目標管理シートの書き方と職種別記入例|無料テンプレート付き

▼ この記事の内容

目標管理シートは、含めるべき7項目を押さえたテンプレートを使い、職種別の記入例を参考に書くのが最も効率的です。本記事では無料テンプレートのDLに加え、営業・事務・管理職の書き方、エクセル運用で失敗しないためのポイントまで解説します。

「来月までに全社員の目標管理シートを提出してほしい」——そんな指示を受けたものの、社内に統一フォーマットがなく、何から手をつけるべきか分からない。そんな状況に直面していないでしょうか。

目標管理シートの運用で最も多い失敗は、空欄だらけのテンプレートを配布して「あとは各自で書いてください」と丸投げしてしまうことです。特に事務職や技術職のように数値化しにくい職種では、記入の手が止まり、提出率が大きく下がります。

この記事では、すぐにダウンロードできる無料テンプレートとあわせて、営業・事務・管理職それぞれの記入例、そしてエクセルで運用する際に陥りがちな失敗パターンまで、一気通貫で整理しました。

読了後には、自社に合ったテンプレートを選び、職種別の記入例をもとに全社配布できる状態が整っているはずです。


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目標管理シートの無料テンプレート

目標管理シートを全社で統一運用するには、検証済みのテンプレートをベースにカスタマイズするのが最も効率的です。ゼロからフォーマットを設計すると、項目の過不足やレイアウトの試行錯誤に時間を取られ、肝心の目標設定が後回しになります。

テンプレートのダウンロード

以下のテンプレートは、目標設定から振り返りまでの必須項目を網羅した汎用フォーマットです。エクセル形式のため、自社の評価基準や職種構成にあわせてカスタマイズできます。


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テンプレートをダウンロードしたら、まず自社の評価期間(四半期・半期・年次)にあわせて期日欄を調整してください。次に、職種ごとに記入例を参考にしながらサンプルデータを1名分入力し、上司と部下の双方にとって入力しやすいレイアウトかを確認するのが導入の最短ルートです。

ただし、テンプレートをそのまま全社配布するだけでは、職種によって記入欄の使い方が分からず、提出率が下がるケースがあります。後述する「職種別の書き方と記入例」のセクションで、営業・事務・管理職それぞれの具体例を確認してから配布することを推奨します。

テンプレートの構成や項目設計の背景については、次の見出しで詳しく解説します。自社にどのタイプのテンプレートが合うかを判断するための基準も整理しています。

自社に合うテンプレートの選び方|3つの判断基準

目標管理シートのテンプレートは「どれでも同じ」ではありません。自社に合わないフォーマットを選ぶと、現場が入力に苦しみ、評価との連動が破綻します。選定時に確認すべき基準は「会社目標との連動性」「測定可能性」「期限の明確さ」の3軸です。

以下のフォーマット診断マトリクスを使えば、ダウンロードしたテンプレートが自社で機能するかを事前に評価できます。

判断基準◎ そのまま使える○ 軽微な修正で対応△ 大幅カスタマイズが必要
会社目標との連動性組織目標→部門目標→個人目標の階層が明記されている個人目標欄はあるが組織目標との紐づけ欄がない個人目標の自由記述のみで階層構造がない
測定可能性定量指標(数値・%)の入力欄と達成率の自動計算がある数値欄はあるが自動計算がない定性目標の自由記述のみで数値入力欄がない
期限の明確さ四半期・月次のマイルストーン欄が設けられている最終期限のみ記載できる期限欄そのものがない

3軸のうち2つ以上が「△」に該当する場合、そのテンプレートは自社の評価制度と大きく乖離しています。無理に使うよりも、別のテンプレートを選ぶか、自社の評価項目にあわせて項目を再設計するほうが、結果的に導入コストを抑えられます。

テンプレートを選んだら、次に確認すべきは「どの項目を含めるか」です。項目の過不足は、現場の入力負荷と評価精度に直結します。

目標管理シートに含めるべき7つの項目

目標管理シートの精度は、含める項目の設計で決まります。項目が不足すれば評価の根拠が曖昧になり、項目が多すぎれば現場の入力が形骸化します。以下の7項目が、目標設定から振り返りまでを過不足なくカバーする必須構成です。

