セールスイネーブルメントとは、営業組織全体の成果を継続的に向上させるための戦略的な取り組みです。
しかし初めてこの言葉を聞く場合は、抽象的で意味が分かりにくいと思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、セールスイネーブルメントの定義から導入の5ステップ、活用できるツール、国内企業の成功事例まで徹底解説します。
営業がエース社員に依存している、新人がなかなか戦力化しない、研修の効果が見えないといった課題を抱える営業組織の方に向けて、組織として再現性のある営業力を構築する方法をまとめました。
▼ この記事の内容
- セールスイネーブルメントの核心: 単なる「研修」や「ツール導入」ではなく、営業成果(受注率や売上)を向上させるために、あらゆる育成施策の効果をデータで検証し、改善し続ける「持続的なサイクル」が本質です。
- 導入のメリット: ハイパフォーマーのノウハウを言語化して共有することで、新人の即戦力化を早め、組織全体の営業力を底上げできます。また、営業とマーケティングの連携を深め、リード(見込み客)の商談化率を高める効果があります。
- 成功への5ステップ: SFA(営業支援システム)でのデータ収集を起点に、専任担当者の配置、コンテンツの標準化、体系的なトレーニング設計を経て、PDCAを回す流れが鉄則です。
目次
セールスイネーブルメントとは
セールスイネーブルメントは、個人の経験や勘に頼る営業スタイルから脱却し、組織として再現性のある営業力を構築する取り組みとして近年注目を集めています。
営業に必要な資料、知識、スキルを体系的に整備し、誰でも活用できる状態にします。さらに、施策が成果につながっているかをデータで検証し、改善を続けていく点が特徴です。
定義と意味
セールスイネーブルメントとは、営業担当者が最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整える活動のことです。米国の調査会社Gartnerは、「営業担当者が見込み客や既存顧客と効果的にエンゲージメントするために必要な情報、コンテンツ、ツールを提供する活動」と定義しています。
イネーブルメントという言葉は、できるようにする、可能にするという意味を持ちます。営業担当者一人ひとりの力を引き出すことがこの取り組みの本質です。
具体的な活動としては、商談で使う資料の整備、顧客データの活用支援、効果的なトークスクリプトの提供、スキル向上のための教育プログラムなどが挙げられます。例えばIT企業であれば導入事例集や競合比較表の整備、製造業であれば技術仕様書の営業向け簡易版作成などが該当します。これらは単独で行われるのではなく、統合的に実行される点が特徴です。
つまり、セールスイネーブルメントは単なる研修や資料作成ではありません。営業活動に必要なあらゆる要素を組み合わせ、その効果を測定しながら改善を続ける包括的な取り組みなのです。
(参考)Sales Enablement: Strategies to Drive Strong Results|Gartner
SFA・CRM・MAとの関係性
セールスイネーブルメントを理解するうえで、SFA・CRM・MAとの違いを押さえておくことが重要です。
SFAは商談の進捗管理や営業活動の記録を行うツール、CRMは顧客情報を一元管理するツール、MAはマーケティング活動を自動化するシステムです。これらはいずれもデータを収集・管理するための道具であり、セールスイネーブルメントはこれらのツールを活用して営業成果につなげる戦略的な取り組みを指します。
ツールを導入しただけでは営業成果は大きく変わりません。例えばSFAを導入しても入力率が30%程度にとどまり、データが活用されていないというケースは珍しくありません。セールスイネーブルメントの考え方を取り入れることで、各ツールから得られるデータを分析し、営業プロセスの改善や効果的なコンテンツ作成に活かせるようになります。
営業研修やOJTとの違い
セールスイネーブルメントと従来の営業研修の最大の違いは、育成施策と営業成果を紐づけて効果を測定する点にあります。
| 比較項目 | 従来の営業研修・OJT | セールスイネーブルメント |
| 効果測定 | 研修満足度アンケート程度 | 受注率や売上への貢献度をデータで検証 |
| 継続性 | 単発・スポット的 | 継続的な改善サイクル |
