ノーレイティング事例8選|導入企業と運用ポイント

▼ この記事の内容

ノーレイティングは、評価ランクをなくすだけでは機能しません。導入事例では、目標の更新、1on1、フィードバック、報酬判断の分離を組み合わせ、現場が納得して使える運用へ変えます。まず自社の課題を制度と運用に分けて判断します。

人事評価の見直しでは、評価ランクを残すか廃止するかだけで議論が進みがちです。ノーレイティングは制度名よりも、上司とメンバーの対話を増やす運用設計が問われます。

国内外の導入企業を見ると、年次評価を単純にやめた企業ばかりではありません。目標設定、フィードバック、報酬決定の役割を分け、自社の組織に合わせて調整しています。

この記事では、ノーレイティングの導入事例8選と、導入前に決めるべきポイントを人事担当者向けに整理します。


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ノーレイティング事例8選

海外企業の事例では、年次評価の負担を減らし、継続的な対話へ移す動きが目立ちます。制度変更の目的を先に確認します。

企業主な変更確認したい点
Adobe年次評価から継続的な対話へ移行上司の対話品質をどう支えるか
Microsoft相対評価を見直して協働を重視チーム成果と個人成果をどう扱うか
Accenture評価プロセスを簡素化報酬判断との接続をどう残すか
Deloitte評価入力を減らして対話を重視判断基準をどうそろえるか

Adobeの事例

Adobeは、従来の年次評価を見直し、上司とメンバーの継続的な対話を重視する運用へ移しました。Harvard Business Reviewの関連記事でも、評価を短い対話に変える発想が紹介されています。

この事例で見るべき点は、ランクをなくしたことだけではありません。評価のための書類作成を減らし、目標や期待値を日常的に確認する流れを作った点です。

人事が参考にする場合は、上司が対話を続けられる支援を用意します。面談の頻度、記録方法、メンバーへの伝え方まで決めておくと運用が安定します。

日本企業で同じ形を採用するなら、報酬や昇格の判断を別途設計します。ランクをなくしても、処遇判断の根拠は残す必要があります。

Microsoftの事例

Microsoftは、相対評価の運用を見直し、協働や成長を重視する方向へ進めた企業として知られています。社員同士を比較する評価が、チームの連携を弱める課題に向き合いました。

ノーレイティングを考える人事にとって、この事例は評価の副作用を考える材料になります。個人の順位付けが強すぎると、知見共有や相互支援が進みにくくなります。

ただし、協働を重視するだけでは評価は成立しません。成果、行動、成長のどれを評価するかを明確にし、上司が説明できる基準を用意します。

制度変更時は、現場に何が変わるかを具体的に伝えます。評価面談の目的、フィードバックの頻度、報酬判断の考え方をセットで説明します。

Accentureの事例

Accentureは、従来型の評価プロセスを簡素化し、より短い周期でのフィードバックを重視した事例としてよく取り上げられます。大規模組織でも評価負担の軽減が課題になります。

この事例では、評価シートを減らすだけでなく、上司がメンバーの状況を早く把握する仕組みが重要になります。対話が遅れると、評価の納得感も下がります。

人事が参考にする際は、評価会議や報酬決定の情報が不足しないように設計します。対話記録を残さないままランクだけをなくすと、判断が属人化します。

導入前には、上司の判断を支える記録項目を決めます。成果、行動、強み、次の成長課題を短く残せる型があると運用しやすくなります。

Deloitteの事例

Deloitteは、評価入力の負担を減らし、マネージャーが次のアクションを判断しやすい仕組みへ見直した事例として知られています。評価のための評価を減らす狙いがあります。

この事例で重要なのは、評価項目を増やすのではなく、判断に必要な問いを絞った点です。多すぎる項目は、現場の入力負担を増やします。

ノーレイティング導入時も、問いの設計が欠かせません。何を伸ばすか、どの仕事を任せるか、どの支援が必要かを上司が判断できる状態にします。

人事は、制度の説明だけでなく、上司が使う問いを標準化します。対話の質がばらつくと、ランクがなくても不公平感は残ります。

国内企業の導入事例

国内企業の事例では、事業変化の速さや組織文化に合わせて評価運用を見直す動きがあります。自社との差分を見ます。

Mercariの事例

Mercariは、変化の速い事業環境に合わせ、目標や期待値を短い周期で見直す考え方を取り入れてきた企業として知られています。固定的な年次評価だけでは、現場の変化を拾いにくくなります。

この事例からは、目標の更新頻度が重要だと分かります。ノーレイティングを導入しても、目標が古いままなら評価の納得感は上がりません。

人事が参考にする場合は、評価制度と目標管理を切り離さずに見ます。目標を変える権限、変更理由の記録、上司との合意方法を決めます。

Sansanの事例

Sansanは、組織の成長に合わせて人事制度や目標管理を更新してきた企業として知られています。ノーレイティングを検討する際も、事業成長と評価運用の両方を見る必要があります。

