目標管理はいらない?無意味・めんどくさいと思われる理由や運用の問題点を解説

目標管理はどのような会社、どのような仕事であろうと社員だけでなく代表取締役を含めた組織全体がともに成長していくために必要な制度です。適切に目標管理をすることで従業員の成長を促すだけではなく、個人の働きを数値化して管理することで人事評価にも生かすことができます。

しかし、近年目標管理自体いらない、意味がないといわれることが多くなってきているのが事実です。本記事では目標管理がくだらないといわれる原因、目標管理を納得できて意味のある制度として機能させるために必要な具体的な活用方法、目標管理のメリット・デメリットを解説します。

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目標管理がいらないと言われる・廃止される理由

目標管理は企業の効率向上や成果達成のために広く用いられてきましたが、近年、その必要性が疑問視されるケースも増えています。その背景には、運用方法や目標設定の問題点、社員のモチベーション低下といった要因があります。本パートでは1つずつ詳しく解説していきます。

  • 特定の社員に管理工数がかかってしまう
  • 適正な評価ができない事がある
  • 数字主義になってしまう
  • 目標達成が不可能だとモチベーションが下がる
  • 修正の機会がないと目標設定によって柔軟性がなくなる

特定の社員に管理工数がかかってしまう

目標管理がいらないと言われる・廃止される理由の1つ目は「特定の社員に多大な管理工数がかかってしまう」です。

目標管理制度の運用には、特定の社員に多大な管理工数がかかってしまうという問題があります。これは制度の効率性と有効性を低下させる要因となっています。

主な理由として、以下が挙げられます。

  • 目標設定や評価に時間がかかる
  • 四半期ごとの評価で業務が停滞する
  • マネージャーの負担が大きい
  • 公正な評価を行うのが困難

具体例として、ヤフーの事例が挙げられます。同社では四半期ごとの評価実施により、マネージャーと人事部門の業務が2〜3週間停滞していました。これは生産性の低下につながる深刻な問題です。

また、評価の公平性を保つために、マネジメントする立場の方には説明責任が生じます。これにより、評価を平均値付近に集中させようとする傾向が生まれ、制度の本来の目的が達成できなくなる可能性があります。

このように、目標管理制度は特定の社員、特にマネージャーや人事部門の負担を増大させる傾向があります。そのため、制度の運用コストが便益を上回る場合、廃止や見直しが検討されるのです。

効率的で効果的な人材評価・育成のためには、管理工数の削減と公平性の確保のバランスを取ることが重要です。目標管理制度に代わる新たな評価方法の検討や、既存制度の改善が求められています。

適正な評価ができない事がある

目標管理がいらないと言われる・廃止される理由の2つ目は「適正な評価ができない事がある」です。

目標管理制度では、適正な評価を行うことが難しい場合があります。これは制度の信頼性と有効性を損なう大きな要因となっています。
主な理由として、以下が挙げられます。

  • 評価基準の不明確さ
  • 評価者の主観的判断
  • 目標設定の不適切さ
  • 環境変化への対応の難しさ

具体例として、ある企業では管理職が部下の行動を十分に把握できないまま評価を下したため、実情とかけ離れた評価結果となってしまいました。また、目標の難易度や達成基準が従業員間で統一されていないケースも多く、公平性の確保が困難になっています。

さらに、現代のビジネス環境は変化が激しく、半年から1年という評価期間では、設定した目標自体が陳腐化してしまうこともあります。このような状況下では、適切な評価を行うことがますます難しくなっています。

適正な評価の難しさは、従業員のモチベーション低下や不公平感の増大につながる可能性があります。そのため、目標管理制度の見直しや、より柔軟で頻度の高い評価方法の導入を検討する企業が増えています。

そのため、適切な評価を実現するには、評価基準の明確化、評価者トレーニングの充実、そして環境変化に応じた目標の柔軟な見直しが重要です。これらの改善を通じて、より公平で納得感のある人材評価システムの構築が求められています。


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数字主義になってしまう

目標管理がいらないと言われる・廃止される理由の3つ目は「数字主義になってしまう」です。

目標管理制度は、数字主義に陥りやすいという問題があります。これは組織の健全な発展を妨げる要因となっています。
主な理由として、以下が挙げられます:

