▼ この記事の内容
目標設定が苦手な人でも評価される目標は作れます。重要なのは、役割、期待成果、測定方法、日々の行動を分けて考えることです。抽象的な意気込みではなく、評価者が進捗と改善を確認できる目標にすると、MBOやOKRでも納得感が高まります。
目標設定が苦手な人は、最初からきれいな目標文を作ろうとして止まりがちです。まずは、自分の役割で期待されている成果と、成果につながる行動を分けて書き出すことが出発点になります。
評価される目標は、本人の努力だけでなく、評価者が確認できる材料を持っています。数値、期限、行動、振り返りの記録があると、期末評価で説明しやすくなります。
人事が支援する場合は、目標シートの書き方だけでなく、上司とのすり合わせ、1on1での進捗確認、評価前の修正履歴まで含めて設計します。運用まで整えるほど、目標設定への苦手意識は下げやすくなります。
1on1で目標、行動、支援内容を継続的に確認したい場合は、面談の型から整えると運用に乗せやすくなります。
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目標設定が苦手でも評価される目標の条件
評価される目標は、本人の役割、期待成果、測定方法、実行行動がつながっています。目標設定が苦手な場合ほど、目標文を作る前に材料を分解します。
評価される目標は役割と成果がつながっている
評価される目標は、自分の役割と組織が期待する成果がつながっています。担当業務をこなすだけでなく、何を改善し、どの状態を作るのかまで評価者と共有できる言葉にします。
例えば、管理部門なら「ミスを減らす」だけでは評価材料が弱くなります。「申請差し戻し率を下げる」「締め処理の遅延を減らす」のように、役割が成果へ変わる表現にします。
目標設定が苦手な人は、最初に役割、期待成果、測定方法を別々に書きます。いきなり一文にまとめるより、評価者と確認しやすくなります。
人事は、目標文のうまさではなく、評価可能な材料があるかを見ます。目標の背景と評価基準がつながっていれば、期中の修正もしやすくなります。
苦手な人ほど最初に行動へ分解する
目標設定が苦手な人は、成果目標だけを見ると大きすぎて動けなくなります。成果を出すために、週次で実行できる行動へ分解することが有効です。
行動へ分解すると、目標が日々の予定に落ちます。進捗が悪い場合も、能力不足ではなく行動量、手順、支援不足のどこに課題があるかを確認できます。
例えば「顧客対応品質を高める」は、応答時間、一次解決率、問い合わせ分類の見直しなどに分けられます。行動単位にすると上司も支援しやすくなります。
行動目標は細かすぎても続きません。毎週確認でき、本人が改善できる単位にすることが目標設定を楽にします。
評価者が見ている3つの観点
評価者は、目標の達成度だけでなく、妥当性、実行プロセス、振り返りも見ています。高すぎる目標や曖昧な目標は、期末に評価しづらくなります。
妥当性は、役割や職位に合っているかです。実行プロセスは、どの行動を続けたかです。振り返りは、未達時に原因と次の打ち手を説明できるかです。
目標設定が苦手でも、途中で進捗を記録していれば評価材料は増えます。達成か未達かだけでなく、改善行動を残します。
人事は、評価者がこの3観点を面談で扱えるようにします。目標確認シートに妥当性、行動、振り返りの欄を設けると、確認漏れを減らせます。
悪い目標と評価される目標の違い
悪い目標は、抽象的すぎる、数字だけで行動がない、期限が曖昧という特徴があります。評価される目標は、成果、行動、期限が確認できます。
| 悪い目標 | 評価される目標 | 修正の観点 |
|---|---|---|
| 頑張って成果を出す | 担当案件の提案遅延を月3件以内に抑える | 成果を測れる状態へ変える |
| 売上を伸ばす | 既存顧客への追加提案を週5件実施する | 行動量と成果を分ける |
| 業務を改善する | 申請差し戻し率を前期比で下げる | 改善対象を限定する |
抽象的な目標は評価材料になりにくい
「成長する」「貢献する」「改善する」のような目標は、方向性としては悪くありません。ただし、そのままでは評価者が達成度を判断しにくくなります。
抽象的な目標は、対象と変化を足すと評価しやすくなります。何を、どの状態から、どの状態へ変えるのかを言葉にします。
目標文が抽象的な場合は、まず名詞を具体化します。業務、顧客、案件、資料、会議、面談など、対象を限定すると行動へ落としやすくなります。
数字だけの目標は行動改善につながりにくい
数値目標は使いやすい一方で、数字だけでは行動改善につながりません。売上、件数、達成率だけが並ぶと、未達時に何を変えるべきかが見えにくくなります。
