マネージャーを管理する方法│上級管理職に必須のマネジメントスキル・コツ・方法

2979
マネージャーを管理する方法│上級管理職に必須のマネジメントスキル・コツ・方法

マネージャーを管理・マネジメントする方法

初めてマネージャーに着任したとき、自身のリーダーシップに強い不安を感じる人は少なくありません。

しかし、そんな不安に苛まれる時期を経験しつつも、多くの人が最終的に成功を収めています。

そして、成果を重ねてマネージャーを管理する立場になったときは戦略的な成長支援をし、より高い広い視点でチームを成功へ導かねばなりません。

これまで習得してきたコーチングなどのスキルに加えて、マネージャーや管理職を管理するためには、新たなアプローチが必要です。

本記事は、マネージャーを管理する上級管理職やシニアマネージャーにとって必要な3つのポイントを解説します。

サポートに徹する

マネージャー時代を振り返ってみましょう。

マネージャーである自分の上司が、チームの運営方法を細かく管理したり、強要されたらどのように感じるでしょうか。

マネージャーの管理において信頼関係がすべてです。

自分の型にはめて管理するのではなく、必要がない限りは、マネージャーの運営方針を尊重しましょう。

だからといって、無理に自分を捻じ曲げる必要はありません。

同じ職場内でも異なる管理スタイルを持つことは有益に働くこともあります。

ここで注意が必要なのは、このような「ハンズオフ」アプローチと無関心は異なるということです。

マネージャーをサポートし、コーチングするために最も重要な仕事は、現場の従業員たちがマネージャーを信頼できるようにすることです。

仕事の多くはマネージャーと従業員の間で進められています。

ゆえに、マネージャーと従業員の関係は非常に重要なものになってきます。

上司への信頼は、仕事を進めるうえで不可欠なのです。

また、マネージャーを管理する上で、意思決定させる余裕と、チームをサポートしやすい環境を整える必要もあります。

そうすることで、あなたとマネージャーとの間に信頼が構築され、マネージャーはチームメンバーとの信頼も築きやすくなるでしょう。

俯瞰的に評価する

通常、メンバーレベルの従業員の目標は明確な場合が多い傾向にあります。

たとえば、営業担当者は営業ノルマを達成する、採用担当者は必要募集人員数を採用するといったように決められ成果を求められます。

従業員への評価基準は具体的かつ定量的であるべき一方、マネージャーへはより広い視野で評価する必要があります。

評価の基準は、上級管理職とマネージャーとでは根本的に異なるのです。

従業員の評価は成果が指標でした。

しかし、マネージャーを管理する上級管理職はマネージャーのパフォーマンスを評価するために、マネージャーの指揮がチームの成功に貢献しているかに目を向ける必要があります。

パフォーマンスを評価するとは、OKRなどの目標設定フレームワークに目を向けることを意味します。

OKR を使用して、プロジェクト工程の詳細ではなく、最終的な結果に対するマネージャーのパフォーマンスを評価します。

ここで、カスタマーサポートチームのOKRを事例として紹介しましょう。

  • 目標 : 業界最高の顧客満足度を達成する(マネージャー)
  • 成果指標 1 : クライアントの NPS を 20% 向上 (部下)
  • 成果指標 2 : 平均解決時間を 3 時間に短縮(部下)
  • 成果指標 3 : 解約した顧客に100回のインタビューを実施(部下)

この場合、従業員の目標とチームの全体的な成果についてマネージャーを評価する必要があると思いがちですが、それぞれの成果指標を評価することは控えましょう。

従業員の成果指標を評価し、指導するのはマネージャーの役割です。

上級管理職の役割はマネージャーへのサポートです。

マネージャーが従業員をフォローする場合に、必要に応じてその方法について指導しましょう。

コーチング的に関わる

同僚同士や上司と部下、マネージャー間での建設的なフィードバックは積極的に行うべきです。

一方で、マネージャーは自身の分野については専門知識を持っていますが、パフォーマンスのフィードバックに関しては自信をもって意見を出せない場合がほとんどです。

経験を重ねたマネージャーは自身の専門分野に関して高度な知識を持っているので杓子定規なフィードバックはせず、1on1ミーティングを設け、次回につながるワークショップ形式の話し合いをすると良いでしょう。

メンターとしての役割を果たすために、「あなたのチームはもっとうまく対処できたのではないか」と詰問するのではなく、「あなたのチームが次に成功するのどのようにサポートすればいいか」と伺いを立てるように尋ねるのです。

昨今、コーチングスキルは「マネージャーのマネージャー」が持つべき価値のあるスキルとして注目を集めています。

上級管理職として、マネージャーとのやり取りは、90%の傾聴と10% の自由形式の質問で構成する必要があります。

マネージャーを管理する必要はありません。彼らに必要なのはコーチングなのです。

まとめ

小規模チームのマネージャーは、戦略的作業と戦術的作業の両方をこなすことに慣れています。

新任のエンジニアリングマネージャーは職務内容が変更された場合でも、コードを記述したり、トラブルシューティングに割ける時間はあるでしょう。

しかし、他のリーダーを監督し始めると、このような時間は極端になくなります。

そうすると、マネジメント業務にほとんどの時間が割かれることになります。

ですから、技術的な仕事を好む人は、イニシアティブを監督したり、障害を取り除いたり、他の人を指導したりすることが純粋に好きな人に比べて、うまくいかないことが多いです。

少数の従業員ではなく、複数のチームを担当するようになって、プレーヤー兼コーチになりたい場合は、自分のキャリア展望を見つめなおさなければならないかもしれません。

どのキャリアパスが優れているかではなく、自分をが幸せになれる役割を担うことが何よりも大切となるでしょう。