  • 数値目標への過度の執着
  • 質より量を重視する傾向
  • 短期的な成果に偏重
  • 不正や手抜きの誘発

具体例として、ある営業部門では売上高のみを評価基準としたため、顧客満足度や長期的な関係構築が軽視されました。また、別の企業では厳しい数値目標が不祥事を引き起こす原因となりました。

数字主義は、一見客観的で公平な評価を可能にするように見えます。しかし、実際には仕事の内容や質や組織への貢献度を正確に反映できないことがあります。例えば、部下の育成や法令順守といった重要な要素が評価に含まれにくくなります。

さらに、過度な競争心を煽り、従業員間の協力関係を損なう可能性もあります。これは長期的には組織の生産性低下につながりかねません。

目標管理制度を効果的に運用するには、数値目標と質的な評価のバランスを取ることが重要です。単純な数字主義を避け、組織の持続的な成長につながる多面的な評価システムの構築が求められています。

目標達成が不可能だとモチベーションが下がる

目標管理がいらないと言われる・廃止される理由の4つ目は「目標達成が不可能だとモチベーションが下がる」です。

目標管理制度では、達成が難しい目標を設定すると、社員のモチベーションが低下する可能性があります。これは制度の効果を損なう大きな問題点です。主な理由として、以下が挙げられます。

  • 目標が高すぎて実現不可能に感じる
  • 努力しても成果が出ない挫折感
  • 自信の喪失と無力感
  • ストレスの増加

具体例として、ある営業部門で前年比150%の売上目標が設定されました。しかし、市場環境の変化により達成が極めて困難になり、社員たちは徐々にやる気を失っていきました。結果的に、目標達成どころか前年の実績すら下回る事態となりました。

確かに、適度に高い目標は挑戦意欲を刺激し、パフォーマンス向上につながる可能性があります。しかし、高すぎるノルマは、逆効果となってしまいます。

目標管理を効果的に行うには、達成可能でありながらも挑戦的な目標設定が重要です。また、目標の進捗を定期的に確認し、必要に応じて柔軟に調整することも大切です。面談や1on1で社員の能力と環境を考慮した適切な目標設定をして、モチベーションを維持しつつ、組織の成長を促しましょう。

修正の機会がないと目標設定によって柔軟性がなくなる

目標管理がいらないと言われる・廃止される理由の5つ目は「修正の機会がないと目標設定によって柔軟性がなくなる」です。

目標管理制度では、修正の機会がないと柔軟性が失われ、効果的な運用が難しくなります。これは制度の有効性を低下させる重要な問題点です。主な理由として、以下が挙げられます。

  • 環境変化への対応が困難
  • 新たな機会の見逃し
  • 無意味な目標への固執
  • 社員の創造性や自主性の抑制

具体例として、ある企業で年初に設定した販売戦略が市場の急変で陳腐化しました。しかし、目標修正の機会がなかったため、社員たちは効果の薄い活動を続けざるを得ませんでした。結果的に、貴重な時間と資源が無駄になってしまいました。

確かに、一度設定した目標を安易に変更すると、制度の信頼性が損なわれる可能性があります。しかし、硬直的な運用は、むしろ組織の競争力を低下させかねません。

目標管理を効果的に行うには、定期的な見直しと修正の機会を設けることが重要です。例えば、四半期ごとの進捗確認と目標調整を行うことで、環境変化に柔軟に対応できます。また、上司と部下のコミュニケーションを密にし、必要に応じて随時目標を調整する仕組みも有効でしょう。

そのため、柔軟性のある目標管理により、社員の意欲を高めつつ、組織の成長を促進することができます。

目標管理のメリット

目標管理制度(Management by Objectives, MBO)は多くの企業で導入されていますが、その意義や具体的なメリットについて再確認することは重要です。MBOの有用性について、どのような点が寄与しているか整理できていますでしょうか。

  • モチベーションが向上する
  • メンバーの能力が上がる
  • 離職率が低下する
  • 目標達成確率が上がる

本パートではMBOのメリットについて3つ紹介します。

モチベーションが向上する

メリットの1つ目は「モチベーションが向上する」です。

目標管理制度は、従業員のモチベーションを大きく向上させる効果があります。具体的な目標を設定することで、社員は仕事の目的と自分の役割を明確に理解します。その結果、目標達成に向けた努力が評価され、自身の能力が形として見えるため、会社内の成長を実感できます。