| 学習機会 | 決められた日時のみ | 動画やeラーニングでいつでもアクセス可能 |
| 内容の更新 | 講師の経験に依存 | データに基づいて常に最適化 |
| 指導者 | 上司やベテランの力量次第 | 組織として体系化されたプログラム |
従来の営業研修は、新人向けの集合研修やベテラン社員によるOJTが中心でした。これらは教えることに重点が置かれ、研修後の成果検証や継続的なフォローアップが不十分になりがちです。
セールスイネーブルメントでは、例えばこの研修を受けた担当者は受注率が15%から22%に向上したといった具体的な効果検証を行います。やりっぱなしの研修ではなく、成果につながる育成を実現できる点が大きな違いです。
営業企画との違い
営業企画が何をするかを決める役割だとすれば、セールスイネーブルメントはどうやってできるようにするかを実現する役割です。
営業企画部門は営業戦略の立案、予算策定、目標設定などを担当します。一方、セールスイネーブルメントは、その戦略を現場で実行するための資料作成、トレーニング実施、トーク設計、成果の測定・分析までを一貫して行います。
例えば営業企画が新製品で売上10億円を目指すという戦略を立てた場合、セールスイネーブルメントはその製品を売るための提案資料作成、担当者への商品研修、想定Q&A集の整備、商談後の成約率モニタリングまでを担います。両者が連携することで、営業組織の目標達成を加速させることができます。
セールスイネーブルメントが注目される背景
顧客の購買行動のデジタル化や市場競争の激化により、従来の営業手法だけでは成果を出し続けることが難しくなっています。
特に日本では営業の属人化が長年の課題であり、ベテラン社員の退職によるノウハウ喪失や新人の早期戦力化の遅れが経営課題として認識されるようになりました。こうした背景から、組織的に営業力を高める仕組みとしてセールスイネーブルメントへの関心が高まっています。
セールスイネーブルメントの起源と発展
セールスイネーブルメントの概念は1999年の米国で生まれました。John AielloとDrew Larsenの2人が、営業現場の実行力を高めるためのアプローチとして提唱したのが始まりです。
2000年代に入ると専門のコンサルティング会社やツールベンダーが登場し、2010年代から本格的に普及が進みました。
日本では2019年12月に山下貴宏氏がセールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方を出版したことをきっかけに認知が広がりました。コロナ禍以降はオンライン商談の増加も後押しとなり、導入企業が急速に増えています。
(参考)What is sales enablement?|Bigtincan
営業の属人化と人材育成の課題
日本企業の営業組織では、トップセールスの個人的なスキルや人脈に売上が依存する属人化の問題が根深く存在します。ハイパフォーマーのノウハウが組織内で共有されず、その担当者が異動や退職すると商談の継続や顧客関係の維持が困難になるケースが少なくありません。
あの人がいないと大型案件が取れない、ベテランが辞めたら顧客との関係が途切れたという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。例えば製造業では、技術営業のベテラン1名が退職したことで年間売上の15%を占める主要顧客との関係が悪化するといった事態も起こり得ます。
また、新人営業の育成には平均して1〜3年かかるとされ、この間の生産性の低さが組織全体のパフォーマンスを押し下げます。セールスイネーブルメントは、優秀な営業担当者の行動パターンや成功要因を分析・言語化し、組織の共有資産として蓄積することで、この属人化の課題解決を目指します。
顧客の購買行動とデジタル化への対応
インターネットやSNSの普及により、BtoB領域においても顧客の購買行動は大きく変化しました。Gartnerの調査によると、BtoBの購買担当者は営業担当者と接触する前に、購買プロセスの57%をオンラインでの情報収集で完了しているとされています。
顧客は自ら製品やサービスを比較検討した上で商談に臨むため、営業担当者には単なる製品説明ではなく、課題解決のパートナーとしての価値提供が求められるようになっています。セールスイネーブルメントは、こうした顧客の変化に対応できる営業組織を作るための有効なアプローチです。
(参考)B2B Buying: How Top CSOs and CMOs Optimize the Journey|Gartner
