日報は、業務内容や振り返りのツールとして、規模・業種を問わず様々な企業で利用されてきました。
その背景として、日報が、社内における振り返り習慣の定着や部署・役職の垣根を超えた情報共有等の事業・組織・個人全てに対してメリットをもたらしている事が挙げられます。
一方で、作成に手間がかかるというデメリットや様々なITツールの台頭により、業務効率化を推進する企業においては、敬遠されるケースも少なくありません。
本記事では、日報特有のメリットをそのままに、効率的な日報の運用・管理を可能にするSaaS(クラウドサービス)型の日報アプリ・ツール・サービスを特徴・機能・料金・メリットについて解説します。
なお、日報そのものの導入のメリットや意義について知りたい場合は、下記の記事をご覧下さい。
日報ツール&アプリのメリット
日報アプリには、メールや紙媒体による日報と比べて多数のメリットがあります。
- 1)提出状況が管理出来る
- 2)記載する項目のテンプレート(雛形)がある
- 3)チームや部署間で閲覧範囲を指定出来る
本パートでは、その中でも特に日報運用の効率化に貢献する上記3つのメリットについて紹介します。
なお、日報アプリはテレワークにも有効なツールであるため、その他のカテゴリのツールも含めて比較したい場合は下記記事をご覧ください。
提出状況が管理出来る
日報アプリの第1のメリットは、「提出状況が管理出来る」です。
一部の企業では、日報に業務報告や勤怠管理という役割を持たせているケースがあります。
そのため、過去に遡って、日報の提出の有無や提出時間について簡単に確認・管理出来る必要があり、多くの日報アプリはこの機能を有しています。
また、過去の日報に簡単にアクセス出来る事によって、1on1や評価面談の際の相談・議論の材料としての利用も可能です。
記載する項目のテンプレート(雛形)がある
日報アプリの第2のメリットは、「記載する項目のテンプレート(雛形)がある」です。
作成時の手間を削減するために、一般的な日報は項目のテンプレートが決まっています。
一方で、チームや職種、役職によって、日報に記載すべき項目や内容は異なってきますよね。
日報アプリは、テンプレート機能を有している事が多く、全社で導入した場合も、各社員が決まったテンプレートで効率的に作成する事を支援しています。
なお、具体的な日報のテンプレートについて知りたい場合は、下記の記事をご覧下さい。
チームや部署間で閲覧範囲を指定出来る
日報アプリの第3のメリットは、「チームや部署間で閲覧範囲を指定出来る」です。
前提として、日報は全社員に公開されているべきだと考えられます。
なぜなら、部署間の取り組みや進捗を可視化する事によって、組織の課題や改善点が浮き彫りになり、経営的な意思決定や部署間の連携が促進されるという利点があるためです。
一方で、コンサルティングや受託型のビジネスでは、社内でも、公開範囲を限定しなければならないケースがあります。
また、従業員数が一定数を超えると、毎日大量の日報が提出される事となるため、閲覧性・検索性が非常に悪くなってしまいます。
そのため、多くの日報アプリでは、公開範囲や閲覧範囲を設定する事が出来るようになっています。
日報ツール&アプリのデメリット
日報アプリは、多くのメリットがある一方で、一部のデメリットを認識しておく事も重要です。
- コストがかかる
- 利用者側に慣れが必要となる
本パートでは、日報アプリの上記2つのデメリットについて紹介します。
コストがかかる
日報アプリの第1のデメリットは、「コスト」です。
これまで紙やメールで運用している場合には、日報アプリ分のコストが追加でかかる形になります。
多くの日報アプリは、利用者数に応じて料金が変動する従量課金型の料金プランを採用しているため、予算の検討と社内承認が必要となるでしょう。
一方で、日報アプリは、日報というツールそのもののメリットを更に強化したり、日報の運用が効率化されるというメリットがあります。
単純にコストが増えるという考え方ではなく、「導入する事でどれだけのリターン・見返りが得られるのか?」という観点で見る必要があります。
利用者側に慣れが必要となる
日報アプリの第2のデメリットは、「利用者側に慣れの必要性」です。
特に、これまで紙やメール等で日報を運用していた場合、新しいツールに「慣れる」という手間が発生します。