また、目標が達成されるごとに得られる達成感が次の目標に対する意欲を引き出し、持続的なモチベーションアップにつながります。

さらに、具体的な評価制度を導入することで、管理職や人事担当者は社員の能力の不足点や強みを効果的に把握し、適切なフィードバックを行うことができます。このように、目標管理は社員の成長を促進し、会社全体のパフォーマンスを向上させる強力なツールになります。

メンバーの能力が上がる

メリットの2つ目は「メンバーの能力が上がる」です。

目標管理は、チームメンバーのスキルと能力を高める有力な手法です。定期的な評価とフィードバックを通じて、管理職や人事担当者は、個々のメンバーの弱点を補強し、強みを伸ばすプロセスを構築できます。このプロセスにより、メンバーの成長を支援し、全体のパフォーマンスを向上させることが可能です。目標設定を効果的に運用することで、企業全体の競争力を強化することができます。

営業部の例

営業部では、各営業担当者に具体的な売上目標や顧客獲得目標の設定が一般的です。このプロセスにより、営業担当者は目標達成に必要なスキルや知識を学びながら成長します。効果的な目標管理手法を導入することで、各メンバーのパフォーマンスを最大限に引き出すことが重要です。

結果として、チーム全体の営業力が向上し、業績も飛躍的にアップすることが期待できます。企業の管理職や人事担当者は、この方法を活用してチームを効果的に運用する戦略を考えるべきです。

離職率が低下する

メリットの3つ目は「離職率が低下する」です。

明確な目標設定と評価の適切な運用は、企業の根幹を支える重要な要素です。目標設定によって社員は自身の役割を理解し、会社全体の目標に向かって努力する動機を持つことができます。

また、管理職や人事担当者が効果的な管理制度を導入することで、個々の能力を最大限に引き出すことが可能です。研修やフィードバックを通じて目標達成のプロセスを支援し、成果を正当に評価することで、社員に期待される役割とメリットを明確に示すことができます。このように社員のエンゲージメントが高まると、結果として離職率の低下にもつながり、企業の持続的な成長を実現できます。


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目標達成確率が上がる

メリットの4つ目は「目標達成率が上がる」です。

目標管理のプロセスは、目標の設定、進捗のモニタリング、適時のフィードバックを通じて、目標達成の確率が高まります。その中で特に重要なのが具体的なKPI(重要業績評価指標)の設定です。

例えば、売上目標を年間10%増加させる場合、その進捗を月次や四半期ごとにモニタリングし、達成度や改善点をフィードバックすることが重要です。これにより、強化すべき部分や追加で必要なリソースが明確になり、結果として目標達成の確率が上がります。

具体的な数値と進捗管理があることで、道筋が見えやすくなり、効果的な行動計画が立てやすくなります。管理職や人事担当者にとって、こうしたプロセスの確立がチーム全体のパフォーマンス向上に寄与します。

目標設定する際に使える手法

目標管理のメリットが分かりましたが、現実として目標管理の前に目標設定で躓く人が多いです。そのため本パートでは、目標設定する際に使える2つの方法をご紹介します。

  • SMARTの法則
  • ベーシック法

SMARTの法則

SMARTの法則とは、目標を作る際に重要な五つの要素をまとめたものです。

  • Specific
    • 具体的、分かりやすい
  • Measurable
    • 計測可能、数字になっている
  • Achievable
    • 同意して、達成可能な
  • Relevant
    • 関連性
  • Time-bound
    • 期限が明確、今日やるなど

それぞれの頭文字を取ってSMARTの法則と呼ばれています。SMARTの法則は多くの日本や海外の書籍に掲載されており、目標達成の精度を格段に高めてくれる力を持っています。SMARTの法則を知ることで適切な目標設定や目標達成を行うことができます。