数字には、実行行動を組み合わせます。達成したい成果と、そのために続ける行動を分けて書くと、期中の1on1で扱いやすくなります。
人事は、数値目標が本人の行動で動かせる範囲かを確認します。外部要因が大きい場合は、プロセス指標も合わせて設計します。
良い目標は成果、行動、期限がそろっている
良い目標には、成果、行動、期限が含まれます。何を達成するか、何を実行するか、いつまでに確認するかが明確だと、評価者と本人の認識がそろいます。
成果は評価の到達点で、行動は期中に修正する材料です。期限は優先順位を決める基準です。この3つを分けると、目標文が作りやすくなります。
目標設定が苦手な場合は、完成文よりも確認項目を先に作ります。成果、行動、期限の欄を埋めてから一文にまとめます。
Google re:WorkのOKRガイドも、目標と成果指標を分けて考える際の外部参考として確認できます。
評価される目標を立てる5ステップ
評価される目標は、役割確認、指標化、行動分解、上司とのすり合わせ、1on1記録の順に作ります。作成後の運用まで含めると、期中の修正がしやすくなります。
| ステップ | 実施内容 | 確認すること |
|---|---|---|
| 1. 役割確認 | 期待成果を書き出す | 職位や担当範囲と合っているか |
| 2. 指標化 | 測れる状態にする | 数値または状態変化があるか |
| 3. 行動分解 | 週次行動へ落とす | 本人が実行できる粒度か |
| 4. すり合わせ | 上司と基準を確認する | 評価時の見方が一致しているか |
| 5. 記録 | 1on1で進捗を残す | 修正理由が残っているか |
役割と期待成果を書き出す
最初に、現在の役割と期待成果を書き出します。担当業務の一覧ではなく、組織やチームが自分に期待している変化を確認し、評価で説明できる目標の土台にします。期初面談で確認します。
期待成果は、上司の言葉をそのまま写すだけでは不十分です。自分の業務でどのように貢献できるかを、具体的な対象に落とします。
この段階で迷う場合は、評価項目や職務定義を確認します。人事は、職位ごとの期待役割と目標例を用意すると支援しやすくなります。
目標作成の基本手順を確認する場合は、目標設定の方法を整理する手順も参考になります。
成果を測れる指標へ変換する
次に、期待成果を測れる指標へ変換します。定量化できる場合は数値を使い、難しい場合は状態変化や完了条件を明確にします。
指標は多すぎると運用できません。主要指標を1つから2つに絞り、補助指標で行動の変化を見ます。
測定が難しい業務でも、差し戻し件数、対応時間、完了率、レビュー回数などは使えます。評価者が確認できる材料にすることが目的です。
測定方法に迷う場合は、目標を数値化する考え方を合わせて確認できます。
達成行動を週次で確認できる粒度にする
成果指標が決まったら、達成行動を週次で確認できる粒度にします。月末まで待たないと分からない目標は、期中の改善が遅れます。
週次行動には、件数、実施日、確認相手、提出物などを入れます。小さく確認できる行動ほど、1on1で振り返りやすくなります。
ただし、行動を細かくしすぎると管理目的に見えます。本人の成長や成果につながる行動に絞り、週次で確認できる量にします。
上司と評価基準をすり合わせる
目標は、提出して終わりではありません。上司と評価基準をすり合わせ、何が達成で、どの状態なら一部達成なのかを確認します。
すり合わせでは、目標の難易度、本人の裁量、支援が必要な点を話します。期末に認識違いが起きないよう、最初に前提をそろえます。
人事は、上司が目標文だけを承認していないかを確認します。評価基準や確認頻度まで合意されている状態を目標承認の条件にします。
目標の妥当性を点検する場合は、SMARTを使った目標の確認観点が参考になります。
1on1で進捗と修正を記録する
最後に、1on1で進捗と修正を記録します。目標は環境変化や役割変更で調整が必要になるため、途中経過を残すことが評価材料になります。
記録する内容は、進捗、詰まり、支援、次回行動です。未達の兆候が出たときに、本人だけの責任にせず、改善策を早めに決めます。
1on1の記録があると、評価面談でプロセスを説明しやすくなります。人事も、管理職の支援が行われているかを確認できます。
進捗確認の場を整えるには、1on1で目標進捗を扱う考え方も確認できます。
職種別に使える目標設定の実例
目標例は、職種ごとの役割に合わせて作ります。営業、企画や管理部門、若手や異動直後では、成果と行動の置き方が異なります。
