管理職研修に使える助成金3選|対象コースと助成額の目安を解説

▼ この記事の内容

管理職研修に使える助成金は、人材開発支援助成金の「人材育成支援コース」「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」の3つが中心です。中小企業なら経費の最大75%・賃金助成1時間あたり最大1,000円が支給されます。自社の研修形式と企業規模からコースを特定し、訓練開始の1〜6か月前に計画届を提出することで受給に進めます。

令和7年度(2025年度)の人材開発支援助成金は、予算規模約2,417億円と過去最大級の水準で運用されています。管理職研修を検討する企業にとって、制度を活用しない理由はほぼありません。

しかし実際には、コースが6種類もあり、どれが管理職研修に使えるのか判断がつかないまま検討が止まるケースが目立ちます。研修会社から助成金の案内を受けても、自社の研修形式が対象になるのか、申請でミスをして不支給になるリスクはないのか、不安が残ったまま稟議書を出せない担当者は少なくないのではないでしょうか。

この記事では管理職研修に絞って、使える助成金の選び方・助成額の試算方法・申請手順までを一貫して整理します。研修全般の助成金一覧はこちらの記事で網羅的にまとめています。

読了後には、自社に最適なコースが特定でき、助成額の見通しを持った状態で申請準備に着手できるはずです。


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管理職研修に活用できる3つの助成金制度

管理職研修の費用を抑えるうえで最も効果が大きいのは、国の人材開発支援助成金を活用する方法です。自治体独自の制度もあわせて把握しておくと、併用による上乗せが狙えます。

管理職研修に使える助成金の全体像と助成率の比較

管理職研修に活用できる主な助成金は、人材開発支援助成金の3コースと、自治体が独自に設けるスキルアップ助成金の計4種類です。それぞれ対象となる研修内容・助成率・上限額が異なるため、まず全体像を比較したうえで自社に合うものを絞り込むのが効率的です。

令和7年度(2025年度)は賃金助成額の引き上げや申請手続きの簡素化が行われ、前年度よりも使いやすい制度設計に改善されています。とくに中小企業への経費助成率は、コースによって45〜75%と大きな幅があるため、コース選びが助成額を左右します。

以下の比較表で、管理職研修に関係する助成金の全体像を確認できます。

助成金名主な対象研修経費助成率(中小企業)経費助成率(大企業)賃金助成(1人1時間)年度上限額
人材育成支援コース10時間以上のOFF-JT全般45%30%800円(大企業400円)1,000万円
人への投資促進コースDX・高度デジタル人材訓練等75%60%1,000円(大企業500円)2,500万円
事業展開等リスキリング支援コース新事業展開に伴うリスキリング訓練75%60%1,000円(大企業500円)1億円
東京都スキルアップ助成金(事業内)都内中小企業の社内研修受講者数×時間×760円対象外150万円

「コースが多すぎて選べない」と感じる方は多いですが、管理職研修で使えるコースは実質3つに絞られます。自社の研修形式が集合研修であれば人材育成支援コース、DXやAIツールの導入に関わる内容であれば人への投資促進コース、という判断基準で大半のケースに対応できます。

比較表の助成率はあくまで通常分です。訓練後に賃金を5%以上引き上げた場合は経費助成率が15%上乗せされるため、人事施策と連動させることでさらに助成額を増やせます。次のH3では、管理職研修に特に関係の深いコースの詳細を掘り下げます。

参考:人材開発支援助成金|厚生労働省

参考:2025年度(令和7)の「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)」について|HRプロ

人材開発支援助成金で管理職研修に使えるコースはどれか

管理職研修で最も使いやすいコースは「人材育成支援コース」の人材育成訓練です。職務に関連した10時間以上のOFF-JT(通常業務と区別して行う職場外訓練)であれば、研修テーマに制限はなく、リーダーシップ研修やマネジメント研修も幅広く対象になります。

「人への投資促進コース」は、AI活用やDX推進に関わる高度デジタル人材の育成訓練が対象で、経費助成率75%と最も手厚い支援が受けられます。たとえばAI営業ツールの操作研修やデータ分析スキルの習得を管理職向けに実施する場合、このコースの高度デジタル人材訓練に該当する可能性があります。