ベーシック法

ベーシック法とは様々な目標管理・設定法の中で最も基礎的と呼ばれる方法で様々なフレームワークモデルの根底にあるルールとなっています。

ベーシック法は次の四ステップで構成されています。

  • 目標項目
    • 自分で何をしたいか明確にする
  • 達成基準の具体化
    • 対象がどのような状態になっていれば達成果を具体的に定める
  • 期限設定
    • いつまでに達成するかの起源を設定する
  • 達成計画
    • 目標達成に向けて何をすればいいかを具体化する

それぞれの項目について自分でしっかり考えることができれば、曖昧に設定してしまいがちな目標を具体的なものにしてくれるものです。

目標管理を成功させるコツ

目標設定する方法が分かれば次は「目標管理を成功させるコツ」です。下記5つのコツを覚えるだけで目標管理を時間を掛けずに行え、より目標を達成することに集中できるようになります。

  • メンバーの計画策定を支援する
  • メンバーが自己管理ができているか定期的に確認する
  • 評価と目標を適切に結びつける
  • 目標の進捗に対して高頻度で振り返る
  • 目標の進捗状況を管理する方法を楽にする

メンバーの計画策定を支援する

1つ目の目標管理を成功させるコツは「メンバーの計画策定を支援する」です。

上司と部下が協力して計画を立てることで、以下のメリットが生まれます。

  • 潜在的な問題点の早期発見
  • 効果的なフォローアップの機会の特定
  • 個々の社員のニーズに合わせたサポートの提供

例えば

  • 新入社員には研修以外に1on1で詳細なガイダンスを提供
  • 中堅社員(5〜8年目)にはプランのレビューに重点を置く

このように、社員の経験やスキルレベルに応じて支援の度合いを調整することで、効果的な目標管理が実現できます。

メンバーが自己管理ができているか定期的に確認する

2つ目の目標管理を成功させるコツは「メンバーが自己管理ができているか定期的に確認する」です。
ポイント:

  • 月次進捗確認ミーティングの実施
    • L上司と部下で進捗状況や課題を共有
    • LKPI達成状況の確認と行動計画の見直し
  • 適切な支援の提供
    • L必要に応じたアドバイスやリソースの提供
    • L目標達成の意義を再確認
  • 一貫性のあるKPI管理
    • L組織全体の目標の整合性を維持
    • L個人の目標と組織の成功を連動させる

これらのアプローチにより、メンバーの自己管理能力が向上し、組織全体の目標達成率が高まります。定期的な確認と適切な支援が、個人と組織の成長を促進する鍵となります。

評価と目標を適切に結びつける

3つ目の目標管理を成功させるコツは「評価と目標を適切に結びつける」です。

重要ポイント:

  • 明確な評価基準の設定
    • 具体的かつ測定可能な目標をKPIとして設定
    • 目標達成度と評価の関連性を明確化
  • 定期的なフィードバック
    • 四半期ごとの進捗確認ミーティングの実施
    • 目標の進捗状況に基づく中間評価の実施
  • 柔軟な目標調整
    • 環境変化に応じた目標の見直しと修正
    • 個人の成長に合わせた目標の段階的な引き上げ
  • 公平性と透明性の確保
    • 評価プロセスの明確化と共有
    • 360度評価など、多角的な評価方法の導入
  • 評価結果の活用
    • キャリア開発計画への反映
    • 報酬や昇進との連動

このアプローチにより、従業員は自身の目標と評価の関連性を明確に理解し、より高いパフォーマンスを発揮できます。同時に、組織は戦略的目標の達成に向けて従業員の努力を効果的に導くことができます。

目標の進捗に対して高頻度で振り返る

4つ目の目標管理を成功させるコツは「目標の進捗に対して高頻度で振り返る」です。

例えば、毎週のチームミーティングや1on1でのフォローアップを活用することで、目標の進捗状況を具体的に把握し、早期に問題点を特定して対策を講じることが可能になります。

これにより、メンバーは常に目標を意識しながら業務を進行できるため、着実に前進し続けることができます。計画的なレビューサイクルを導入することで、組織全体の生産性と達成度を向上させる効果があります。

具体的な手法としては、1on1を用いた、週次の進捗報告やKPIの定期チェックなどがあります。これらの手法を導入することで、目標達成率を大幅に向上させることが期待できます。

