【完全版】1on1ミーティングとは?目的・意味・背景・効果・メリット・やり方・話す内容について徹底解説!
近年1on1ミーティングに関する記事が多く公開されている中、本記事を閲覧いただきありがとうございます。
本記事は、1on1ミーティングについて1on1専門会社の知見を活かして、網羅的にどこよりも詳細に解説しておりますので、必ずお役に立てると思います。
国内では1on1ミーティングの導入が進んでおり、人事施策として有名になりつつあります。しかし、目的や意味、効果・メリットなどの1on1ミーティングに関する知識を十分に持ちながら、1on1ミーティングを実施できている人は少ないのではないでしょうか。
残念ながら、実際に1on1を実施しているが上手くいっていないという声もよく耳にします。
1on1ミーティングの知識が不足している状況では、1on1ミーティングの効果を最大限発揮することは難しく、効果的に行うことはできません。
そのため、本記事では1on1ミーティングに関する知識を総合的に説明することを目的とし、目的・意味・背景・効果・メリット・方法・話す内容について徹底解説致します。
目次
- 1.1on1ミーティングとは?
- 2.1on1ミーティングの実施目的
- 3.1on1ミーティングが注目されている4つの背景
- 4.1on1ミーティングを実施する効果・メリット
- 5.1on1ミーティングの注意点・デメリット
- 6.1on1ミーティングのコツや実施ポイント
- 7.1on1ミーティングのやり方・具体的な流れ
- 8.1on1ミーティングで話すべき9つのテーマとアジェンダ具体例
- 9.1on1ミーティングを形骸化させないための工夫
- 10.1on1ミーティングが嫌いや苦痛と感じる人がいる原因
- 11.1on1ミーティングを話すこと1on1ミーティングに重要なスキル
- 12.1on1ミーティングに関係するスキルを磨くためには?
- 13.1on1ミーティング導入・浸透に成功した企業事例
- 1on1ミーティング導入・浸透ならCo:TEAM(コチーム)!
- まとめ
1.1on1ミーティングとは?
1on1ミーティングとは、「1対1で部下と管理職などの上司が定期的に話す施策」のことを言います。
実地目的としては、「部下の相談への対応」「部下のスキルアップ」のような目的で実施することが多いです。
ただ、目的なく1on1を設定してしまい「1on1の効果が出ない」「1on1は意味ない」と言う方も少なくありません。
また、1on1の最上位の目的は「会社の課題を解決すること」です。
そのため、「メンバーの離職が多い」という課題が会社にあるのであれば「部下の不満や悩みを聞いて解決する機会」として1on1をするべきですし、「メンバーが成長しないため、業績が上がりにくい」という課題が会社にあるのであれば「人材育成の打ち手」として1on1をするべきです。
世間では「1on1は部下のための時間」と言われることが多いですが、「マネージャーから部下に指導やアドバイスができていない」という状態が会社にあるのであれば「マネージャーが部下に指導する場」として1on1をする事もあります。
以上のように1on1をする際は、「会社の解決したい課題は何か?」を整理してから実施すると成功しやすいでしょう。
1on1と人事評価面談の違い
1on1ミーティングと従来の人事評価面談の違いは認識するのは難しく、同じものだと考えてしまいがちです。しかし、1on1は従来の人事評価面談とは大きく異なります。
1on1ミーティングは、部下の成長を主な目的として、週に1回から月に1回程度の高頻度で実施され、話す内容は仕事だけではなく、キャリア支援や健康状態についてのテーマなど、話す内容は多岐にわたります。
一方、人事評価面談は、人事評価の結果や説明の伝達を目的として、半期や四半期に1回など人事評価に合わせて実施され、テーマは人事評価に関することがメインです。
このように、1on1と人事評価面談は目的から実施頻度、話す内容など大きく異なります。
また、より詳細に1on1ミーティングと従来の人事評価面談の違いをより知りたい方は下記のリンクから別記事も参考にして見てください。
日本における1on1ミーティングの導入状況
日本の人事部が2020年に調査したところ、1on1ミーティングを「導入している」(42.2%)は4割超で、「導入していない」(53.1%)が過半数を占めるという結果となっていました。
しかし、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが、2022年に全国主要都市圏の企業にて人事系業務を担当する正社員936名を対象に行った調査結果によると、1on1を何らかの形で導入にしている企業の割合は全体の7割にものぼるという結果となりました。
ここ数年の間でも、1on1を導入している企業は急増傾向にあり、非常に注目されている人事施策の1つであるといえるでしょう。
2.1on1ミーティングの実施目的
1on1ミーティングの目的・意味は、部下の育成、成長支援やエンゲージメント向上にあります。
そのため、これまでのような人事評価の面談や進捗管理をするだけの面談とは異なり、部下の成長を目的とした面談です。
冒頭にも述べたように、1on1の目的は「会社の課題を解決すること」です。
会社の課題を部下を成長させることによって解決していくことが1on1の目的であり、存在意義であるといえるでしょう。
このセクションでは、1on1の実施目的の主要2点を説明してきます。
部下の成長促進
1on1ミーティングの目的1つ目は、「部下の成長促進」です。1on1を効果的に実践することで、部下は驚くべきほど成長します。
部下に関わらず多くの従業員は、日々業務を行う上で、様々な悩み・課題を抱えています。業務そのものや職場のコミュニケーションや人間関係、将来キャリアなど多岐にわたります。
悩みを抱えた状態が続くと、どんなに優秀な方でもモチベーションの低下や作業効率の低下を招き、他のメンバーとの信頼関係も構築できない状態が続く傾向があります。
そして、誰にも相談できない状況が続き、最悪のケースでは、離職に繋がってしまいます。
以上のような事態を避けるためにも、部下の悩みや現状を正確に知る必要があります。
そして、1on1は部下がその悩みを打ち明けたり、現状を共有する「きっかけ」となります。
1on1で現状とその課題感を認識して、理想の状態とのギャップを埋めるための行動を上司と部下が納得する形で進めていくコミュニケーションを取ることで、部下の成長が促進されます。
他にも部下との信頼関係の構築にも役立ち、悩みを聞いてもらえる環境であることに安心するでしょう。
また、悩みに対して真剣に解決方法を一緒に考え、サポートすることで「会社は自分のことを大切にしてくれる」と感じることで、心理的安全性が高まり、会社に対する帰属意識や愛着も芽生えさせることも可能です。
このように、1on1ミーティングを実施することで、部下の成長促進が図られるだけでなく、信頼関係も構築できるようになるのです。
企業の組織力や目標達成力の強化
1on1ミーティングの目的2つ目は、「企業の組織力や目標達成力の強化」です。実は1on1は、MBOやOKRなどを始めとする目標管理と非常に相性が良い施策です。
1on1を定期的に実施することで「目標の進捗管理を高頻度でできる」ことが、目標達成力を向上させる大きな要因です。
目標達成をしようとした際に、どうしてもメンバーでは解決できない課題が出てくることもあります。
その際、メンバーの相談に具体的に回答していくことで、メンバーの目標達成を手助けすることが出来ます。
また、定期的に1on1で目標の進捗の様子を知ることで、未達しそうな時はマネージャーが試行錯誤して自分で介入することもできるため、目標の進捗管理を高頻度で行える仕組みを社内に作っておくと目標が達成できる確率が上がるでしょう。
1on1を継続的に実施することで、目標達成力が上がり、人材育成も促進されることで、結果的に組織力が向上します。
1on1は「部下のための時間」は日本企業には合わない
一般的に「1on1は部下のための時間」なので、目標や業務から離れて、部下個人の話をしてくださいと言われている場合がほとんどで、「目標の話をした方が良い」と言われても違和感を覚えるのではないでしょうか。
それはそのはずで、現在出版されている1on1に関する書籍や記事は「海外の1on1」を事例としているケースがほとんどだからです。
知られていない重要な事実として、海外の1on1をベースとしている書籍や記事をそのまま実行しても基本的には上手くいきません。
原因は「日本と海外で雇用形態の違いがある」ことです。