「事業展開等リスキリング支援コース」は、新規事業の立ち上げや業態転換に伴うリスキリング訓練が対象です。管理職向けの研修であっても、新事業に必要なスキル習得を目的とした内容であれば助成の対象となります。ただし、令和8年度で終了予定のため早めの活用が推奨されます。

どのコースを選ぶべきか迷った場合は、研修内容の主目的で判断するのがおすすめです。一般的なマネジメントスキル研修は人材育成支援コース、DX関連スキル研修は人への投資促進コース、新事業に向けた研修は事業展開等リスキリング支援コースが最適です。リスキリング助成金の詳細についてはこちらの記事でさらに深く解説しています。

参考:人材開発支援助成金(人への投資促進コース)|政府広報オンライン

キャリアアップ助成金・自治体独自制度の活用ケース

管理職研修に直接活用できる助成金は人材開発支援助成金が中心ですが、自治体独自のスキルアップ助成金を併用することで、自己負担をさらに圧縮できます。

東京都の中小企業であれば、東京しごと財団の「事業内スキルアップ助成金」が有力な選択肢です。自社で企画した管理職研修を社内で実施した場合、受講者数×研修時間数×760円が助成されます。事業外スキルアップ助成金では、外部の公開研修に参加させた場合に受講料の1/2(上限25,000円/人・研修)が支給されます。いずれも事業内・事業外合わせて年間150万円が上限です。

仮に東京都の中小企業が管理職10名に2日間の社内研修(計16時間)を実施した場合、スキルアップ助成金だけで10名×16時間×760円=121,600円が受け取れます。これに人材開発支援助成金を加えれば、研修費用の大部分をカバーできる計算です。

「自社が東京都以外だから使えない」と感じる方もいますが、大阪府・愛知県・福岡県など多くの自治体が類似の研修助成制度を設けています。まずは所在地の自治体の産業振興部門に問い合わせるのが確実です。コース選びの判断基準が整ったところで、次は自社の研修が実際に助成対象になるかを判定する方法を見ていきます。

参考:令和7年度事業内スキルアップ助成金|東京しごと財団


自社の管理職研修が助成対象になるかを判断する方法

助成金の制度を理解しても、最終的に自社の研修が対象になるかどうかがわからなければ申請には進めません。ここでは、5つの要件チェックリストと、研修形式・企業規模から最適コースを判定するフローチャートで、客観的に判断できる方法を示します。

助成対象になる管理職研修の5つの要件チェックリスト

管理職研修が助成対象になるかどうかは、以下の5つの要件をすべて満たしているかで判定できます。申請支援の現場では、この5要件のうち1つでも欠けていた場合に不支給となるケースが多く見られます。

まず、研修がOFF-JT(通常業務と区別して行われる訓練)であることが大前提です。日常業務の延長で行うOJTは、人材育成支援コースの人材育成訓練では対象外になります。次に、研修時間が10時間以上であること、事業主が訓練経費を全額負担していること、受講者が雇用保険の被保険者であること、そして訓練開始日の1〜6か月前に職業訓練実施計画届を労働局に提出していることが求められます。

加えて、申請に先立ち「職業能力開発推進者」の選任と「事業内職業能力開発計画」の策定・周知が必要です。職業能力開発推進者とは、社内で従業員の職業能力開発を推進する担当者のことで、人事部長や教育研修担当者が選任されるのが一般的です。

以下のチェックリストで自社の研修を点検してみましょう。

  1. 研修内容がOFF-JT(通常業務と区別した訓練)に該当するか
  2. 研修の総時間数が10時間以上あるか(eラーニングの場合も同様)
  3. 受講者全員が雇用保険の被保険者であるか
  4. 研修費用を事業主が全額負担しているか(受講者の自己負担がないか)
  5. 訓練開始日の1〜6か月前に計画届を提出できるスケジュールか

「自社の研修は内容が特殊だから対象にならないのでは」と不安を感じる声は少なくありません。しかし厚生労働省のQ&Aでは、「100%受給できる訓練はなく、業種・職務と訓練内容との関連性を個別に審査する」と明記されています。逆に言えば、上記5要件を満たし、職務との関連性を説明できれば、管理職研修の多くは助成対象になりえます。