目標設定から振り返りまでの必須項目一覧

目標管理シートに含めるべき必須項目は、以下の7つです。この7項目を網羅することで、目標の設定から評価・振り返りまでの一連のサイクルを1枚のシートで完結できます。

  1. 目標(数値目標):「売上を前年比120%にする」のように、達成状態を数値で定義する項目。曖昧な表現を排除し、誰が読んでも同じ基準で達成度を判断できる状態にします。
  2. 達成基準:目標がどの水準で「達成」と見なされるかを定義する項目。たとえば「達成率100%以上=A評価、80%以上=B評価」のように段階を設けます。
  3. 期日:「いつまでに」を明確にする項目。最終期限だけでなく、中間マイルストーンを設定すると進捗管理がしやすくなります。
  4. 行動計画:目標達成に向けた具体的なアクションを記載する項目。「何を」「いつまでに」「誰が」の3要素を明記します。
  5. 達成度を測る指標(KPI):目標の進捗を定量的にモニタリングするための指標。営業であれば訪問件数や商談数、事務職であれば処理時間やミス件数が該当します。
  6. 結果と成果:期末に実際の達成状況を記録する項目。数値結果だけでなく、目標未達の場合の原因分析も含めます。
  7. 振り返り(上司・本人コメント):上司と部下が成功要因・失敗要因を言語化し、次期の目標設定に接続する項目。

厚生労働省が公表している「職業能力評価基準」でも、目標の明確化と達成度の客観的測定が人材育成の基盤として位置づけられています。上記7項目は、この考え方を実務のシートに落とし込んだ構成です。

参考:職業能力評価基準について|厚生労働省

ただし、7項目をすべて詳細に記入させればよいわけではありません。項目数と入力粒度のバランスが崩れると、現場は「入力作業」に追われ、本来の目標設定が目的化してしまいます。

項目が多すぎると現場が止まる|絞り込みの考え方

目標管理シートの項目は、多ければ多いほど精度が上がるわけではありません。項目が10個を超えると、現場の入力完了率は大幅に低下し、シートが「埋めるための作業」に変わります。

必須の7項目を基本としつつ、自社の評価制度で使わない項目は思い切って削除する「引き算のフォーマット設計」が重要です。

テンプレートの項目が多すぎると、記入者は「何を書けば正解なのか」が分からなくなり、思考が停止します。心理学でいう「選択のパラドックス」と同じ構造です。選択肢が増えるほど意思決定の質が低下し、結果として空欄のまま提出される確率が高まります。本当に評価に使う項目だけを残し、参考情報は別シートに移すことで、記入者の認知負荷を下げられます。

具体的には、まず人事部門が「この項目は評価会議で実際に参照しているか」を7項目ごとにチェックしてください。過去2期分の評価会議の議事録を振り返り、一度も言及されなかった項目があれば、それは削除候補です。

項目の設計が固まったら、次は「何を・どう書くか」の具体例を職種別に確認していきましょう。

職種別の書き方と記入例

目標管理シートの書き方は、職種によって重視すべきポイントが大きく異なります。営業職は数値目標を逆算して書きやすい一方、事務職や管理職は目標の数値化自体が最大のハードルです。以下では、職種別の記入例と書き方のコツを具体的に解説します。

営業職の記入例|数値目標の逆算で書く

営業職の目標管理シートは、最終的な売上目標から逆算してKPIを設定し、日次・週次の行動計画に落とし込むのが最も効果的な書き方です。

目標2026年度上期の担当エリア新規売上を前年比120%(3,600万円)にする
達成基準3,600万円以上=A、2,880万円以上=B、2,880万円未満=C
期日2026年9月末
行動計画・1日10件の新規リードに架電し、月5件の訪問アポを獲得する
・既存顧客に四半期ごとのフォローアップを実施し、アップセル機会を創出する
KPI月間訪問件数20件、提案書提出件数8件、成約率25%

営業職の場合、目標を「売上金額」だけにすると、プロセスの改善が見えにくくなります。売上という結果指標に加えて、訪問件数や提案数といったプロセス指標を行動計画に含めることで、期中の進捗確認と軌道修正がしやすくなります。