市場競争の激化と導入企業の増加
グローバル化やテクノロジーの進化により、あらゆる業界で競争が激化しています。製品やサービス自体での差別化が難しくなる中、どう売るかという営業の質が企業の競争力を左右するようになりました。
米国CSO Insightsの調査では、セールスイネーブルメントを導入している企業は、導入していない企業と比較して目標達成率が14%高いという結果が報告されています。
こうした実績を背景に、国内でも大手企業を中心に導入が進み、近年では中堅・中小企業への普及も加速しています。例えばSaaS業界では、急成長するスタートアップが早期からセールスイネーブルメントに投資し、営業組織の立ち上げスピードで競合に差をつけるケースが増えています。
(参考)Fifth Annual Sales Enablement Study|CSO Insights
(参考)スタートアップは「セールスメンバー20人」からSales Enablementに取り組む価値がある|ALL STAR SAAS FUND
セールスイネーブルメントの効果とメリット
セールスイネーブルメントの導入によって得られる主なメリットを5つ紹介します。
- 営業力を組織全体で底上げできる
- 施策の効果を数値で把握できる
- 営業とマーケの連携を強化できる
- 人材育成を仕組み化できる
- 売上・受注率を向上できる
営業力を組織全体で底上げできる
セールスイネーブルメントの最大のメリットは、個人の能力差に左右されにくい強い営業組織を作れることです。どの会社にも売れる営業と売れない営業の差があるものですが、セールスイネーブルメントによってその差を縮めることができます。
ハイパフォーマーの商談の進め方、顧客への提案手法、反論への対処法などをナレッジとして整理し、全メンバーが活用できる形で提供することで、経験の浅い担当者でも一定レベルの営業活動が可能になります。例えばトップセールスが使っている業種別の課題ヒアリングシートを標準化することで、新人でも顧客の本質的なニーズを引き出せるようになります。
また、成功パターンを標準化することで、特定の担当者への依存リスクを軽減できます。あの人がいないと売れないという依存状態から脱却し、トップセールスが抜けても売上が急落しない強い組織を作れるのです。
施策の効果を数値で把握できる
セールスイネーブルメントでは、SFAやCRMに蓄積されたデータを活用して施策の効果を検証できます。従来の営業研修はやりっぱなしになりがちで、成果への貢献度が不明確でした。
セールスイネーブルメントでは、トレーニングの受講履歴やコンテンツの利用状況をSFAに記録し、受注率や商談期間との相関を分析します。例えば研修を受けた担当者とそうでない担当者の受注率を比較したり、特定の提案資料を使った商談の成約率を測定したりすることで、どの施策が効果的かをデータで判断できます。
これにより、効果の高い施策への集中投資や、成果の出ない取り組みの見直しを根拠を持って判断できます。例えば商品知識研修よりもロールプレイ研修の方が受注率向上に寄与しているといった発見から、研修プログラムの最適化が可能になります。
営業とマーケの連携を強化できる
セールスイネーブルメントは、営業部門とマーケティング部門の橋渡し役として機能します。多くの企業で両部門の連携不足が課題となっています。
マーケティングが獲得したリードが営業に引き継がれた後フォローされない、営業現場のニーズがマーケティング施策に反映されないといった問題が典型的です。マーケが取ってきたリードは質が悪い、営業がリードをフォローしてくれないといった不満の声は、どちらの部門からも聞こえてきます。
セールスイネーブルメントでは、リードの質に関するフィードバックの仕組み構築、商談フェーズに応じたコンテンツの共同開発、顧客インサイトの共有などを推進します。例えば展示会で獲得したリードの商談化率を計測し、次回の展示会でのターゲティング精度を高めるといった連携が実現できます。
人材育成を仕組み化できる
セールスイネーブルメントでは、育成を個人任せにせず、組織として体系的なプログラムを設計・運用します。営業人材の育成は、上司やベテラン社員の指導力や時間的余裕に左右されがちです。
教える人によって言うことが違う、忙しくて新人を見る余裕がないという状況は珍しくありません。