参考:令和6年11月版 人材開発支援助成金 事業主向けQ&A|厚生労働省

研修内容・企業規模から最適コースを選ぶフローチャート

最適コースの選定は、研修内容の主目的→企業規模→研修形式の順に3つの質問に答えるだけで判定できます。

まず、研修の主目的がDX・AI関連のスキル習得かどうかを確認します。該当する場合は「人への投資促進コース」の高度デジタル人材訓練を選びます。次に、研修の目的が新規事業展開や業態転換に伴うリスキリングであれば「事業展開等リスキリング支援コース」が該当します。いずれにも当てはまらない一般的なマネジメント研修であれば「人材育成支援コース」の人材育成訓練を選択します。

たとえば従業員100名の製造業で、課長職10名を対象に「部下育成とコーチングスキル」の集合研修を2日間(16時間)実施する場合は、人材育成支援コースが最適です。一方、同じ企業が営業部門の管理職にAI営業ツールの活用研修を実施するなら、人への投資促進コースの高度デジタル人材訓練が候補になります。

企業規模の判定も重要です。資本金3億円以下または常用労働者300人以下(業種により基準が異なる)であれば中小企業として手厚い助成率が適用されます。大企業の場合は経費助成率が低くなりますが、賃金助成は受けられるため申請の価値は十分にあります。

フローチャートの判定結果に迷いが残る場合は、管轄の労働局に事前相談するのが最も確実です。2025年度からは計画届の事前審査が廃止され受付のみとなっているため、制度の適用可否は支給申請時にまとめて審査されます。判断に不安がある場合は、社労士などの専門家への相談も選択肢に入れておくと安心です。

対象外になりやすい管理職研修の具体例

助成対象外になりやすい管理職研修には、いくつかの共通パターンがあります。事前に把握しておくことで、不支給リスクを回避できます。

最も多いのは、研修時間が10時間に満たないケースです。半日×2回で計8時間の管理職研修は、一般的な研修設計としては珍しくありませんが、人材育成支援コースの要件を満たしません。研修設計の段階で10時間以上になるようカリキュラムを調整する必要があります。

次に注意が必要なのは、外部講師を招かない社内勉強会形式の研修です。業務の延長として行われる社内勉強会は、OFF-JTに該当しないと判断されるリスクがあります。助成対象とするには、通常業務と明確に区別された訓練カリキュラムを事前に策定し、講師・教材・評価方法を書面で整備しておくことが求められます。

また、受講対象者が役員のみの場合や、雇用保険に未加入のパートタイム管理職を含む場合も対象外になります。「研修内容は良いのに、受講者の雇用条件で引っかかった」という事例は現場でよく見かけます。

管理職育成の進め方そのものに課題がある場合は、助成金以前に研修設計の見直しが必要です。管理職育成の基本的な考え方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

これらの対象外パターンを事前にクリアしておけば、次に知りたいのは「実際にいくら受け取れるのか」でしょう。次のセクションでは、具体的な助成額のシミュレーションを行います。

管理職研修で受け取れる助成額のシミュレーション

助成金の制度を理解しコースを特定できたら、次は「結局いくら受け取れるのか」を具体的な数字で把握する段階です。ここでは中小企業・大企業別の計算方法と、実際の研修パターンでの試算を示します。

中小企業と大企業で異なる助成率・賃金助成の計算方法

助成額は「経費助成」と「賃金助成」の2本立てで計算します。経費助成は研修にかかった費用(講師料・教材費・会場費等)に助成率を掛けたもの、賃金助成は受講者が研修を受けている時間分の賃金に対して1人1時間あたりの定額が支給されるものです。

中小企業の場合、人材育成支援コースの経費助成率は45%、賃金助成は1人1時間あたり800円です。人への投資促進コースや事業展開等リスキリング支援コースでは、経費助成率75%・賃金助成1,000円と大幅に手厚くなります。

大企業の場合は助成率が下がり、人材育成支援コースで経費助成30%・賃金助成400円、人への投資促進コース等で経費助成60%・賃金助成500円です。ただし、訓練後に受講者の賃金を5%以上引き上げるなど「生産性要件」(賃金要件)を満たせば、経費助成率が15%上乗せされます。

