人事評価における目標設定の書き方|職種別例文と納得感を生む面談術

▼ この記事の内容

人事評価の目標設定は、SMARTの法則で「何を・いつまでに・どの水準まで」を明文化することで精度が上がります。本記事では職種別の例文、NG→OK添削、面談での合意形成テクニック、1on1との連動による形骸化防止まで、管理職が明日から使える実務ノウハウを一気通貫で整理しました。

目標と評価のズレで悩むなら、目標設定と評価の一貫性を保つ実務ポイントを5つの観点で確認すると面談の納得感も高まります。

パーソル総合研究所の調査によると、自社の人事評価制度に不満を抱く従業員は38.3%にのぼります。不満の最上位は「目標を定量化するのが難しい」で約6割を占め、評価制度そのものではなく目標設定の質が不満の震源になっています。

「部下の目標が曖昧で期末に揉める」「事務職に何を書かせるか分からない」「面談で部下と合意形成できない」。こうした悩みを放置すれば、評価への不信感が蓄積し、優秀な社員ほど「正当に評価されない職場」と見切りをつけるリスクが高まります。

この記事では、SMARTの法則を使った目標の書き方から、職種別の例文、面談でのすり合わせ術、1on1との連動による形骸化防止策まで、目標設定にまつわる課題を一気通貫で解決する実務ノウハウを整理しました。

読み終えるころには、部下に目標を書かせる際の具体的な型と、面談で「この目標で合意した」と双方が納得できる進め方が明確になっているはずです。

参考:人事評価と目標管理に関する定量調査|パーソル総合研究所


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人事評価で目標設定が重要な理由とよくある失敗

人事評価における目標設定は、評価の納得感・部下のモチベーション・離職防止の3つを同時に左右する最重要プロセスです。目標の質が低いまま期末を迎えると、評価者も被評価者も「何を基準に評価するのか」が曖昧になり、面談が紛糾する原因になります。

目標設定が納得感・モチベーション・離職防止を左右する

人事評価の目標設定が機能していない組織は、評価そのものへの不満が連鎖的に広がります。パーソル総合研究所の調査によると、自社の評価制度に不満を抱く従業員は38.3%にのぼり、評価プロセスへの不満も36.3%に達しています。

注目すべきは、不満の上位に「目標を定量化するのが難しい」「個々人や部署により目標の難易度が違う」が約6割で並んでいる点です。つまり評価制度の不満は制度設計ではなく、目標設定の精度に起因するケースが大半を占めます。

目標が曖昧なまま半年間を過ごせば、期末面談は「言った・言わない」の水掛け論になります。管理職にとっても部下にとっても負荷が大きく、優秀層ほど「正当に評価されていない」と感じて離職リスクが高まるのは自然な帰結です。

逆に、期初の段階で達成基準を明文化しておけば、評価の根拠が目標シートに残ります。面談は「目標に対してどこまで到達したか」を確認する場に変わり、評価者・被評価者の双方が納得しやすくなります。目標設定理論の考え方と活用法を理解しておくと、この原則がより腹落ちするはずです。

現場で頻発する3つの失敗パターン

人事評価の目標設定で現場が陥る失敗は、大きく3パターンに集約されます。「抽象的すぎる」「数値偏重」「上位目標との断絶」の3つです。

1つ目は、「顧客満足度を向上させる」「業務効率を改善する」のような抽象目標です。期末に達成度を測る基準がないため、評価者の主観に委ねられます。2つ目は、数値化しやすい指標だけを並べるケースです。営業職なら受注件数だけ、事務職ならミス件数だけといった偏りが生まれ、本来の業務の質が評価対象から抜け落ちます。

200社超の支援現場で繰り返し目にするのが、KPIの乱立です。あるIT企業で「各自が追うべきKPIを書き出してほしい」とマネージャー陣に依頼したところ、全員がバラバラの指標を挙げ、合計17個になりました。しかもその17個の中に、最終的にチームが採用した3指標は1つも入っていませんでした。

