営業職のスキルマップとは?売上向上させる項目例、作り方、運用法を解説

「あの人がいないと売れない」といった、営業の属人化にお悩みではないでしょうか?

本記事では、営業スキルマップの評価項目の作り方から、1on1での活用術まで、チームに売れる仕組みを根付かせるステップをお伝えします。


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▼ この記事の内容

  • 営業スキルマップとは: 営業に必要な能力を一覧にして、属人化を防ぐ「育成の地図」です。感覚的な指導をやめて、誰でも成果を出せる「売れる仕組み」をチームに定着させます。
  • 作り方のコツ: 「トップ営業の行動」を分析して、真似できる形に落とし込みます。「センス」や「気合」といった曖昧な言葉をなくし、具体的な行動基準を作ることが大切です。
  • 運用のポイント: 作って終わりにせず、週次や月次の「1on1」で活用します。現状の課題に合わせて小さな目標を立て、振り返りを繰り返すことで、着実なスキルアップを支援します。

営業職のスキルマップとは

営業スキルマップとは、営業に必要な能力とその習熟度をまとめた一覧表のことです。

縦軸にスキル項目、横軸にメンバー名を並べ、各マス目に習熟度を記入するマトリクス形式が一般的です。メンバー一人ひとりの強み・弱みがひと目でわかるため、育成や評価の土台として活用できます。

多くの企業では、売上の数字だけを見て「できる・できない」を判断しがちです。しかし、それだけでは「なぜ売れるのか」「なぜ伸び悩んでいるのか」が見えてきません。数字の裏側にある行動や能力を整理することで、次に何をすべきかがわかるようになります。

営業スキルマップを作成するメリット

スキルマップを導入すると、なんとなくで動いていた営業が、データをもとにしたものへと変わります。

主なメリットは次の4つです。

  • 属人化を解消する
  • 教育コストを削減する
  • 採用のミスマッチを防止する
  • 納得のある評価を実現する

属人化を解消する

スキルマップを活用すれば、特定の人に頼らない営業の仕組みをつくれます。

トップ営業だけが大型案件を取り、他の人が再現できない状態だと、エースが退職・異動した際、売上が下がる可能性が高いです。

属人化の原因は、ノウハウが言葉にされていないことにあります。特に、エース社員本人が自分がなぜ売れるのか、を自覚していないケースが多いのです。スキルマップがあれば、商談の進め方や質問の仕方など、本人が無意識にやっていることを見える形に変えられます。

教育コストを削減する

スキルマップがあれば、育成にかかる時間とコストを削減できます。

何をどこまで教えればいいのかが曖昧だと、教える側も教わる側も迷ってしまいます。教育専任の担当者を置けない中小企業では、現場の先輩が自分の仕事をしながら後輩を指導するため、教え方が人によってバラバラになりがちです。

さらにスキルマップがあれば、育成の優先順位が明確になり、チーム全体の売上アップにつながります。例えば「商品知識は十分だがヒアリング力が弱い」新人には、商品研修を省略してヒアリングのロールプレイングに集中できます。浮いた時間は本来の営業活動に当てることができます。

採用のミスマッチを防止する

スキルマップを採用にも活用すれば、入社後のギャップを最小限に抑えられます。

面接での印象は良かったのに、入社後に早期退職してしまうというケースの多くは、採用基準が曖昧なまま判断したことが原因です。

スキルマップがあれば、コミュニケーション力がある、といった漠然とした基準ではなく、ヒアリング力・提案力・クロージング力など項目ごとに候補者を評価できます。入社時点のスキルレベルを記録しておけば、成長度合いが見えるため本人のモチベーション維持にもつながります。

納得感のある評価を実現する

スキルマップを導入すれば、上司の主観に左右されない公平な評価が可能です。

なぜ自分の評価が低いのかわからない、あの人ばかり評価されているのは上司に気に入られているからだ、といった不満はモチベーションを大きく下げる可能性があります。優秀な人材の離職にもつながりかねません。

また、スキルマップがあれば評価が数値や具体的な行動で示されるため、根拠が明確になります。次にこのスキルを伸ばせば評価が上がる、という道筋が見えるため、部下は前向きに努力しやすいです。