一方で、多くの日報アプリは、ユーザーの視点に立って作成されるため、初めてツールを触る方でも、比較的カンタンに日報を作成出来る工夫が凝らされています。
それでも、実際に導入を進める際に社内に定着するか不安な場合には、サポートが手厚い日報アプリをおすすめします。
日報ツール&アプリの選び方
世の中には、多数の日報アプリが流通しているため、自社にマッチしたものを選ぼうとすると少なくない労力がかかります。
本パートでは、導入後に後悔しないための日報アプリの3つの選択軸について解説します。
機能
現在、多くの種類に日報アプリが出回っていますが、共通して保有している機能に加えて、各アプリに特色があります。
例えば、以下の様な機能が挙げられるでしょう。
- 目標管理機能
- 工数計算機能
- 稼働集計機能
- 顧客・商談管理機能
- スケジュール管理機能(カレンダー機能)
日報アプリを選定する際には、自社の業種や職種、課題を特定した上で、最適な機能を持ったアプリを選択する事が重要です。
また、上記の機能については、他のツールで代替出来るケースも多いため、自社にどの様なシステムが入っていて、どの様な機能が不足しているのかという観点も重要となります。
料金プラン
日報アプリの料金体系には、以下のポイントがあります。
- 初期費用:導入初月のみかかる費用
- 月額費用(システム利用料):毎月定額でかかってくる費用
- アカウント費用:ユーザー数(利用者数)に応じてかかってくる費用
- サポート費用:導入支援やコンサルティング等にかかってくる費用
料金が安いに越したことはありませんが、最も重要なのは費用対効果(ROI)です。
そのアプリを導入する事によって、「自社の課題は解決されるのか?」「投資に対してどの程度のリターンが期待出来るのか?」を慎重に見極めましょう。
サポート体制
一部のアプリは、サポートや導入支援のサービスを提供しています。
具体的なサービス内容としては以下の例が挙げられます。
- ヘルプデスク:利用方法が分からない場合のお問い合わせに対応するサービス
- 勉強会:導入時にアプリの利用方法についてレクチャーするサービス
- 導入研修:日報を運用する際のポイントや書き方をレクチャーするサービス
- コンサルティング:定期的に日報に蓄積した情報を活用した改善提案するサービス
機能と同様に、サポートについても、自社の状況や課題を踏まえて、具体的にどの様なサービスが必要なのかを検討する事が重要です。
日報ツール&アプリおすすめ比較7選
前述の通り、日報アプリには以下3つのメリットがあります。
- 提出状況が管理出来る
- 記載する項目のテンプレート(雛形)がある
- チームや部署間で閲覧範囲を指定出来る
一方で、汎用性のあるExcelやビジネスチャットの様なツールで日報を運用する場合、幾つか満たせない項目が発生します。
また、各日報アプリは、日報をより効率的かつ効果的に運用出来る様々な仕組みを取り入れています。
本パートでは、「日報」に特化した日報アプリの中でも、上記3つの機能を有しつつ、+αの特色を持った日報アプリを厳選し、特徴・機能・料金・メリット等について紹介します。
目標達成を支援する日報アプリ「Co:TEAM(コチーム)」
Co:TEAMは、「強いチームを、カンタンに」をコンセプトとする日報・目標管理・タスク管理一体型の日報アプリです。
従来の日報ツールでは、毎日の業務報告や振り返りは出来るものの、中長期の目標と日々の業務を紐付ける事が出来ませんでした。
また、目標管理制度の課題として、設定した目標が定期的にモニタリングされていないという「目標管理制度の形骸化」が挙げられます。
Co:TEAMは、中長期目標の進捗を日報に反映する事により、組織/個人の目標達成の促進や目標管理制度の形骸化の防止が可能となっています。
社内SNS型の日報アプリ「gamba!」
gamba!とは「日報をもっと楽しく!」をコンセプトとした社内SNS型の日報アプリです。
日報テンプレートやGoogle Calendar連携により、毎日の日報をカンタンに作成出来る機能があります。
また、「社内SNS型」と謳っている通り、既読表示やチャット、メンション等の日報から双方向的なコミュニケーションを生み出すための様々な機能も有しています。
