お客様対応の目標設定とは?ポイントを徹底解説!

お客様を相手にサービスや商品を提供しているあらゆるビジネスにおいて、窓口となって顧客と直接コミュニケーションを取るのがお客様対応の仕事です。

このポジションは、お客様が企業に接する一番最初の機会となることも多いため、顧客満足度や、その企業が与える印象を大きく左右します。そのため、多くの企業が研修などを行って従業員の対応力向上に注力しています。

そんなお客様対応において、個人および人材の対応力を底上げしていくには、「何をどこまでできるようになるか」や「お客様にどのような体験をしていただくか」という大きな目標設定とそれぞれのオペレーションにおける個別の目標設定を行うことが鍵になります。

そこで今回は、お客様対応における目標設定とはどのようなものなのか、なぜ重要なのかの目的について解説し、設定時のポイントについてもご紹介します。お客様対応に従事するメンバーをを教育する立場にいる方、また自分の対応を見直し改善したい方は、ぜひ今回の記事を参考に目標管理制度に導入してみてください。

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お客様対応の目標設定が重要な理由

では、お客様対応において対応力を向上させるために、目標設定が重要な理由はあるのでしょうか?

目標設定の本質は、目に見える目標を掲げることで社員の認識の共通化を図り、チームが一丸となった取り組みを促すことにあります。お客様対応においても、この認識の共通化を行うことにより、チーム全員が目標達成に向けてこなすべき個々の役割を考え、意識的に行動できるようになります。その結果、お客様対応の品質が向上し、さらには企業への印象と顧客満足度の向上にも繋がるのです。

またお客様対応におけるKPI目標を設定しておけば、各メンバーが目標の動機づけとして行動基準を振り返り、自律的に努力し業務に向き合えるようになります。このように行った取り組みの途中経過は、数値化することによって成長度の比較も可能になります。

数値化することは、全体の進捗を把握する助けとなるだけでなく、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善)からなるPDCAサイクルの促進にも寄与します。

このように、目標設定を行うことで、よりスムーズに会社が目指すビジョンの達成へと近づくことができます。

目標設定の際に気をつける事

お客様対応の目標設定は、数字で結果が評価されやすい営業職やマーケティング職の目標設定と比べて抽象的になりがちです。

そのため、目標設定の有名なフレームワークであるSMARTの法則に含まれる「Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Related(最終目標との関連)、Time-bound(期限)」の5つの中でも、特に具体的かどうか、達成可能かどうかに気を付けるのがポイントです。

また、お客様対応という、お客様の状況によっても結果が左右するような業務においては、目標とする数値に幅を持たせることもポイントです。この章では、お客様対応に関する目標設定において、特に気を付けて欲しい3つのポイントについて、詳しく解説していきます。

具体的で測定可能なものにする

1つ目のポイントは、なるべく具体的な言葉を使って測定可能な目標を立てることです。これはSMARTの法則のSpecific(具体性)とMeasurable(測定可能)にあたります。理由としては、目標の内容が抽象的だと、後で振り返った時に今回の活動が良かったのか悪かったのかが判断できなくなってしまい、結果として活動自体が非効率なものになってしまうからです。

目標を設定する際に、「一生懸命取り組む」「頑張る」「粘り強く取り組む」といった抽象的な表現で設定してしまう事があります。しかしこのような目標では、後で振り返った時に目標を達成できたのかどうかを判断する基準がわからず、改善点を見つけることも難しくなってしまいます。そのため、目標を立てる際には、何を、どのように取り組みたいのかについて具体的に言及する必要があります。

例えば、お客様対応においては、このような目標設定となります。

「お客様のニーズを汲み取った提案や回答を行い、不安点や疑問点を一回の問い合わせで解消させる」

このような目標であれば、次の月は「一部のサービス内容について、毎回上司に確認をとらないと回答できなかったので、今一度マニュアルを確認して対応できるようにしよう」と改善点を明確に判断し、新たな目標を立てることもできます。

また、「知識を勉強し直したけれど対応時に混乱するので、サービス内容や質問への回答をのフローチャートを作成し、可視化させておこう」のように改善活動を行う事ができます。

達成可能な目標にする

2つ目のポイントは、目標を達成可能な、現実的な内容に設定することです。SMARTの法則では、Achievable(達成可能)にあたります。

目標を立てる際によくあるミスとして、達成が不可能な目標を立ててしまう事が挙げられます。しかし、達成が不可能な高すぎる数字、難しすぎる目標を設定してしまうと、目標が未達成となった場合に「何が不足していたのか」というポイントが分かりにくくなってしまいます。