3つ目の断絶は、個人目標と部門目標・経営目標がつながっていない状態です。個人が目標を達成しても組織全体の成果に貢献していないケースは珍しくありません。この断絶が「頑張り損」を生み、モチベーションの低下を引き起こします。

こうした失敗は、目標の書き方にフレームワークを導入することで大幅に減らせます。次のセクションでは、目標の精度を上げるSMARTの法則と、具体的な添削テクニックを紹介します。

SMARTの法則で「評価できる目標」に変える書き方

SMARTの法則は、目標の曖昧さを排除し「評価可能な目標」へ変換するためのフレームワークです。5つの要素に沿って目標を点検するだけで、期末に達成・未達成を客観的に判定できる精度まで引き上げられます。

SMARTの法則とは?5つの要素と使い方のコツ

SMARTの法則とは、Specific(具体的)・Measurable(測定可能)・Achievable(達成可能)・Related(経営目標と関連)・Time-bound(期限付き)の5要素で目標の質を検証するフレームワークです。1981年にジョージ・T・ドランが提唱し、現在も目標設定の国際標準として広く活用されています。

通説では「S(具体性)とM(測定可能性)を押さえれば目標は書ける」とされますが、200社超の支援現場で最も軽視されているのはR(Related)です。個人目標と組織目標が接続されていなければ、達成しても部門業績に貢献しない「頑張り損」が発生します。

SMARTの5要素でマネージャーが最も見落としやすいのがR(Related)です。個人が「毎月10件の新規アポを取る」と書いても、部門が注力しているのが既存顧客の深耕であれば、その目標は組織戦略と断絶しています。Rの欠落は、個人の努力が組織成果に変換されない構造的な損失を生みます。

5要素を一度に完璧に満たそうとすると手が止まります。実務上は、まずSとMで「何を・どう測るか」を固め、次にRで上位目標との接続を確認し、最後にAとTで現実性と期限を調整する順番が効率的です。SMARTの各要素をさらに深掘りした書き方と事例は、こちらの記事でも解説しています。

数値化しにくい業務を「測定可能」に変換する3つの方法

数値化しにくい業務でも「測定可能」にする方法は3つあります。プロセス指標への変換、状態定義による合意、第三者評価の活用です。

1つ目のプロセス指標への変換は、成果そのものではなく「成果に至る行動」を数値化する方法です。たとえば「社内コミュニケーションを改善する」という目標は、「週1回の部門横断ミーティングを四半期で12回実施する」に変換できます。行動が数値になれば、達成・未達成の判定に迷いがなくなります。

2つ目は状態定義です。「マニュアルを整備する」ではなく、「新入社員が初日にマニュアルだけで受付対応を完了できる状態」と定義します。ゴールの「状態」を具体的に描写すれば、数値がなくても達成基準は明確になります。

3つ目の第三者評価は、顧客満足度アンケートや社内サーベイの結果を指標にする方法です。「経理部門への社内問い合わせ対応の満足度を5段階中4.0以上にする」のように設計すれば、定性的な業務にも客観的な評価軸を設けられます。目標の数値化テクニックや、定性目標と定量目標の使い分け方については、それぞれこちらの記事で掘り下げています。

数値化にこだわりすぎると、測りやすい指標だけが目標になる副作用が出ます。大切なのは「数値にすること」ではなく、上司と部下が「どんな状態なら達成か」を期初に合意することです。

NG目標をOK目標に変える添削テクニック

目標の質は、書いた後の「添削」で決まります。以下のテーブルで、よくあるNG目標とSMART適用後のOK目標を比較します。

NG目標問題点OK目標(SMART適用後)
顧客満足度を上げるS・M欠落顧客アンケートの総合満足度を第3四半期までに4.2→4.5に引き上げる
業務効率を改善するS・M・T欠落月次経費精算の処理日数を6月末までに平均5日→3日に短縮する
新規開拓を頑張る全要素欠落上期中にターゲットリスト50社のうち15社と初回商談を実施する
チームの雰囲気をよくするM・R欠落四半期エンゲージメントサーベイの「心理的安全性」スコアを3.8→4.2にする

