下は日常業務の中で、様々な成功と失敗を体験しています。
部下が体験したことについて、考えていることや成功要因・失敗要因などについて話し合い、部下の成長を促進し、支援することを1on1ミーティングで行います。
部下の話を聞いて、業務やキャリアの振り返りを実施し、部下が持つ悩みや課題への解決策のアクションプランを立てたり、上司からサポートすることで、納得感を持って次の行動を促すことができるでしょう。
部下が成長することで、次に紹介する様々なメリットを組織・上司は受けることができます。
また、一般的に組織によって以下のような目的を掲げている場合もありますが、部下が成長することによる副産物である場合が多いです。
- 上司・部下間の信頼関係の構築
- 目標の達成力の向上
- 部下の自律的なキャリア支援・エンゲージメントの向上
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1on1ミーティングの6つのメリット
1on1ミーティングを効果的に行うことによって、様々なメリットがあります。
この項では1on1ミーティングを行うことで、得られるメリットを6つ紹介します。
メリット1:部下の育成が促進される
メリット1つ目は「部下の育成が促進される」ことです。
1on1ミーティングで、メンバーの悩み・課題を明らかにすることで、普段の業務の振り返りを行い、時にはフィードバックやアドバイスをして、学びにすることで部下が成長します。
詳しくは後述しますが、経験学習サイクルに基づいた実践を行うことが重要です。
メリット2:コミュニケーション機会の創出・信頼関係の構築
メリット2つ目は「コミュニケーション機会の創出・信頼関係の構築」できることです。
上司も部下も仕事上の必要最低限の会話はするものの、コミュニケーションは不足している場合が多いです。
1on1ミーティングを定期的に実施し、「上司と部下が1対1で定期的に話す機会」を作ることによって、コミュニケーションの機会を創出することができます。
また、信頼関係を構築するために、部下とのコミュニケーションの頻度が重要です。
定期的に1on1で、部下との接触頻度が多くなり、自然と信頼関係を築くことができるでしょう。
メリット3:目標達成に向けた進捗管理ができる
メリット3つ目は「目標達成に向けた進捗管理ができる」ことです。
1on1ミーティングで、定期的に目標について話し合うことで、高確率で目標達成ができるようになります。
目標は、組織として達成しなければいけない目標から逆算される形で、部下の個人目標が設定されていると思います。
一方で、部下側からするとそれらの十分な説明がないまま目標だけを伝えられると、組織目標と自分の目標のつながりが見出せずに、ただ上から押し付けられる目標になってしまいます。
そのため、1on1で上司から部下に、なぜその目標になっているのかの説明をしてあげ、疑問点を解消することで、部下にとって納得できる目標になり、目標達成への行動がスムーズに取れるようになり、目標達成力が上がります。
メリット4:評価材料を収集できる
メリット4つ目は「評価材料を収集できる」ことです。
1on1ミーティングを定期的に実施することで、上司・マネージャーの方の人事評価業務が非常に楽になります。
日々の1on1で、評価の際に活用できる評価材料を集めることで、実際の評価の際は過去の1on1の記録を見るだけで、評価できるようになります。
また、部下が評価期間中にやってきたことが記録されているので、評価の直前に印象の良かった人が高評価になりやすいというバイアスがかかった評価ではなく、公平な評価も実現できます。
メリット5:モチベーション・エンゲージメントの向上
メリット5つ目は「モチベーション・エンゲージメントの向上」です。
1on1ミーティングを実施することで、部下のモチベーションやエンゲージメントが向上します。
1on1を実施することで、部下の悩みや課題を解消したり、目標を達成できたり、自分のことに親身に寄り添ってくれる上司の存在を認識することができるようになります。
また、高頻度で1on1を実施できれば、部下の悩みなどのキャッチアップが早くでき、問題への対処も素早くできるでしょう。
そのような自分にとって良い環境であれば、自ずとモチベーションやエンゲージメントが高まるでしょう。そして、生産性が上がったり、離職率が低下する効果が期待できます。
メリット6:働き方の多様化への対応
メリット6つ目は「働き方の多様化への対応」できることです。
リモートワークや時短勤務が一般的になったりと働き方が多様化しています。
リモートワークや時間差出勤など勤務状況の幅が広がったことで、上司が部下の悩みや課題を把握しにくくなったという側面があります。
そのため、1on1ミーティングを続けることで、簡単に部下の状況を把握できるようになります。
1on1ミーティングのデメリット
効果的な1on1ミーティングを実践することで、上記のような多くのメリットを享受することができますが、適切でない方法で1on1を実施することによっていくつかデメリットがあります。
デメリット1:現場の負担が大きい
デメリット1つ目は「現場の負担が大きい」ことです。
国内に専業マネージャーは全体の10%しか存在せず、90%が「プレイングマネージャー」ということがわかっています。前述の通りマネージャーはプレイング業務とマネジメント業務を兼任することが多いため、非常に多忙です。
業務時間を割いて、1on1の時間を捻出しても効果的でない1on1では、時間を無駄にしてしまう可能性が高いです。
1on1を効率的・効果的に実施するために、1on1に対応したツールを利用したり、または会社全体で一律のテンプレートを使用するなどの工夫が必要です。
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デメリット2:形骸化しやすい
デメリット2つ目は「形骸化しやすい」ことです。
株式会社ビジネスコーチ株式会社の調査によると、約39.9%の企業が形骸化を問題視しており、50.9%の企業が習慣化・定着化をするための仕組みづくりを課題として設定しています。
このような状況から、1on1を導入しても中々現場に浸透・定着しない可能性があります。
1on1を定着させるためには、フェーズごとの課題を適切に対処する必要があります。
フェーズごとの課題と対処法は下記記事で詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください!
