社員が次々辞めていく会社の特徴とは?原因と定着させる仕組みづくり

88759
社員が次々辞めていく会社の特徴とは?原因と定着させる仕組みづくり

離職率に関する2つの事実

従業員が次々と辞めてしまうと、その度に新たな人材を獲得しなくてはなりません。採用から育成には膨大なコストと時間がかかるため、流動的な人の出入りは避けたいものです。

しかし、どのような会社でも少なからず退職者は出てしまうものです。ここでは、従業員が次々と辞めてしまっていると判断するための基準について解説します。

何%だと「離職率が高い」のか?

厚生労働省調べによると、令和2年の離職率は14.2%となっています。

目安として、離職率が15%以上の状態が続いているようであれば、「離職率が高い」と言えるでしょう。

参考資料:令和2年雇用動向調査結果の概要(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/21-2/dl/gaikyou.pdf

業界によって離職率は異なる

業界によって離職率には大きな差があります。

人材の流動が激しい背景には、会社に大きな要因があるわけではなく、業界自体の離職率が高い可能性があります。各業界における平均的な離職率は以下の通りです。

産業別離職率(2020年)

これを受け、離職率が高いか否かについて、一般的な指標に加え、業界別で考えてもよいでしょう。

社員が次々と退職する会社の特徴

世の中の平均的な離職率よりも高い場合は、会社に要因がある可能性があります。

ここでは、従業員が次々と退職してしまう会社の特徴について解説します。

労働環境・労働時間に問題がある

社員が退職する会社の特徴1つ目は労働環境・労働時間に問題があることです。

仕事とプライベートの両立を重視する従業員は年々増加しています。通勤時間が極端に長かったり、残業時間が多くプライベートとの両立が難しくなると、転職を考え始める人も現れるでしょう。

休日出勤や過度な残業を従業員に求めている場合は、働き方に不満を持っている人がいないか注意しましょう。

評価基準が曖昧である

社員が退職する会社の特徴2つ目は評価基準が曖昧であることです。

評価基準が曖昧で、どのように頑張れば評価されるかわからないと従業員のモチベーションを低下させてしまう恐れがあります。

長時間労働をこなし、難しい業務を達成したとしても、給与に反映されない場合も離職につながる可能性があります。

また、上司によって評価に差が生じてしまうと、従業員が不信感を抱くようになってしまうでしょう。

会社として明確な評価基準を定め、全社的に周知することが重要です。


人事評価がない/人事評価を作り直したい会社が知るべき「最軽量の評価」とは?

●負担を抑えつつ効果を出す人事評価制度の制度設計・運用方法
●人事専任の社員がいなくても成果につなげられる人事評価の制度設計方法
●被評価者の評価結果への納得、その後の成長を促す人事評価の運用方法

評価をするのに必要な情報が満載の
>>『人事評価のプロが教える、「成果と満足度を両立させる評価」の制度設計・運用ガイドブック』を無料でダウンロード

事業の将来性が見込めない

社員が退職する会社の特徴3つ目は事業の将来性が見込めないことです。

会社の事業に将来性が感じられなくなったり、業界そのものが不況になったりすると、より安定して収入を得られる可能性が高い企業への転職を考え始める人もいるでしょう。

従業員が会社の事業に不信感を感じて離れてしまわないように、会社の方針や今後の動きについて全従業員に示すことが重要です。

仕事の分配に偏りがある

社員が退職する会社の特徴4つ目は仕事の分配に偏りがあることです。

優秀な従業員ほど、短い時間で業務を効率的にこなすことができるため、他の従業員よりも多くの仕事を任されることがあるでしょう。

適度に仕事を与えれば、従業員のモチベーション向上にもつながりますが、過度に偏った仕事の分配をしてしまうと、本人にとって大きな負担になってしまうことがあります。

その際、仕事量の分配を改めるのではなく、評価やコミュニケーションなどを改め、優秀な社員が会社から認められている・大事にされていることを自覚してもらうことが非常に有効です。

