営業といえば、どの企業においても常に時間に追われているイメージですよね。
そんな忙しい中、どの企業でも必ず行われているのが営業会議です。
果たして営業部の人数分の人件費を投資する意味のある生産性の高い営業会議ができている企業がいくつあるのでしょうか。
どのような営業会議を運用すれば生産性が上がるか、また営業会議から会社に変革を起こすためのポイントをまとめました。
目次
無駄を生む営業会議の例(失敗例)
よくあるケースとして、一人一人の進捗確認を営業会議の場で行い称賛と叱咤を全員の前で行うものがあります。
進捗管理自体は必要なものですが、それを全員の目の前で一人ずつ行う必要はありません。
1on1や営業日報、チャットツールでのやりとりで済むかもしれません。
なお、1on1と日報について知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
ポイントは、営業会議の場で行うべきかどうかを判断することです。
もう一度、参加者全員が参加する意義のあるものかどうか確かめてみてください。そうすることによって営業会議の失敗を防ぐことができます。
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営業会議の効率的な進め方と目的設定(理論編)
営業会議の効率性は生産性によって判断可能です。
それでは、生産性が高い会議とはどのような会議のことを指すのでしょうか。
営業会議における生産性
生産性は営業会議の結果生まれるアウトプットを営業会議のために投資するインプットで割ることで算出されます。
生産性=アウトプット÷インプット
営業会議自体で売上などの成果をあげるということは考えづらいので、「将来的に営業成績をあげるための施策や戦術」を出せたか否かで良い営業会議か判断できます。
つまり、未来の成果物につながるための話し合いができていない営業会議が続いても、良いアウトプットは出せなかったり、成果向上につながらない可能性が非常に高いでしょう。
なお、上記のインプットとは営業会議のために投資する人件費です。単純に営業会議に参加する人数×営業会議に使われる時間で算出できます。
もしかしたら、営業会議用の資料作成に時間を使っているかもしれません。
その場合は準備の時間も合わせた人件費計算になります。
実際に人件費計算をしてみるとかなりの金額となることがわかります。
生産性の高い営業会議では、投資した人件費分の未来の投資効果を求められます。
生産性の高い営業会議をしようと考えるとき、まずは何が営業会議で求められるのかを認識をすることで、初めてスタートラインに立つことができます。
営業会議の生産性を上げるポイント
生産性は前述の通り生産性=アウトプット/インプットで計算できます。
そのため生産性を上げるには2通りの方法があると言えます。
1)インプットを減らす
2)アウトプットを上げる
インプットを減らすためにすること、アウトプットをあげるためにすべきことを分けて考えることで営業会議の運用方法を再考しやすくなるでしょう。
上記の順番通りに営業会議を見直します。
まずは、どのように営業会議を効率化できるかを考え仕組み化し、その上で、どのように成果につなげられるかを考えていきます。
営業会議の効率的な進め方と目的設定(実践編)
本パートでは、営業会議の効率を上げるために具体的にどのような行動や取り組みを行えば良いのかを紹介します。
営業会議の目的を設定し共有する
営業会議は、将来的に営業成績をあげるための施策や戦術について話し合う場です。
毎回、テーマは異なるかもしれませんが、基本的にこの方針から逸れないように気をつけましょう。
また、営業会議の目的を設定するだけではなく、参加者に必ず共有することを忘れないでください。
営業会議の参加者を設定する
営業会議の目的を決定する際に、参加者全員が参加する意義が持てるか確認をしてください。
参加する意義を持てない参加者がいるとしたら、もしかしたらその参加者は参加する必要がないかもしれません。
営業のチーム全員が必要な議題とチームリーダーのみが集合すれば済む議題とを整理し、参加者を適切に設定していきます。
そうすることで、営業のエースが商談を理由に営業会議を欠席するということも防げるようになるでしょう。
営業会議に使う資料作成の時間を削減する
毎回営業会議に必要な資料があるとすれば、それは何かしらのツールやサービスの機能を用いて普段から可視化したほうがよいでしょう。
営業会議のために作成するのではなくて、それは普段から確認すべき事項であるでしょう。
BIツールの利用、SFAツールのダッシュボードやレポート機能の利用、エクセル等の集計シート作成等で補えます。
また、日報ツールに蓄積したデータを会議用の資料に活用する事も可能です。
営業会議のアジェンダを事前に通知する
その場で意見を求めてもなかなか出てこない場合もあります。
何か意見を求める際、選択が必要な際は事前にその旨を通知し、参加者に考える猶予を与えることが重要です。
会議に集まってから初めて内容を理解する進め方がありますが、その共有の時間を無駄にすることになります。
したがって、会議前に参加者全員が議題を理解し、自分の考えを整理できているか否かは営業会議が効果を果たしているかどうかを測るための良い指標となります。
営業会議では役割分担をする
ファシリテーター、タイムキーパー、記録者を必ず設けましょう。
必ずしもマネージャーがファシリテーターをしなければならないわけではないので、この3役を場合によっては交代で行わせることで能動的に会議に参加できるようになるかもしれません。
思ったより特定の議題に時間がかかって、時間をオーバーするときがあります。
ですが、そのときは議論を強制終了するのではなく、「参加者間でその場でその議題は延長して話し合う価値があるか否か」を確認し、必要があれば延長することがとても重要です。