営業スキルマップの項目例

営業スキルを整理する際は、以下の5つの視点で項目を構成すると漏れがなくなります。

分類項目例期待される効果
専門スキルヒアリング、提案、クロージング受注率の向上
行動プロセス事前準備、アプローチ回数活動量の安定
知識・情報製品知識、競合理解、業界動向信頼獲得、商談の質向上
ポータブルスキル論理的思考、課題発見力あらゆる場面での対応力
階層別要件マネジメント、後輩育成組織全体の底上げ

【営業タイプ別】IS・FS・CSごとの専門スキル

営業職といっても、インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスでは求められるスキルが大きく異なります。それぞれの役割に応じた合格基準を明確にすることで、的確な育成と公平な評価が可能です。

インサイドセールス(IS)

インサイドセールスは、電話やメールを使って見込み客にアプローチし、フィールドセールスが商談できる状態のアポイントを獲得する役割です。

相手が自社のことをほとんど知らない状態から会話を始めるため、事前準備と短時間で興味を引く瞬発力の両方が求められます。

スキル名具体的な行動基準
顧客起点の仮説構築力企業HPやニュース、業界動向から相手が抱えていそうな課題を3つ以上想定して架電できる
BANT情報のヒアリング力予算・決裁権・必要性・導入時期を自然な会話で聞き出し、CRMに正確に入力できる
興味喚起(フック)の提示力相手の業界や競合の成功事例を引用し、15秒程度で「話を聞いてみたい」と思わせるトークができる

特に「顧客起点の仮説構築力」は、架電前の5〜10分の準備で成果が大きく変わります。BANT情報はフィールドセールスに引き継ぐ重要なデータなので、聞き出す力だけでなく正確に記録する習慣も評価項目に含めましょう。

フィールドセールス(FS)

フィールドセールスは、インサイドセールスが獲得したアポイントを引き継ぎ、対面やオンラインで商談を進めて受注を獲得する役割です。

顧客自身がこの課題を放置すると大変だ、この商品なら解決できそうだと気づくよう導く提案力が求められます。

スキル名具体的な行動基準
課題の深掘り力現状→問題→影響→解決の順で質問を組み立て、顧客自身に課題の深刻さを気づかせることができる
反論への対応力予算がない、他社で検討中などの反論に対し、相手の不安を受け止めたうえで価値を再提示できる
決裁者への接触力担当者との商談で決裁ルートを確認し、決裁者を次回商談に同席させる合意を取りつけられる

課題の深堀り力はフィールドセールスの核となる能力です。反論への対応は言い返す技術ではなく、相手の不安を受け止めたうえで別の視点から価値を伝える技術です。

カスタマーサクセス(CS)

カスタマーサクセスは、契約後の顧客が商品やサービスを使いこなし、期待した成果を得られるよう支援する役割です。

サブスクリプション型ビジネスでは契約後のフォローが収益に直結するため、顧客の成功を設計し、継続利用や追加購入につなげる力が求められます。

スキル名具体的な行動基準
オンボーディング設計力導入後3か月以内に顧客のゴールに向けたアクションプラン(サクセスプラン)を提示し、合意を得られる
ヘルススコアの管理・分析力ログイン頻度や機能利用率などのデータから解約リスクを早期に察知し、先回りでフォローできる
アップセル・クロスセルの提案力顧客の活用状況を把握し、追加機能を「課題解決の手段」として自然に提案できる

特に「ヘルススコアの管理・分析力」が重要です。スコアが下がった顧客に先回りで連絡する習慣があるかどうかが、優秀な担当者とそうでない人の分かれ目になります。

また、アップセル・クロスセルは「売り込み」ではなく、顧客の成功を加速させる提案ができる状態が必要です。

【行動プロセス】準備からクロージングまでのスキル

営業活動で成果を出すには、準備からクロージングまでの型を身につけることが不可欠です。

準備からクロージングまでのプロセスは互いに関係しあっており、前の段階がうまくいかないと次の段階も失敗します。スキルマップにこれらの行動項目を盛り込み、定期的にチェックすることで、弱点の客観的な把握と具体的な指導が可能になります。