テーブルの共通点は、OK目標に「いつまでに」「どの指標を」「どの水準まで」の3点が入っていることです。この3点さえ揃えば、SMARTの5要素のうちS・M・Tは自動的にクリアされます。

「SMARTに当てはめると形式的で血の通わない目標になる」と感じる方は少なくありません。しかしSMARTは目標の中身を制限するものではなく、書き方の精度を上げる道具です。「チャレンジングな目標」も「成長に向けた目標」も、SMARTの型に入れることで評価可能になります。

添削に慣れるまでは、まず部下に自由に目標を書かせ、上司がSMARTの5要素でチェックして差し戻すサイクルを2往復回すだけで十分です。型が定着すれば、次の課題は職種ごとの書き分けになります。

職種別の目標設定例文と書き方のポイント

人事評価の目標設定は、職種によって書き方の難易度が大きく異なります。営業職はKPI分解が比較的容易ですが、事務職やエンジニアでは「何を成果指標にするか」の設計自体がハードルです。ここでは職種別の例文とともに、書き方の勘所を整理します。

営業職の目標設定例文|KGI・KPIへの分解方法

営業職の目標設定で最も重要なのは、KGI(最終成果指標)をKPI(行動指標)へ正しく分解することです。「売上目標○○万円」だけでは、期中に何をすべきかが見えず、マネジメントが結果管理に終始します。

階層指標例数値例(四半期)
KGI受注金額1,500万円
KPI①提案件数月8件(四半期24件)
KPI②初回商談→提案の移行率40%以上
KPI③既存顧客アップセル件数月2件

このテーブルのポイントは、KPIを3つに絞っている点です。行動指標は多ければよいわけではなく、3つ以下が原則です。

前述した「KPIが17個挙がった」IT企業の後日談があります。17個を精査した結果、チームが実際にコントロールできる指標は3つしかありませんでした。残り14個は結果指標か他部門の管轄で、追いかけても営業の行動は変わらない数字だったのです。3つに絞った翌月から、マネージャーの週次ミーティングが「全指標の進捗確認」から「3指標の打ち手検討」に変わり、会議時間が半分になりました。

営業職の目標設定で陥りがちなのは、受注金額だけをKGIに据え、行動指標を設けないパターンです。結果だけを追うマネジメントでは、未達時に「もっと頑張れ」以外のフィードバックができません。KPIを設定しておけば、「提案件数は足りている。移行率が課題だから提案内容を見直そう」と具体的な打ち手に落とせます。

事務職・総務・バックオフィスの目標設定例文|定性目標の書き方

事務職・バックオフィスの目標設定で最も多い誤りは、「数値化すること」自体を目的にしてしまうことです。本質は「どんな状態なら達成か」を上司と部下が合意することにあります。

事務職の目標設定を支援する場面で繰り返し見るのは、「ミス件数を月3件以下にする」のような目標です。一見SMARTに沿っていますが、これは「失敗しないこと」が目標になっている。仕事の質を上げる方向ではなく、減点を避ける方向に意識が向きます。目標設定の本質は数値化ではなく、「達成したときにどんな状態になっているか」を期初に合意するプロセスです。

職種NG目標OK目標
経理ミスを減らす月次決算の締め日を第7営業日→第5営業日に前倒しし、差戻し率を10%以下にする
総務社内環境を整備する9月末までに備品発注フローをデジタル化し、申請から納品までの平均日数を5日→2日に短縮する
人事採用を強化する上期中に中途採用のオファー承諾率を65%→75%に引き上げる

OK目標に共通しているのは、「何を」「いつまでに」「どの状態にするか」が1文で読み取れる構造です。数字はあくまで状態を客観化する手段であり、数字を入れること自体が目的ではありません。