例えば、「お客様対応を一分以上待たせない」のような目標を立てたとします。このような目標は対応内容にもよりますが、「1分未満で対応しなければならない」という時間制限をしてしまうことによって、達成のためにお客様の不安点が解消されない状態で、無理やり対応を終わらせてしまう可能性も挙げられます。また、しっかりと時間をかけて対応する必要のある案件が発生した場合に、対応時間が1分を過ぎてしまった時点で、その目標の未達成が確定してしまいます。

このように、達成が現実的ではない目標を設定してしまうと、未達成で終わってしまうことが多くなります。すると、目標に対して何が足りず、何を改善すべきなのかという根本的な課題への答えがわからなくなってしまい、メンバーの成長や能力強化に繋がりません。また、無理のある数字を追うことで、業務の質が損なわれる可能性があります。そのため、目標は達成できる範囲で設定するようにしましょう。

達成可能な目標を数字で設定するのが難しく感じる場合には、次に説明するマックス目標×ミニマム目標を設定するのもコツです!

マックス目標とミニマム目標を立てる

3つ目のポイントは、達成したい目標の範囲、つまり振れ幅を設定することです。一つ前の章で説明したように、目標には無理のない範囲であることによって達成までの見通しが立てやすくなるという特徴があります。また、未達成が早期に確定してしまうことによるモチベーションの低下を防ぐ必要があります。

例えば、お客様対応におけるクレーム削減を目標にしたいと考えているとします。この場合に、「クレーム0件を目指す」のような目標を掲げてしまうと、クレームが1件出てしまった時点で対応チームは未達成を確信し、それ以降はモチベーションがダウンしてしまうことが考えられます。このように、これ以上クレームが出ても、いずれにせよ未達であることに変わりはないという状況は、目標達成までに油断を生みます。

しかし、この目標のマックス目標を「クレーム0件」、ミニマム目標を「クレーム3件」と掲げ、幅を持たせた数値で設定しておけば、目標達成を実現する可能性が残ります。例えば、この設定値で月初で既にクレームが1件入ってしまったとしても、未達成は確定しません。むしろミニマム目標で達成した3件に増えてしまわいよう、対応チームはモチベーションを維持し、緊張感をもって対応に取り組むことができます。

このように、クレームのような時にコントロールが難しいテーマに関する目標設定では、マックス目標とミニマム目標を立て、達成と言える結果に幅を持たせるのがよいでしょう。

目標設定の手順

ここまでは、お客様対応における目標設定の重要性や、設定時に気を付けてほしいポイントについてご紹介しました。

では、これらのポイントをおさえつつ、実際にどのように目標を設定すればよいのでしょうか?ここでは、目標設定を行う際の一つひとつの手順について説明していきます。

1.自社のお客様対応の中で成長幅があるものを書き出す

まず最初に、お客様対応の業務の中でも改善したい・成長させたいものを書き出します。

例えば、クレーム件数が多い場合には「クレームが多いので無くしたい」のようになります。また、お客様への返信に業界平均よりも時間がかかっている場合には、「返信に時間がかかっているので、対応までの時間を短縮させたい」のように、現在抱えている問題点を改善するイメージで挙げていきます。

他にも、お客様からの意見やアンケートを参考にしたり、満足度調査によってリストアップするのもよいでしょう。

このように、成長幅があるものを具体的に言語化することにより、現状が把握しやすくなると同時に目標が立てやすくなります。

2.目標となる要素を決める

次に、最初のステップで出したポイントから、目標となる要素を3つまで決めていきます。

例えば一つ目の「クレームが多いので無くしたい」という問題においては【クレーム件数】が要素です。また、二つ目の「返信に時間がかかっているので、対応までの時間を短縮させたい」という問題では【返信スピード】が要素となります。

また、要素を挙げるのは多くても3個までにしましょう。要素が多すぎる場合には、重要度を吟味して現状で優先すべき上位3つを選びましょう。そして優先度の高い目標を達成した後に改めて、後回しにしておいた要素に対してアプローチする目標設定を行うのが理想です。

3.定量的な目標を設定する

最後に、目標を定量的に設定しましょう。定量とは、物事を数量で表すことや、数値的に分析・評価することを指します。

目標設定の際のポイントとして、「測定可能であること」が重要だと説明しました。最後のステップでは、先ほどのステップで挙げた要素をもとに、定量的な目標を掲げていきます。

例えば、一つ目の【クレーム件数】に関する目標を定量的に設定するとします。クレーム回数を減らすために立てる目標として、「お客様が疑問に感じているポイントについて的確に答えるように心がけ、クレーム件数を先月よりも50%減らす」のように、具体的で測定可能な目標を立てましょう。

二つ目の【返信スピード】に関する目標を定量的に設定するとします。現在は返信スピードが1日1件に留まってしまっている場合は、「最低でも1日に2件返信する。返信が難しい内容に関しては事例をまとめて返信テンプレートを設定しておく」のように定量的に目標設定が可能です。

このように、成長させたい課題の要点を絞り、それに対して定量的な目標を立てることで、達成のために取り組むべきことが何かが明確になります。また、人事評価の際にはこの目標達成率が指標となります。定量的に目標設定を行うことで、達成率が数字で算出できるため、より公平性のある評価が可能になります。

目標設定を行う際のポイント

では、目標設定を行う際の具体的なポイントにはどんなものがあるのでしょうか?
定量で表しにくいお客様対応ですが、いくつかのポイントを押さえることによって目標管理プロセスの効率化に繋がります。ここでは、実際の方法や例と共にご紹介します!