海外では、成果を上げないとすぐにクビにすることができる成果重視の雇用形態である一方で、日本は古くからメンバーシップ型雇用が一般的で簡単にクビにできる仕組みではありません。
海外は、成果重視の雇用形態なので、そもそも成果に対するコミュニケーションの質が非常に高いのです。
しかし、それではストレスが非常に溜まる(簡単にクビにできる一方で、労働者は簡単に転職できる)ので、会社と個人を結びつけるために個人のキャリアなどを中心になっているのです。
日本では、海外に比べ成果に対するコミュニケーションが低いので、1on1の時間で成果に関する対話をする必要があるのです。
また、日本の多くのマネジメント層は自分自身もプレイヤーとして働く「プレイングマネージャー」です。90%のマネージャーがプレイングマネージャーであるという統計データもあります。
プレイング業務・マネジメント業務の両方をこなす「プレイングマネージャー」は非常に多忙で、1on1の時間を捻出するのも一苦労です。
忙しい中、ようやく1on1の時間を捻出しても「部下のための時間だから自分の話や業務の話はせずに傾聴すること」や「マネージャーからの意見や指示はしないこと」などマネージャーが本来話したい「目標や成果に関する話」ができないように会社から指示されている場合がほとんどです。
しかし、これでは1on1でのプレイングマネージャーへの負荷が非常に大きくなってしまいますので、形骸化のリスクが非常に高いです。
そのため、最も忙しいプレイングマネージャーに負担を強いる形ではなく、プレイングマネージャーを助けるため、楽にするために1on1を設計することが非常に重要です。
もちろん、部下のキャリアなどについては重要なので全くしないということではなく、「目標や成果」に関する話も1on1で会話することを私たちはおすすめしています。
3.1on1ミーティングが注目されている4つの背景
このように、多くの企業から注目されている1on1ですが、注目されている背景には以下の4点があります。
- 予測不能なVUCA時代
- 人材の減少と流動化
- 多岐にわたるロールモデルの存在
- ヤフーの1on1
背景1:予測不能なVUCA時代
まず1つ目の背景は、「予測できないビジネス環境への変化」です。
現代の社会やビジネス界は、変化のスピードが速く予測不能である「VUCA(ブーカ)の時代」だと言われています。
「VUCAの時代」とは、以下の現代のビジネス環境を表す単語の頭文字をとったものです。
- V(Volatility):変動性
- U(Uncertainty):不確実性
- C(Complexity):複雑性
- A(Ambiguity):曖昧性
つまり、現代社会は「正解がなく複雑性が増す」環境だと言えます。
そのようなVUCA時代の中では、これまで重要視されてきた「言われたことをしっかりとできる力」ではなく、「自律的に学習・成長していく力」が重要になっています。
社員に「自律的に学習・成長していく力」を獲得させ、その姿勢を促進させる手段として、1on1ミーティングが注目されています。
背景2:人材の減少と流動化
2つ目の背景は、「人材の減少と流動化」です。
日本では29歳以下の若者の人口は、昭和50年以降一貫して減少しており、働ける人材(=生産年齢人口)が年々減少しています。
その結果、1人当たりの生産性を向上させる必要があり、より少ない従業員数で成果を出さないといけなくなってきました。
さらに、終身雇用制度に縛られず自身のキャリアに合わせて転職することも当たり前の時代になりました。企業にとって、流動的になった人材をいかに会社へ定着させるかが重要な課題となりました。
そして、部下を育成を促進して1人当たりの生産性を上げたり、モチベーションやエンゲージメントの向上により会社への定着率を高めるための手段として、1on1ミーティングが期待されています。
背景3:多岐にわたるロールモデルの存在
3つ目の背景は、「多岐にわたるロールモデルの存在」です。変化が激しく多様性を重要視する現代社会において、分かりやすく明確なロールモデルというものは存在しません。
このVUCA時代では、会社にとっても「理想的な人材」が固定されておらず、多様化し、価値観も様々です。さらに時代に即して必要スキルもどんどん変化しており、人材育成手法もそれに応じて柔軟に対応していく必要性が生まれました。
また、技術の高度化や新型コロナウイルスの流行により、リモートワークの普及などオンラインで仕事をすることが増え、働き方改革もあり、マネジメントの難易度も高くなっています。
このような働き方の変化、多様化に対応する方法として、1on1ミーティングを導入する企業も増えています。
背景4:ヤフーの1on1
日本屈指の有名企業であるヤフー株式会社で導入された1on1ミーティングがビジネスの世界で注目を集めました。
ヤフーのねらいは、「上司と部下が深く理解し合うことにより、部下の隠れた才能とやる気を引き出すこと」で、つまり人材の育成でした。人材不足が叫ばれる昨今、企業にとって社員の能力を伸ばすことはどの会社でも緊急の共通課題でしょう。この課題の解決に、1on1ミーティングは非常に高い効果をもたらしたことで、非常に注目を集めました。
また、ヤフーが取り組んだ1on1の手法を記した『ヤフーの1on1』という本がベストセラーとなり、一部のビジネスパーソンが注目していたところから、世間全体で注目を集めたことで、1on1ミーティングが一般に広がりました。
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4.1on1ミーティングを実施する効果・メリット
1on1ミーティングを実施することによって、部下と上司にどのようなメリットがあるのでしょうか。本項では、1on1ミーティングのメリットについて説明します。
1on1を実施するメリットは以下の10点です。
- 会社全体の生産性や売上の向上
- 目標達成力が上がる
- 部下が成長する
- 従業員エンゲージメントの向上
- 上司と部下の信頼関係の構築
- 経営理念が浸透しやすくなる
- 離職率の低下
- キャリア自律の支援
- 心理的安全性が高まる
- 公平な人事評価の実現と人事評価業務が楽になる
メリット1:会社全体の生産性や売上の向上
1on1ミーティングを実施するメリット1つ目は「会社全体の生産性や売上の向上」です。
1on1によって、社員一人ひとりのパフォーマンスやモチベーションが向上することで、会社全体の生産性や売上の向上につながります。
また、1on1で普段の業務の振り返りと改善策について対話することで、人材育成が促進されます。
人材が成長することにより、成果を出せる人材が増え、業績の向上が期待できます。
またコミュニケーション量が増加し、信頼関係が築かれることで、部下からの新しい意見が出やすくなり、会社の成長や新しい発見も生まれる可能性もあるでしょう。
メリット2:目標達成力が上がる
1on1ミーティングを実施するメリット2つ目は「目標達成力が上がる」ことです。
まず1on1を実施すると「目標の進捗管理を高頻度でできる」ことが理由です。
目標達成をしようとした際に、どうしてもメンバーでは解決できない課題が出てくることもあります。その際、メンバーの相談に具体的に回答していくことで、メンバーの目標達成を手助けすることができ、目標を達成する確率が向上します。
また、1on1の中で「今、目標達成をするためには何を重要視するべきだと思う?」「今の売り上げの状況とあなたの状態を教えて」「目標達成のためにどんな方法を検討、実施していけばいいのか?」などの質問をして、目標達成に向けた行動を具体化させいくことで、目標達成への道筋を双方で確認していくことができます。
1on1で目標に関する対話をすることによって、目標達成力が上がります。
メリット3:部下が成長する
1on1ミーティングを実施するメリットの3つ目は、「部下が成長する」ことです。1on1ミーティングを効果的に行うことで、部下の成長に効率的に寄与することができます。
従業員は日々業務をするうえで、様々な悩みや課題を抱えながら業務を行っています。特に新入社員などの入社から間もない人は、業務に携わってから間もないため、様々なことにつまずくでしょう。
本来1on1ミーティングは、対話を通じて経験学習のサイクルを回すことで、部下の成長を促進していくものです。※「経験学習サイクル」について詳しく後述します。
1on1で現状とその課題感を認識して、理想の状態とのギャップを埋めるための行動を上司と部下が納得する形で進めていくコミュニケーションを取ることで、部下の成長が促進されます。
また、1on1の記録を取り続けることで、部下の成長過程を時系列上に記録することができます。