バックオフィス職は業務の性質上、成果が「見えにくい」と感じる管理職が多いのは事実です。しかし、業務プロセスの所要時間・手戻り率・問い合わせ対応件数など、行動に紐づく数値は必ず存在します。目標設定面談では「普段どんな業務に最も時間を使っていますか」から入ると、指標の候補が見つかりやすくなります。

目標設定シートの書き方を職種別にまとめたテンプレートもご活用いただけます。


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エンジニア・企画マーケティングなど専門職の目標設定例文

エンジニアや企画マーケティングなどの専門職は、「成果の定義」と「個人の裁量」のバランスが目標設定の鍵です。プロジェクト単位で動くことが多く、個人目標と成果の因果関係が営業職ほど明確ではありません。

職種目標例ポイント
エンジニア第2四半期末までにAPI応答速度を平均200ms→120msに改善し、エラー率を0.5%以下に維持する技術的成果+品質維持の2軸
企画9月末までに新規リード獲得施策を3本実行し、月間リード数を150件→200件に引き上げる施策数(行動)+成果数値の組み合わせ
マーケティング上期中にコンテンツ経由のSQL(営業適格リード)を月20件達成し、営業部門への引き渡し基準を文書化する部門間連携の成果物を含める

専門職の目標設定で注意すべきは、技術的な深さと組織貢献のバランスです。「コードのリファクタリングを実施する」は本人の成長目標としては有効ですが、組織の成果指標としてはSMARTのR(Related)が弱くなります。技術目標とビジネスインパクトの両方を盛り込むと評価の納得感が高まります。

総務の目標設定の具体例エンジニアの目標設定のメリットとポイントをまとめたこちらの記事もあわせてご確認いただけます。

職種別の例文はあくまで出発点です。目標を書いた後に最も重要なのは、上司と部下が面談で「この目標で合っているか」をすり合わせるプロセスです。次のセクションでは、面談での合意形成テクニックを解説します。

部下の目標に納得感を生む面談のすり合わせ術

目標設定の質は、目標を「書く」段階ではなく「すり合わせる」段階で決まります。SMARTの型で書かれた目標でも、上司と部下の間で達成基準の認識がずれていれば、期末に不満が噴出します。面談で合意形成する技術こそ、目標管理の実効性を左右する最後のピースです。

部下が低すぎる目標を持ってきた時の修正ステップ

部下が低すぎる目標を設定してきた場合、「もっと高くしろ」と直接指示するのは逆効果です。目標を修正する際は、4つのステップで進めると部下の納得感を損なわずに引き上げられます。

ステップ1は「承認」です。まず本人がその目標を書いた背景と意図を聞き、考えたこと自体を認めます。ステップ2は「接続」で、部門目標やチームのKGIとの関係を一緒に確認します。ステップ3は「ギャップの可視化」です。「この目標を達成した場合、部門目標に対して何%の貢献になるか」を数字で示します。ステップ4が「再設定」で、本人に修正案を書かせます。

この4ステップで最も重要なのはステップ1の「承認」です。承認を飛ばしてギャップの指摘から入ると、部下は「否定された」と感じて防御的になります。面談時間はステップ1に全体の3割を使うくらいの配分が適切です。

ある調査では、評価面談の質に対する従業員満足度が低い企業ほど、「マネージャーになりたい」と回答する社員の割合が12ポイント低いというデータがあります。評価面談の品質は、個人の評価納得度だけでなく、組織全体のキャリア意欲にまで波及しているのです。面談を「年2回の義務作業」として処理する企業と、「成長対話の場」として設計する企業では、管理職候補の厚みに明確な差が生まれます。

