導入事例

「過去最高のモチベーション」を引き出したバリュー浸透と1on1運用 -株式会社Merone清水氏インタビュー-

株式会社Merone
事業内容
設立
2019年
従業員数
15名
「過去最高のモチベーション」を引き出したバリュー浸透と1on1運用 -株式会社Merone清水氏インタビュー-

清水 翔
慶応義塾大学卒業。新卒でベストブライダルに入社。その後起業するもトラブルに遭い1億5000万円の負債を負う。その後SaaSベンチャーのCROを経て2021年1月に株式会社MeroneのCOOに就任。人事・法務・事業運営・経営戦略など幅広い分野を管掌している。

図1 株式会社Merone様コチーム導入効果

ミッション・ビジョン・バリューが全く分からないメンバーにとった2つのアプローチ

-本日は株式会社Merone COOの清水さんにいくつか質問をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

お願いいたします。

-早速なんですけども、簡単に清水さんにMeroneさんの事業についてお聞きしてもよろしいでしょうか?

株式会社Meroneという会社なんですけれども、一言で女性の自立支援なんて言い方をさせていただいております。

具体的にどんなことやっているかというと、いわゆるビジネススクールを女性、特にママの方に向けて、自宅にいながらも世の中の不用品や廃棄品を活用することで、自宅にいながらも収入を得ていくという、そういったスキルとマインドセットというところを教えているようなサービスを展開をしております。

-清水さんは前職のSaaSベンチャーにおいてChief Revenue Officer、ずばり現場の売り上げ拡大、いわゆるフロントの管掌もされたのち、今まさにMeroneさんのCOOとしてHR領域だったり、評価のところも取り組まれているということで、なかなかそういった両方を経営の観点でこの年齢でやられている方っていうのは非常に少ないのではないかと思います。そんなMeroneさんに今弊社のコチームをお使いいただきまして、そのあたりを今日はお聞きさせていただければ非常に幸いでございます。

はい、お願いします。

-今回コチームをご使用いただくところで、ちょうどミッションビジョンバリューをお作りになられたタイミングだったと思うんですが、具体的にはこのミッションビジョンバリューを浸透させるという観点で最初どういう取り組みをされようと思っていたのでしょうか。

まず弊社はチームとして少し変わってまして、正社員ではなく、結果を出している生徒たちが業務委託で講師をしていただいているという状態なんです。なので、メンバーからすると「正直MVVってなんぞ」という状態でした。

そこの浸透においては2つアプローチをとっておりまして、1つは代表である森川と役員である僕がひたすら言葉にして、フィードバックのたびに「そこはこのバリューに沿ってないんじゃないですか」とか「このバリューに沿っていて、そのアクションはとっても素晴らしいですね」っていう日々のコミュニケーションを綿密にとっておりました。

もう1つが、そもそも概念がなかったので触れようがなかったっていうのもあるのですが、それまでは3ヶ月に1回だった1on1がMVVに特に触れずにやられていたので、これを1カ月に1回とし、そこでMVVのような、会社としてまたはチームとして大事にしていくことをしっかりと擦り込んでいく、という取り組みを行っていました。

それを評価に直結させる仕組みを作らないといけないという課題を持っていたタイミングでコチームを導入できたのが結構大きいんじゃないかなと思っています。

-ありがとうございます。まずはミッションビジョンバリュー、MVVと呼ばれたりしますけども、これをそもそも作らないとまずいなっていう最初思われたきっかけはおありでしたか。

はい。これが二つございまして、一つが代表である森川のカリスマ性です。森川のカリスマ性に惹かれて入ってくる方たちが非常に多く、入ってからもそこへの魅力を感じていらっしゃる方が非常に多いということは以前から感じておりました。

そこで、森川の「私たちって何を大事にするんだっけ」というところを体系化する必要があるんじゃないかっていう観点があったことが1つですね。

もう一つは私自身が前職でCROを務めていた会社が徹底したバリュー経営を実施していて、実際それがすごくうまく回っていたことですね。

私が5人ぐらいの組織のタイミングから入って、80名ぐらいの組織まで伸びたんですが、その最中にMVVがとっても重要な役割を占めているのを体感していたのもあり、これをしっかりとMeroneでやっていかない手はないなっていうのが導入のきっかけですね。

MVVを定め、1on1で高頻度のすり合わせをすることで「組織としてやるべきこと」と「個人の成長」が両立するように

取り組みを進めていく上で、こういうふうに最近変わったとか、何か変化みたいなものはございましたか?