そのため、違う部下を育成する際にも過去の1on1の記録は活用でき、当時の先輩社員がどのような悩み・壁を持ち、どのようにしてそれを乗り越えたかの過程がリアルに記録されています。
これらの記録が集積することができると、マネジメントに活かすだけでなく、共通する課題を特定することで人事施策に活用する情報となるでしょう。
メリット4:従業員エンゲージメントの向上
1on1ミーティングを実施するメリットの4つ目は、「従業員エンゲージメントの向上」です。
エンゲージメントとはビジネスでは主に従業員の会社に対する「愛着」や「思い入れ」などの意味で使用されます。
1on1ミーティングを実施することで、上司と部下の相互的なコミュニケーションをする機会が増えます。その結果、相互理解が進むことで、相談しやすい環境・発言しやすい空気を形成することが可能になり、従業員エンゲージメントの向上につながります。
また、1on1でキャリア相談に乗ったり、マネージャーから「君の社内での活躍を期待しているよ」と鼓舞したり、アドバイスを行い能力アップをサポートしたるすることでメンバーに自信がつき、エンゲージメントが向上していきます。
加えて、エンゲージメント向上は、企業全体の売り上げや収益性・生産性の向上の実現に繋がります。なぜなら、エンゲージメントが向上することによって、会社に帰属している意識が増し、企業は一つの方向に向かい、組織全体として一体感を醸成することができるからです。
メリット5:上司と部下の信頼関係の構築
1on1ミーティングを実施するメリットの5つ目は、「信頼関係の構築」です。
従来の人事評価面談と異なり、1on1ミーティングは仕事の進捗だけではなく、仕事での不安やキャリアの話、時にはプライベートの話も行います。
深い話を行うことで、上司と部下の心理的距離が近づきやすくなるといった効果を見込め、信頼関係を構築に繋がるでしょう。
信頼関係の構築が上手くいくと、普段の業務でもトップダウン的に物事を判断することが可能になり、業務を効率的に行うことができるようになります。
メリット6:経営理念や行動指針が浸透しやすくなる
1on1ミーティングを実施するメリットの6つ目は、「経営理念や行動指針が浸透しやすくなる」ことです。
1on1ミーティングの際に、経営理念や行動指針(バリュー)などについて話すことを意識しておけば、部下の行動軸に経営理念や行動指針を落とし込むことができます。
また、他の人の行動を分析することによって、どのような行動が会社にとってよい行動なのかを認識するきっかけともなります。
他にも、業務のフィードバックでも「〇〇という行動指針(バリュー)を体現しているね」という言葉をかけるだけでも、企業理念や行動指針を浸透するようになります。
経営理念や行動指針を浸透させると、チーム全体の方向性が定まることや従業員のエンゲージメントが向上する等のメリットが考えられるでしょう。そのため、1on1ミーティングで経営理念を浸透させることが、企業の持続的な成長に繋がります。
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メリット7:離職率の低下
1on1ミーティングを実施するメリットの7つ目は、「離職率の低下」です。
主な離職理由は以下の通りです。
- 人間関係にストレスを感じる
- 労働環境・職場環境に不満を抱えている
- 将来(キャリア)に不安を感じる
- 理想と現実のギャップを感じる
人間関係や職場環境等のストレスは1on1で事前にキャッチアップすることができ、対策を講じることができます。
また、キャリアに関しても1on1で一緒にキャリアプランを考えたりすることで、不安は解消されます。
加えて、本人のやりたいことを実現するにはどうしたらよいのかなどの具体的なアクションプランを考えることで、理想に向かって成長を促進することもできます。
1on1を実施することで、離職理由を解消するコミュニケーションが取ることができ、部下自身が抱える悩みを解決してくれる会社であると認識されることができます。
そのような自分を大切にしてくれる会社を辞める人は非常に少ないため、1on1ミーティングは離職予防に役立つと言えるでしょう。
メリット8:キャリア自律の支援
1on1ミーティングを実施するメリットの8つ目は、「キャリア自律の支援」です。
キャリアの自律とは、変化する環境のなかで、組織に依存せず、自身のキャリア構築や学習に主体的・継続的に取り組むことです。自身が目指す将来像が曖昧だと、キャリアを形成していくためのステップを踏むことができません。
1on1のなかで、上司が部下の課題や目指すべき方向性を整理し、キャリアプランの策定を手伝うことで、部下の自律的なキャリア形成に向けた支援をすることができます。
メリット9:心理的安全性が高まる
1on1ミーティングを実施するメリットの9つ目は、1on1ミーティングを実施することで、部下の「心理的安全性を高める」ことができることです。
心理的安全性が高まる理由は「困っている際にすぐにフォローすることができる」からです。
周りで連携しながらやるチームであれば困っている事に気づきやすいのですが、営業チームなど個人でやる仕事やオンラインで仕事をしている場合はメンバーが困りごとを抱えたままになってしまうことがあります。
1on1で定期的に悩み事がないかチェックする事で現場の困りごとをすぐフォローし、心理的安全性の高い職場環境を構築することができます。
メリット10:公平な人事評価の実現と人事評価業務が楽になる
1on1ミーティングを実施するメリットの10つ目は「公平な人事評価の実現と人事評価業務が楽になる」です。
1on1の実施目的にその考え方はなかったと言われることが多いのですが、1on1で記録を取り続けると人事評価の業務が非常に楽になります。
日々の1on1ミーティングで、評価の際に活用できる評価材料を集めることで、実際の評価の際は過去の1on1の記録を見るだけで、評価できるようになります。
また、部下が評価期間中にやってきたことが記録されているので、評価の直前に印象の良かった人が高評価になりやすいというバイアスがかかった評価ではなく、公平な評価も実現できます。
5.1on1ミーティングの注意点・デメリット
1on1ミーティングはメリットもある反面、注意点やデメリットもあります。この項では1on1ミーティングのデメリットを4つ説明します。
1on1ミーティングの注意点やデメリットは以下の4点です。
- 現場の負担が大きい
- 形骸化しやすい
- 効果が出るまで時間がかかる
- 上司にスキルが求められる
注意点1:現場の負担が大きい
1on1ミーティングの注意点の1つ目は、「現場の負担が大きい」ことです。1on1を効果的に実施することができれば、様々なメリットを享受することができます。
しかし、1on1のメリットを最大限発揮するためには、1on1を高頻度で行うことが肝心です。
忙しい業務の中で、高頻度で1on1ミーティングを行なえば行うほど、現場の負担が大きくなることに繋がります。その結果、通常の業務の進行に問題が生じてしまうといった問題がおきてしまうでしょう。
1on1は短期的に結果を出せるものではなく、長期的に持続可能な形で進めていくことが重要です。
組織・チームの実態に則した頻度や時間を設定しましょう。
また、1on1を実施する際の負担を軽減させるために、組織共通のテンプレートのアジェンダや公式ルールを設定することも効果的です。
時には、弊社が提供する「Co:TEAM(コチーム)」のような1on1のツールを導入することも負担の軽減に効果的で、1on1の準備時間が半分になっただけでなく、話す内容も3倍になったという事例もあります。
「コチーム」は、1on1の負担を軽減させる機能が充実していますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。
注意点2:形骸化しやすい
1on1ミーティングの注意点の2つ目は、「形骸化しやすい」ことです。
株式会社ビジネスコーチ株式会社の調査によると、約39.9%の企業が形骸化を問題視しており、50.9%の企業が習慣化・定着化をするための仕組みづくりを課題として設定しています。
1on1ミーティングでは、お互いに何を話していいかわからなかったり、事前準備が行われていなかったりすることで、「ただなんとなく実施しているミーティング」になり、形骸化してしまう恐れがあります。
何のために行っているのか理解していない、周知されていないまま実施されていると、1on1ミーティングの効力が発揮されません。さらに上司がわかっていても、部下が1on1の意義や活用方法を理解できていない可能性もあります。
形骸化しやすい課題と対処法をフェーズごとに解説している記事はコチラ!