そうしないと、会議体系を守ることが目的となり、本来重要なことを話さないといけないのにも関わらず不十分になるためです。
全体に共有すべき情報を置く場所を作る
チーム全体への共有事項は,、項目ごとにプールしておける場所を設けましょう。
会議中に全ての共有事項をシェアする必要はなく、ここにこのような情報があるので必ず確認してくださいと伝えるだけでも良いかもしれません。
ただし、人間は忘れる生き物であるので会議後にどこにある情報を確認すべきか、to doをシェアしてあげるフォローアップは全体周知のために必要となります。
具体的には、市場に関わる情報や、競合情報、成功事例や失敗事例、サービスの進捗情報、社内wiki、顧客の声等の情報を分けて管理しましょう。
なお、最も簡易的に情報共有と蓄積が出来る方法として、日報ツールを活用するという方法があります。毎日の日報の内容を誰でも、いつでも見られるようになるため、比較的着手が容易な施策でもあります。
なお、日報ツールについて知りたい方は下記の記事をご覧ください。
予定した時間を過ぎたら一旦終了する
営業会議が長引くことはよくあることですが、それだけインプットの量が増えることで、人件費が嵩むことになります。
元々予定している時間を過ぎる場合は一旦終了し、営業会議を継続すべきかの判断をしてください。
次回に持ち越せる内容であったり、その日のうちに解決策がまとまらないこともあるかと思います。
その場合は、次回のスケジュールと次回までの各自のto doを整理し、営業会議を一旦終了させましょう。
営業会議を効率化する議題・内容・テーマの設定(サンプル議題)
営業会議の効率化するための仕組みができたところで、営業会議自体が成果につながるものに変えていきます。
以下では、営業会議の議題例を挙げています。これから営業会議を設置したり、現状の営業会議のアジェンダ見直しに活用してみて下さい。
営業目標と戦略の共有
どのような考え方で営業目標を達成しようとしているか、その戦略からどのように戦術に落とし込んでいくのかはチーム全体で納得感が持てることで目標達成に近づきます。
また、目標からマイルストーンを引き、どのメンバーも会議後にすぐに動き出せるような状態を目指しましょう。
逆に言うと、次の具体的なアクションプランが不明瞭な状態であると、せっかくの営業会議の実効性が非常に薄くなります。
そのためにも、心理的安全性を保ち、質疑応答が納得できるまで自由にできるようにして不明確な点がなるべく残らないようにすることがポイントです。
なお、心理的安全性に関しては下記記事をご覧下さい。
効果測定からの新たな計画
現状の営業戦略、戦術に乗っ取った営業プロセスの振り返りを行います。
目標達成できる見込みであれば継続、目標達成が難しそうであれば改善案が必要になります。
効果測定と見込みは数値さえ共有できれば、会議中にわざわざ確認する必要はありません。
もし、継続の判断が事前に可能であれば、その営業会議はスキップできる可能性もあります。
課題発生時の対応
計画通りに物事が進まないことは常です。
何か課題が発生した時の対応策と今後の予防策の策定が必要になることは少なくないはずです。
課題が発生していないかだけではなく、どこか課題が発生しそうな点はないかの確認を行うことで、何か発生した時により迅速な対応が取れるようになります。
人材育成
チームで成果を出すためには個々の成長が必要不可欠です。
トップセールスからの成功事例の共有や失敗例に対して事例検討をすることも重要です。
チームのメンバー同士が切磋琢磨していける場を提供しましょう。
例えば、SPIN営業術に関してワークショップを開催することでチームのスキルアップを図ることが可能になります。
営業会議の変革に必要なチェンジマネジメント
生産性の高い営業会議を行うためには今まで行っていた営業会議を1 から見直す必要があるかもしれません。
営業会議の開催回数や参加者は適正か、営業会議自体に目的があるか、選択された参加者全員の人件費を投資してまで行うべき会議であるのか。
もっと効率化する方法はないのか、成果を出すためにはどのような内容を話し合う必要があるのか等、たくさんのことを確認し変更を加える必要があるかもしれません。
その場合、今まで慣習化していた一連の行為を変更することになります。このような企業にとっての変革をチェンジマネジメントと呼びます。
せっかく、営業会議自体の設計を見直してもその運用が定着しなければ生産性を高めることはできません。
チェンジマネジメントは、チェンジモンスターと呼ばれる変革に反対するメンバーの出現により失敗例も多いため、ハーバード大学ビジネススクールのジョン・コッター名誉教授の「8段階のプロセス」を参考に慎重に進めていきましょう。
- STEP1:変革の重要性と緊急性を共有
- STEP2:変革推進のためのチームを作る
- STEP3:具体的なビジョンと戦略を決定する
- STEP4:社内で周知徹底する
- STEP5:環境を整備し自発を促す
- STEP6:短期目標を設定し成功体験をさせる
- STEP7:さらなる変革を推進する
- STEP8:変革を定着させる
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Co:TEAM(コチーム)とは、組織に発生する「仕事への認識」のズレを可視化、注力すべきポイントを明確にすることで最適なコミュニケーションを可能にする「プレイングマネジメント支援」サービスです。
コチームを活用する事で、マネージャーは、チーム及びメンバーの目標と目標に紐づくアクションの進捗度と優先順位を簡単に確認する事が出来ます。
まとめ
営業進捗を確認するためだけの営業会議を卒業し、生産性の高い営業会議へ運用を変更しましょう。
また、運用を変更するだけでなく、定着を目指すことで営業会議から会社の体質を変えていくことも可能となるでしょう。
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