ビジネスシーンにおいて多くの企業が取り入れているマネジメント手法である「目標管理」ですが、「目標管理を行うメリットは?」「目標管理の運用方法は?」といった疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
そんな方に目標管理についての知識を得る手段として、信頼度の高い情報を得られる「本」をおすすめします。本は基礎から応用まで学べるものの、基本を体系的に学べるものからテーマ別に詳しく書かれたものまで種類が多く、どの本を選べば良いのかわからない人も多いと思います。そこで、目標管理でおすすめの本10選を紹介します。
本記事では、「目標管理の入門を学べる3冊」、「課題別で目標管理を学べる5冊」、「パフォーマンスマネジメントにおいて重要な要素を学べる2冊」に分けて紹介していくので、ぜひ自社にピッタリの一冊を見つけてください。
目標管理とは?
目標管理(MBO: Management by Objectives)とは、社員個人が主体となって個人目標を設定し、その目標達成に向けて計画を立て、進捗を管理し、成果を評価するプロセスです。目標管理の目的は、社員一人ひとりが目標達成に向けた取り組みを通じて、自身のモチベーションやスキル、パフォーマンスを効率的に向上させ、最終的に組織の成長に繋げることです。
通常、目標管理は以下のプロセスに沿って行われます。
- 組織目標とリンクする個人目標を設定する
- 目標達成までの計画を策定する
- 計画を実行する
- 評価とフィードバックを受け、次回の目標設定に活かす
本で目標管理を学ぶと良い理由
目標管理における目標設定や評価、フィードバックにはそれぞれ高い専門性が求められ、マネジメントに関する包括的な知識が必要になります。著者の経験や研究、事例に基づいた最新かつ実践的な手法やテクニックを深く理解することができるという点で、目標管理を学習するのに本はとてもおすすめです。
また、書籍に載っている情報は信頼性が高いため、安心して目標管理の概念や手法を学ぶことができます。インターネットやSNSが普及している現代では、アクセス可能な情報の量は以前と比べると何百倍にも膨れ上がりました。しかしながら、誰でも情報発信者になることができるインターネット上には、信憑性が低い情報も存在します。その一方で、書籍は通常、経験・知識豊富な専門家によって書かれ、編集やレビューを経て出版されるため、質の高い内容が期待できます。
以上のように、より内容が濃く、信頼性が高い「本」で目標管理を学ぶことで、安心して目標管理の専門的な知識・手法についての理解を深めることができるでしょう。
目標管理の入門を学べる3冊
まず、目標管理の入門を学べる本を3冊紹介します。
- 『個人、チーム、組織を伸ばす 目標管理の教科書』
- 『図解 目標管理入門』
- 『徹底的にかみくだいた「自己目標管理」ドラッカーが本来伝えたかった目標管理』
個人、チーム、組織を伸ばす 目標管理の教科書
目標管理の入門的な知識・スキルを学ぶために役立つ書籍としてまず紹介したいのが、「個人、チーム、組織を伸ばす 目標管理の教科書」です。
本書では、ピーター・ドラッカーが提唱するマネジメント理論「MBO-S(Management By Objectives and Self-control)」が実際どのように機能するのかが解説されています。自社における目標管理を成功させるためには、部下の「自主性」「自律性」を最大限に引き出し、部下が納得する目標を設定することが必要です。キリンビールやパナソニックなど、多くの大企業で成功を収めてきた「部下の自律的なPDCAを促す目標管理術」を参考にしてみてはいかがでしょうか。
本書は、「部下の目標管理が上手くいっていない」と感じている上司だけでなく、「上手く個人目標を立てられない」部下にも役立つ内容となっています。
図解 目標管理入門
次に「図解 目標管理入門」を紹介します。本書では、目標管理の基礎から実践のポイントがわかりやすく解説されています。