注意点3:効果が出るまで時間がかかる
1on1ミーティングの注意点の3つ目は、「効果が出るまで時間がかかる」ことです。
1on1ミーティングの成果は、すぐに結果が出るものではありません。
人の成長にはそれなりの時間がかかりますので、すぐに成果を求めず中長期的な視点で取り組むことが大切です。
1on1の成果は早くて3ヶ月ですが、数年後に実感するというケースも少なくありません。
効果的な1on1を実施し続けると必ず効果は現れますので、経営・人事戦略に則った1on1を実施できているか定期的に現場マネージャーたちの1on1を振り返りを行うことが非常に重要です、
注意点4:上司にスキルが求められる
1on1ミーティングの注意点の4つ目は、「上司にスキルが求められる」ことです。
1on1ミーティングを効果的に実施するために、上司は部下の本音や部下自身も気がついていないような内容にもヒアリングすることが重要です。
そのため、上司は本音を引き出すような声かけや話しやすい雰囲気をつくるような1on1ミーティングスキルが求められます。
マネジメントスキルに長けている方と不得意な方では、1on1の質にばらつきが生じてしまいます。
1on1のルールやコミュニケーションのガイドラインを設定することで、1on1の質を一定担保できるようになります。
また、1on1に必要な重要なスキルを身につけるための研修を実施することも効果的です。
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6.1on1ミーティングのコツや実施ポイント
ここからは効果的な1on1ミーティングを実施するためのコツや意識してほしいポイントについて解説していきます。
1on1のコツや実施ポイントは以下の8点です。
- 1on1のおすすめの頻度と時間
- 話す内容(アジェンダ)を事前に決めておく
- 経験学習サイクルを意識した対話
- 部下から上手に話を聞き出す傾聴の姿勢
- 意識的に部下を承認する(Good Good Good moreの法則)
- 1on1で話した内容をメモする
- フレームワークを活用する
- 部下に合わせたコミュニケーションをとる
1.1on1のおすすめの頻度と時間
1on1ミーティングの効果を最大限発揮させる頻度と時間は、週1回30分です。
ただ目の前の業務をこなしていくだけであれば、上司とメンバー間での密なコミュニケーションは頻繁には必要ないかもしれませんが、上述の通り1on1ミーティングはメンバーの成長促進や生産性向上のために行われるので、目的の達成のためには1週間に1度は実施することが効果的です。
また、一般的に目標は週単位や行動単位で設定していることが多いため、目標を管理する上でも週に1回は、最適な頻度と言えるでしょう。
できるだけ高頻度で1on1を実施していくことが、効果的な1on1の秘訣です。
30分に関しては、ただキリが良いというだけでなく、人間が集中し続けることができる時間は45分程度と言われているため、1on1にしっかりと集中できる時間になっています。
下記記事は、月に1回や1回あたり15分の短時間ではダメなのか、おすすめの曜日などについて詳しく解説しておりますので、興味のある方はぜひご覧ください。
2.話す内容(アジェンダ)を事前に決めておく
効果的な1on1のポイント2つ目は「1on1ミーティングの話題(アジェンダ)を事前に決める」ことです。
1on1前にその内容を上司と部下で共有しておけば、内容のポイントを事前に整理することができます。
事前共有されている内容に沿って、1on1を進めることができるので、話すべきことを話す要点を押さえた目的に沿った建設的な1on1を実践することができ、質の向上が期待できるでしょう。
また、アジェンダを準備するだけでなく、事前に部下に共有して、部下に話すことを書いてもらうことで、1on1の準備時間を短縮することができるので、忙しいマネージャーに非常におすすめの方法の1つです。
3.経験学習サイクルを意識した対話
効果的な1on1のポイント3つ目は「経験学習サイクルを意識した対話」です。
「経験学習サイクル」とは、アメリカの教育学者であるコルブが提唱した人が成長する過程を示したものです。
1on1ミーティングは「部下の経験学習サイクルを回すことで人材育成を促進する」のに効果的な手法です。
- 経験:具体的な経験をする
- 内省:行動の振り返り・フィードバック
- 概念化:何を学んだかを明らかにする
- 実践:次に行うときに学びを応用する
という4ステップを踏み、人は学習・成長していくとされています。
1on1を効果的に実施するには、STEP2の「内省」とSTEP3の「概念化」を1on1内のコミュニケーションで実施することが重要です。
日常業務で得た経験を振り返り(内省)し、学びを明確にする(概念化)を実施し、1on1後の行動に応用していく(実践)ことを意識すると良いでしょう。
経験学習サイクルに沿った1on1を実践するために、部下の頭の中を整理するべく以下のような順序で質問してあげると効果的です。
- 成功した・失敗したプロセスを聴く
- 成功・失敗は何に起因したのか
- 成功・失敗を再現・予防するために何をすべきか
4.部下から上手に話を聞き出す傾聴の姿勢
効果的な1on1のポイント4つ目は「部下から上手に話を聞き出す傾聴の姿勢」です。
うまく行っている1on1では上司の方の傾聴力が高いことが多いので、「部下から上手に話を聞き出す方法」について説明していきます。
まず、会話を横に展開しながら聞くことです。
部下がどんな事を考えて業務をしていたかを網羅的に聞く事で、現在の状況を把握できます。
例えば、部下が話した内容について「他にも意識したことはある?」と問うことで、様々な物事について聞き出すことができます。
次に、会話を横に展開していく中で、もっと深掘りしていくと良さそうと思った話を縦に深ぼって聞くことで部下の考えをより明確にしていきます。
そうすることで、悩みの原因の把握や解決のためのフィードバックが見えてきます。
例えば、「〜〜と言っていたけど、具体的にはどんなことしたの?」と具体的に話してもらえるように聞いていくことが重要です。
時には、なかなか部下から意見が出てこない場合もあると思います。
その際に話を広げるために、上司が仮説を持って聞くということも効果的です。
例えば、「〇〇にこだわって業務しているのかなと思ったんだけど、あってたりする?」と仮説を提示しながら部下に確認するイメージです。
このような質問は、仮説が当たる、外れるは気にしなくても良いです。
部下としては、抽象度の高い質問ばかりされるよりも「〇〇にこだわって業務しているのかなと思ったんだけど」と聞かれる方が、「意識はしてなかったけど上司にはそう見えていたのか」「無意識の中で自分は〇〇にこだわっていたのかも」と考える視点を与えることができるメリットがあります。
このように部下の話を、横に広げたり、縦に深掘りをしたりするコミュニケーションを繰り返して、部下から話を聞き出していくことが重要です。
自発的に部下から話を話してくれることが理想ですが、基本的に質問をしないと部下は自らの話をしないと思っていた方が良いでしょう。
そのため、上司は上記のような問いかけを意識して工夫することが必要です。
5.意識的に部下を承認する(Good Good Good moreの法則)
効果的な1on1のポイント5つ目は「意識的に部下を承認する」です。
マネージャーとしてはメンバーに成長してほしい、目標達成してほしいと思うが故にどうしても指摘や厳しいフィードバックが多くなることがある。これは一定しょうがない事ではあるが、指摘が多くなるとメンバーが心を開いてもらいづらくなります。
そのため、メンバーが話したくなるような承認の時間があるかどうかは1on1において大事になってきます。
メンバーが努力した部分などを承認するようにしましょう。
一般的には日本人は、「Good Good Good moreの法則」と呼ばれる程度、3回承認して1回指摘するくらいの頻度が良いとされています。
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6.1on1で話した内容をメモする
効果的な1on1のポイント6つ目は「1on1で話した内容をメモする」です。
上司は1人で複数名の部下と1on1を行なっているため、話が混同してしまったり、他の人の1on1の内容を間違えて話してしまったりする可能性もあります。
また、1on1に限らず、コミュニケーションは生ものであるため、どの会議でも議事録をとっていないと話した内容を忘れてしまったりする可能性があります。
部下としても一度話した内容を忘れられていたり、話してほしくない内容を他の人に話されると信頼関係を構築できる1on1の効果を台無しにしてしまう可能性もあります。
また、双方の認識が違った場合にもすぐに気づくことができ、修正することができます。
特に行動ベースのネクストアクションを立てる時に双方の認識を揃えることで、迷いなく実行することができるようになるでしょう。
7.フレームワークを活用する
効果的な1on1のポイント7つ目は「フレームワークを活用する」です。1on1の際に会社の事業などについてフレームワークで整理することも効果的です。
効果的なフレームワーク多数を1on1と合わせて使えば、自社が獲得できるプラスの効果をさらに大きくできる可能性を秘めています。
会社の事業環境や強み・弱みなどを把握することで、部下の視座を上げることもできます。
1on1のときに使えるフレームワークについては、下記記事で詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。
8.部下に合わせたコミュニケーションをとる
効果的な1on1のポイント8つ目は「部下に合わせたコミュニケーションをとる」です。
部下と言っても、一人ひとり違う人間です。「行動力・野心が強い主体的な部下」や「好奇心旺盛で周りと楽しむことが好きな部下」、「論理的で分析力が強い部下」「安定志向が強めな部下」などと様々な性格や強み・弱みを持った部下がいると思います。
そこでおすすめなのが、ソーシャルスタイルに分けて、コミュニケーションを変えることです。
「ソーシャルスタイル」とは1968年にアメリカの産業心理学者、デビッドメリル氏が提唱したコミュニケーション理論のことで、4つに分類される人のコミュニケーションのタイプを活用し、適切なコミュニケーションを選択するものです。
種類としては、主導型・促進型・分析型・支持型に分けて適切なコミュニケーションを選択します。
例えば、支持型の方は会議などではあまり発言しなかったり、自分の意見や疑問などをあまり言わなかったりすることが特徴です。
このような人には、積極的に傾聴してあげることが非常に重要です。
また、傾向として周囲の人の気持ちに良くも悪くも敏感な方が多いので、人間関係においてのストレスを聞き出したり、共感したりすることを意識しましょう。
ソーシャルスタイルごとの接し方や判断方法などについて詳しくは下記資料をご覧ください!