目標設定面談で使うべき質問フレーズとNG対応の対比

目標設定面談の成否は、上司が投げかける「最初の一言」で8割が決まります。以下のテーブルで、NG対応とOK対応を対比します。

場面NG対応OK対応(質問フレーズ)
目標が曖昧「もっと具体的に書いて」「この目標が達成できたとき、何が変わっていますか?」
目標が低い「これじゃ足りない。上げて」「チーム目標と照らすと、あなたの貢献はどのあたりになりそうですか?」
目標が高すぎる「現実的じゃないよ」「この目標を達成するために、最初の1ヶ月で何に取り組みますか?」
本人が書けない「去年と同じでいいよ」「今の業務で一番時間をかけていることは何ですか?」

OK対応に共通しているのは、上司が「答え」を与えるのではなく、部下自身に考えさせる問いの設計です。「もっと具体的に」は指示であり、部下の思考を止めます。「達成できたとき何が変わるか」は問いであり、部下が自分でSMARTのSとMを導き出すきっかけになります。

「コーチング型の対応が理想なのは分かるが、メンバー全員にやる時間がない」と感じるマネージャーは多いでしょう。しかし、期初の目標設定面談に1人あたり15分を使えば、期末の評価面談で「基準が不明確だ」と詰められる数時間が消えます。期初の15分と期末の数時間、どちらのコストが大きいかは明白です。

面談スキルの標準化は、属人的な「面談が上手いマネージャー」に依存し続ける限り実現しません。仕組みとして面談の質を担保するには、目標の進捗管理を日常の1on1に組み込む運用設計が必要です。

1on1で目標の進捗を管理し形骸化を防ぐ運用ルール

目標設定が形骸化する最大の原因は、期初に設定した目標が期中に放置されることです。1on1ミーティングに目標進捗の確認を組み込むことで、目標は「生きた管理ツール」に変わります。

運用ルールはシンプルに3つで十分です。第一に、1on1の冒頭5分で「目標に対して今どのあたりか」を本人に一言で報告させること。第二に、進捗が計画から20%以上ずれている場合のみ、打ち手を一緒に考える時間を設けること。第三に、1on1の記録を目標シートに紐づけて蓄積し、期末評価の根拠にすることです。

目標管理を1on1と切り離して運用していると、マネージャーの面談品質は属人化し続けます。1on1記録と目標進捗がバラバラのExcelに散在している状態では、期末に「この半年で何を話したか」を遡ること自体が負荷になります。

Co:TEAM(コチーム)を導入した企業では、1on1記録と目標進捗を連動させた結果、マネージャーの「目標管理に対する前向き度」が73.3%から81.8%へ改善しました。1on1のたびに目標の進捗が自動で紐づくため、期末に評価根拠を集める作業がなくなり、マネージャーが面談の質そのものに集中できるようになった結果です。

ある導入企業では、マネジメントの型がチーム間で揃った瞬間、経営者が「これが欲しかったんだよ」と声を上げ、即座に他部門への横展開を決定しました。属人化したマネジメントが標準化される手応えを、経営者自身が最も強く感じていたのです。

目標設定の精度を上げ、面談で合意形成し、1on1で進捗を管理する。この一連の流れを仕組みとして回すには、記録と目標が連動するツールが欠かせません。目標管理が属人的なエクセル運用のまま放置されれば、マネージャーの負荷は増え続け、評価の納得感は改善しません。

期末面談のたびに「基準が不明確だ」と部下に詰められ、回答に窮する場面を繰り返したくないなら、目標管理の仕組みそのものを見直す必要があります。1on1・目標管理・人事評価を一元管理できるCo:TEAM(コチーム)の導入事例と機能詳細は、以下の資料でご確認いただけます。


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1on1を活用した目標管理の具体的な進め方については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。

ここまでで、目標の書き方・職種別例文・面談のすり合わせ術が揃いました。最後に、これらの土台となる目標管理制度(MBO・OKR・KPI)の特徴と、自社に合った制度の選び方を整理します。

代表的な目標管理制度の特徴と選び方

目標の書き方と面談術を押さえたら、次に確認すべきは「自社に合った目標管理制度はどれか」です。MBO・OKR・KPIの3つが代表的ですが、制度の優劣ではなく自社のマネジメント文化との相性で選ぶことが成否を分けます。