>>元RUSH JAPAN人事部長安田氏流、部下に「認められている」と感じさせるコミュニケーションの取り方

社員が会社を辞める原因とは

従業員が会社を辞める原因はどこにあるのでしょうか。

ここでは、従業員が会社を辞める理由について、従業員の特徴別に解説します。

新入社員が辞めていく要因

厚生労働省が令和2年に発表した「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)」によると、平成29年における新規大卒就職者の3年以内の離職率は32.8%となっています。

上記で述べた平均離職率と比べると、新卒における離職連鎖は非常に高いことがわかります。ここでは、新入社員が会社を辞める理由について解説します。

>>『若手社員の定着と活躍を促すマネジメントとは?』を無料で読む

ワークライフバランスが整っていない

新入社員が辞めていく要因の1つ目はワークライフバランスが整っていないことです。

働き方改革に伴い、最近の若者はプライベートを大切にしたいと思う傾向が強くなっています。

仕事とプライベートに一線を置いて自分の時間を大切にしたいと考えているため、ワークライフバランスが保てない会社であると、転職を考えるようになるでしょう。

人間関係に問題がある

新入社員が辞めていく要因の2つ目は人間関係に問題があることです。

新入社員は上司や同僚など様々な新しい人間関係を構築していきます。

まだ業務に慣れていないと、業務に関する悩みや苦労もその分多いはずです。そのため、悩んだ時に相談できる上司や同僚が身近にいるかどうかは非常に重要です。

心を許せる人間関係が築けなかったり、組織内の人間関係が良好でないと離職のリスクが高まります。

入社前に想定していた仕事内容とギャップがある

新入社員が辞めていく要因の3つ目は入社前に想定していた仕事内容とギャップがあることです。

多くの新入社員は、就職活動を経て自分のやりたいことを就職先で見つけ、夢を膨らませて入社するでしょう。

そのため、入社後の仕事内容が入社前に想定していたものとギャップが生じると、転職を考え始めてしまう恐れがあります。

中堅社員が辞めていく原因

中堅社員は新入社員と比べて離職率は低い傾向があります。転職理由としては長年会社に勤めているからこそ生じるものが多いでしょう。

ここでは、中堅社員が辞めていく要因について詳しく解説します。

給料に不満がある

中堅社員が辞めていく要因の1つ目は給料に不満があることです。

数年会社に勤めた中堅社員は、様々な経験やスキルを身につけています。スキルを身につけると、様々な会社へ転職できる可能性が広がります。

そのため、所属する会社で自分のスキルに見合った給料がもらえないと、転職を考え始めてしまう恐れがあります。

会社の将来性に不安を感じるようになった

中堅社員が辞めていく要因の2つ目は会社の将来性に不安を感じるようになったことです。

中堅社員は、組織のマネジメントする役職を担うことが多いでしょう。マネジメントする立場になり、会社の経営に当事者意識をもつようになると、以前よりも会社の将来性を考える機会が増えるはずです。

そのため、会社の将来性に不安を感じてしまうと、安定した企業への転職を検討してしまうかもしれません。

仕事にやりがいを感じられない

中堅社員が辞めていく要因の3つ目は仕事にやりがいを感じられないことです。

中堅社員は業務にも慣れてきたことから、自分の仕事が世の中にどのように貢献しているのか考えるようになるでしょう。

業務に社会貢献性や、やりがいを感じられなければ、従業員のモチベーションは低下してしまいます。

優秀な人材が辞めていく原因

優秀な人材が転職してしまうことは、企業にとって大きな損失となります。ここでは、優秀な人材が会社を辞めてしまう理由について詳しく解説します。

成長や経験の機会が与えられない

優秀な人材が辞めていく要因の1つ目は、成長や経験の機会が与えられないことです。

優秀な人材ほど、自分のもつスキルをさらに伸ばすため、様々な経験を積んで成長する機会を求めています

そのため、同じ業務の繰り返しであったり、会社の中での自分のキャリアアップの見通しが立たなければ、自身の成長のために転職を考えてしまう可能性があります。

業務量が多い

優秀な人材が辞めていく要因の2つ目は、業務量が多いことです。

優秀な社員は、他の社員と比べて短い時間で多くの業務をこなすことができます。さらに、ただ業務をこなすだけでなく高いアウトプットを残すことができます

そのため、チームメンバーからは頼られ、多くの仕事を任せられるでしょう。ある程度仕事を任せたり周囲から頼られることは、優秀な社員のモチベーション向上につながります。