なお、eラーニングや通信制の研修では賃金助成が支給されず、経費助成のみとなる点に注意が必要です。集合研修やリアルタイムのオンライン研修であれば、経費助成・賃金助成の両方が受けられます。

以下の表で、コースと企業規模別の助成率を整理します。

区分人材育成支援コース(経費)人材育成支援コース(賃金)人への投資/リスキリング(経費)人への投資/リスキリング(賃金)
中小企業45%800円/時間75%1,000円/時間
大企業30%400円/時間60%500円/時間
賃金要件達成時の上乗せ+15%+200円+15%

参考:【2025年度】人材開発支援助成金の変更点と申請時の注意ポイント|助成金Tips

管理職10名×2日間研修の助成額を具体的に試算する

ここでは、典型的な管理職研修のパターンで助成額を具体的に試算します。前提条件は、中小企業が管理職10名に対して集合研修を2日間(1日8時間×2日=計16時間)実施し、外部研修会社に支払う費用が1人あたり5万円(合計50万円)のケースです。

人材育成支援コースの場合、経費助成は50万円×45%=225,000円です。賃金助成は10名×16時間×800円=128,000円です。合計で353,000円が支給される見込みとなり、実質的な自己負担は約14.7万円まで圧縮されます。

同じ条件で事業展開等リスキリング支援コースが適用できる場合、経費助成は50万円×75%=375,000円、賃金助成は10名×16時間×1,000円=160,000円で合計535,000円になります。50万円の研修費用に対して53.5万円の助成が受けられる計算で、賃金助成分が上回るため実質的にプラスになります。

大企業の場合は同条件で人材育成支援コースを適用すると、経費助成50万円×30%=150,000円、賃金助成10名×16時間×400円=64,000円の合計214,000円です。中小企業と比べると約14万円の差がありますが、研修費用の40%以上をカバーできる水準です。

この試算はあくまで外部研修費用50万円を前提とした概算です。実際の助成額は、研修時間数に応じた1人あたりの経費助成限度額や年度上限額の範囲内で確定します。

営業マネージャー研修にAIツールを活用した場合の助成額試算

管理職研修のなかでも、営業マネージャー向けにAIツールを活用した研修を実施する場合は、より高い助成率のコースを適用できる可能性があります。

仮に中小企業が営業管理職5名に対して、AIを活用した営業スキル研修を3日間(計24時間)実施し、研修費用が1人あたり10万円(合計50万円)だった場合を考えます。研修内容がDX関連スキルの習得に該当すれば、人への投資促進コースの高度デジタル人材訓練が適用できます。

この場合、経費助成は50万円×75%=375,000円、賃金助成は5名×24時間×1,000円=120,000円で合計495,000円です。研修費用50万円に対して約49.5万円が助成されるため、実質負担はわずか5,000円という計算になります。

「AIツールの研修が本当に高度デジタル人材訓練に該当するのか」と疑問を持つ方もいますが、ITスキル標準(ITSS)のレベル3以上に相当する内容や、経済産業省のマナビDXに掲載されている講座であれば対象となります。自社の研修内容が該当するかは、研修事業者に確認したうえで労働局に事前相談するのが確実です。

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助成額の見通しが立ったら、次に把握すべきは実際の申請手順です。

管理職研修の助成金を申請する5つのステップ

助成金の申請手続きに対して「煩雑すぎて自社だけでは無理では」と感じる方は多いですが、全体像を把握すれば各ステップの作業量は限定的です。2025年度からは手続きの簡素化も進んでいます。

申請から受給までの全体スケジュール

助成金の申請から受給までは、5つのステップで進みます。全体の所要期間は、計画届の提出から支給決定までおおむね6〜10か月です。

  1. 社内体制の整備(訓練開始の6か月前まで):職業能力開発推進者の選任、事業内職業能力開発計画の策定・周知
  2. 訓練計画届の提出(訓練開始の1〜6か月前):管轄の労働局に「職業訓練実施計画届」を提出
  3. 研修の実施:計画どおりに訓練を実施し、出勤簿・訓練日誌等を記録
  4. 支給申請(訓練終了日の翌日から2か月以内):支給申請書と添付書類を労働局に提出
  5. 審査・支給決定:労働局の審査を経て、助成金が指定口座に振り込まれる