入社時のオンボーディングから、スキルレベルに応じた段階的な学習コンテンツ、ロールプレイ研修、実践的なコーチングまでを一貫した仕組みとして整備することで、育成の質が人によって違うという問題を解消できます。例えば、オンボーディングプログラムを標準化することで、新人の立ち上がり期間を大幅に短縮することも可能です。
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売上・受注率を向上できる
最終的な目的である売上向上と受注率改善に直結するのがセールスイネーブルメントの強みです。営業担当者が適切な知識を持ち、効果的な資料を使い、最適なタイミングでアプローチできるようになれば、商談の質は必然的に高まります。
Aberdeen Researchの調査によると、セールスイネーブルメントを実践している企業は、年間の売上成長率が平均で13.7%高いという結果が出ています。
また、受注率の向上は新規顧客獲得だけでなく、既存顧客へのアップセル・クロスセルにも効果を発揮し、顧客あたりの売上拡大にも貢献します。例えば、既存顧客向けの提案シナリオを整備することで、クロスセル機会の創出や成約率向上が期待できます。
(参考)Aberdeen Research Finds “Sales Enablement is a Must Have”
セールスイネーブルメント導入の5ステップ
セールスイネーブルメントを自社に導入する際は、段階的なアプローチが効果的です。以下の5ステップで進めていきましょう。
- SFA導入で営業データを収集・整備する
- 専任のイネーブルメント担当者をアサインする
- 営業コンテンツを整備・標準化する
- 教育・トレーニングプログラムを設計する
- 成果を検証しPDCAを回す
Step1:SFA導入で営業データを収集・整備する
セールスイネーブルメントの出発点は、営業活動の可視化です。何がうまくいっていて何がうまくいっていないのか、データがなければ判断のしようがありません。
SFAを導入し、商談の進捗、顧客とのコンタクト履歴、提案内容、成約・失注の結果とその理由などを記録する習慣を組織に定着させましょう。
すでにSFAを導入している企業は、入力率の向上やデータ品質の改善に取り組むことが重要です。入力が面倒という声に対しては、入力項目を必要最小限に絞る、モバイルからの入力を可能にするなどの工夫が有効です。例えば入力項目を20項目から8項目に絞り込むことで、入力率が40%から85%に改善したケースもあります。
質の高いデータが蓄積されて初めて、どの施策が効果的か、どこにボトルネックがあるかを正確に分析できます。Salesforceをはじめとする主要SFAは、後述するイネーブルメントツールとの連携機能も備えています。
Step2:専任のイネーブルメント担当者をアサインする
セールスイネーブルメントを推進する専任の担当者またはチームを設置することが成功の鍵です。営業マネージャーが兼務で、企画担当が空いた時間にというやり方では、日常業務に追われて取り組みが後回しになりがちです。
担当者には営業現場への理解、データ分析スキル、社内調整能力が求められます。
規模の大きい組織では専門部署を設けるケースもありますが、中堅企業であれば営業企画部門内に1〜2名の専任者を置くところから始めるのが現実的です。例えば営業経験5年以上で現場の信頼が厚いメンバーを専任としてアサインし、まずは営業資料の整備から着手するといった進め方が効果的です。
経営層のコミットメントを得て、担当者に適切な権限と予算を付与することも重要なポイントです。この取り組みは会社として本気で進めるというメッセージを組織に示すことで、現場の協力も得やすくなります。
Step3:営業コンテンツを整備・標準化する
営業現場で使う各種コンテンツを整理・整備します。あの資料どこだっけ、古いバージョンを使ってしまったという事態を防ぎ、誰でも最新かつ効果的なコンテンツを使える状態を作ることが目的です。
整備すべき主なコンテンツは以下の通りです。
- 会社紹介資料
- 製品・サービス説明資料
- 事例紹介
- 競合比較表
- FAQ
- 提案書のテンプレート
- 契約関連書類
これらを誰でもアクセスできる場所に一元管理し、常に最新版を使える状態にしましょう。例えば製造業であれば業種別の導入事例を10パターン用意する、SaaS企業であれば従業員規模別の提案テンプレートを整備するといった工夫が有効です。