さらに、KPI管理の機能も有しており、日報を作成しながら、目標に対する進捗をグラフで可視化していく事も可能となっています。
利用は1名あたり980円から可能で、その他に初期設定や運用設計、運用研修の費用が付帯します。
情報共有・工数集計が出来る日報アプリ「nanoty」
nanotyは「情報共有・工数集計も出来る日報管理システム」です。
gamba!と同様に日報アプリに求められる、テンプレートやGoogle Calendar連携の機能を有しています。
他の日報アプリと異なる最大の特徴は、集計機能です。
集計機能により、プロジェクトや案件、作業担当者別の工数を可視化する事で、社員の負荷を把握したり、負荷に応じたサポートを上司が検討する事が出来るようになります。
その他にも、コミュニティ、タスク、サンクスポイント等の様々な機能を有しており、日報だけに留まらない幅広い活用用途があるアプリです。
利用は、月額9,500円から可能で、プランが上がる毎に利用可能人数の上限と月額の利用料金が上がっていく料金体系になっています。
クリエイティブ職の工数管理に強い日報アプリ「Pace」
Paceは、HP制作会社やデザイン会社など、クリエイティブ職向けの日報ツールです。
工数管理機能に強みがあり、日報への入力内容をもとに、作業時間を集計する事で、案件毎の営業利益をリアルタイムで見える化します。
また、案件のデータ管理や作業分析の機能にも長けており、請求管理から案件毎に、誰が、いつ、何時間行っていたのかまで正確に把握出来ます。
フリーランスや業務委託を活用しながら、プロジェクト形式で業務を勧めたり、プロジェクト毎の工数管理が必要となるような場合には有効な日報ツールと言えるでしょう。
利用は、1名あたり月額500円から可能です。
稼働状況の集計に強い日報アプリ「日報くん」
「日報くん」はスマホでもPCでも、マルチデバイスで使えるクラウド型日報提出・稼働集計システムです。
「稼働集計システム」と謳っている通り、日報を提出しながら、顧客・プロジェクト・メンバー毎の作業状況や稼働率を管理・可視化する機能が用意されています。
特徴としては、開発元は、大手企業の基幹システム開発を行っており、システム開発会社の実務に寄り添った機能が備わっています。
利用は、月2,750円から可能で、S・M・Lの3つの料金プランとなっています。
営業管理に強い日報アプリ「ワンズ営業日報」
ワンズ営業日報は「営業を『デジタル武装化』する」をコンセプトとする営業日報ツールです。
特徴として、Excelテンプレート機能を有しており、Excelで日報やSFAや顧客・商談を管理している場合も、オペレーションを変更する事なく導入する事が出来ます。
また、日報に画像を添付する事が可能であるため、外勤の営業職や現場管理の様な仕事と相性が良いと言えるでしょう。
利用は1名あたり月額3,600円より可能です。
なお、営業日報や営業マネジメントについては、下記をご覧ください。
案件・スケジュール管理に強い日報アプリ「BeWorks」
BeWorksは「『日報』から始まる見える化」をコンセプトとする、業務日報とグループウェアの特徴を併せ持つ日報アプリです。
基本的な日報の作成・管理機能に加えて、案件管理やスケジュール管理の機能が付帯しているため、業務報告書をカンタンに生成出来ます。
ワークフローや勤怠管理等、グループウェアらしく広範な機能を備えており、日報以外の業務効率化やデジタル化を同時に進める場合は有効な選択肢となるでしょう。
利用は、月額5,000円の固定費用と1人あたり1,000円の従量課金型の料金プランとなっています。
まとめ
メールや紙、ビジネスチャット等のツールを活用した日報は、安価な運用が可能な一方で、日報というツールそのもののポテンシャルを十分に開放する事が出来ません。
もっと日報の効果を高めたい、運用を効率化したい、日報運用の形骸化を防止したいという方は、ぜひ情報収集や各アプリの無料トライアルを申し込んでみましょう。
「日報を業務報告ではなく、個人と組織を成長させるツールに昇華させたい」
「日報を活かしたマネジメントにより成果を生むチーム作りをしたい」
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