事前準備

事前準備では、顧客の経営目標と自社提案が紐付けできているかがポイントです。

決算資料や中期経営計画、IR情報、プレスリリースなどから経営方針を読み取り、商談前に仮説を立てておきます。

スキル名具体的な行動基準
経営課題の把握決算資料・中期経営計画・IR情報から顧客の経営課題を3つ以上想定できる
提案との紐付け自社提案と顧客の経営目標との接点を説明できる
情報の整理過去の接点履歴や競合導入状況を確認し、準備シートにまとめている

1社あたり15分の調査時間をスケジュールに組み込むルールを作ると、属人的なばらつきを防げます。またその内容をチームメンバーと共有する仕組みを整えると、組織全体の準備も底上げできます。

ヒアリング

ヒアリングでは、顧客のあるべき姿と現状のギャップを特定することが目的です。

表面的な悩みではなく、根本原因に辿り着いているかが重要です。

スキル名具体的な行動基準
課題の深掘り商談中になぜそれが課題なのですかと最低3回は掘り下げられている
本質課題への到達顧客からそこが本当の問題ですねと同意を得た経験がある
潜在課題の発見初回ヒアリングで顧客が言及していない課題を指摘し、同意を得た経験がある

顧客がリード数を増やしたいと言ったとき、そのまま広告提案をするのではなく、商談化率が低いのではないかと仮説をぶつけられるかどうかが提案の質を決めます。

提案

提案のフェーズでは、ROIを定量的に提示し、いくら投資していつまでに何が得られるかを数値化できているかがポイントです。

顧客の意思決定者は、感覚的な価値よりも具体的な数字で判断します。

スキル名具体的な行動基準
数値化提案資料にコスト削減額・時間短縮率など具体的な数値が含まれている
効果試算顧客の現状数値をもとに、導入後の効果を試算して提示できる
伝達力顧客からわかりやすいとフィードバックをもらえている

提案後のフィードバックを蓄積し、資料のブラッシュアップに活かす仕組みを作ると、チーム全体の提案力が向上します。

クロージング

クロージングでは、ネクストアクションの期限設定が鍵です。

検討します、で終わらせず、次回の会議日程をその場で確定させます。日程が決まらないまま商談を終えると、案件が停滞するリスクが高まります。

スキル名具体的な行動基準
日程確定商談の最後に次回はいつお話しできますかとカレンダーを開く習慣がある
議事録送付商談後に次回アクションの日時が明記された議事録を当日中に送付できている
意思決定プロセスの確認商談中に意思決定者と検討期間を確認し、クロージングまでのステップを明確にしている

障壁となりそうな懸念点は、商談中に先回りして解消しておくと成約率が上がります。

【知識・情報】製品・市場・競合の理解度

知識は持っていることではなく、顧客のメリットに変換して伝えられることが本当の評価基準です。機能やスペックを詳しく説明しても、顧客が知りたいのはそれで自分の課題が解決するのかという点です。

製品・サービス知識

営業では、商品の機能やスペックを正確に説明できるだけでは不十分です。

なぜその機能が開発されたのかという背景まで語り、顧客の課題と結びつけて説明できるレベルを目指します。

スキル名具体的な行動基準
課題との紐付け顧客の課題に対して、だからこの機能が役立ちますと理由付きで説明できる
背景の説明機能説明の際に開発背景や他社での活用例を交えて話せている
ユーザー視点自社製品を実際に使い込み、ユーザー視点での気づきを蓄積している

知識を深めるには、開発担当者との勉強会を月1回開催し、機能の背景にある課題や意図を学ぶことが有効です。

業界・市場動向

営業職では、顧客の競合他社の動きや最新の法改正が、顧客のビジネスにどう影響するかを解説できる状態が必要です。

自社の業界ニュースを把握しているだけでは足りません。

スキル名具体的な行動基準
話題化商談で顧客の業界トピックを話題にできている
情報提供御社の競合が〇〇を始めましたがと情報提供から会話を始められている
信頼獲得顧客から詳しく教えてくださいと質問される頻度が高い