本書の特徴として、メルカリ社の実践手法OKR(Objectives and Key Results)やリクルート社で確立されたリクルート流KPI(Key Performance Indicator)など、目標管理の手法・方法論が事例とともに解説されています。また、図解を多用することで、複雑な概念やプロセスを視覚的にわかりやすく説明しているため、初心者に優しい書籍となっています。
特に、社員個人の「夢」「強み」「使命」「業績」を明確にしていきながら個人目標の設定を目指す「目標設定ワークシート:MOK4」は、目標設定を苦手としている社員の一助となるだけでなく、会社の目標管理と個人の夢が結びつくイメージを醸成することができます。本書は、なかなか満足のいく個人目標を見つけられない社員にとって役立つ一冊となるでしょう。
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徹底的にかみくだいた「自己目標管理」ドラッカーが本来伝えたかった目標管理
『徹底的にかみくだいた「自己目標管理」ドラッカーが本来伝えたかった目標管理』は、「評価する側のモヤモヤ感」と「評価される側の理不尽感」がなぜ起こるのかを解き明かし、会社の業績悪化を根本治療するアプローチを紹介しています。
ドラッカー研究を50年続ける著者が、「組織目標を理解した上で、自発的に目標設定して組織と個人のパフォーマンスを上げる」ことを目指す、自己管理目標の重要性を解説しています。
本書では、自己目標管理の基本的な流れである「目標設定」「プロセスの管理」「結果の評価」の3ステップに沿って重要なポイントが詳しく解説されています。そのため、読者は自己管理目標の理論と実践の両方を習得でき、達成したい事柄に最大効率で突き進めるでしょう。
本書は、「支配のマネジメント」から「自己管理によるセルフマネジメント」の実現を望む経営者・上司にぜひ読んでいただきたい一冊です。
課題別で目標管理を学べる5冊
ここでは、課題別で目標管理を学べる本を5冊紹介します。
- 『目標を「達成する人」と「達成しない人」の習慣』
- 『チームで最高の結果を出す目標管理』
- 『目標管理実践マニュアル 「小さな会社」でもすぐ使える!』
- 『目標を達成するすごいシート』
- 『HIGH OUTPUT MANAGEMENT人を育て、成果を最大にするマネジメント』
目標を「達成する人」と「達成しない人」の習慣
まず、『目標を「達成する人」と「達成しない人」の習慣』を紹介します。「一生懸命努力しているのに、その努力がなかなか実を結ばない・・・」なんていう悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。もしかすると、正しい目標達成の手順を踏んでいないのかもしれません。
本書では、同じような悩みを抱えていた著者が「なぜ普通のサラリーマンから企業し、上場企業の社長に成り上がれたのか」を自身の経験を交えながら、目標を達成する人と達成しない人の習慣を比較しています。
具体的には、「目標設定」「実行力のつけ方」「タイムマネジメント」「人の巻き込み方」などに焦点が当てられています。目標を達成する人の習慣を学び、それをそのまま自身の生活や仕事に取り入れることで、効率的に目標を達成できるようになるでしょう。
本書は、目標を達成するための効果的な習慣をまだ身につけられていない人に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
チームで最高の結果を出す目標管理
『チームで最高の結果を出す目標管理』は、チームとしてのパフォーマンスを最大限に引き出すための目標管理の手法・戦略を紹介している書籍です。
「目標管理で、期待したチームとしての成果が出ない・・・」と悩んでいる会社には、「部下の格付け等級に応じた目標設定を行っている」という特徴が多く見られます。これは、ドラッカーの考えは「顧客からの評価」ではなく、「公平な評価」に焦点が当てられているためです。
本書では、「なぜ従来の目標管理のやり方ではチームで成果を挙げられないかないのか」「顧客からの評価に焦点を当てた、日本流目標管理の手法」について解説しています。本書は、チームで成果を出したい人にぜひ読んでいただきたい一冊です。
目標管理実践マニュアル 「小さな会社」でもすぐ使える!