7.1on1ミーティングのやり方・具体的な流れ
本項では、1on1ミーティングのやり方・流れについて説明します。効果的な1on1ミーティングは実施の流れは下記のステップを意識しましょう。
ここからは、各STEPを詳細に説明します。
- STEP0:1on1ミーティングの目的を伝える(初回のみ)
- STEP1:事前準備・共有、スケジュール・場所の決定
- STEP2:1on1ミーティングの実施・記録
- STEP3:次回の日時・場所の決定
- STEP4:STEP1〜3を継続的に繰り返す
STEP0:1on1ミーティングの目的を伝える(初回のみ)
まず、1on1を初めて実施する際は、1on1がどのような時間なのか、どういうことを目的としているのかを伝えましょう。
目的を伝えることで、部下はこの時間をどのように利用していけばよいのかが明確になり、悩みなどが話しやすくなるでしょう。
また、目的を伝える際には、部下をフォローしたい姿勢について明確に示しておくことで、安心感を与えることができ、スムーズに1on1を実施することができるようになります。
STEP1:事前準備・共有、スケジュール・場所の決定
1on1ミーティングのステップの1つ目は、「事前準備・共有、スケジュール・場所の決定」です。
このSTEP1からSTEP3まで毎回の1on1で繰り返し実施していきます。
まず最初に事前準備を行います。準備内容としては、1on1で話す内容(アジェンダ)です。
事前に1on1ミーティングで話し合う内容を決めておけば、実際に1on1ミーティングの際に雑談だけしかできないようなことは無くなります。
また、事前に話し合う内容を決めておけば、部下側、上司側も事前の準備をすることができ、1on1ミーティングの効果を最大化するためにも双方の事前共有はしっかりとしましょう。
次に、1on1を実施する具体的な日時と場所を決定します。
1on1の日時は上司の都合だけで決定せず、必ず部下の都合を聞きましょう。お互いのスケジュールをすり合わせた上で日時を決定することが、上司と部下の信頼関係を築くために大切なポイントです。
1on1を実施する場所も、部下の都合を聞いてから決めてください。場所は決まりきった場所でなく、毎回同じ場所で行う必要もありません。会社の会議室やラウンジ、オンラインなど、1on1で話す内容によって適切な雰囲気の場所を選ぶことがおすすめです。
1on1の日時・場所を決定した後は、上司・部下の双方がスケジュールに組み込むことを忘れないようにしましょう。
できるだけ決めたスケジュールで実施するようにしてください。リスケが続いてしまうと形骸化してしまうだけでなく、部下が自分との時間を大切にしてくれないという印象にも繋がり、信頼関係が構築しづらくなってしまうからです。
後日に都合がつかなくなるケースも考えて、日程変更したい場合は必ず連絡を入れるなどのルールも決めておくと良いでしょう。
1on1の日程調整のコピペで使えるテンプレート文は以下の記事をご覧ください。
STEP2:1on1ミーティングの実施・記録
1on1ミーティングのステップの2つ目は、「1on1ミーティングの実施・記録」です。
決定した日時に上司と部下で1on1を実施します。ステップ1で準備したアジェンダに沿って話し合いを行いましょう。
1on1の実施では、上司はコーチングとフィードバックの手法を用い、部下から「話を聴く」スタイルをとることが大切です。
事前共有の内容や部下が困っている内容について質問して具体的に認識を揃えていきましょう。
そして場合に応じて、課題解決のためのアクションを立てたり、上司からサポートできることなどを提示しましょう。
また、1on1で話し合った内容は、上司・部下の双方がいつでも振り返ることができる場所に記録しましょう。
1on1の記録方法としては、手帳のメモや文書ソフトへの入力、クラウドツール等があります。特にクラウドツールは記録の管理や検索がしやすく、異動が生じた時の情報の引き継ぎが簡単です。
また、1on1で人事評価に関する材料を集めて、記録しておくことで、今後の人事評価の業務が楽になるので、記録しておくこともおすすめです。
1on1の最後には、必ず次回の1on1までに実行するアクションプランを立てることが効果的な1on1の秘訣です。
STEP3:次回の日時・場所の決定
1on1ミーティングのステップの3つ目は、「次回の日時・場所の決定」です。
1on1の最後には、次回の1on1を行う日時・場所を決定します。1on1は部下を成長させるためだけでなく、上司と部下の信頼関係を構築する目的もあるため、次回の日時は期間をあけすぎないようにしましょう。理想は週1回、間隔を空けても月に1回の頻度でスケジュールを組むことがおすすめです。
また、毎週月曜の13時から30分間など、1on1のスケジュールを固定化することで、毎回の1on1でスケジュールのすり合わせをする手間が省けます。
毎週固定の時間を1on1の時間として確保することで、確実に毎週1on1を実施することができ、形骸化のリスクを低くすることができます。
STEP4:STEP1〜3を継続的に繰り返す
そして、このSTEP1〜STEP3を継続的に繰り返し実施することが重要です。
1on1が価値を発揮するのは、繰り返し1on1を実施することにあります。
1on1の期間が空いてしまうと、メンバーが抱えている悩みや課題のキャッチアップが遅くなってしまいます。その間、メンバーは同じ悩みなどを抱え続けることとなり、生産性が低下してしまうでしょう。
そのため、無理のない範囲内で1on1をできるだけ高頻度で行っていきましょう。
8.1on1ミーティングで話すべき9つのテーマとアジェンダ具体例
実際に部下の成長のために1on1ミーティングを導入しようと思っても実際どのようなことを話せばよいのかわからないこともあると思います。本項では、そんな方々に向けて1on1で話すべきテーマの代表例として9つのテーマを紹介します。
1on1で話すべきテーマ一覧
- 仕事の進捗や課題、目標について
- 体調やメンタルの健康確認
- モチベーション
- 部下育成
- 経営理念・行動指針・バリュー浸透
- 人事評価
- キャリア支援
- アイスブレイク・プライベート
- 会社やチームの戦略・方針
テーマ1:仕事の進捗や課題、目標について
1on1ミーティングで話すべきテーマの1つ目は、「仕事の進捗や課題目標」についてです。
部下の成長を促進させるためには、現在部下の進捗状況や直面している課題や問題点ついて聞くべきです。
進捗状況に関しては、順調に進んでいる場合は、褒めることと同時に、その部下が持っている現場の知識や経験、業務の進め方などについて聞いてみるのもよいでしょう。
現場の知識や経験について吸い出すことができれば、現場のノウハウの顕在化にもつながり、チーム全体の成績の向上にもつながります。
また、1on1の中で目標設定を行い、その目標に対して話すことも効果的です。
特に重要となるのが「目標達成のための行動計画」を立てることです。
具体的に行動可能な目標達成のためのタスクに落とし込むことで部下が行動する確率が非常に高まります。
目標は上司から伝達される一方的なものではなく、部下も納得した目標にすることも重要です。
具体的な質問内容
- 今の業務内容のポイントを教えてください
- うまく進んでいると思うけど、今後の懸念点は何かありますか?