最も注意すべきタイミングは、ステップ2の計画届の提出期限です。訓練開始日から起算して1か月前までに提出する必要があり、1日でも遅れると申請自体ができなくなります。研修の日程が確定したら、すぐに計画届の準備に取りかかるのが安全です。

2025年度の制度改正で、計画届は提出時の事前審査が廃止され「受付のみ」に変更されました。これにより手続きの負担は軽減されましたが、支給可否の審査はステップ4の支給申請時に一括で行われるため、計画段階での正確性がより重要になっています。

各ステップで必要な書類と準備のポイント

各ステップで必要な書類は、2025年度から3コース共通の様式に統一され、記載事項も削減されています。事前に全体像を把握しておけば、書類準備にかかる工数は1ステップあたり1〜2営業日程度に収まります。

計画届の提出時には、訓練実施計画届のほかに訓練カリキュラム(研修の科目・時間・講師名を記載したもの)と、訓練対象者の一覧が必要です。2025年度からは「教育訓練機関と訓練契約を締結することとなった経緯」を記載する欄が追加されているため、外部研修会社との契約経緯を明確にしておくことが求められます。

支給申請時には、支給申請書のほかに訓練対象者の雇用契約書、賃金台帳、出勤簿、訓練日誌、経費の支払いを証明する領収書等が必要です。とくに訓練日誌は、研修の実施日ごとに訓練内容・時間・受講者を記録するもので、事後にまとめて作成すると不備が生じやすい書類です。

たとえば営業部門の管理職5名に外部研修を実施する場合、計画届の準備で1〜2営業日、研修実施中の日誌記録で受講者1名あたり15分程度/日、支給申請書の作成で2〜3営業日が目安です。労働局への書類提出は、2025年度から電子申請(雇用関係助成金ポータル)にも対応しています。

書類準備の詳細や各コースのチェックリストは、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。計画届と支給申請のチェックリストを事前に印刷し、必要書類を一つずつ確認しながら準備すると漏れを防げます。

参考:人材開発支援助成金を利用しやすくするため、令和7年4月1日から制度の見直しを行いました|厚生労働省

不支給を防ぐために確認すべき3つの落とし穴

助成金の不支給は、申請書類の不備や要件の見落としが原因で起こるケースがほとんどです。現場でとくに多い3つの落とし穴を事前に把握しておくことで、不支給リスクを大幅に下げられます。

1つ目は、計画届の提出期限の超過です。訓練開始日の1か月前を過ぎてから提出しようとして受理されなかった、というケースは依然として発生しています。研修日程が決まった段階で、カレンダーに提出期限を記入しておくのが最も効果的な対策です。

2つ目は、研修費用の立替払いにおける不備です。助成金は後払いのため、まず事業主が研修費用を全額負担する必要があります。研修会社から割引や返金を受けた場合、その金額分は助成対象経費から控除されます。2024年11月以降は、教育訓練機関からの実質的な経費負担の減額措置があった場合に支給対象外となることが明確化されています。

3つ目は、訓練日誌・出勤簿の記録不備です。研修を実施した事実を証明する書類が不十分な場合、審査で不支給と判断されます。研修の実施日ごとに、受講者の出席確認・訓練内容の記録を必ず残しておく必要があります。

「研修の効果が出なかった場合は不支給になるのでは」と心配する声もありますが、助成金は訓練の実施に対して支給されるものであり、研修の成果や効果は審査対象ではありません。ただし、研修が効果を発揮する設計になっていなければ、助成金を受け取っても投資としての意味が薄れます。研修効果を高める考え方についてはこちらの記事も参考になります。

申請手順の全体像をつかんだところで、次は助成対象になる研修カリキュラムの具体例を確認しましょう。

助成対象になる管理職研修のカリキュラム例

ここからは、助成金の対象となる管理職研修のカリキュラムを概要レベルで紹介します。研修形式別の特徴を把握したうえで、自社に合ったプログラムを選定する材料にしてください。