この事例からは、制度変更を単発で終わらせない姿勢が参考になります。評価制度は導入して終わりではなく、運用結果を見ながら調整します。

人事は、制度の狙いを現場に説明します。なぜランクを見直すのか、どの行動を増やしたいのか、上司がどのように支援するのかを明確にします。

DeNAの事例

DeNAは、事業や職種の多様性に合わせて評価や育成の仕組みを見直してきた企業として知られています。画一的なランクだけでは、成長や役割の違いを扱いにくくなります。

この事例で参考になるのは、職種や役割に応じた期待値の設計です。ノーレイティングでも、期待される成果や行動が曖昧なままでは評価が難しくなります。

人事は、職種別の期待値を細かく作り込みすぎないよう注意します。現場が使える粒度にし、上司が対話で説明できる表現にします。

Cybozuの事例

Cybozuは、多様な働き方やチーム運営を重視する企業として知られています。評価制度を考える際も、一人ひとりの働き方とチーム成果の両立が論点になります。

この事例からは、制度と組織文化を分けて考えないことが重要だと分かります。ランクをなくしても、対話しない文化のままでは制度は機能しません。

人事が参考にする場合は、心理的安全性や情報共有の状態も見ます。フィードバックを受け取りやすい関係がなければ、ノーレイティングは形だけになります。

事例から分かる共通点

事例に共通するのは、評価ランクの廃止だけで終わらせていない点です。対話、記録、判断基準を合わせて見直します。

ランク廃止だけを目的にしない

ノーレイティングの導入では、ランク廃止だけを目的にしない姿勢が要ります。評価記号をなくしても、成果や処遇をどう判断するかが曖昧なら不満は残ります。

導入企業の多くは、年次評価の負担や相対評価の副作用を減らそうとしています。目的は評価をなくすことではなく、成長と成果につながる対話を増やすことです。

人事は、制度変更の目的を一文で説明できる状態にします。たとえば、変化に合わせて目標を見直す、支援を早くする、評価納得度を上げるなどです。

1on1とフィードバックを増やす

ノーレイティングでは、1on1とフィードバックの頻度が重要になります。年に一度の評価でまとめて伝えるのではなく、短い周期で期待値と課題を確認します。

ただし、面談回数を増やすだけでは効果は出ません。上司が何を聞き、何を記録し、次にどの支援をするかまで決める必要があります。

人事は、1on1の目的を評価面談と分けます。評価を伝える場ではなく、目標の進み方や困りごとを確認する場として設計します。

評価者の判断基準をそろえる

ランクをなくすほど、評価者の判断基準をそろえる必要があります。記号や点数に頼れない分、上司が成果や行動を説明する力が問われます。

判断基準がばらつくと、ノーレイティングでも不公平感は強まります。人事は評価会議やキャリブレーションを通じて、判断の偏りを確認します。

記録の型もそろえます。成果、行動、強み、課題、次の支援を同じ粒度で残すと、処遇判断や育成計画につなげやすくなります。

導入前に決めるポイント

導入前には、制度と現場運用の両方を決めます。等級、報酬、対話頻度、記録の型を分けて整理します。

等級や報酬との関係を決める

ノーレイティングを導入する前に、等級や報酬との関係を決めます。評価ランクをなくしても、昇給や昇格の判断は残るためです。

処遇判断を完全に切り離すのか、別の基準で判断するのかを明確にします。ここが曖昧だと、現場は何を頑張ればよいか分からなくなります。

人事は、制度説明で評価と報酬のつながりを隠さず伝えます。納得感を高めるには、判断材料と決定プロセスを分かりやすく示す必要があります。

フィードバック頻度を決める

フィードバック頻度は、導入前に決めるべき主要な論点です。月次、隔週、四半期など、自社の業務リズムに合う頻度を選びます。

頻度が高すぎると上司の負担が増え、低すぎると年次評価と変わりません。重要なのは、目標の変化や支援が必要な場面を逃さないことです。

人事は、全社一律にしすぎない運用も検討します。職種やチームの状況に応じて、面談頻度や記録項目を調整できる余地を残します。

ツールと記録の型を決める

ノーレイティングでは、ツールと記録の型も先に決めます。対話を増やしても、記録が残らなければ評価や育成に活用しにくくなります。

記録項目は多すぎないようにします。目標、進捗、フィードバック、次の行動、支援事項を短く残せる型があると現場で使いやすくなります。

ツールを選ぶ際は、1on1や目標管理との接続を見ます。評価制度だけでなく、日常のマネジメントに使えるかを確認します。

自社に合うか判断する方法

自社に合うかを判断するには、制度課題と運用課題を分けます。小さく試し、現場の負担と納得感を確認します。

課題を評価制度と運用に分ける

まず、現在の課題を評価制度と運用に分けます。ランクそのものが問題なのか、目標設定や面談の進め方が問題なのかで対応は変わります。