デメリット3:上司にスキルが求められる
デメリット3つ目は「上司にスキルが求められる」ことです。
1on1ミーティングを効果的に実施するために、上司は部下の本音や部下自身も気がついていないような内容にもヒアリングすることが重要です。そのため、上司は本音を引き出すような言葉かけや話しやすい雰囲気をつくるようなマネジメントスキルが求められます。
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1on1ミーティングの「話すことがない」への効果的な2つの対処法
1on1ミーティングで「話すことがない」と感じている人は、紹介する2つの対処法を講じることで、その課題から脱却することができます。
1on1ミーティングの「話すことがない」への効果的な2つの対処法
- 公式アジェンダを作成する
- アジェンダを事前に共有する
それでは、それぞれの事項について解説していきます。
対処法1:公式アジェンダを作成する
1on1ミーティングで話すことがないへの対処法1つ目は、「公式アジェンダを作成する」です。
アジェンダとは、「1on1の時に話す話題・テーマ」のことを指します。
アジェンダを決めておくことで、「何を話すのか」「何に重点を置くか」などを事前に決めておくことができ、目的に応じた効果的な1on1を実施することができるようになります。
また、全社共通の公式アジェンダを設定することで、全ての従業員が話すことがないという事態は避けられます。
1on1の公式アジェンダには「組織として話してほしいこと」「上司・マネージャーが話したいこと」「部下・メンバーが話したいこと」を盛り込むことが重要です。
対処法2:アジェンダを事前に共有する
1on1ミーティングで話すことがないへの対処法2つ目は、「アジェンダを事前に共有する」です。
話題を決め、部下に共有することで、お互いに1on1の時に話すことが明確になり、目的に応じた建設的な対話を進めることができます。
また、1on1開始前までに部下に話す内容について事前に記入してもらうことで、1on1の準備時間を大幅に削減することができます。
準備時間が削減されることで、上司の負担が軽減され、形骸化への対策にもなるので、非常におすすめです。実際に、マネージャーの準備時間が導入前よりも半分以下になったという事例もあります!
1on1シートを用意することで、簡単にアジェンダを共有することができます。無料のテンプレートも配布していますので、興味のある方は下記記事をご覧ください!