顧客の業界ニュースを毎朝15分チェックし、商談前に最新トピックを1つ用意するルールをチームで設けると効果的です。業界専門メディアのメルマガ登録や、顧客企業のプレスリリース配信設定など、情報が自動的に入ってくる仕組みを整えておくと負担なく継続できます。

導入事例

営業では、導入企業がどんな課題を乗り越え、どう成功したかを具体的に語れるかも重要です。

〇〇社で導入実績がありますと伝えるだけでは不十分です。

スキル名具体的な行動基準
ストーリー化事例紹介で課題→導入の苦労→成果の流れを語れている
共感獲得顧客からうちも同じ状況ですと共感を得た経験がある
事例の整理業種・規模・課題の切り口で事例を整理し、顧客に合わせて最適な事例を選べる

事例を蓄積するには、既存顧客への訪問時に導入前後で一番変わったこと、苦労したポイント、成功の決め手をヒアリングしておくことが有効です。

営業スキルマップの作り方【4ステップ】

スキルマップは闇雲に作っても効果が出ません。目的の設定から運用の検証まで、正しい手順を踏むことで初めて成果につながるツールになります。

  • ステップ1:ゴール設定
  • ステップ2:ハイパフォーマー分析
  • ステップ3:評価基準策定
  • ステップ4:KPI検証

スキルマップの作成には最低でも1〜2か月程度の時間がかかります。

特にステップ2のハイパフォーマー分析は丁寧に行うかどうかで、スキルマップの質が大きく変わります。

ステップ1:ゴールを設定する

スキルマップ作成の第一歩は、誰を、いつまでに、どの状態にしたいか、を明確に定義することです。この目的設定が曖昧だと、項目が膨れ上がって使いにくいシートになってしまいます。

対象者重点項目ゴール設定の例
新人・若手基本動作(ビジネスマナー、製品説明、型通りのヒアリング)入社3か月以内に独り立ちし、標準的なアポ獲得率を維持する
中堅層課題発見、経営層へのプレゼン、ROI算出プロダクト売りから脱却し、コンサルティング型の提案で受注単価を1.2倍にする

対象者は全員ではなく、新人・中堅・リーダーなど具体的な層を指定することが大切です。期限もいつかではなく、3か月以内、今期中、など具体的な時期を決めることが重要です。

さらに、達成状態は感覚的な表現ではなく数値や行動レベルで定義し、「なぜスキルマップが必要なのか」という現状の課題と紐づけておくと、目的がブレにくくなります。

ステップ2:ハイパフォーマーを分析する

ゴールが決まったら、次は自社のトップ営業が実践している行動を徹底的に分析します。目的は、センス、気合、コミュ力、といった曖昧な言葉を排除し、誰でも真似できる具体的な行動に分解することです。

分析手法やり方得られる情報
BEI法(行動面接法)「一番苦労した商談で、具体的に何と言って切り返しましたか?」など、過去の事実を詳しく聞く困難な場面での対処法、成功につながった具体的な発言・行動
商談同行トップ営業の商談に同席し、質問の回数やタイミング、資料の使い方を観察する実際の商談の流れ、顧客とのやり取りのパターン
録音・録画分析オンライン商談を録画し、1回のアポで何回質問しているか、どのページに時間をかけているかを計測する数値化されたデータ、言葉遣いの特徴

分析のポイントは、曖昧な表現を具体的な行動に言語化することです。例えば「事前準備を欠かさない」は、「商談前に顧客のIR資料を読み、想定課題を3つスライドにまとめている」と書き換えます。「顧客と仲良くなる」は、「商談の最後に必ずネクストアクションと期限を合意し、議事録を1時間以内に送っている」という形です。このように「何を」「いつ」「どのように」を明文化することが大切です。

成功した商談だけでなく苦労した商談についても聞くことで、困難を乗り越えるための具体的なスキルが浮かび上がります。また、商談同行や録音分析を通じて、本人が無意識にやっている行動パターンを発見することも重要です。この言語化作業は手間がかかりますが、スキルマップの質を決める最も重要なステップです。