変わったポイントとしては2点あって、1つは事業全体の成長と講師それぞれの「やりたいこと」が揃うようになったということですね。

以前の状態としては、当時は結構講師がやりたいことをやらせてあげるということに終始していて、それが本当に組織の成長のために必要なんだっけっていうところがあまり揃っていませんでした。

今はそもそもMeroneとしての事業の全体像の開示というのを月に1回の1on1と全体の会議で行っているので、今この船がどこに向かっているか見えないということはなくなりましたね。

もう1つは、マネージャーとか経営陣からわざわざ言わなくても講師たちから「会社や生徒に対して私達ってどこでどういう貢献がしたいんだっけ、できるんだっけ」っていう思考や発言が自発的に出てくるようになったことがかなり大きいと思ってます。

-ありがとうございます。以前は割とやりたいことベースっていうんですかね、講師の方にはなるべくその意向を汲んでやってもらうようにしていた、そんな感じなんでしょうか。

そうですね、もちろん何でもやらせてたというわけではないんですが、何をやらせてあげるべきで、何をやらせてあげないべきだっていう指針があるようでなかったところが今きちんと整理されたっていうのが大きいかなと思ってます。

-どちらかって言うと個人のWillといいましょうか、やりたいというところにMeroneさんとしてやるべきこととか、やらなければいけないことみたいなものも含めて、こんなことやったらいいんだってことは皆さんの共通認識が降り始めたみたいな、そんな感じなんでしょうかね。

そうですね、それに加えて、以前は各メンバーが「Meroneの外でもこういうことしたい」っていうことが多かったかなと思っていたんですが、今は「Meroneの中でこういうことをしたいっていうのが、私の直近の人生のキャリアパスです」っていうメンバーも増えましたね。

より”定着した”という感じが最近とても強まってると思います。

-いいですね、ありがとうございます。その辺り例えば他の企業さんとかでお話聞くと、個人のWillよりも組織としてやらなければならないことを押し付けに近い形で頼んでしまう、それで結局個人のWillの部分をやれないっていうことが多いと思うのですが、そこについてMeroneさんはどのように自発的に変わったんですか?

そうですね、一つはやっぱりMVVっていうめちゃくちゃわかりやすい指針はできたことで、会社全体でみても事業単位でみても、「どこにどういうふうに今後向かっていくんだっけ」っていうところもすごいクリアになったことがあると思います。

あとは各自に対してのコミュニケーションの取り方もやっぱり深まったかなと思ってます。前は3ヶ月に1回の1on1で僕だけが話すような形でやってたのが、今は1ヶ月に1回の1on1に切り替わって、土台が今までとは全然比べ物にならないくらいしっかりしています。

それゆえにむしろ「ここについていきたい」っていう思いがすごく強まったのは感じますね。あと単純に仲良くなりました。

-ありがとうございます。そのあたり、元々皆さんが「私はこういうことをやりたい」っていうのを明確にもってる方々なんですかね?元はそうでもない方が仕事する上で私はこういうキャリアを歩みたいんだって気付く機会もあるものなんですか。

それで言うと、弊社のバリューで一番最初が「人生の理想を追求する」というバリューになっているのも関係はあるかもしれないですね。「それであなたはどうしたいんでしたっけ」っていう質問を普段から頻繁に投げかけるようにしてます。

加えて、うちの事業の性質かもしれないですけど、そもそも生徒に対して「いつまでにどういうふうになりたいんだっけ」っていうことを導いていく仕事なので、そんなあなたたちがいつまでにどうなりたいのかっていうのを自分で明確に答えられないと生徒もついていかないですよねっていう話はしています。

これによって講師たちも「私は3年後までにはこういうふうになっていたい」とか、直近はまずここをやるべきだとかっていう、各講師ごとのマイルストーンは各自の中でもかなり明確化されたり、解像度上がったりしたんじゃないかなと感じます。

アジェンダを決め、メンバーに事前に整理させることで以前と比べて18倍の効果。成約率が20%→50%・売上180万円アップのメンバーも

-そんな中で実際コチームを使っていただいてますけども、この辺りですね、何かコチームの貢献できているポイントがもしあれば、どのあたりだったりされますか?