なお、営業目標の数値化については、具体的な変換手法をこちらの記事で詳しく解説しています。

一方、次に紹介する事務職では、売上のような直接的な数値指標がないため、目標の立て方そのものが大きく変わります。

事務職の記入例|数値化しにくい目標をKPIに変換する

事務職の目標管理シートで最も重要なのは、「業務の正確性」「効率化」「改善」といった定性的なテーマを、測定可能なKPIに変換することです。数値化できないと思われがちですが、「件数」「時間」「頻度」に変換すれば、ほぼすべての業務で定量指標を設定できます。

定性的な目標KPIに変換した記入例
業務の正確性を高める毎月の請求書発行におけるミスを0件にする
業務改善に取り組む四半期ごとに業務マニュアルを1つ以上更新し、部署内で共有する
スキルを向上させるエクセルのマクロ機能を習得し、日次集計業務の時間を1日15分削減する

ポイントは、「何を」「いつまでに」「どの水準まで」の3要素を1文に含めることです。「業務改善に取り組む」という曖昧な表現では、期末に達成度を判断できません。「四半期ごとにマニュアルを1つ以上更新」のように、期日・回数・状態を明確にすることで、本人も上司も客観的に評価できるようになります。

「そもそも自分の業務で何を数値化すればいいか分からない」という場合は、まず1週間の業務を時間単位で記録してみてください。最も時間を使っている業務の「処理時間」「発生件数」「エラー率」のいずれかが、そのままKPIの候補になります。

事務職の目標が個人の業務改善に留まりやすいのに対し、管理職はチーム全体の成果と部下の育成を両立させる必要があります。

管理職の記入例|チーム目標と部下育成を両立する

管理職の目標管理シートは、個人の業績だけでなく、チームの目標達成率と部下の育成という2つの軸を同時に盛り込む必要があります。管理職の目標が個人プレーに偏ると、部下の成長が置き去りにされ、中長期の組織力が低下します。

目標新入社員3名の早期戦力化を図り、OJT期間終了時(6ヶ月後)に各人の目標達成率80%以上を実現する
達成基準3名全員が80%以上=A、2名が80%以上=B、1名以下=C
行動計画・週1回の1on1ミーティングで進捗確認とフィードバックを実施
・OJT担当者と月1回の情報共有会を開催し、育成課題を早期に特定する
KPI1on1実施率100%、新入社員の月次目標達成率の推移

管理職の目標で特に重要なのは、「部下の成果」を自分の目標に組み込むことです。「1on1を実施する」という行動目標だけでは不十分で、「1on1を通じて部下の目標達成率を○%以上にする」のように、行動の先にある成果を目標に据えることがポイントです。

また、管理職は企業の経営目標と現場の実行をつなぐ結節点です。自分のチーム目標が、上位の部門目標や経営目標にどう紐づいているかを目標管理シート上で明示すると、部下にとっても「なぜこの目標なのか」が理解しやすくなります。

ここまで3職種の記入例を見てきましたが、企画職・技術職・サービス職など他の職種にも応用できる汎用的な「型」があります。

どの職種にも応用できる目標設定の2つの型

あらゆる職種の目標設定は、「数値化しやすさ」と「進捗の可視化しやすさ」の2軸で整理すると、最適なアプローチが見えてきます。この2軸マトリクスを使えば、自分の職種がどの象限に属するかが分かり、記入例を応用する方向性が明確になります。

第1象限(数値化しやすい × 進捗が見えやすい):営業職、サービス職。売上・件数・顧客満足度スコアなど、日次・週次で追えるKPIが豊富です。結果指標とプロセス指標の両方を設定し、行動計画を逆算で書くのが最適です。

第2象限(数値化しやすい × 進捗が見えにくい):企画・マーケティング職。最終的な数値(問い合わせ数、CV率)は測定できるが、施策の効果が出るまでに時間差があります。中間マイルストーン(施策の実行完了日)を行動計画に含めることで、期中の進捗を補完します。