データの活用

目標を設定行う際には、データに基づいた設定をすることが重要です。なぜなら、お客様対応という数字を追いにくい業務においては、過去のデータを情報とすることで目指すべきものや、改善したい点が明らかとなるからです。お客様対応に関してデータ化できるものには以下の代表的な数字が挙げられます。電話でのお客様対応をメインに、窓口対応にも置き換えて活用することが可能です。

稼働率

稼働率とは、稼働時間内の対応時間を指すものです。稼働率の数値が高いスタッフは、作業時間内に多くの作業をしていると言えます。そのため、先月の稼働率を算出し、その稼働率に対して「今月は〇%上げる」のように目標を立てることが可能になります。

例えば、コールセンターでの問い合わせ対応において稼働率を算出するには、【(会話時間+後処理時間+その他時間)÷作業時間】という計算式になります。

稼働率を目標設定に組み込む際には、
「先月の稼働率75%に対して、今月は5%高い80%を達成する」のように具体的な数値として設定することができます。

稼働率は、業務時間内の効率の良さや生産性の高さとも言えます。評価制度に反映するのにもおすすめです。

応答率

応答率とは、着信件数に対してスタッフが対応した数の割合を指すものです。

応答率割合が高いスタッフほど、多くのお客様対応を行っていると言えます。そのため、先月の応答率やチームの平均応答率を算出し、その割合に対して「〇%を超える」のように目標を立てることが可能です。

例えば、コールセンターでのお客様対応において応答率を算出するには、【(対応件数÷着信数)×100】という計算式になります。

応答率を目標設定に組み込む際には、
「入社から2か月後までに、応答率90%を達成する」のように目標を設定することが可能です。

お客様が電話をかけてきたとしても、オペレーターが対応できないと断念させたり、何度も電話をかけさせたりすることになります。そのような状況では、どうしても顧客満足度の低下は避けられません。そのため、応答率に関する目標を設定し達成することが、顧客満足度の向上にも繋がるのです。

放棄率

放棄率とは着信に出なかった割合を指すもので、応答率と対になっています。つまり放棄率の数字か小さいほど、お客様対応が多く行えているということになり、放棄率が大きいほど対応が十分に行えていないということになります。

コールセンターにおける放棄率は、【着信に出なかった件数÷着信数 】or【 100-応答率】という計算式で求められます。

放棄率を目標設定に組み込む際には、
「3か月後までに毎月の放棄率を5%以下を目指す」のように、「〇%以下」というキーワードを用いて設定するのがおすすめです。

この際に、「0%を目指す」のように極端な目標を設定してしまうと、難易度が高すぎるほか、一度着信に出られなかっただけで目標達成が不可能となってしまい残りの期間のモチベーション維持が難しくなってしまいます。
のため、マックス目標とミニマム目標のポイントの通り、幅を持たせた数値の目標設定を行うよう注意しましょう。

ACW(After Call Work)

ACW(After Call Work)とは、1コールあたりに要する処理時間のことを指します。こちらもコールセンター業務はもちろん、窓口業務においても計測が可能です。当たり前ですが、処理時間が長いことによって新しいお客様の対応までの時間に影響が出る可能性も高くなります。

ACWは【合計後処理時間÷総応答件数】の計算式で求められます。

ACWを目標設定に組み込む際には、
「先月よりもACWを20%以上減少させる」「2分を超えるACWを5件以内におさめる」のように具体的に設定するのがおすすめです。

このACWに関しても、マックス目標とミニマム目標の設定ができます。

AHT(Average Handling Time)

Average Handling Timeとは、平均処理時間を指します。ACWが1件ずつの処理時間を算出しているのに対し、AHTは対応開始から対応終了までのトータル時間を表しています。AHTを知ることによって、対応しながら処理を進める場合の作業効率を把握することができます。

AHTは【(総通話時間+総後処理時間+総保留時間)÷総応答件数】の計算式で求められます。

AHTを目標設定に組み込む際には、
「AHTを先月よりも10%短縮させる」のように組み込むことが可能です。

AHTの算出では、適切なスピードで業務が行えているかだけでなく、処理プロセスや個人パフォーマンスの課題を洗い出すこともできます。

しかし、無理に通話時間を無理に短くしようとすると、お客様の満足度が低下してしまいます。そのため、AHTを改善するには、保留時間を短くするほか、後処理工程を見直しするなど、応答時間以外の時間を削減し生産性を向上させる事が重要です。