また、商談フェーズごとにこのタイミングではこの資料を使うというガイドラインを設けることで、担当者ごとのバラつきを減らし、提案の質を標準化できます。
Step4:教育・トレーニングプログラムを設計する
コンテンツを揃えただけでは営業力は向上しません。それを使いこなすためのトレーニングプログラムが必要です。
良い道具も、使い方を知らなければ宝の持ち腐れになってしまいます。製品知識の習得、商談スキルの向上、ツールの操作方法など、目的別にプログラムを設計しましょう。
学習形式は、集合研修、動画コンテンツ、eラーニング、ロールプレイ、OJTなどを組み合わせ、座学と実践のバランスを取ることが重要です。例えば製品知識は15分の動画コンテンツで学習し、商談スキルは週1回のロールプレイで実践するといった組み合わせが効果的です。ハイパフォーマーの商談録画を教材として活用したり、AIを使って商談の会話を分析しフィードバックを行ったりする手法も増えています。
新人向けのオンボーディングと、既存社員向けのスキルアッププログラムを分けて設計すると、それぞれのニーズに合った育成が実現できます。
Step5:成果を検証しPDCAを回す
導入した施策の効果を定期的に検証し、改善を続けるサイクルを確立します。一度作って終わりではなく、常により良いものを目指して改善し続けることがセールスイネーブルメントの本質です。
測定すべきKPIの例としては、以下のようなものがあります。
- 営業コンテンツの利用率
- トレーニングの完了率
- 商談化率
- 受注率
- 平均商談期間
- 担当者ごとの成績推移
データをダッシュボードで可視化し、週次・月次で振り返りの場を設けましょう。例えば毎週金曜日にコンテンツ利用状況をレビューし、使われていない資料は改善または廃止を検討するといったサイクルを回します。効果が出ている施策は拡大し、成果につながっていない取り組みは原因を分析して改善または中止を判断します。
このPDCAサイクルを継続的に回すことで、組織の営業力は着実に向上していきます。
セールスイネーブルメントに活用できるツール6選
セールスイネーブルメントを効率的に推進するために、専用ツールを活用する企業が増えています。自社の課題や既存システムとの連携を考慮して、最適なツールを選定しましょう。
| ツール名 | 主な特徴 | 向いている企業 |
| ナレッジワーク | 営業ナレッジの蓄積・活用、AIレコメンド | コンテンツ管理から始めたい企業 |
| SALESCORE | 営業データの自動分析、ボトルネック特定 | データ活用を強化したい企業 |
| FrontAgent | 商談中のAIサジェスト、自動文字起こし | 新人の早期戦力化を重視する企業 |
| AUTOMETA | 営業プロセスの自動化、受注確度予測 | 効率化とマーケ連携を進めたい企業 |
| ACES Meet | オンライン商談の録画・分析 | オンライン商談の質を高めたい企業 |
| Magic Moment Playbook | 営業の型の体系化、プレイブック作成 | 再現性のある営業組織を作りたい企業 |
ナレッジワーク

株式会社ナレッジワークが提供するナレッジワークは、営業ナレッジの蓄積と活用に特化したセールスイネーブルメントプラットフォームです。必要な資料がすぐに見つからない、成功事例が共有されていないという課題を解決するのに適しています。
直感的なインターフェースで導入ハードルが低く、中堅企業でも活用しやすいツールとして評価されています。コンテンツ管理から始めたい企業におすすめです。例えば営業資料の検索時間を月間10時間削減したいといった課題を持つ企業に適しています。
【主な機能】
営業資料・提案書・事例の一元管理、商談シーンに応じたコンテンツ検索、AIによるコンテンツレコメンド、資料の閲覧状況可視化、Salesforce連携
【ウェブサイト】
SALESCORE

株式会社SALESCOREが提供するSALESCOREは、営業組織の可視化と改善を支援するセールスイネーブルメントツールです。データはあるけど活用できていないという課題を持つ企業に適しています。
導入企業からは営業会議の質が向上したという声も多く聞かれます。データに基づいた営業マネジメントを実現したい企業に最適なツールです。例えば週次の営業会議の準備時間を2時間から30分に短縮するといった効率化が期待できます。
【主な機能】
SFAデータの自動分析、営業プロセスのボトルネック特定、担当者ごとのパフォーマンス比較、商談フェーズごとの滞留分析、受注・失注要因の解析、営業マネージャー向けコーチング支援