本当にめちゃくちゃリアルなお話をさせていただきますと、今講師たちはめちゃくちゃやる気なんですよね。多分、過去一番のやる気といっても過言じゃないくらい。

各メンバーが「自分はこのチームの中でどのポジションを、どのようなレベルでこなしていくべきか」を整理できていることで、副業の延長線上のような講師業に対して、「本業を辞めてこっちにコミットさせてください」っていうメンバーがでてきたり、明らかに講師たちのエンゲージメントがより一段高まりましたね。

そのような流れが作れたのはコチームの導入もそうですし、導入に至るまでのその筋の整理がものすごく影響が大きいんじゃないかなと思っています。

具体的には、「自分の目標がどこにあり、自分が今何をすべきで、逆に言うと何をしないべきか」という羅針盤のようなものができていて、さらにそこから「自分が今すぐに頑張らないといけないこと」「中長期的に頑張らないといけないこと」に対する目線合わせをしていくためにコチームというツールが今すごく機能してるなっていうのを実感しています。

-ありがとうございます。目標の設定でやるべきこと、やらなくてもいいことが可視化されるのがポイントで、さらにその立てた目標について1on1で非常に話しやすい仕組みになって、という辺りが寄与している感じですかね。

そうですね。もう少し言うと、アジェンダを今回は評価者である私とか森川ではなく被評価者である各講師の声を取り入れながら作ったというのがポイントだったと思います。

その一連のプロセスがあることで、講師にとっては今までと違って「何を言われるんだろう」、「何を聞かれるんだろう」という不安がなく、どのポイントに対してどんなことを言われるのかという想定をしながら臨めるので、その中で自分がどこが足りてる、どこが足りてないという安心感と方向性が明確になるという声が出てますので、そういった点もあるのかなと思います。

-なるほど、ありがとうございます。まさにこのあたり、1on1することが大事で、もうすれば雑談でもOKっていうような結構風潮がやっぱり未だにあるなと思ってまして。そこで清水さんの話を聞いて、ちゃんと話されるべきことが話されているか否かってすごい大きな差を生むなと思いました。

– 実際にMeroneさんの今最高の状態が生まれている、そのアジェンダがすごい気になるんですけども、これについてどういうものかお聞きしても良いですか。

代表的なものを2つ挙げさせてください。1つめとして、1on1の一番最初のアジェンダが最近の経営状況なんです。これは講師からのリクエストがあり作成したものでした。

というのも今までは講師からすると「今この船はどこに向かってるんだ」「どこが課題なんだ」「次にどのようなステージを見せてくれるんだ」というところをちゃんと見せられる場、さらにいうとそれに質問できる場っていうのは今までは公式になかったんです。

まずそこを話し、その状況に対して「自分がここにこのように関わりたい」っていう会話ができる。という流れに今はしています。

次に、「バリューに対して今自分がどこを頑張っているか」というアジェンダがあります。

例えば「私はこのバリューに沿ってこのような行動をとっています」っていうのに対して、「そもそもバリューの解釈がちょっと違うんじゃないですか」とか、「それめっちゃいいですね」のようなバリューの定義に対する解釈のすり合わせ、さらに言うと解釈の目線がずれてないかっていうすり合わせができていると思っています。

この辺りのアジェンダがあることで、講師にとっても自分が今何できていて何ができてないのか、すなわち自分の現在地を知ることにすごく役立つアジェンダになっていると思いますね。

これらのアジェンダ自体、そもそも「どう作ったらいいのか」というところからO:の皆さんにご支援いただいたんですが、このようなアジェンダになった結果、「自分たちで決めたアジェンダ」という責任感が強まったのは非常に大きかったです。また、それゆえに各自がアジェンダに対して事前に向き合ってから1on1に望んでもらえる状態なので、時間を有効に使えている感覚がありますね。

―ありがとうございます。そういった中で著しく成長がみられたメンバーはいらっしゃいましたか?もしいらっしゃればどう1on1が寄与したのかも伺えればと思います。

成果として目に見えるもので言うと、成約率がこれまで20%だったのが50%まで上がり、売上が180万円アップしたメンバーがいますね。そのメンバーとは話し合う中で、ロールモデルとする弊社代表の「何を学ぶべきか」「何が自分にはできるか」ということが整理されて、そのような成果に結びついたと思います。

-ありがとうございます。実際にはこういった取り組みをやられてみて最初の懸念されていた点、やってみて実際その懸念が解消されたのかその辺りっていかがですかね。

SaaSあるあるかもしれないんですけれども、ツールを使いこなせるか、概念を理解しきれるか、という懸念がありました。本当に僕たちのチームのメンバーは、いってみれば普通の主婦の方なので、MVVってなんだ、コンピテンシーってなんだとか、ツールとは?みたいな感じではあるかなと思ってたんですけども、難なくクリアできてるのは、元々の文化に加えてコチーム自体が単純に使いやすいUI/UXになっているというのは結構大きいと思ってます。

現時点で僕が1on1やっていく中でコチームをどう使えばいいかわからないんですっていう声は聞いたことないですね。操作性っていうところですかね、やっぱり本当にわかりやすいUI/UXゆえに説明しなくても皆さん使いこなしているので。

-ありがとうございます。1on1を月に1回実施というのは割と世間一般からすると高頻度な部類に入るかと思うんですけど、聞き漏れだったり、後でこれ聞いとけばよかったなとかってあるあるだと思うんですが、そういうことは減りましたか?