しかし給料が変わらないにもかかわらず、業務量が過度に多かったり、単純作業の業務が増えるだけでは、優秀な社員は徐々にやる気を失ってしまいます。

成果を正しく評価されない

優秀な人材が辞めていく要因の3つ目は、成果を正しく評価されないことです。

優秀な社員は、他の社員と比べて高い成果を残しています。しかし、成果に対して正当に評価がされないと、仕事に力を入れる意味を見失ってしまいます。

同僚や先輩社員と比べて高い成果を上げているにもかかわらず、給料が同一であると、優秀な社員は頑張りが正当に認められる他の企業への転職を検討し始めるでしょう。


離職を防ぐ秘訣はここにあり!

コンサルに頼らない離職防止パーフェクトガイド

50 社以上の組織課題解決に伴走してきた弊社の知見をもとに作成した全110Pにわたるコンサルに頼らない離職防止パーフェクトガイド』はこちらから無料ダウンロード!

社員を定着させる仕組みづくり

ここまで、従業員が会社を辞める要因について解説しました。では、従業員を会社に定着させるためにはどうしたらよいのでしょうか。

従業員は、会社を辞める前に何かしらの兆候を示しています。その前兆を見逃さずに、離職防止に努めましょう。

ここでは、従業員を辞めさせないための仕組みづくりについて詳しく解説します。

従業員のキャリアプランを考慮した配属の見直し

従業員を定着させる仕組みの1つ目は、従業員のキャリアプランを考慮した配属の見直しです。

現職で従業員のキャリアプランを実現できるように体制を整えることで、従業員は離職を思いとどまるでしょう。

従業員一人ひとりがどのようなキャリアを歩んでいきたいのかしっかり把握することが重要です。具体的な施策としては以下の通りです。

  • メンター制度
  • 組織内兼業
  • 1on1

評価制度と給与の見直し

従業員を定着させる仕組みの2つ目は、評価制度と給料の見直しです。

自分の頑張りが正当に評価されなければ、従業員は業務に対するモチベーションを見失ってしまいます。

従業員の頑張りを、成果だけでなく過程から評価することで、評価における従業員の納得感を高めることができるでしょう。具体的な施策は以下の通りです。

  • 360度評価の導入
  • OKRやMBOの実施
  • 定期的なフィードバック

ミスマッチを防ぐため採用の見直し

従業員を定着させる仕組みの3つ目は、ミスマッチを防ぐために採用の見直しを行うことです。

採用の段階でミスマッチが発生してしまっていると、社員のキャリアプランを会社内で実現することは難しいでしょう。

そのため、採用からミスマッチが生まれないように、会社の情報を正しく伝え、候補者と擦り合わせていくことが重要です。具体的な施策は以下の通りです。

  • 社員のインタビューを紹介する
  • 入社後の配属や仕事内容を具体的に説明する
  • 会社のメリットだけでなくデメリットを伝える

まとめ

従業員が次々と辞めてしまうと、新たな人材を採用し育成しなくてはならないため、会社に大きな損失をもたらします。

それだけでなく、離職率が高くなると、周囲からの評判も悪くなり新たな人材が獲得できにくくなるという悪循環に陥ります。

従業員を定着させるためには、会社の仕組みをのものを見直す必要があります。離職率が高い原因を特定し、改善することで離職防止に努めましょう。

国内初のパフォーマンスマネジメントツール「Co:TEAM(コチーム)」を用いることで、評価やフィードバックにおける納得感を高め離職防止に役立てることができます。