目標の進捗状況を管理する方法を楽にする

最後の目標管理を成功させるコツは「目標の進捗状況を管理する方法を楽にする」です。

例えば、コチームなどのHRサービスを導入することで、リアルタイムで進捗状況を可視化し、共有することができます。これにより、管理職や人事担当者は効果的な目標管理が進みます。また、定期的なリポート生成やアラート機能を活用すれば、効率的に進捗を確認することができます。

目標管理の具体的な手順例

前項でコツについてお伝えしましたが、次は「目標管理の具体的な手順例」です。

目標管理の具体的な手順を理解して、スムーズに目標を管理しましょう。

  • STEP1:具体的な達成基準を設定
  • STEP2:目標達成に向けた途中の行動を明確にする
  • STEP3:行動の進捗と結果を定量で確認する
  • STEP4:結果の振り返りとフィードバックを実施する
  • STEP5:次ネクストアクションを決める

STEP1:具体的な達成基準を設定

STEP1では具体的な目標達成基準を設定します。この際、数値化された明確な目標を掲げることが重要です。

数値化された具体的な目標を設定することにより、進捗状況の把握や成果の評価が容易になり、チームメンバー全員が同じ方向を向いて取り組むことができるため、組織全体の生産性向上につながります。

例:来年度の売上を増加させる。「来年度の売上を10%増加させる(部署ごとには2%ずつ増加させる)」

目標:現状の10件/月より多くのアポを獲得する 具体的な達成基準:ひと月で15件のアポを獲得

STEP2:目標達成に向けた途中の行動を明確にする

目標達成には、最終的なゴールだけでなく、そこに至るまでの具体的な行動計画が必要です。大きな目標を小さな中間目標に分割し、各段階で何をすべきかを明確にします。

例えば、「売上10%増加」という目標に対しては、「新規顧客開拓」「既存顧客へのアップセル」「商品ラインナップの拡充」などの行動項目を設定します。これらの中間目標にも期限を設け、定期的に進捗を確認することで、目標達成への道筋が明確になり、モチベーションの維持にも役立ちます。

また、予想外の障害に遭遇した際にも、柔軟に計画を修正できる利点があります。

STEP3:行動の進捗と結果を定量で確認する

STEP3では行動の進捗と結果を定量で確認します。

このステップで重要なことは、設定した目標と行動計画の進捗を定量的に測定し、結果を客観的に評価することです。

例えば、「営業部門の売上10%増加」という目標に対して、「月間新規顧客獲得数」「既存顧客の平均購入額」「商品カテゴリー別売上」などの具体的な指標を設定し、毎週または毎月のミーティングでこれらの数値を確認します。

この定量的なアプローチにより、目標までの距離が明確になり、「新規顧客獲得が計画より10%遅れている」「A商品の売上が予想を30%上回っている」といった具体的な状況把握が可能となり、迅速かつ的確な対策を講じることができます。

STEP4:結果の振り返りとフィードバックを実施する

STEP4では、達成した結果を詳細に分析し、成功要因や改善点を特定してフィードバックを行うことが重要です。

例えば、「営業部門の売上10%増加」という目標を達成した場合、「新規顧客獲得戦略の効果」「既存顧客へのアップセル成功率」「商品別の売上貢献度」などを精査し、成功した取り組みは他部門・他部署にも展開し、課題があった領域については次期の目標設定に反映させることで、組織全体の継続的な成長とパフォーマンス向上につながり、さらに個人やチームの努力を適切に評価・認識することで、従業員のモチベーション向上と組織の一体感醸成にも寄与します。


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STEP5:次ネクストアクションを決める

最後のSTEP5では、次のアクションを決める分析結果を活かした具体的な次のアクションを決定します。

例えば、「営業部門の売上10%増加」を達成した企業が次に取り組むアクションとして、「売上15%増加かつ利益率2%向上」という新目標を設定するケースを考えてみましょう