評価ランクがあっても、目標が明確で対話が機能していれば大きな問題にならない場合があります。逆に、ランクをなくしても運用が弱ければ改善しません。

人事は、現場の不満をそのまま制度変更に結びつけないようにします。不満の原因を、基準、面談、報酬、上司の関わり方に分けて確認します。

小さく試して運用負荷を測る

ノーレイティングは、全社導入の前に小さく試す方法が現実的です。一部の部門で面談頻度や記録方法を試し、上司とメンバーの負担を測ります。

試行では、面談回数だけでなく、目標の見直しやフィードバックの質も確認します。入力が増えただけなら、制度変更の効果は出にくくなります。

人事は、試行結果をもとに制度案を直します。運用できない設計を全社に広げると、ノーレイティングへの不信感が強まります。

関連情報で制度設計を補完する

ノーレイティングを検討する際は、評価制度だけでなく、1on1、目標管理、マネジメント支援の情報も合わせて確認します。制度と日常運用を分けると、導入時の抜けを見つけやすくなります。

特に、既存の評価制度から移行する場合は、上司の対話力と記録の仕組みを同時に整える必要があります。関連情報を使い、制度と運用の抜けを確認します。

以下の関連情報も確認すると、ノーレイティングを自社の評価運用に合わせて設計しやすくなります。既存制度から変える範囲を決める材料として使えます。

関連情報1として、コチームの活用事例も確認すると、評価制度と日常のマネジメントをつなげて検討しやすくなります。確認した内容は、面談設計や評価者支援の見直しに使えます。

関連情報2として、評価運用を見直した企業事例も確認すると、評価制度と日常のマネジメントをつなげて検討しやすくなります。確認した内容は、面談設計や評価者支援の見直しに使えます。

関連情報3として、1on1と目標管理の活用事例も確認すると、評価制度と日常のマネジメントをつなげて検討しやすくなります。確認した内容は、面談設計や評価者支援の見直しに使えます。

関連情報4として、マネジメントスキルの整理も確認すると、評価制度と日常のマネジメントをつなげて検討しやすくなります。確認した内容は、面談設計や評価者支援の見直しに使えます。

関連情報5として、パフォーマンスマネジメントの考え方も確認すると、評価制度と日常のマネジメントをつなげて検討しやすくなります。確認した内容は、面談設計や評価者支援の見直しに使えます。

関連情報6として、ノーレイティングの基本も確認すると、評価制度と日常のマネジメントをつなげて検討しやすくなります。確認した内容は、面談設計や評価者支援の見直しに使えます。

関連情報7として、1on1ツールの比較観点も確認すると、評価制度と日常のマネジメントをつなげて検討しやすくなります。確認した内容は、面談設計や評価者支援の見直しに使えます。

関連情報8として、管理職の関わり方の注意点も確認すると、評価制度と日常のマネジメントをつなげて検討しやすくなります。確認した内容は、面談設計や評価者支援の見直しに使えます。

関連情報9として、コチームを試せるページも確認すると、評価制度と日常のマネジメントをつなげて検討しやすくなります。確認した内容は、面談設計や評価者支援の見直しに使えます。

よくある質問

ノーレイティングの導入事例を読む際に、人事担当者から出やすい質問を整理します。自社の制度課題に合わせて確認します。

ノーレイティングは評価をなくす制度ですか?

評価そのものをなくす制度ではありません。ランクや点数に頼る比重を下げ、目標の見直し、1on1、フィードバックを通じて成果や成長を判断する運用へ変える考え方です。

国内企業でもノーレイティングは導入できますか?

導入は可能ですが、等級や報酬との関係を先に決める必要があります。海外事例をそのまま移すのではなく、自社の評価会議、面談頻度、記録方法に合わせて慎重に調整します。

導入前に最初に確認すべきことは何ですか?

最初に確認すべきことは、現行評価の課題がランクにあるのか、運用にあるのかです。目標設定、1on1、評価者の判断基準を分けて見ると、必要な変更範囲を決めやすくなります。

まとめ

ノーレイティングの事例を見ると、評価ランクをなくすだけで成果が出るわけではありません。対話、記録、判断基準まで合わせて設計します。

海外企業では、年次評価の負担を減らし、継続的なフィードバックへ移す動きが見られます。国内企業では、組織文化や等級制度との整合が重要になります。

自社で導入を検討する場合は、制度課題と運用課題を分けて確認します。小さく試し、上司とメンバーが使える形に直してから広げます。

評価制度を1on1や目標管理とつなげ、現場で運用できる形に整えたい場合は、以下の資料をご確認ください。


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