- もう少し任せてほしいとかの要望ってありますか?
- 今の業務で困っていることって何かありますか?
- 今の業務について欲しいサポートとか、私へのリクエストはありますか?
テーマ2:体調やメンタルの健康確認
1on1ミーティングで話すべきテーマの2つ目は、「体調やメンタルの健康確認」です。
心身の健康状態は、モチベーションや離職に関わるので重要な要素なので、1on1を実施する度にチェックしておきたい項目です。具体的には部下の体調やメンタルと密接に関係する業務や人間関係について確認するようにしましょう。
定期的に部下の体調のチェックをすることで、退職を未然に防ぐ効果があります。
部下の不調に気づくのが遅れてしまうといけないので、毎回の1on1の最初に確認するようにしましょう。
具体的な質問内容
- 最近眠れていますか?体調は大丈夫ですか?
- 今抱えている仕事量に問題はないですか?
- 今、社内で気になることって何かありますか?
- 部署の人とか周りの人とは特に問題なくやれていますか?
テーマ3:モチベーション
1on1ミーティングで話すべきテーマ3つ目は「モチベーション」です。
部下のモチベーションを上げることで、部下自身の生産性が上がったり、会社への帰属意識が高まったりして、部下自身だけでなくチーム全体へ良い効果が期待できます。
モチベーションを上げるためには以下の2つの法則を意識することが重要です。
- モチベーションを上げる要因を高める
- モチベーションを下げる要因を取り除く
プラス面・マイナス面の両面からアプローチすることで、効果的に部下のモチベーションを高めることができます。
モチベーションに関してのテーマは、上司と部下の信頼関係を構築する上で非常に重要な質問となります。信頼関係が構築できると、円滑なコミュニケーションや問題発生時の早期解決などと期待できるメリットが多いです。そのため、モチベーションに関するテーマも1on1ミーティングで扱うべきテーマです。
具体的な質問内容
- どんな仕事をしている時が楽しいですか?
- 最近の仕事の中で、やる気が上がったなと感じる業務はありますか?
- これならやってもいいなって思う仕事はないですか?
- 色々あると思うけど、特に気になっていることとかありますか?
- 最近の仕事の中で、自信が無い業務ってありますか?
テーマ4:部下育成
1on1ミーティングで話すべきテーマ4つ目は「部下育成」です。
テレワークが一般的になり、昔のように部下がすぐ隣で、詰まっているところをすぐ指導する環境ではなくなりました。
1on1で、部下が日常業務で困っていることや業務内容でわからないところ、アドバイスがほしいところなどがを明らかにしていき、問題なく業務ができるようにサポートすることが重要です。
また、1on1で話した内容を蓄積することによって、社内で共通して従業員のハードルになっているところが明らかになり、新たな研修を実施するなど組織全体の人材育成の改善に利用もできます。
そのため、部下ごとの様々なケースを情報として記録しておくことも重要でしょう。
具体的な質問内容
- 業務に取り組んでみて難しいと感じたところやほしいサポートはありますか?
- 前回の1on1やそれ以前からの業務で一番力を入れた業務は何ですか?
- その業務で自分が学べたことや気づいたことは何かありますか?
- 私や他のメンバーへの要望やしてほしいサポートなどありますか?
- 現在の業務で納得のいっていないことやモヤモヤはありますか?
テーマ5:経営理念・行動指針・バリュー浸透
1on1ミーティングで話すべきテーマ5つ目は「経営理念・行動指針・バリュー浸透」です。
普段あまり話すことがない経営理念や行動指針、バリューについて対話する機会を1on1で作ると理念や行動指針などを浸透することができます。
普段の業務から行動指針・バリューに沿った行動をとることができるようになります。
また、1度で全ての行動指針やバリューについて話し合う必要はありません。
今回は行動指針・バリューの中のこれについて話すということを1つ決めて、今月のテーマとして取り組んでもらうということでも効果的です。
また、体現できている人を見つけてもらうことで、チームの雰囲気も良くなるでしょう。
ここで聞き出したことを、賞賛相手の1on1の時に伝えることで、その人のモチベーションも上がり、自然と賞賛する環境を作ることができます。
具体的な質問内容
- コンピテンシー実現のために行ったことは何ですか?
- 「〇〇」という行動指針・バリュー体現のために行ったことは何ですか?
- バリューに沿って心からの賞賛を自分以外のメンバー1人に贈るとしたら誰でしょうか?
テーマ6:人事評価
1on1ミーティングで話すべきテーマ6つ目は「人事評価」です。
1on1で評価についての材料を集めることも効果的です。日々の1on1の記録が人事評価の際に活用できるようになり、評価のエビデンスも明確になります。
そのため、納得度の高い公平な評価を実現することができ、マネージャーの人事評価に関する業務の効率化にも役立ちます。
具体的な質問内容
- 次の評価期間で目標にしたいことを教えてください。
- この目標が全体のどこにつながっているのか分かりますか?
- この目標を達成していく上で、効率化できることは何かありますか?
- この評価期間において自己評価をつけるとしたら10点満点で何点ですか?
- 点数の理由は何でしょうか?
- この評価期間で残した結果について教えてください。
テーマ7:キャリア支援
1on1ミーティングで話すべきテーマ7つ目は「キャリア支援」です。
部下の今後の成長やキャリアビジョン、身につけていきたい能力などについて、対話を通してサポートしていきます。部下が自発的にこれからのキャリアを考えるきっかけをつくることが重要です。
もし目標や夢がない部下の場合は、ロールモデルを社内に見つけるように誘導することによって、身近な目標に気づかせることができるようになるでしょう。
以下の質問内容は、あくまで一般化して書いておりますので、実際は組織のキャリアプランなどを一緒に見たりしながら、部下がどうなりたいのかを確認していくことがおすすめです。
具体的な質問内容
- キャリアの方向性ややりたいことは変わっていませんか?
- 将来的に関わりたい仕事やチャレンジしたいこと、キャリアの方向性があれば教えてください
- 今後どういう能力を伸ばしていきたいですか?
- 社内にロールモデル(模範)となる人はいますか?
テーマ8:アイスブレイク・プライベート
1on1ミーティングで話すべきテーマの8つ目は、「アイスブレイク・プライベート」です。
アイスブレイクはどんなチームでもやっても良い万能なやり方という訳ではありません。
例えば、メンバーが意見を言い、マネージャーがフィードバックがするような良い関係性がある場合やキャリアの悩みなどの深い話題が既にできている場合は、アイスブレイクに関する話をしなくても問題ありません。
「上司・部下になって間もない1on1のとき」や「1on1の相手が悩みを抱えてそうなとき」「1on1の相手が口下手なとき」など、気軽に会話・相談できないなどの上司・部下の信頼関係が未熟な場合に実施すると良いでしょう。
プライベートに関するテーマは直接的に部下の成長に繋がらないかもしれません。
また、プライベートの面の話は踏み込みすぎると本当に話したい話をする時間が減ってしまったり、問題が起きてしまうことも考えられます。
しかし、プライベートの話は、上司と部下の信頼関係を構築するきっかけになったり、緊張しがちな1on1ミーティングのアイスブレイク的な側面も持っていることも事実です。そのため、1on1ミーティングでプライベートの話をするときは節度を持って、相手との関係性を意識しながら話をするようにしましょう。
具体的な質問内容
- 〇〇さんが何を大事にしているか知れると一緒に仕事しやすいかなと思っていて、何に注目して会社選んでいたかとかって聞いても良い?
- 休日は何しているの?
- 最近はまっている趣味はある?
- 何をしているときが一番楽しいですか?