第3象限(数値化しにくい × 進捗が見えやすい):事務職、経理職。業務の成果は「ミスゼロ」「処理時間削減」のように変換可能ですが、目に見える数値変化が小さいため達成感を感じにくい傾向があります。月次での振り返り頻度を上げ、小さな改善を可視化する運用がポイントです。

第4象限(数値化しにくい × 進捗が見えにくい):研究職、クリエイティブ職。成果の定義自体が難しい領域です。「プロジェクト完遂後のレビューで80%以上がポジティブ評価」のように、成果物に対する第三者評価を達成基準にする方法が有効です。

自分の職種がどの象限に属するかを確認し、該当する象限のアプローチを参考にしてください。次のセクションでは、職種を問わず共通して押さえるべき「書き方のポイント」を整理します。

目標管理シートの書き方で押さえるべきポイント

職種別の記入例を把握した上で、全職種に共通する目標設定の質を左右する3つのポイントがあります。フレームワークの活用、目標数の絞り込み、そして組織目標との整合性です。

SMARTの法則だけでは不十分|現場で機能する目標の条件

目標設定の質を高める代表的なフレームワークが「SMARTの法則」ですが、SMARTを満たしているだけでは現場で目標が機能しないケースがあります。目標が機能するためには、SMARTの5要素に加えて「上司と部下の合意」が不可欠です。

SMARTの法則とは、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(経営目標に関連)、Time-bound(期限が明確)の5要素で目標の質を検証するフレームワークです。たとえば「売上を伸ばす」という曖昧な目標を「2026年9月末までに担当エリアの新規売上を前年比120%にする」と書き換えることで、SMARTの5条件を満たします。

しかし、SMARTを満たした目標であっても、上司が一方的に設定した場合、部下にとっては「押しつけられたノルマ」に感じられます。心理学者エドウィン・ロックの目標設定理論でも、目標へのコミットメント(本人の納得)が達成率を左右する要因として示されています。目標設定の面談で上司と部下が対話し、目標の難易度や達成手段について合意を形成するプロセスが、シートの記入以上に重要です。

SMARTの法則の詳しい使い方については、こちらの記事で具体例とともに解説しています。

フレームワークで目標の質を担保した上で、次に意識すべきは目標の「数」です。

目標の数は3〜5個に絞る

目標管理シートに設定する目標の数は、3〜5個に絞るのが最適です。目標が6個以上になると、一つひとつへの集中力が分散し、どの目標も中途半端に終わる確率が高まります。

目標が多すぎると、従業員は優先順位をつけにくくなり、「とりあえず書きやすい目標から埋める」という本末転倒な行動が起きます。さらに、達成できなかった目標が増えることでモチベーションが低下し、次期の目標設定にもネガティブな影響を及ぼします。

絞り込みの手順としては、まず候補をすべて書き出した上で、「組織目標への貢献度」と「自分の成長への影響度」の2軸で優先順位をつけてください。上位3〜5個を正式な目標とし、それ以外は「参考目標」として別欄に記録するか、次期に回す判断をします。

目標を絞り込んだら、最後に確認すべきは「その目標が組織全体の方向性と合っているか」です。

組織目標との整合性をとる方法

個人の目標管理シートが組織目標と整合していないと、個人がどれだけ成果を出しても組織の業績向上には繋がりません。整合性を担保する最も確実な方法は、「会社目標→部門目標→個人目標」の3階層を目標管理シート上で可視化することです。

具体的には、目標管理シートの冒頭に「所属部門の今期目標」を記載する欄を設け、その直下に「個人目標がどのように部門目標に貢献するか」を1文で記述する構成にします。これにより、目標設定の面談時に上司と部下が「この個人目標は部門目標のどこに効くのか」を必ず確認するプロセスが組み込まれます。

従来は個人の目標を各自が自由に設定し、期末にまとめて整合性を確認する運用が一般的でした。しかし現在は、目標設定の段階で組織目標との紐づけを明示し、期中の1on1でその紐づけが機能しているかを定期的に確認するアプローチが主流になっています。