1on1ミーティングで話すおすすめの7つのテーマ・質問例
1on1ミーティングで話すべきテーマと考えてしまいますが、前提として「必ず話さなければならないテーマも、話してはいけないテーマもない」ということです。
つまり、「こんなこと話しても良いのかな?」と思うようなテーマであっても、それが上司・部下の関係性を構築するためのものであったり、会話の糸口になるものであったりする場合は、導入していただいて問題ありません。
1on1の目的や部下の状況、チームの状況に応じて、適したテーマを選択するようにしましょう。
おすすめの7つのテーマ一覧
- 業務に関すること
- 組織・チームに関すること
- 経営や戦略について考えるもの
- 目標や評価に関すること
- モチベーションやキャリアに関すること
- 心身の健康チェック
- 相互理解を深めるもの
それでは、1on1ミーティングでおすすめのテーマと具体的な質問例を紹介していきます。
テーマ1:業務に関すること
1on1ミーティングで話すべきテーマ1つ目は「業務に関すること」です。
部下の悩みの多くは、普段の業務に関係するものです。そのため、1on1で業務上の不安や課題を取り除いて、次のステップに行くように促すことが大切です。
「部下は業務上の不安はすぐに聞いて、頻繁にコミュニケーションするから大丈夫」と思われるかもしれませんが、実は1on1で話す業務に関することは、このようなコミュニケーションで出てくるような内容ではないのです。
1on1で話すべき業務の話題は「緊急度が低いが、重要度が高い」業務です。この業務は、期限が決まっていないが、生産性を上げるために重要なものです。例えば「チーム内の情報共有のやり方を見直し、知識をチーム内で共有する仕組みを作る」「社員の育成制度を構築して、能力開発を推進する」などです。
日常から部下が相談に来るものは、基本的に「緊急度が高く、重要度が高い」業務で、締め切りが近いタスクやクレーム対応や各種のトラブル対応などの報告が中心です。
1on1でこのような重要度の高い話をすることで、1on1が非常に有効です。
具体的な質問例
- 今の業務内容のポイントを教えてください
- うまく進んでいると思うけど、今後の懸念点は何かありますか?
- もう少し任せてほしいとかの要望ってありますか?
- 今の業務で困っていることって何かありますか?
- 今の業務に何かあったらもっとうまくできたり、精度が上がると思いますか?
- 今の業務について欲しいサポートとか、私へのリクエストはありますか?
テーマ2:組織・チームに関すること
1on1ミーティングで話すべきテーマ2つ目は「組織・チームに関すること」です。
部下の悩みや課題の多くは周りの人間関係なので、組織やチームに関する悩みも多くなります。
普段チームに対して感じている課題意識や、他のメンバーとの関係性などの情報交換をすることで、より良いチーム作りのヒントになります。
部下にとっては、自分が感じている課題意識を参考に上司が改善に取り組もうとする姿勢を見ることで、上司に対する信頼度も向上します。
また、組織・チームといった普段からはあまり考えない視座で客観的に現状を見ることで、部下の視座が自然と向上するため、上司からの指示に納得度が増したり、チームワークが向上したりします。
具体的な質問例
- 今のチームの良いところと課題って何がありますか?
- もっとチームを良くするためにできることってありますか?
- 最近、調子いいなと思う人や大丈夫かなって心配になる人っていますか?
- 最近の売上傾向から、今後の業界の動向や市場はどうなっていって、自社サービスはどういう風になると思いますか?
- 市場環境の変化に対して、自身で考えていることや取り組みたいと思っていることって何かありますか?
テーマ3:経営や戦略について考えるもの
1on1ミーティングで話すべきテーマ3つ目は「経営や戦略について考えるもの」です。
このテーマでは、経営や戦略について考えるきっかけとなることについて話します。
マネージャーの役割の一つは、組織の上と下をつなぐことです。マネージャーしか知らない上層部で決定された戦略や方針をタイミングよく分かりやすく伝えることが大切です。
ここでは、質問というよりもどちらかというと、部下への情報の伝達をすることが中心です。
部下が普段耳にできない戦略等を共有されることで、自ら戦略に基づいた行動をしようとしたり、組織目線で思考したりするようになるでしょう。
具体的な内容
以下のような流れで、情報を報告・連絡・相談すると良いでしょう。
- 今回の会議で、〇〇ということが決まりました。
- この決定があった背景としては〜〜ということです。
- そのため、〇〇さんにはこういうことを行なってほしいと思っています。
テーマ4:目標や評価に関すること
1on1ミーティングで話すべきテーマ3つ目は「目標や評価に関すること」です。
一般的に、1on1は部下のための時間なので、部下のキャリアやモチベーションに関することを聞き、業務に関連する目標についてあまり話すべきではないと言われていますが、実はそうではありません。
1on1で目標設定や目標達成に向けた話をすることで、目標達成力が上がり、成果が出るようになります。
また、実際は、部下も業務や仕事に関する話をしたいと感じています。
株式会社オーが実際に1on1を実施している方達にアンケートを実施したところ、部下が話したいと思っていることは「個人・キャリアの話」と「会社・業務の話」に大別されることがわかりました。
このような内容を話すことによって、目標を達成するための課題や方針が明確になり、自分の目標に納得して取り組むことができるようになるため、目標達成力が高まります。
また、期初などの目標を設定するときに、部下自身の個人目標が、どのように全体目標につながっているのかについて1on1で伝えることも非常に重要です。
そうすることで、部下がつまづいているところがわかり、適切なフィードバックやサポートをするきっかけとなるでしょう。
加えて、人事評価に関する話もすることで、人事考課の際の材料が集まり、人事考課や評価調整の業務が非常に効率化されます。
また、下された評価に対しても部下の納得度が高いので、公平な評価を実現することができます。
具体的な質問例
- 次の評価期間で目標にしたいことを教えてください。
- この目標が全体のどこにつながっているのか分かりますか?