  • 「ハイバリュー顧客の開拓」:年間取引額〇〇万円以上の顧客を20%増やす
  • 専門チームの編成:3か月以内に5名の精鋭メンバーで構成
  • ターゲット企業リストの作成:1か月以内に100社をリストアップ
  • 「クロスセル戦略の強化」:既存顧客の取引製品数を平均30%増加
  • 製品研修の実施:全営業担当者が2か月以内に完了
  • 顧客別推奨製品リストの作成:3か月以内に全顧客の80%をカバー
  • 「営業プロセスの効率化」:商談成約率を現状の15%から20%に向上
  • CRMシステムの導入:4か月以内に完全運用開始
  • 営業スキル強化研修:2か月ごとに全員参加で実施

各アクションには、責任者と進捗確認のタイミングを設定し、月次の営業会議で進捗を報告します。また、四半期ごとに目標達成度を評価し、必要に応じて戦略の微調整を行います。

このように、過去の成功を踏まえてより高度な目標を設定し、具体的で測定可能なアクションプランを立てることで、営業部門の継続的な成長と競争力強化を図ります。同時に、個々の営業担当者の能力向上と、チーム全体のモチベーション維持にもつながります。

新しい目標管理の形

目標管理は時代遅れになったわけではありません。

新たな世代が組織の代表や従業員の主体を占めるようになったり女性の活躍が推進されたりと時代は確かに変わりつつあります。そこで目標管理にも古いものとはことなる新たな形が求められているのです。

今後は、従業員の主体性や成長を重視し、組織の成長につなげるための目標管理の活用が求められており、近年では、従来の目標管理の課題を解決する今までと異なる目標管理が提唱されています。

その代表的なものに、以下2つがあります。

  • OKR(Objectives and Key Results)
  • アジャイル目標管理

OKR(Objectives and Key Results)

OKR(Objectives and Key Results)は、目標と主要結果を組み合わせたフレームワークです。この手法はGoogleやIntelなどの著名な企業で広く採用され、高い成功を収めています。

まず、透明性と連携の強化が挙げられます。OKRは全社員に公開され、その進捗状況や達成度が常に把握できます。これにより、チーム内の協力関係や情報共有が飛躍的に向上します。

また、OKRは通常、四半期ごとに設定されるため、変動の激しいビジネス環境にも適応しやすいです。短期的な目標設定により、迅速な対応が可能となります。

さらに、OKRは挑戦的かつ現実的な目標設定を推奨します。これにより、社員のモチベーションを高め、企業全体の業績向上に寄与します。


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アジャイル目標管理

アジャイル目標管理は、ソフトウェア開発で主に用いられるアジャイル手法を取り入れた目標管理手法です。この方法により、迅速かつ柔軟に目標を設定し、その達成度を評価することが可能です。

スプリント方式では、2週間から4週間の短期間ごとに目標を設定し、評価を行います。この短期サイクルにより、迅速なフィードバックと継続的な改善が可能です。また、スプリント終了ごとにレビューを実施し、次のスプリントに向けた改善点を洗い出すことで、持続的な成長を促進します。

アジャイル目標管理のポイントとして、チームの自己管理も重視します。チームが自己管理し、コミュニケーションを取り、相互に助け合うことで、メンバー一人一人が責任感を持って目標達成に取り組むことが期待されます。このアプローチは、組織全体の効率性を高めるとともに、個々のメンバーの成長も促進します。

想定読者である企業の管理職や人事担当者は、この情報をもとに、従来の目標管理手法を再評価し、柔軟で効果的なアプローチを取り入れることで、組織の目標達成に向けた具体的な改善が図れます。詳細な情報はこちらからご覧いただけます。

まとめ

目標管理は、多くの組織にとって必ずしも最適な選択肢ではなく、その効果や必要性を再考する時期に来ています。急速に変化する現代のビジネス環境では、従来の目標管理システムは柔軟性を欠き、真の生産性向上や従業員の成長を阻害する可能性があります。

現場のメンバーが目標管理を「時代遅れ」「無意味」「ストレス要因」と感じる背景には、システムの硬直性や個人の成長への配慮不足があります。これらの問題に対処するには、目標管理の概念を根本から見直し、より適応性の高いアプローチを採用する必要があります。

代替案として、継続的な双方向フィードバック、自律的かつ柔軟な目標設定、個人の強みを活かす成果評価システムの導入が考えられます。今求められているのは、従来の枠を超えた、組織と従業員の共進化を促す新たなパフォーマンス管理のあり方です。

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