ステップ3:評価基準を策定する

ハイパフォーマーの行動が言語化できたら、次は各スキル項目の習熟度を測る評価基準を策定します。「できる・できない」の2択ではなく、5段階程度のレベル定義を作ることで、本人の現在地と成長の道筋が明確になります。

レベル状態の定義具体的な判定基準(ヒアリングスキルの例)
Lv.1:未習得基本ができていない項目を網羅的に聞くことができず、情報の抜け漏れが多い
Lv.2:一部習得型どおりにはできるヒアリングシートに沿って一通りの質問はできるが、深掘りができない
Lv.3:標準一人で完結できる顧客の抱える表面的な課題を特定し、自社製品での解決策を提示できる
Lv.4:応用高い成果を出せる顧客自身も気づいていない潜在課題を指摘し、高い納得感を得られる
Lv.5:指導・戦略他者に教えられる難易度の高い商談を成功させるだけでなく、その手法を他者に指導できる

評価基準は「理解している」ではなく「〇〇ができる」という行動ベースで記述します。本人の内面ではなく、外から見て判断できる行動を基準にすることが大切です。

また、Lv.2とLv.3の違いが誰でもわかるように具体例を添え、全項目で基準の粒度を揃えることも重要です。「顧客志向がある」のような抽象的な表現は避け、「商談中に顧客の発言を3回以上メモしている」のように具体的な行動で定義することがポイントです。

ステップ4:KPIとの相関をチェックする

スキルマップが完成したら終わりではありません。最後のステップは、スキルマップの点数と実際の営業成績(KPI)が連動しているかを検証することです。

パターン考えられる原因対応策
スキル高 × 成績高理想的な状態。スキルマップが正しく機能しているこの人の行動をさらにモデル化し、他のメンバーに展開する
スキル低 × 成績高「運」や「担当エリアの良さ」、またはマップに載っていない隠れた必勝スキルを持っている可能性この人へのヒアリングを行い、見落としているスキルがないか確認する
スキル高 × 成績低「知っているがやっていない」、または項目の設定自体がズレている可能性行動が実践されているか確認し、項目の妥当性を再検討する
スキル低 × 成績低スキル不足が成果に直結している優先度の高いスキルから集中的にトレーニングを行う

四半期に一度は見直し会議を設け、マネージャーが集まって「このスキル項目は本当に受注に寄与しているか?」をディスカッションすることが効果的です。また、Web商談での画面共有スキルやチャットツールでのコミュニケーション力など、時代に合った項目を追加・削除することも必要です。

スキルマップは一度作って終わりではなく、定期的にアップデートする仕組みを作ることが成功の鍵となります。

すぐに使えるテンプレート

ゼロから作成するのが難しい場合は、既存のフォーマットを活用するのが効率的です。

厚生労働省 職業能力評価シート(Excelテンプレート)

厚生労働省のホームページでは、営業スキルの可視化に役立つ「職業能力評価シート(スキルマップ)」の無料テンプレートをダウンロードできます。Excel形式のため、自社独自の商材や営業スタイルに合わせて、項目や評価基準を自由にカスタマイズすることが可能です。

対応するのは、16の業種と19の事務系職種です。営業職に該当するのは、事務系職種の1つである「営業」カテゴリになります。そのなかでも「訪問販売営業」「店舗対面営業」「通信販売営業」「ルートセールス」など、営業スタイルに合わせた項目を選択することが可能です。

さらに、それぞれの職種・スタイルごとに、下記の4レベル6ポジションに分けられているため、自社の組織構成に合わせた最適なテンプレートを選択できます。

  • レベル1:「エントリー / スタッフ」
  • レベル2:「シニア・スタッフ」
  • レベル3:「スペシャリスト」「マネージャー」
  • レベル4:「シニア・スペシャリスト」「シニア・マネージャー」

この「職業能力評価シート」には、ヒアリング能力や提案力、顧客管理といった具体的な行動基準が詳細に記載されています。併せて公開されている「導入・活用マニュアル」や、キャリアのステップアップを示した「キャリアマップ」と組み合わせることで、精度の高いスキルマップが作成可能です。

厚生労働省:職業能力評価基準(職業能力評価シート)