営業職の目標例
営業職では、売上や受注件数だけでなく、商談化率、提案数、既存顧客への接点数なども目標にできます。結果指標と行動指標を分けると、1on1で進捗を確認できます。
例として「既存顧客への追加提案を定期的に実施し、四半期でアップセル商談を創出する」と書くと、行動と成果がつながります。
売上目標だけを置くと、未達時の改善点が見えにくくなります。商談準備、提案後フォロー、失注理由の記録などを行動目標に入れます。
企画や管理部門の目標例
企画や管理部門では、成果が直接売上に表れにくい場合があります。その場合は、業務品質、期限遵守、関係部署の負荷軽減などを成果にします。
例として「月次レポートの提出遅延をゼロにし、差し戻し項目を前期比で減らす」と書くと、業務改善の成果が見えます。
定量化が難しい業務でも、納期、レビュー回数、差し戻し件数、利用部署の満足度などを使えます。評価者が確認できる形にして、期末の説明材料を残します。
若手や異動直後の目標例
若手や異動直後は、成果だけでなく、習得や自走に向けた行動も目標に含めます。いきなり高い成果だけを求めると、評価基準が不明確になります。
例として「担当業務の標準手順を期初に理解し、週次で改善メモを提出する」とすると、成長過程を評価しやすくなります。
ただし、学習だけで終わらせないようにします。習得した内容を業務成果やチーム貢献へどうつなげるかまで確認します。
実例をさらに確認する場合は、職種別の目標設定例も活用できます。
人事が支援すべき目標設定の運用
人事は、目標設定を本人任せや上司任せにしない運用を整えます。記入例、面談観点、修正履歴をそろえると、評価の納得感が高まります。
目標シートの記入例をそろえる
人事は、職種や等級ごとの目標シートの記入例をそろえます。良い例と悪い例を並べると、目標設定が苦手な人も修正の方向を理解しやすくなります。
記入例では、成果、行動、期限、測定方法を分けて示します。完成文だけを載せるより、考え方を伝えた方が再現しやすくなります。
テンプレートは細かすぎると使われません。最低限の確認項目に絞り、上司との面談で補える余白を残します。
管理職の面談観点を標準化する
管理職の面談観点がばらばらだと、同じ目標でも評価のされ方が変わります。人事は、目標確認時に見る観点を標準化します。
確認観点には、役割との整合、難易度、測定方法、本人の裁量、支援の必要性を入れます。面談で聞く質問もそろえると運用しやすくなります。
標準化は、管理職の判断をなくすことではありません。最低限の基準をそろえ、現場ごとの事情を説明できる状態にすることです。
制度運用まで整える場合は、目標管理を運用へ落とす方法も参考になります。
評価前に目標の修正履歴を確認する
評価前には、目標の修正履歴を確認します。期初の目標だけを見ると、途中の環境変化や支援内容が評価に反映されにくくなります。
修正履歴には、変更理由、合意日、次回行動を残します。未達だった場合も、どのように改善しようとしたかを説明できます。
人事は、1on1や中間面談の記録が評価面談に使われているかを確認します。記録が評価に接続されると、目標設定の納得感が高まります。
よくある質問
目標設定が苦手な人は何から始めるべきですか?
最初に、役割、期待成果、測定方法、週次行動を分けて書き出します。完成文を作る前に材料を整理すると、上司と確認しやすくなり、評価可能な目標へ修正しやすくなります。
定量化しにくい仕事の目標はどう作ればよいですか?
売上のような数値がない場合は、納期、差し戻し件数、完了率、レビュー回数、利用部署の状態変化などを使います。評価者が確認できる材料へ変換し、目標シートに残します。
目標は期中に変更しても評価で不利になりませんか?
変更理由と合意内容が記録されていれば、一律に不利とは限りません。環境変化や役割変更があった場合は、1on1で修正理由、次回行動、支援内容を残し、評価前に確認します。
まとめ
目標設定が苦手でも、評価される目標は作れます。役割、期待成果、測定方法、日々の行動を分けて考えると、目標文は具体化しやすくなります。
悪い目標は、抽象的すぎる、数字だけで行動がない、期限が曖昧という特徴があります。評価される目標は、成果、行動、期限が確認できる状態になっています。
人事は、記入例、管理職の面談観点、1on1での修正履歴を整えることで、本人と評価者の認識をそろえられます。
目標設定と1on1を接続し、期中の進捗や支援内容を継続的に残したい場合は、面談の型から整えることが有効です。
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