- この目標を達成していく上で、効率化できることは何かありますか?
- この評価期間において自己評価をつけるとしたら10点満点で何点ですか?
- 点数の理由は何でしょうか?
- この評価期間で残した結果について教えてください。
- 目標を達成に成功した・失敗した要因は何かあるでしょうか?
- スキルや能力面で伸びたと思うことを教えてください。
テーマ5:モチベーションやキャリアに関すること
1on1ミーティングで話すべきテーマ5つ目は「モチベーションやキャリアに関すること」です。
部下のモチベーションを上げることで、部下自身の生産性が上がったり、会社への帰属意識が高まったりして、部下自身だけでなくチーム全体へ良い効果が期待できます。
モチベーションを上げるためには以下の2つの法則を意識することが重要です。
- モチベーションを上げる要因を高める
- モチベーションを下げる要因を取り除く
プラス面・マイナス面の両面からアプローチすることで、効果的に部下のモチベーションを高めることができます。
また、キャリアに関することを話すことで、将来のキャリアプランやビジョンが明確になり、やりがいを持って仕事に取り組むことができるようになります。
具体的な質問例
- どんな仕事をしている時が楽しいですか?
- 最近の仕事の中で、やる気が上がったなと感じる業務はありますか?
- これならやってもいいなって思う仕事はないですか?
- 色々あると思うけど、特に気になっていることとかありますか?
- 最近の仕事の中で、自信が無い業務ってありますか?
- キャリアの方向性とかやりたいことって変わっていませんか?
- 今後、部署・チームに対してどのような貢献をしていきたいですか?
- 将来的に関わりたい仕事やキャリアの方向性があれば教えてください。
テーマ6:心身の健康チェック
1on1ミーティングで話すべきテーマ6つ目は「心身の健康チェック」です。
このテーマは、部下の心身の健康状態や業務量、業務時間などを確認することです。
定期的に部下の体調のチェックをすることで、離職を未然に防ぐ効果があります。
また、離職・転職の原因は多くの場合、職場の人間関係ですので、部下の周囲の人間関係の懸念点も聞き出すようにしましょう。
部下の不調に気づくのが遅れてしまうといけないので、毎回の1on1の最初に確認するようにしましょう。
具体的な質問例
- 最近眠れていますか?体調は大丈夫ですか?
- 今抱えている仕事量に問題はないですか?
- 今、社内で気になることって何かありますか?
- 部署の人とか周りの人とは特に問題なくやれていますか?
テーマ7:相互理解を深めるもの
1on1ミーティングで話すべきテーマ7つ目は「相互理解を深めるもの」です。
上司と部下の相互理解を深めるためにプライベートに関することを話すことで、信頼関係が構築されます。
プライベートに関する話をする効果として、場を柔らかい雰囲気にし、リラックスした話しやすい状況にすることができるため、1on1の冒頭で話すと良いでしょう。
お互いのプライベートを知ったり、人間性を理解したりすることで、仕事上の関係以上の関係を構築することができるようになります。
注意点として、家族についてなど抵抗感のある踏み込んだ質問をしすぎると逆効果になってしまうことがありますので、時間をかけて信頼関係を構築していくことが必要です。また、部下に踏み込んだ質問をする前に積極的に自己開示をすることも不可欠です。
具体的な質問例
- 今、趣味とかハマっていることは何ですか?
- 週末はどんなことをして過ごしていますか?
- 学生時代に一番頑張ったことって何ですか?
- 仕事以外でつらかったことってありますか?
- 仕事をする上で得意・好きなタイプの人と苦手なタイプの人はどんな人ですか?