【ウェブサイト】
FrontAgent

株式会社umbrEllaが提供するFrontAgentは、営業担当者の日常業務を効率化しながらスキル向上を支援するAI搭載のツールです。商談時の会話をリアルタイムで解析し、適切な話題や回答をサジェストする機能が特徴的です。
先輩が隣にいなくても安心して商談できる環境を作れるのが大きな魅力です。新人の早期戦力化を重視する企業におすすめです。例えば新人営業が単独で商談できるようになるまでの期間を3ヶ月から1ヶ月に短縮するといった効果が期待できます。
【主な機能】
商談中のリアルタイムAIサジェスト、会話内容の自動文字起こし・要約、SFA入力の効率化、商談データの蓄積と分析、成功パターンの抽出、トレーニングコンテンツ作成
【ウェブサイト】
https://and-and.jp/lp/frontagent/
AUTOMETA

AUTOMETA株式会社が提供するAUTOMETAは、営業プロセスの自動化と最適化に強みを持つセールスイネーブルメントツールです。リソースが限られている中で効率的に営業したいという課題に応えます。
MAツールやSFAとの連携により、リードの獲得から商談、受注までの一連のプロセスをシームレスに管理できます。マーケティング部門との連携強化を目指す企業にも適しています。例えばリードへの初回アプローチまでの時間を24時間から2時間に短縮するといった効率化が可能です。
【主な機能】
見込み客へのアプローチタイミング最適化、フォローアップの自動化、商談の優先順位付け、AIによる受注確度予測、MA・SFA連携
https://and-and.jp/lp/autometa/
ACES Meet

株式会社ACESが提供するACES Meetは、オンライン商談の録画・分析に特化したツールです。ZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオ会議ツールと連携し、商談を自動で録画・文字起こしします。
トップセールスの商談録画を教材として新人教育に活用したり、マネージャーが部下の商談をレビューしてフィードバックを行ったりする使い方が一般的です。オンライン商談の質を高めたい企業におすすめです。例えば商談後の議事録作成時間を30分から5分に短縮できます。
【主な機能】
オンライン商談の自動録画、会話内容の文字起こし、AIによる商談分析、商談の振り返り支援、スキル向上に役立つインサイト提供
【ウェブサイト】
Magic Moment Playbook

株式会社Magic Momentが提供するMagic Moment Playbookは、営業活動のベストプラクティスを体系化し、組織に展開するためのプラットフォームです。売れる営業の行動を組織全体に広げたいという課題を解決します。
何をすればいいか分からないという状態をなくし、迷いなく営業活動に集中できる環境を作れます。再現性のある営業組織を作りたい企業に最適です。例えば営業担当者間の成績格差を50%縮小するといった成果を目指せます。
【主な機能】
成功営業の行動パターン分析、プレイブック作成・展開、いつ・誰に・何をするかの明確化、進捗管理・タスク管理、日々の営業活動の記録
【ウェブサイト】
セールスイネーブルメントの導入事例
セールスイネーブルメントは概念として理解するだけでなく、実際の導入事例から学ぶことが重要です。業種や企業規模、抱える課題によってアプローチは異なりますが、成功企業に共通するのは、明確な目的設定、経営層のコミットメント、継続的な改善活動です。
ここからは、NTTコミュニケーションズ、Sansan、Mipox、Speeeという4社の具体的な取り組みを紹介します。
NTTコミュニケーションズ
NTTコミュニケーションズは、大規模な営業組織における人材育成の標準化を実現した事例です。同社では従来、事業部ごとに独自の研修を行っており、育成品質にバラつきがあることが課題でした。
部門によって教える内容やレベルが異なり、組織全体としての営業力にムラが生じていたのです。
この課題を解決するため、同社はイネーブルメント専門チームを設置し、全社共通の育成プログラムを設計しました。商談スキル、製品知識、顧客対応力などを体系化したカリキュラムを構築し、動画コンテンツやeラーニングを活用して全国の営業担当者が同じ品質の教育を受けられる環境を整備しました。