『目標管理実践マニュアル 「小さな会社」でもすぐ使える!』は、中小企業が抱えている以下のような目標管理に関する悩みを解決してくれる本となっています。
- 実務的な内容まで解説している書籍が少ない。
- 目標管理の達成度の評価を人事制度にまで活用できる一連のシステムが1冊にまとまっている書籍が無い。
- 目標管理カードの記入例が載っている書籍が少ない。
前述のような悩みを解決できる、読む本ではなく、「使う本」として、中小企業の経営者は手に取ってみてはいかがでしょうか。
目標を達成するすごいシート
「目標を達成するすごいシート」は、1枚のシートで読者の「継続的な行動」を促し、目標達成の実現をサポートします。
本書は、「誰でも挫折はするもので、もっと簡単な目標を小分けにして、少しずつ達成していこう」という考え方をノウハウにして、それを伝授してくれています。さらに、自分の頭の中で目標を立てるのではなく、目標達成シートに書き込んで「見える化」することで、具体的にやるべき行動や進捗状況が明確になります。
本書は、漠然とした大きい目標しか立てられておらず、その大きい目標を達成するための具体的な道筋を描きたい人におすすめです。
HIGH OUTPUT MANAGEMENT人を育て、成果を最大にするマネジメント
「HIGH OUTPUT MANAGEMENT人を育て、成果を最大にするマネジメント」は、シリコンバレーの起業家たちの経営スタイルに大きな影響を与えてきました。
本書では、「マネージャーが最も注力すべき仕事は何か」「意思決定の際にしてはいけないことは何か」「部下の業績評価の目的は何か」など、部下を管理し、育て、業績を向上させる立場である上司にとっては有用な示唆が得られます。マネージャーとしての意思決定や部下育成など、人の上に立つ人ならではの悩みをお持ちの方は一度読んでみてはいかがでしょうか。
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パフォーマンスマネジメントにおいて重要な要素を学べる2冊
パフォーマンスマネジメントとはアメリカでよく使われる目標管理の手法です。
1on1を用いて目標を達成するためのアドバイスを行ってメンバーに目標達成を導き、その際の目標の達成率とメンバーが行ってきた過程を評価する手法です。アドバイスをする際に、「これをやり切ったらA評価を上げることができる」と評価についてもすり合わせるため、メンバーが評価に納得度を持ちやすい事が特徴です。
ここでは、パフォーマンスマネジメントにおいて重要な要素を学べる本を2冊紹介します。
- 『エンゲージメントを高める会社』
- 『時代遅れの人事評価制度を刷新する』
エンゲージメントを高める会社
「エンゲージメントを高める会社」は、人的資本が重要視されている現代において、「なぜエンゲージメントが大切なのか」「エンゲージメントを高めるためにはどうすれば良いか」について触れられています。
エンゲージメントという視点から、パフォーマンスマネジメントに関わる目標設定やキャリア開発などのトータル的な人事マネジメント体系を示してくれています。OKRや1on1面談、360度フィードバックなど、パフォーマンスマネジメントを効果的に進めるための実践的なアドバイスが多く盛り込まれており、人事担当者にとっては興味深い内容となっています。
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時代遅れの人事評価制度を刷新する
「時代遅れの人事評価制度を刷新する 」は、これまでの「人を正確に管理するマネジメント」から「人の自律・成長を促進するマネジメント」への変革の必要性を提唱しています。
これは、予測不能な変化が頻発する現代社会において、イノベーションを起こし続けるには、マネジメントスタイルの変革が必要になってきているためです。本書では、こうした変革に向けて、「従業員が実現したいマネジメントスタイル」と「制度設計・運用」の一貫性を持たせるためのステップが詳細に解説されています。
ビジネス環境が移りゆく中で企業が持続的に発展していくためには、既存のスタイルに固執せず、常にその時々の環境に適したスタイルを取り入れていくことが重要です。本書は、「時代に合わせてマネジメントスタイルを刷新していきたいとは考えているものの、具体的なステップがわからない」マネジャーにとって有益な一冊となるでしょう。
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まとめ
本記事では、目標管理を運用する際に役立つ本10選を紹介しました。今回紹介した書籍には、目標設定や評価、フィードバックなどといった目標管理において重要な要素についての実践的な手法が載っています。
これらのアイディアは実践に移して初めて組織に効果が出てきます。本から知識をインプットして終わりではなく、実際に会社経営に結びつけていきましょう。
効果的な目標管理なら「Co:TEAM(コチーム)」
「Co:TEAM(コチーム)」では、MBOを始めとした目標管理を効率的・効果的に実施できます! MBO/OKR/目標管理で重要となる1on1ミーティング・目標管理・人事評価を全て一元管理できます!
- 1on1をしながら、目標の進捗を入力できる!
- 目標の結果を人事評価に反映!
- 目標の進捗・結果を全て見える化!
- 1on1の記録を人事評価時に活用できる!
お役立ち情報
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