ある企業では、全社員共通のテンプレートを廃止し、営業は数値入力をメインにした簡潔なフォーマット、事務職はチェックリスト形式のフォーマットに分けた結果、現場の入力完了率が大きく向上した事例があります。職種別にフォーマットを分けることで、各職種の業務特性に合った目標設定が促され、組織目標との整合性も自然と意識されるようになりました。

組織目標との整合性がとれた目標管理シートの詳しい設計方法は、こちらの記事で解説しています。

ここまでの内容で、目標管理シートの「書き方」は整理できました。しかし、エクセルで運用する場合、シートの中身以前に「運用そのもの」が崩壊するリスクがあります。

エクセル運用で失敗する3つのパターンと対策

目標管理シートをエクセルで運用する場合、テンプレートの質がどれだけ高くても、従業員規模の拡大とともに運用が破綻するリスクがあります。失敗パターンは「バージョン管理の崩壊」「関数の破損」「面談の形骸化」の3段階で進行します。

バージョン管理の崩壊と集計作業のパンク

エクセルでの目標管理が最初に破綻するのは、ファイルのバージョン管理です。人事部門から全社員にテンプレートを配布した時点で、ファイルは人数分に分散し、誰が最新版を持っているか分からなくなります。

エクセルでの目標管理は、従業員30名前後を境に運用負荷が急激に増大します。30名以下であれば、人事担当者がファイルを手動で回収・集計しても現実的な工数で収まります。しかし30名を超えると、ファイル名の不統一、提出漏れの追跡、集計時の転記ミスが常態化し、評価時期に人事担当者が本来の業務を犠牲にして集計作業に追われる状態に陥ります。

典型的な崩壊プロセスは、以下の3ステップです。まず、ファイル名が「目標管理シート_山田_最終版」「目標管理シート_山田_最終版2」のように乱立します。次に、人事が全ファイルを回収してコピー&ペーストで集計する作業に丸1日以上を費やします。最後に、コピペミスや計算式の参照ずれが発覚し、評価結果の信頼性が揺らぎます。

対策としては、共有フォルダ上に「提出用テンプレート」と「記入済みファイルの格納先フォルダ」を分け、ファイル命名規則(例:「20260401_目標管理_部署名_氏名」)を全社に徹底することが最低限必要です。ただし、これはあくまで応急処置であり、根本的な解決にはなりません。

バージョン管理の次に発生するのが、エクセルの関数そのものが壊れる問題です。

関数の破損と評価連動の手作業化

エクセルの目標管理シートで2番目に多い失敗は、達成率を自動計算する関数やマクロが破損し、目標と評価の連動が手作業に逆戻りすることです。

この問題は、従業員がシート上で行を追加・削除したり、セルを結合したりすることで発生します。関数の参照先がずれ、自動計算が正しく動かなくなると、人事部門が全員分の達成率を手計算で再検証する必要が出てきます。評価の計算ミスは、従業員の給与や賞与に直結するため、ミスが発覚した場合の信頼失墜リスクは看過できません。

対策としては、テンプレート配布時にシートの保護機能を使い、入力欄以外のセルをロックすることが有効です。また、関数が組み込まれたセルには入力規則(プルダウン選択や数値制限)を設定し、想定外の入力を防止します。

ただし、バージョン管理の崩壊と関数の破損を応急処置で乗り越えたとしても、従業員規模がさらに拡大すると、エクセルでの運用は本質的に限界を迎えます。

従業員規模が拡大したらシステム移行を検討すべき理由

エクセルでの目標管理は、少人数組織でのスモールスタートには適していますが、従業員規模が拡大するとファイルの分散・集計負荷・セキュリティリスクが指数関数的に増大します。規模拡大のタイミングでクラウド型の目標管理システムへ移行する判断が、長期的には最もコストを抑える選択です。

クラウド型システムに移行する最大のメリットは、全社員の目標・進捗・評価結果をリアルタイムで一元管理できる点です。ファイルの回収作業が不要になり、達成率の自動集計や1on1の記録との連動も可能になります。人事担当者は集計作業から解放され、本来の組織開発や採用業務に時間を使えるようになります。

「まだエクセルで回っているから大丈夫」と思っているタイミングこそが、移行を検討すべきフェーズです。バージョン管理の崩壊や関数の破損が顕在化してからでは、移行作業に加えて過去データの復旧コストも発生し、二重の負担になります。