また、公的なスキルマップ以外にも、参考になる基準があります。民間団体が提供する営業スキル検定や、IT業界であれば経済産業省が推奨する「ITスキル標準(ITSS)」のセールス項目などです。

コチームのテンプレート

パフォーマンスマネジメントツールの「コチーム」が提供するテンプレートは、現代のB2B営業に特化したスキルマップを用意しています。

最新の営業手法やマネジメントのトレンドが反映されており、現場ですぐに運用を開始できる設計となっています。

以下ではそのスキルマップの一部を公開しているので、ぜひご確認ください。

営業スキルマップを運用するコツ

どれだけ精緻なマップを作っても、現場で使われなければ効果を発揮できません。半年に一度の評価面談だけでは行動改善につながらないため、毎週・毎月の業務サイクルに組み込む仕組みが必要です。

以下、3つのポイントを具体的に解説します。

  • 1on1への組み込み(週1回〜隔週)
  • 育成施策との連動(月1回〜四半期)
  • 定期アップデート(半年に1回以上)

日常のマネジメント(1on1)に組み込む

1on1とは、上司と部下が定期的に行う1対1の対話のことです。この場でスキルマップを活用することで、短期間での振り返りと改善が習慣化され、着実なスキルアップにつながります。

多くの組織では、スキルマップの確認は半年に一度の評価面談でしか行われません。しかし、これでは日々の行動改善に繋げるのが難しいです。週1回や隔週の1on1でスキルマップを開き、「今週はこの項目のレベルアップに挑戦しよう」と具体的な目標を設定することで、成長しやすくなります。

流れスキルマップの使い方期待できる効果
冒頭5分先週設定した目標の達成度を確認する振り返りの習慣化、課題の早期発見
中盤10分つまずいているポイントを深掘りし、改善策を話し合う具体的なアドバイス、信頼関係の構築
終盤5分今週挑戦するスキル項目と行動目標を設定する目標の具体化、モチベーション向上

目標を設定する際は、営業力を上げる、ではなく今週はヒアリングで3回深掘り質問をする、と行動レベルで具体化することが重要です。

また、先週よりできるようになったことを必ず確認し、小さな成功体験を言語化することで成長の実感を持たせることが大切です。

育成施策(OJT・研修)に直結させる

スキルマップで可視化された課題は、そのまま育成施策の設計にも活かすことができます。全員に共通する弱みには全体研修で対応し、個別の弱みにはOJTで補強するという使い分けが効果的です。

育成手法適している場面具体例
全体研修チーム全員に共通する弱みがある場合、新しい知識やツールを導入する場合「提案スキル」が全体的に低い → 提案書作成ワークショップを実施
OJT個人ごとに課題が異なる場合、実践を通じて身につけるべきスキルの場合Aさんは「クロージング」が弱い → 先輩の商談に同行させ、その場でフィードバック
組み合わせ基礎知識を全体で学び、応用を個別に指導する場合全体でSPIN話法の研修 → 各自の商談でOJT実践 → 1on1で振り返り

研修テーマはスキルマップのデータから決めましょう。チーム全体でLv.2以下が多い項目を優先的に研修化し、研修→実践→振り返りのサイクルを回すことで、知識を確実にスキルへと変換できます。

誰が何を学ぶべきか、を明確にすることで、研修の形骸化を防ぎ、現場での実践につなげることができます。


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市場に合わせマップをアップデートする

顧客のニーズや競合の動きは日々変化するため、一度作ったスキルマップを放置してはいけません。少なくとも半年に一度は内容を見直し、現在の市場環境で成果を出すために本当に必要な項目になっているかをチェックすることが重要です。

チェックポイント確認すべき内容見直しの具体例
市場環境の変化顧客の購買行動や意思決定プロセスに変化はないかオンライン商談が主流になった → 「Web会議でのコミュニケーション術」を追加
競合の動向競合が新しい営業手法を取り入れていないか競合がインサイドセールスを強化 → 「架電スキル」の項目を細分化
自社の戦略変更新商品の投入や新市場への参入はないかエンタープライズ向け営業を開始 → 「経営層へのアプローチ」を追加
成果との相関スキル点数と営業成績の関係は妥当か相関が低い項目が見つかった → 項目を削除または修正

見直しの際は、現場マネージャーだけでなく経営層・企画部門も交えることが大切です。市場環境や戦略変更は現場だけでは把握しきれないためです。

また、追加だけでなく削除も重要で、項目が増えすぎると運用負担が大きくなり、誰も使わなくなってしまいます。本当に成果につながる項目に絞り込み、常に最新かつ実用的な状態を保ちましょう。

よくあるご質問(FAQ)

現場での運用時によくある悩みとその解決策をまとめました。

Q1. スキルマップの導入効果はどのくらいで出ますか?