1on1ミーティングの対話の質を上げる4つのポイント
ここからは効果的な1on1を実践するため対話の質をあげるポイントや意識することについて説明していきます。
1.経験学習サイクルを意識した対話をする
1on1ミーティングの対話の質を上げるポイント1つ目は、「経験学習サイクルを意識した対話をする」です。
「経験学習サイクル」とは、アメリカの教育学者であるコルブが提唱した人が成長する過程を示したものです。
- 経験:具体的な経験をする
- 内省:行動の振り返り・フィードバック
- 概念化:何を学んだかを明らかにする
- 実践:次に行うときに学びを応用する
というステップを踏み、人は学習・成長していくとされています。
1on1を効果的に実施するには、STEP2の「内省」とSTEP3の「概念化」を1on1内のコミュニケーションで実施し、普段の業務で経験していることを改善し、成長することができます。
経験学習サイクルに沿った1on1を実践するために、以下のような順序で質問してあげると良いでしょう。
- 成功した・失敗したプロセスを聴く
- 成功・失敗は何に起因したのか
- 成功・失敗を再現・予防するために何をすべきか
2.意識的に部下を承認する(Good Good Good moreの法則)
1on1ミーティングの対話の質を上げるポイント2つ目は、「意識的に部下を承認する」です。
上司としては部下に成長してほしい、目標達成してほしいと思って、どうしても指摘や厳しいフィードバックが多めになってしまいます。指摘が多くなってしまうと、部下も緊張してストレスが高くなり、信頼関係を構築しにくくなってしまいます。
人間は自分を認めてくれる人には、親近感が湧き、心を開いてくれるようになります。
一般的には日本人は、「Good Good Good moreの法則」と呼ばれる程度、3回承認して1回指摘するくらいの頻度が良いとされています。
具体例として、「先週お客様としっかり対話していてよかったね」「最近いろいろな人とコミュニケーションを取るように意識していて良いね」「以前に比べて業務管理ができていて良いね」と承認をした後に、「成果を上げるために事前準備をもっとしっかりするとより良いと思ったんだけどどう思う?」と指摘するくらいの頻度が良いでしょう。
また、指摘する際も「もっと事前準備をしないとダメです。」と決めつけるのではなく、疑問形で相手に合意を取らせる形の方が指摘感がなく、不満が溜まりにくくなるのでおすすめです。
承認の姿勢を継続していると、部下から相談をよく受けるようになったり、人間関係に良い変化が現れるようになります。
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3.1on1ごとにまとめと次回のアクションプランを決める
1on1ミーティングの対話の質を上げるポイント3つ目は、「1on1ごとにまとめと次回のアクションプランを決める」です。
ただ1on1をやっただけでは、せっかく話した内容が頭に残らず、意味のないものになる可能性があります。
そのため、次回の1on1までに実施するアクションなどを決め、前回決めたことをきちんとやりきれたか確認することで、部下の行動力が非常に高まります。
例えば、以下のような質問をして「まとめとアクションプラン」を決定すると良いでしょう。
- 今日話してみて一番印象に残っていることは何ですか?
- 今日話したことで、一番覚えておきたい事柄は何ですか?
- 次回の1on1でどういうことをチャレンジしますか?
4.部下の特性に合わせたコミュニケーションをとる
1on1ミーティングの対話の質を上げるポイント4つ目は、「部下の特性に合わせたコミュニケーションをとる」です。
部下と言っても、一人ひとり違う人間です。
「行動力・野心が強い主体的な部下」や「好奇心旺盛で周りと楽しむことが好きな部下」、「論理的で分析力が強い部下」「安定志向が強めな部下」などと様々な性格や強み・弱みを持った部下がいると思います。
そこでおすすめなのが、ソーシャルスタイルに分けて、コミュニケーションを変えることです。
「ソーシャルスタイル」とは1968年にアメリカの産業心理学者、デビッドメリル氏が提唱したコミュニケーション理論のことで、4つに分類される人のコミュニケーションのパターンを活用し、適切なコミュニケーションを選択するものです。
種類としては、主導型・促進型・分析型・支持型に分けて適切なコミュニケーションを選択します。
例えば、支持型の方は会議などではあまり発言しなかったり、自分の意見や疑問などをあまり言わなかったりすることが特徴です。
このような人には、積極的に傾聴してあげることが非常に重要です。
また、傾向として周囲の人の気持ちに良くも悪くも敏感な方が多いので、人間関係においてのストレスを聞き出したり、共感したりすることを意識しましょう。
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- 毎回1on1のアジェンダを決めるのに時間がかかってしまう
- 1on1の記録の管理が面倒くさい
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まとめ
本記事では、1on1ミーティングにおいて「話すことがない」となる原因を明らかにして、脱却するための対処法について解説しました。
記載したポイントを押さえて1on1を実施することで、有意義な1on1を実践することができるため、参考にしていただけましたら幸いです。
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