結果として、新人の早期戦力化と既存社員のスキル底上げを実現しています。どこの部署に配属されても同じレベルの教育が受けられるという安心感は、採用面でのアピールポイントにもなっています。
(参考)イネーブルメント最先端事例!NTTコミュニケーションズの営業改革をリードするData.Campとは|SalesZine
Sansan
名刺管理サービスで知られるSansanは、マーケティング部門との連携強化をセールスイネーブルメントの軸に据えた事例です。同社の課題は、マーケティングが獲得したリードが営業に引き継がれた後のフォローが不十分で、商談化率が伸び悩んでいたことでした。
せっかく獲得した見込み客が商談につながらず、機会損失が発生していたのです。
イネーブルメントチームが両部門の橋渡し役となり、リードの質に関するフィードバックの仕組みを構築しました。また、商談フェーズごとに最適なコンテンツをマーケティングと共同で開発し、顧客のニーズに応じたアプローチを標準化しました。
この取り組みにより、リードから商談への転換率が改善し、営業とマーケティングの協業体制が強化されています。マーケが取ったリードは質が悪い、営業がフォローしてくれないという不毛な対立を解消したい企業にとって、参考になる事例です。
(参考)急拡大するSaaSの営業組織で必要なこととは?セールスイネーブルメントの責任者が語る営業人材育成のポイント|Sansan
Mipox
研磨フィルムメーカーのMipoxは、Salesforceを基盤としたセールスイネーブルメントを推進している事例です。製造業として営業のデジタル化が遅れていた同社では、商談状況が担当者の頭の中にしかなく、マネジメントが困難でした。
誰が何をしているのか見えず、売上予測も担当者の感覚に頼っていたのです。
SFA導入を機に営業プロセスを定義し、各フェーズでの活動内容と判断基準を明確化しました。データの蓄積が進むにつれ、受注につながる商談パターンや、失注の傾向が見えるようになり、的確な改善施策を打てるようになりました。
営業活動の可視化は予測精度の向上にも貢献し、経営判断のスピードアップにもつながっています。製造業など、営業DXに踏み出したい企業の好例といえます。
(参考)100年企業がSalesforceでV字回復、目指すは全サプライチェーンの製造業DX|SalesForce
Speee
デジタルトランスフォーメーション支援を手がけるSpeeeは、急成長する組織において営業品質を維持・向上させるためのセールスイネーブルメントに取り組んだ事例です。採用拡大に伴い、営業担当者のスキルレベルにバラつきが生じていたことが課題でした。
売れる人と売れない人の差が大きく、組織として安定した成果が出せない状況だったのです。
同社はハイパフォーマーの行動を分析し、成功する営業の型を言語化しました。その型に基づいたトレーニングプログラムを設計し、ロールプレイやコーチングを通じて全員のスキルを底上げしました。評価基準も明確化され、担当者自身が何を伸ばすべきか理解できる環境が整備されました。
結果として、メンバー間の成績格差が縮小し、組織として安定した成果を上げられるようになっています。
(参考)営業に魔法のスパイスはない。Speeeがセールスイネーブルメントに見出した可能性とは|SALESCORE
セールスイネーブルメントの理解を深めるおすすめ書籍3選
セールスイネーブルメントについてより深く学びたい方には、専門書籍での体系的な学習がおすすめです。概念の理解から具体的な実践方法まで、現場で活かせる知識を得られます。
Webの記事だけでは得られない深い洞察や、著者の実体験に基づくノウハウが詰まっています。
『セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方』山下貴宏著
この書籍は、日本でセールスイネーブルメントという概念が広まるきっかけとなった入門書です。著者の山下貴宏氏は日本におけるセールスイネーブルメントの第一人者であり、2019年に出版された本書は多くの経営者や営業責任者に読まれています。
セールスイネーブルメントの定義、なぜ今必要とされているのか、どのように始めればよいのかを体系的に解説しています。
著者自身のSalesforceでの経験をもとに、グローバル企業での先進事例も豊富に紹介されています。経営層や営業マネージャーがセールスイネーブルメントの全体像を理解し、自社への導入を検討する際の基礎知識を得るのに最適です。