行動の変化は1〜2か月、数字への反映は3〜6か月が目安です。

導入初期は「評価の手間が増えた」という声が出やすいですが、これは想定内です。最初の1〜2か月は「スキルを意識するようになった」「1on1で話すネタができた」といった行動面の変化を成果として捉えてください。

数字に表れるまで時間がかかる理由は、スキル習得→行動変容→商談品質向上→受注という因果関係にタイムラグがあるためです。平均商談リードタイムが3か月の商材なら、効果が見えるのも3か月後になります。最初は5〜10項目に絞り、「ヒアリングで深掘り質問を3回する」など、今週から実践できる行動項目を1つ選んで、全項目を一度に改善しようとしないことが重要です。

Q2. スキル評価と売上実績が乖離した場合はどうすべきですか?

乖離はスキルマップを改善するチャンスです。「スキル評価は高いのに売れていない」場合は、評価基準が甘いか、外部要因の影響が考えられます。

逆に「スキル評価は低いのに売れている」場合は、その人が無意識に行っている独自の成功法則がマップに抜けている可能性があります。

乖離を見つけたらすぐに現場へヒアリングを行い、項目や基準を見直すことが大切です。

Q3. 評価者(上司)によって基準がバラつくのを防ぐには?

評価者同士ですり合わせ会議を行い、判断基準を統一することが効果的です。

「Aさんは甘いけどBさんは厳しい」という不満は、組織への不信感を生みます。実際のメンバーを例に出し、「この行動はレベル3か4か」を議論することで、評価者間の認識を揃えられます。

また、各レベルの具体的な行動例を記載したマニュアルを配布しておくと、迷ったときの判断基準になります。

Q4. 自己評価と上司評価が大きくズレた場合はどうすればいいですか?

ズレを放置せず、1on1で具体的な事実をもとに話し合うことが重要です。

自己評価が高く上司評価が低い場合、本人は「正当に評価されていない」と不満を感じます。このとき、なんとなく足りない、ではなく、「〇〇の商談で△△ができていなかった」と具体的な場面を示して説明することが大切です。

逆に自己評価が低い場合は、本人が気づいていない強みを伝える機会になります。評価のズレは相互理解を深めるきっかけです。

Q5. スキルマップの更新頻度はどのくらいが適切ですか?

四半期に一度の見直しを基本とし、大きな環境変化があれば随時更新するのが理想的です。

市場環境や商材、営業手法は常に変化します。半年〜1年放置すると、現場の実態と合わない使えないマップになってしまいます。四半期ごとに「この項目は今も重要か」「新たに追加すべきスキルはないか」をマネージャー間で確認する場を設けることをおすすめします。

ただし、頻繁に変えすぎると評価の一貫性が失われるため、小さな修正は四半期ごと、大きな構造変更は年1回程度に留めるのがバランスの良い運用です。

まとめ

営業スキルマップは、単なる評価の道具ではなく、チーム全員で成果を出し続けるための土台です。個々の能力を可視化し、適切な教育とマネジメントを行うことで、属人化を排除した強い営業組織へと変革できます。

スキルマップの導入によって得られる最大の価値は、感覚頼りの営業から、根拠に基づく営業への転換です。トップ営業マンの成功パターンを言語化し、チーム全体で共有することで、特定のエースに依存しない安定した売上基盤を築けます。また、評価基準が明確になることで、メンバーのモチベーション向上と離職防止にもつながります。

日々の1on1で活用し、育成施策と連動させ、市場の変化に合わせてアップデートし続けることで、成果につながるツールになります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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