それはもう確実に減りましたね。加えて弊社のコチームの運用の仕方だと、そのアジェンダに対して各自が事前に考えて答えるべき内容をコメントで残した状態で1on1がスタートになるので、被評価者である講師も思考が整理された状態で始められる。この運用ができるようになったのはかなり大きいと思います。

さらに自分個人としてもいい影響が出ていると思っていて、この形になる前までは、「今回はこの講師にはこういうことを言った方がいいよな」とか、「これは言わない方がいいよな」とかをその都度考えてから望んでいたんです。

ただ現在の運用形態になってからは「このアジェンダでいけば一旦大丈夫だろう、むしろうまくいくだろう」っていう安心感というか信頼感があるので、そこに対して脳内のリソースを割く必要がなくなったってのはかなり大きいと思ってます。

分かりやすく言うと、今まで3カ月に1回だったものが1カ月に1回になって、さらに1回あたりアジェンダが3倍消化されるようになって、しかも自分の負担は実感ベースですが半分くらいになっていると思うので、単純な掛け算で18倍の効果ですよね。(冒頭図1参照)

-いやもうありがとうございます。これからの話なんですが、このような取り組みを続けていった先に、Meroneはどういう組織になっていくと思いますか。

これは嬉しい悲鳴というものだと思うんですけど、本当に導入してからの数ヶ月の中で講師のレベルはかなり上がってきてるのを感じるんですね。

なので、現状の組織構造としてはボードメンバーに森川と僕がいて、講師というメンバーがいて、生徒というシンプルな三階層しかないんですが、これからは講師の仕事がメンバークラスだったのがマネージャークラスになってきて、そこのメンバークラスの作業やってくれる人が他にもいたらいいんじゃないか、それを生徒から募っても面白いんじゃないかとかそういう話が現時点でも出始めてます。

全員のレベルが上がることによって組織全体の視座が高まるっていうのは、半年以内にほぼ間違いなく起きるであろうインパクトじゃないかなと思っています。

-なるほど。育成ってスキルを伸ばすような視点もあると思うんですけど、経営の視座に近づくというか、マネージャーレベルに視座が上がって、さらにマネージャーから経営レベルに視座が上がってのような、そこをのぼりやすくなる補助輪みたいなものって感じなんですかね。

そうですね、少なくともそのメンバーからマネージャーに上がるっていうところに関しては、現時点でもうマネージャークラスだなと思えるメンバーはちらほらいるかなと思っていて。この部分の業務に関してはマネージャークラスだなとか思えるメンバーもいるようになっているので、そこは今回この数か月で整備した流れの中でもできてるかなと思います。

逆にマネージャーからボードメンバー、経営メンバーに入れる、そこのステップに関してはまだ未設計かなと思いますし、役員の要件定義がどのレベルなんだっていうところはまだ未着手なんです。

さっきの経営の視点っていうとそもそもそのレベルに達したからといって経営メンバーに入れるかどうかっていうところはまた別の判断だろうかと思うので、そこに関してはもう少し考えないといけないかなと思います。ただ基本的には組織全体の視座が上がるっていう現象は起き始めてるので、そこは理想的かなと思っています。

-実際にそのような組織になっていくにあたってコチームも何かお力添えができればと思うのですが、そういった部分でもっと「ここをこうしていきたい」などのお考えはございますか。

そうですね、多分おそらく僕たちはまだコチームのフルの機能を使えてはいないと思うんです。

目標管理に関して、今は各自が別々でOKRシートを運用してるような状況なんですが、各自の目標設計とその進捗の確認まで全てコチームでできるという話を聞いてるので、もっとそこも活用できるようになったらいいなというのは考えています。

あとは現在メンバーからマネージャークラスのメンバーだけがコチームを活用しているのですが、組織全体としては、私や森川と並ぶようなCxOクラスが今後は出てきてほしいなと思っていまして。

そこに際して人事評価の設計がやりきれていないので、コチームの人事評価に関する機能や支援をいただきつつ、役員クラスになるような芽も輩出できるような強い組織にしていきたいっていうのは次のフェーズかなと思ってますね。

-とても貴重なお話をありがとうございます。本日は本当にありがとうございました。

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