MBO・OKR・KPIの違いと使い分け

MBO・OKR・KPIは、それぞれ目標管理の目的と運用サイクルが異なります。以下のテーブルで3制度の特徴を比較します。

項目MBOOKRKPI
正式名称Management by ObjectivesObjectives and Key ResultsKey Performance Indicators
主な目的評価・報酬への連動組織の方向性の統一と挑戦業績の進捗モニタリング
評価サイクル半期〜年次四半期月次〜週次
達成率の考え方100%達成が基準60〜70%で成功とみなす100%達成が基準
人事評価との連動直接連動が前提原則非連動(挑戦を阻害するため)連動・非連動どちらも可
向いている組織安定した事業・定型業務が多い変化が速い・イノベーション重視営業など数値管理が明確な部門

3制度の最大の違いは「人事評価との連動の有無」です。MBOは評価に直結するため目標が保守的になりやすく、OKRは評価から切り離すため挑戦的な目標を設定しやすい構造になっています。KPIは制度というより指標管理の仕組みであり、MBOやOKRと組み合わせて使うケースが一般的です。各制度の詳細な導入方法と注意点については、MBO・OKR・KPIの違いや導入方法を網羅したこちらの記事で体系的に解説しています。

MBOの具体的な運用ルールや評価制度への活用方法を深掘りしたい場合は、こちらの記事もあわせてご確認いただけます。

自社に合った制度を選ぶ判断基準

自社に合った目標管理制度を選ぶ際は、「事業の変化速度」と「マネジメントの成熟度」の2軸で判断するのが最もシンプルです。事業環境の変化が速く、四半期ごとに優先順位が変わる組織にはOKRが向いています。事業が安定しており、個人の成果を報酬に反映させる仕組みが求められる組織にはMBOが適しています。

「OKRはGoogleが使っているから導入したい」という動機で制度を選ぶケースは少なくありません。しかしOKRは「評価と非連動」が前提の制度です。人事評価と連動させたままOKRを導入すると、社員が目標を低く設定するインセンティブが残り、挑戦を促すというOKR本来の効果が失われます。制度の優劣ではなく、自社の評価運用との整合性で選ぶのが正解です。OKRの具体的な運用方法やMBOとの詳しい比較については、こちらの記事で解説しています。

関連論点まで合わせて整理すると、次の判断に移りやすくなります。 MBO 評価 売上 つながらないも参考になります。

よくある質問

目標設定シートには何を書くべきですか?

目標設定シートには、「達成すべき成果指標」「具体的な行動計画」「達成期限」「達成基準(どの状態になれば達成か)」の4点を記載します。SMARTの5要素のうち、最低でもS(具体性)・M(測定可能性)・T(期限)を満たす記述にすると、期末評価で達成・未達成の判定に迷いがなくなります。

期中に環境が変わった場合、目標を見直してもいいですか?

環境変化による目標の見直しは、むしろ推奨されます。ただし、上司と部下が合意の上で変更理由と新目標を記録に残すことが条件です。記録なしに変更すると、期末に「なぜ変えたのか」が曖昧になり評価の根拠が崩れます。四半期ごとの1on1で目標の妥当性を確認し、必要に応じて修正するサイクルが理想です。

まとめ

人事評価の目標設定は、SMARTの法則で「何を・いつまでに・どの水準まで」を明文化し、面談で上司と部下が達成基準を合意するプロセスです。目標を書いて終わりにせず、1on1で進捗を確認し記録を蓄積することで、期末評価の「言った・言わない」問題は構造的に解消されます。

職種による書き方の違いはあっても、「数値化すること」ではなく「達成したときの状態を期初に合意すること」が本質である点は共通しています。まずは次の期初面談で、部下の目標をSMARTの5要素でチェックし、1往復の添削フィードバックから始めてみてください。

目標設定の質を上げた次のステップとして、1on1ミーティングで目標を管理する具体的な方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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