助成金が使える管理職研修の代表的なプログラム

助成金の対象となる管理職研修は、大きく3つの形式に分けられます。集合研修型、eラーニング型、ツール活用型です。

集合研修型は、外部講師を招いて会議室やセミナールームで実施する最もオーソドックスな形式です。リーダーシップ研修、コーチング研修、部下育成スキル研修などが代表的で、人材育成支援コースの対象になりやすいのが特徴です。経費助成と賃金助成の両方を受けられるため、助成額を最大化しやすい形式でもあります。

eラーニング型は、オンラインで配信される動画やテキストを受講者が任意の時間に学習する形式です。場所や時間の制約が少ないため、多忙な管理職でも受講しやすいメリットがあります。ただし賃金助成は対象外で、経費助成のみとなる点に留意が必要です。

ツール活用型は、AIツールやシミュレーションソフトを使って実践的なスキルを習得する形式です。営業AI支援ツールを使ったロールプレイング研修や、データ分析ツールを使ったマネジメント研修が該当します。DX関連のスキル習得に位置づけられれば、人への投資促進コースの適用も視野に入ります。

管理職研修の各形式を比較検討したい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。中小企業向けの管理職研修プログラムについても、あわせて参考にしてみてください。

AIを活用した営業管理職研修という選択肢

営業部門の管理職研修では、AIツールを活用した実践型プログラムが新たな選択肢として注目されています。従来の座学中心の研修とは異なり、AIが商談データを分析し、個別のフィードバックを提供する形式のため、研修効果が定量的に測定しやすいのが特徴です。

たとえばAI営業支援ツールを使った研修では、実際の商談録音データをAIが分析し、話者比率や質問頻度、切り返しパターンなどを可視化します。管理職はこのデータをもとに部下への指導ポイントを客観的に把握でき、属人的な指導からデータに基づくマネジメントへの転換を図れます。

このような研修プログラムは、研修内容がDX・AI関連のスキル習得として位置づけられれば、人への投資促進コースの助成率75%が適用できる可能性があります。助成金を活用すれば、AIツールの導入と管理職研修を同時に実現でき、投資対効果を高められます。

営業管理職研修にAIツールを活用する具体的な方法やプログラムの詳細については、マネジメント研修のおすすめをまとめたこちらの記事でも紹介しています。自社に合ったツールを比較検討したい方は、coteamのサービス資料で詳細をご確認いただけます。


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よくある質問

eラーニングやオンライン形式の管理職研修でも助成金は使えるか

eラーニングでも助成金の対象になります。人材育成支援コース・人への投資促進コース・事業展開等リスキリング支援コースのいずれも、LMS(学習管理システム)を使ったeラーニングに対応しています。ただし、eラーニングの場合は経費助成のみで賃金助成は対象外です。同時双方向のオンライン研修(Zoomなどを使ったリアルタイム形式)であれば、集合研修と同等に経費助成・賃金助成の両方が受けられます。

助成金の申請手続きは社労士に依頼すべきか

初回申請であれば社労士への依頼を検討する価値があります。助成金に詳しい社労士であれば、計画届の作成から支給申請までを一貫してサポートでき、書類不備による不支給リスクを大幅に下げられます。報酬は成功報酬型で助成額の15〜20%が相場です。2回目以降は手続きに慣れるため、自社で対応する企業も多いです。

研修を途中で変更した場合、助成金はどうなるか

計画届の提出後に研修内容や日程を変更する場合は、変更届を労働局に提出する必要があります。軽微な変更(講師の交代や日程の微調整)であれば変更届で対応可能ですが、研修のテーマや対象コースが変わるほどの大幅な変更は、計画届の取り下げ・再提出が求められる場合があります。変更が生じた時点で早めに労働局へ相談するのが安全です。

まとめ

管理職研修に活用できる助成金は、人材開発支援助成金の「人材育成支援コース」「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」の3つが中心です。中小企業であれば経費の最大75%、賃金助成1時間あたり最大1,000円が支給され、研修費用の大部分をカバーできます。

助成対象となるかは、OFF-JTであること・10時間以上であること・計画届を期限内に提出することなど5つの要件で判定可能です。2025年度は手続きの簡素化が進んでおり、電子申請にも対応しています。

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