テーマ9:会社やチームの戦略・方針
1on1ミーティングで話すべきテーマの9つ目は、「会社やチームの戦略・方針」です。
このテーマでは、経営や戦略について考えるきっかけとなることについて話します。
マネージャーの役割の一つは、組織の上と下をつなぐことです。マネージャーしか知らない上層部で決定された戦略や方針をタイミングよく分かりやすく伝えることが大切です。
ここでは、質問というよりもどちらかというと、部下への情報の伝達や報告をすることが中心です。
部下が普段耳にできない戦略等を共有されることで、自ら戦略に基づいた行動をしようとしたり、組織目線で思考したりするようになるでしょう。
具体的な内容
以下のような流れで、情報を報告・連絡・相談すると良いでしょう。
- 今回の会議で、〇〇ということが決まりました。
- この決定があった背景としては〜〜ということです。
- そのため、〇〇さんにはこういうことを行なってほしいと思っています。
9.1on1ミーティングを形骸化させないための工夫
1on1ミーティングを導入し始めている企業が多い中「なかなか定着しない」「社員が実施してくれない」など1on1の定着・浸透に悩む方が多いように思われます。
また、1on1は効果を感じるのに時間を要するので、人事施策の中でも形骸化しやすいものです。
そこで、ここからは1on1を形骸化させないためにできる工夫について解説していきます。
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人事の方に読んでほしい!1on1などの人事施策を組織に定着させるために必要な「プロジェクトマネジメント力」とは?
工夫1:1on1の目的・導入背景・導入後の理想の状態を明確にして周知する
1on1ミーティングを形骸化させない工夫の1つ目は「1on1の目的・導入背景・導入後の理想の状態を明確にして周知する」ことです。
そもそも1on1ミーティングの導⼊背景・目的・導⼊後の理想の状態の定義が曖昧であることが多いです。
そこで、「なぜ1on1を導入するのか」についてきちんと社内で議論し、決定しておくことが重要です。
1on1が実施された後の理想の状態を決めておくと、導入後の効果検証となる定量指標や定性指標も明確になるでしょう。
次に、1on1の目的・導入背景・導入後の理想の状態を明確にした後は、その内容を全社に周知させ「共通合意」を得ることが重要です。
社員の方々が合意できていないと、「また何か新しいことを始めたぞ、忙しいのに」と思わぬ反発が生まれてしまいます。
1on1の導入目的等は経営層や人事部のメンバーのみで決定しがちですが、現場の主要マネージャー数人(6人以下がおすすめ)も交えて、特に目的の部分を一緒に定めることを強くおすすめしています。
工夫2:1on1の公式ルールを作成する
1on1ミーティングを形骸化させない工夫の2つ目は「1on1の公式ルールを作成する」です。
1on1ミーティングの定着には公式のルールを設定することが非常に重要です。
月当たりの実施回数や頻度などある程度の形式的なルールがあることによって、現場マネージャーたちも1on1のやり方を理解し、効果的な1on1を実施するきっかけとなります。
また、1on1の目的の浸透にも役に立ち、人事施策としての1on1の目的も達成できるようになるでしょう。
1on1の実施をマネージャー等の人事評価の項目として設定するのも非常に効果が出ます。
工夫3:コミュニケーションのガイドラインを策定する
1on1ミーティングを形骸化させない工夫の3つ目は「コミュニケーションのガイドラインを策定する」です。
コミュニケーションのガイドラインを策定することで、1on1の指針となり、1on1を実施する人たちが迷いなく1on1を行うことができるようになります。
例えば、「メンバーの悩みを聞く」「耳を傾ける」「一方的な意見や指導をしない」などの傾聴の姿勢や、「内省の促す」「気付きを与える」「解決策を導き出させる」などのコーチングの姿勢など、様々な1on1の場面に対応できるようなコミュニケーションにおける基本的な内容を設定しておくと良いでしょう。
また、それぞれにおいて具体例を示してあげることで、従業員はだんだんコツを掴んで効果的な1on1を実施できるようになるでしょう。
工夫4:組織の公式アジェンダを作成する
1on1ミーティングを形骸化させない工夫の4つ目は「組織の公式アジェンダを作成する」です。
1on1を実施しているときによく起こることは、上司・部下それぞれが何を話していいか分からず、雑談に終始してしまうということです。
特に会話パターンが少ない上司だと「最近どう?」「あれどうなった?」などのあまり意味のない1on1をしてしまう可能性が高いです。
そこで、組織として1on1で何を話して欲しいのか、現場マネージャーが話したいこと、現場メンバーが話したいことを基に「公式アジェンダ」を作成することがおすすめです。
そうすることで、組織の理念浸透や目標達成力の向上、メンバーのモチベーションの向上などの効果が期待できる有意義な1on1が着実に実行されるようになります。
工夫5:記録フォーマットと管理する場所を用意する
1on1ミーティングを形骸化させない工夫の5つ目は「記録フォーマットと管理する場所を用意する」です。
記録フォーマットが決まっていないと、記録の取り方がバラバラだったり、そもそも記録を取らない人も出てきます。
また、管理場所が決まっていないと、現場の声が集約されている貴重なデータが活用できなくなってしまいます。
1on1の記録を残すことで、マネージャー自身が自分の1on1を振り返ることに使えます。
また、記録を継続的に管理することで、現場メンバーが共通して課題になっている部分を特定することができ、解決するためのスキル習得のための研修を導入するなど、社内の人材育成にも活用することができます。
1on1を記録するための「1on1ミーティングシート」のテンプレートを下記記事で無料公開していますので、ぜひご覧ください。
工夫6:実施状況や内容などを把握できる仕組みを導入する
1on1ミーティングを形骸化させない工夫の6つ目は「実施状況や内容などを把握できる仕組みを導入する」です。
1on1を組織全体で導入したは良いものの本当に実施されているのかが可視化できないという状況になっている企業様はよく見受けられます。
先ほど紹介した記録フォーマットの提出などを基に実施したという判断をしても良いでしょう。
しかし、この方法では運用コストが非常になってしまうため、分析できるツールやサービスを利用するという手段もあります。
また、公式アジェンダの利用状況も確認できると、公式アジェンダの見直しの指針となり、対話の質向上につながるでしょう。
このようにモニタリングの仕組みがないと、実施状況の確認だけでなく、どのマネージャーのマネジメント能力に課題があるのかもわからず、1on1を効果的に実施するためのPDCAサイクルを回すことができません。
そのため、定期的なモニタリングの仕組みがない場合は、早急に環境を構築することをおすすめします。
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10.1on1ミーティングが嫌いや苦痛と感じる人がいる原因
1on1ミーティングを導入している企業の従業員の中に、1on1に良いイメージを持っていない方や苦手意識を持つ方もいます。
そこで、ここからは1on1にネガティブなイメージを持つ方の原因をお伝えしていきます。
原因1:話すことがない、何を話せばいいのかわからないと感じている
原因の1つ目は「話すことがない・何を話せば良いのかわからないと感じている」です。
話すことが決まっていない1on1では、上司・部下ともに何話すのかという状況に陥る場合が多く、せっかくの機会を無駄にしてしまうことが多いです。
また、1on1導入時は話すことに困らなかったとしても、回数を重ねるごとに、話題が尽きてしまう場合もあるでしょう。
会話が弾まないと上司の期待に応えられなかったと部下が気を落とし、仕事へのモチベーションが低下してしまう恐れもあります。
事前に話す内容やテーマを決めてから1on1に臨めるように、組織の公式アジェンダやおすすめのアジェンダテンプレートを用意すると良いでしょう。
原因2:時間がないと感じている
原因の2つ目は「時間がないと感じている」です。
国内に専業マネージャーは全体の10%しか存在せず、90%が「プレイングマネージャー」ということがわかっています。前述の通りマネージャーはプレイング業務とマネジメント業務を兼任することが多いため、非常に多忙です。
そのような状況の中、部下も常に多くの業務を抱えており、1on1より目先の仕事を優先しがちです。
繁忙期と重なった場合はなおさら時間がとれず、忙しさを理由にスケジュールの変更を繰り返し、なし崩し的に立ち消えになって、最終的には形骸化してしまう可能性が高いでしょう。
本来、1on1の実施目的は「部下の成長」であるため、目的を達成できないだけでなく、マネージャーの負担も一向に減りません。
きちんと1on1を実施する目的と現場の方々が得られるメリットについて説明する機会を設けることが重要です。
原因3:1on1を実施する意義を感じていない
原因の3つ目は「1on1を実施する意義を感じていない」です。
この場合、2つのパターンに分けられ、「シンプルに知らない場合」と「認められないなど1on1の実施に抵抗がある場合」です。
「シンプルに知らない場合」は簡単で、1on1に関する説明会を開催すれば良いでしょう。
このような方は多くの場合、1on1実施後に中途入社してきた方です。そのため、オンボーディング期間中に1on1のオンボーディングも合わせて実施すると良いでしょう。
「認められないなど1on1の実施に抵抗がある場合」は非常に難しいケースです。
この人の場合は、感情面など合理的でない他の要因が影響して、実施しない場合が多く、どれだけアドバイスややり方を伝えても実施すらしようとしないのが特徴です。
このような人の場合の対策は、社内で1on1の効果を実証して、周りの人から勧められるのが最も効果的です。
そのため、社内の1on1にポジティブな印象を持っている現場マネージャーを特定し、その人からアプローチしてもらう方法が良いでしょう。
主体的にこのような動きをとってくれる人数を増やしていくことが、1on1が定着する重要要素となります。
原因4:上司のコミュニケーション
原因の4つ目は「上司のコミュニケーション」です。
上司のコミュニケーションが悪いものであるため、部下が1on1に参加することすら苦痛に感じているケースもあります。
例えば、部下の話を聞かずに自分の意見を押し付けていたり、自分のことばかりを話していたり、否定ばかりするなど良くないコミュニケーションは様々です。
中には、1on1が詰められる・説教の場になっているケースも見受けられます。
この場合は、コミュニケーションガイドラインを策定したり、上司向けの1on1研修を実施することが効果的です。
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11.1on1ミーティングを話すこと1on1ミーティングに重要なスキル
1on1ミーティングの効果を最大化するためには、上司はスキルを磨く必要があると前項で説明しました。しかし、1on1ミーティングのスキルについて知識がある人は少ないです。では、1on1ミーティングで必要なスキルは何でしょうか?