これから取り組みを始めたい企業の関係者にまず手に取っていただきたい一冊です。
セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方|Amazon
『営業力を強化する世界最新のプラットフォーム セールス・イネーブルメント』バイロン・マシューズ著
この書籍は、世界標準のセールスイネーブルメントフレームワークを詳細に学べる専門書です。米国のセールスイネーブルメント協会の創設者であるバイロン・マシューズ氏とタマラ・シェンク氏の共著を日本語訳したものです。
営業担当者へのコンテンツ提供、トレーニング設計、コーチングの実践、テクノロジー活用など、イネーブルメントの各要素を深く掘り下げています。
すでに基本を理解している方が、より専門的な知識を身につけ、本格的な施策設計を行う際の指針となる一冊です。グローバルの知見を取り入れて施策を設計したい方におすすめします。
営業力を強化する世界最新のプラットフォーム セールス・イネーブルメント|Amazon
『トップセールスだけに頼らない組織を作る 実践セールス・イネーブルメント』山下貴宏著
この書籍は、セールスイネーブルメントを実際に導入・運用するための実践ガイドです。山下貴宏氏による2冊目の著書で、1冊目で概念を学んだ読者に向けて、より具体的な内容に踏み込んでいます。
実際にセールスイネーブルメントを導入・運用する際の具体的な手順、陥りがちな失敗とその回避策、組織への定着方法などを解説しています。
国内企業の事例も多数取り上げられており、自社の状況に置き換えて考えやすい構成になっています。イネーブルメント担当者としてアサインされた方、導入プロジェクトを任された方にとって、実務で参照できる実用的なガイドブックとして活用できます。
理論と実践の橋渡しをしてくれる一冊です。
トップセールスだけに頼らない組織を作る 実践セールス・イネーブルメント データを活用した必勝パターンの設計から、育成施策・ナレッジ活用、効果検証まで|Amazon
よくあるご質問(FAQ)
Q1. ツールを導入するだけでセールスイネーブルメントは実現できますか?
A: いいえ、ツールはあくまで「箱」です。 SFAやCRMを導入しても、そこに蓄積されたデータを「どう分析し、どんな研修や資料に落とし込むか」という運用の仕組み(戦略)がなければ、イネーブルメントは機能しません。
Q2. 専任の担当者を置く余裕がありません。兼務でも大丈夫ですか?
A: 最小人数でも「責任者」を明確にすることが重要です。 営業企画や教育担当が兼務することから始めても良いですが、日々の営業活動に流されないよう、週に数時間はイネーブルメントの改善業務に専念する時間を確保してください。
Q3. 営業担当者が「管理が強まる」と反発しないか心配です。
A: 「管理するため」ではなく「楽に売らせるため」と伝えましょう。 「データを入れると、AIが次の最適解を教えてくれる」「過去の成功資料がすぐに見つかる」といった、担当者自身のメリットを強調することが定着の鍵です。
Q4. 効果が出るまでどれくらい時間がかかりますか?
A: データの蓄積に3ヶ月、行動の変化に半年が目安です。 短期的な売上増を急ぎすぎず、まずは「新人の立ち上がり期間が短縮された」「資料の検索時間が減った」といった中間指標から成果を評価しましょう。
Q5. 最初に手をつけるべき「コンテンツ」は何ですか?
A: 「導入事例集」と「競合比較表」です。 これらは現場のニーズが最も高く、即効性があります。ハイパフォーマーが商談の「どのタイミング」で「どの事例」を出しているかをヒアリングし、標準化することから始めてください。
まとめ
セールスイネーブルメントは、営業組織の成果を継続的に向上させるための戦略的な取り組みです。データに基づいた施策設計、コンテンツの整備、体系的な人材育成によって、組織として再現性のある強い営業力を構築します。
導入にあたっては、SFAによるデータ収集基盤の整備から始め、専任担当者のアサイン、営業コンテンツの標準化、トレーニングプログラムの設計、PDCAサイクルの確立と段階的に進めることが効果的です。
セールスイネーブルメントは、大規模な投資や専門部署がなくても始められます。まずは現状の営業活動を可視化し、小さな改善から取り組んでみてください。
お役立ち情報
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