目標管理の運用をエクセルからクラウドに移行する際の具体的なツール比較は、こちらの記事で解説しています。

エクセル運用の限界を感じたら、まずは自社の目標管理の現状を棚卸しするところから始めてみてください。


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目標管理シートとは|定義と導入する目的

目標管理シートとは、個人やチームが達成すべき目標・行動計画・進捗・達成度を記録し、評価に接続する管理ツールです。目標管理制度(MBO)の運用において、目標の設定から振り返りまでを可視化する役割を担います。

目標管理シートの定義とMBOの関係

目標管理シートは、MBO(Management By Objectives:目標管理制度)の考え方に基づいて設計されたツールです。MBOでは、従業員が上司との対話を通じて自ら目標を設定し、その達成プロセスを自律的に管理します。

MBOの原型は、経営学者ピーター・ドラッカーが1954年の著書『現代の経営』で提唱した概念にさかのぼります。日本企業では1990年代以降に人事評価制度と結びつく形で普及し、現在も多くの企業が目標管理シートを評価の基盤として運用しています。

目標管理シートを導入する主な目的は、「組織と個人の目標を連動させること」「評価の公平性・透明性を高めること」「従業員の自律性を育むこと」の3つです。シートに目標と達成基準を明記することで、評価時の主観を排除し、従業員の納得感を高められます。

MBOとOKRの違いとテンプレートの使い分け

目標管理の手法にはMBOのほかにOKR(Objectives and Key Results)があり、テンプレートの構成が異なります。MBOは「達成率」を重視し人事評価と直結するのに対し、OKRは「挑戦的な目標への進捗」を重視し評価とは切り離して運用するのが一般的です。

自社でMBOとOKRのどちらを採用するかによって、テンプレートに含めるべき項目も変わります。MBO型であれば達成率と評価ランクの自動計算欄が必要であり、OKR型であれば「Objective(目的)」と「Key Results(主要成果指標)」を階層的に記載できるフォーマットが必要です。

MBO・OKR・KPIの違いや、自社に合った目標管理手法の選び方については、こちらの記事で体系的に解説しています。

よくある質問

MBOとOKRどちらのテンプレートを使うべき?

人事評価との連動を重視するならMBO型、挑戦的な目標設定と組織の方向性の共有を重視するならOKR型を選んでください。日本企業の多くは人事評価と結びつけて運用しているため、まずはMBO型テンプレートで始め、必要に応じてOKR要素を追加するのが現実的です。

目標管理シートはエクセルとシステムどちらが良い?

従業員30名以下の組織であればエクセルで十分に運用できます。30名を超えてファイルの回収・集計に半日以上かかるようになったら、クラウド型の目標管理システムへの移行を検討するタイミングです。エクセルでの運用開始自体はスモールスタートとして有効です。

立てた目標が高すぎて達成できそうにない場合は?

市場環境の変化や予期せぬトラブルで当初の目標が現実と乖離した場合、無理に固執せず上司と相談の上で目標を修正してください。目標の修正は「逃げ」ではなく、状況に適応して最適な成果を出すための前向きなプロセスです。定期的な1on1の場で修正を検討しましょう。

まとめ

目標管理シートは、7つの必須項目を押さえたテンプレートをベースに、職種別の記入例を参考にして書くことで、全社統一の運用が実現できます。営業職は数値目標の逆算、事務職はKPIへの変換、管理職はチーム成果と育成の両立がそれぞれのポイントです。

テンプレートを配布して終わりにするのではなく、SMARTの法則と上司・部下の合意形成を組み合わせ、目標の質と納得感を同時に高めることが、形骸化を防ぐ最大の鍵です。

目標管理シートの運用が定着したら、次は目標達成を支えるマネジメントの仕組みづくりが重要です。目標設定後の進捗管理や1on1のポイントについては、こちらの記事で具体的な運用フローを解説しています。

エクセルでの運用に限界を感じ始めたら、目標管理の属人化と集計負荷を根本的に解消できる仕組みの導入を検討してみてください。


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