1on1ミーティングで重要なスキルは次の3つです。
- コーチングスキル
- フィードバックスキル
- ティーチングスキル
次項からは、この3つのスキルについて説明します。
コーチングスキル
1on1ミーティングで必要なスキルの1つ目は、「コーチングスキル」です。コーチングスキルとは、部下の主体的な行動を引き出すスキルのことを指します。このスキルが高まると、部下の自発性が向上することに繋がり、部下が自身で業務の課題を解決できるようになるでしょう。
フィードバックスキル
1on1ミーティングで必要なスキルの2つ目は、「フィードバックスキル」です。フィードバックスキルとは、部下の行動について、上司が部下に客観的な評価を伝え、より良い行動に導いていくスキルのことを指します。このスキルが高まると、部下の行動に対して適切にアドバイスができることに繋がり、業務の効率化と改善が期待できるでしょう。
ティーチングスキル
1on1ミーティングで必要なスキルの3つ目は、「ティーチングスキル」です。ティーチングスキルとは、上司がこれまで培ってきた経験やスキルや課題の解決策を部下に教えるスキルのことを指します。このスキルでは部下の自主性の成長は見込めないですが、スピード感を持って部下は知識や答えを直接的に学ぶことができます。そのため、部下が1人で仕事ができるようになるまではティーチングスキルを優先的に用いて、部下を成長させることが大切です。
また、より詳細に1on1ミーティングのスキルについて知りたい方は下記のリンクから別記事も参考にして見てください。
12.1on1ミーティングに関係するスキルを磨くためには?
本項では、1on1ミーティングに関するスキルを磨くために有効な手段を2つ説明します。
書籍を利用する
1on1ミーティングに関係するスキルを磨く方法の1つ目は、「書籍を利用する」ことです。1on1ミーティングスキルの獲得方法として、自己啓発本やビジネス書を読むことも有効な手段です。これらの本を読むことで、自分自身が今まで知らなかった知識やテクニックを身に付けることができます。それに伴って、視野の拡大につながり、より幅広い人々と効果的なコミュニケーションをすることができます。しかし、読書だけではインプットで終ってしまいます。そのため、読書を通じて得た知識を実践に活かす意識を持つことが重要です。
研修サービスを利用する
1on1ミーティングに関係するスキルを磨く方法の2つ目は、「研修サービスを利用する」ことです。1on1ミーティングの研修や浸透のためのコンサルティングは本を読むときと同様に、自分自身が今まで知らなかった知識やテクニックを身に付けることができます。そして、読書と違い、研修プログラムの中では、読書を通じて得た知識を実践に活かすことや、フィードバックを受けることなどのアウトプットをすることも可能です。
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13.1on1ミーティング導入・浸透に成功した企業事例
ここからは1on1ミーティングを導入して成果を上げた成功事例を紹介していきます。
実際に弊社ツールの「Co:TEAM(コチーム)」を使って売上が向上した事例もありますので、ぜひご覧ください。
事例1:ヤフー株式会社
ヤフー株式会社は、ポータルサイトやネットオークション事業など、幅広い事業展開をしている会社です。
ヤフーは、2012年に日本でいち早く1on1ミーティングを導入し、その後1on1ミーティングが注目されるきっかけとなった企業といえます。
現在は、約7000人の従業員のうち9割が隔週で1回以上、約30分の1on1ミーティングを実施しています。
導入当初は、上司と部下のコミュニケーション不足を解消することが目的でした。
そして現在は、次の2つを目的としています。
- 経験学習の促進
- 社員の才能と情熱を解き放つこと
ヤフーの主要領域であるIT業界は、変化がとても激しい領域です。
そのため、社員は常に新しいことを学び、環境の変化に対応しなければなりません。
また、ヤフーは会社の成長のためには個々の従業員の能力を最大化する必要があると考えています。
そのため「部下の才能と情熱を解き放つ」という人材育成コンセプトのもと1on1を実施し、アドバイスを与えたり、支援をしたりすることで部下自身が気づいていない潜在力を引き出しています。
株式会社Merone
Merone 株式会社は女性の自立支援を行っているベンチャー企業です。1on1ミーティングを導入したことで、MVVを全く知らない社員たちにMVVを浸透させることに成功しました。具体的には、1on1コミュニケーションで高頻度で認識のすり合わせを行い、「組織としてやるべきこと」と「個人の成長」が両立するようになり、従業員エンゲージメントや売上の向上につながりました。
また、Meroneでの1on1ミーティングの導入事例の詳細は、下記のリンクでインタビュー記事を読むことができますので、ぜひお読みください。
株式会社ジョン
株式会社 ジョンは、ご自宅で病気を抱えながら生活されている方に看護を提供するというサービスを提供している在宅医療や、訪問看護の分野の企業です。株式会社 ジョンでは、1on1ミーティングでの定期的な振り返りを行うことによって、業務における行動レベルの解像度UPと目標整理や行動計画作成が可能になり、毎月500-1000万円の売上が上昇しました。
また、株式会社 ジョンでの1on1ミーティングの導入事例の詳細は、下記のリンクでインタビュー記事を読むことができますので、ぜひお読みください。
1on1ミーティング導入・浸透ならCo:TEAM(コチーム)!
コチームは、マネジメントの最先端「パフォーマンスマネジメント」を支援する国内初のマネジメントツールです。
コチームは、MBOやOKR等の目標管理賞賛・承認や1on1等を通じたフィードバック360度評価にも対応する人事評価を一元管理できます。
パフォーマンスマネジメントとは、米国TOP500の世界的企業約30%が採用する、メンバーのパフォーマンスを高めるため、一人ひとりの持つ能力やスキル、モチベーションを引き出すと同時に、上司が効果的なフィードバックを行い、目標達成を目指すマネジメント手法です。
1on1を通じたパフォーマンスマネジメントを実践することにより、上記のような効果が期待できます。
まとめ
本記事では、1on1ミーティングについて総合的に説明しました。1on1ミーティングに関する知識は、1on1ミーティングの効果を最大化し、企業の持続的な成長のために非常に重要です。最後までお読みいただきありがとうございました。
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