顧客満足度

顧客満足度では、お客様側が対応を通じでどのくらい満足したか、疑問が解決されたと感じるかを知ることができます。顧客満足度は、一見データ化するのが難しいようにも思えますが、工夫次第で計測をすることが可能です。

顧客満足度を測るための代表的な手段は、アンケートの実施です。アンケートでは「スタッフのお客様対応はいかがしたか?」のような質問に答えてもらう形式のオープンクエスチョンではなく、質問に対して5段階評価で答えてもらうタイプの問いかけが適切です。質問に数値で答えてもらうことにより、結果を集計した際に定量として評価をデータ化することが可能になります。

また、お問い合わせの定型文に返信いただいた回数や、課題を解決させるまでのやりとりの回数などでも判断できます。

顧客満足度に関しては、
「スタッフの対応に関する満足度を現状の3.5から3.8にアップさせる」「お客様の疑問を、オペレーターに繋いでから3往復以内に解決させる」のように設定が可能です。

ネットプロモータースコア(NPS®)

ネットプロモータースコア(NPS®)とは、顧客の親密度や満足度を測定するための指標です。ネットプロモータースコアを分析することで、顧客が企業やサービスを友人や周囲の人々にどの程度おすすめしてくれたを把握することができます。
また、顧客満足度と完全に一致するわけではありませんが、ネットプロモータースコア分析で他者への推奨度を計測し、顧客満足度の判断基準とする手法もあります。

  • 測り方
    • NPS®を測るには、「あなたはこの企業(製品/サービス/ブランド)を友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか?」という質問を行い、0~10の11段階で評価をしてもらいます。
  • 計算方法
    • NPS®スコアの計算方法は非常にシンプルで、9~10点を付けた顧客を「推奨者」、7~8点を「中立者」、0~6点を「批判者」と分類する。
    • 回答者全体に占める【推奨者の割合】から【批判者の割合】を引いて出てきた数値がNPSスコアの値となります。

顧客がサービスや商品に満足したうえで、さらに「誰かにおすすめしたい」と感じるのは、顧客本人が非常に満足してくれたことを意味します。そのため、NPS®スコアを算出し目標設定を行うことで、表面的ではない顧客満足度を追求することができます。

1on1の活用

お客様対応の目標設定を行う際には、1on1ミーティングの活用がおすすめです。

お客様対応は、他の部署に比べるとメンバー個人のコミュニケーション能力やスキルが成果に直接的に繋がる業務です。これは、裏を返せば一人ひとりの特性に合わせた個別でのサポートが必要であることを表しています。そのため、上司と部下が一対一となり対話を行うことができる1on1ミーティングは、お客様対応における目標設定にとても有効な手段となります。

1on1ミーティングでは、メンバーの良い点や悪い点、問題点、課題点などを一緒に振り返りながら目標設定をサポートすることが重要です。

部下は上司に詳しいデータを聞くことにより「現在のクレーム件数」などの数字を知ることもできます。そうすることで、本人のキャパシティに合わせて業務の質や効率性を向上させるための、具体的な改善点を見つけることができます。

問題点や課題が浮かび上がった場合には、それらに対する解決策を考える共に、必要に応じてアドバイスを行います。ただし、その際には上司が一方的に方向性を定めるのではなく、社員に自ら考えて行動してもらうことが重要です。

なぜなら、上司が一方的に介入しすぎてしまうと、部下は従うことが当たり前となってしまい、次第に業務に対する自発性や意欲を低下させてしまうからです。このような方法を続けてしまうと、目標管理を行ったつもりが、結果的に企業の弱体化を招いてしまう可能性も考えられます。

このように、お客様対応における目標設定には1on1ミーティングを活用し、個別のサポートを行うのがポイントです。1on1ミーティングによって一人一人に時間を取って向き合うことで、業務におけるつまづきや疑問点を明確に洗い出し、共に課題解決に向けた目標設定を行うことが可能になります。

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目標達成なら1on1がおすすめ

1on1ミーティングによってお客様対応についての目標設定を行った後は、1on1ミーティングによって目標管理を運用していくのがおすすめです。なぜなら、1on1ミーティングによって目標の進捗確認や目標達成に向けての行動を明確化したり、個人的に定期フィードバックを実施する機会を設けることができるからです。

また、1on1ミーティングは、リーダーとメンバーとの信頼関係を築くための重要な機会でもあります。メンバーはリーダーとのオープンな対話を通じて、自身の考えや懸念をアウトプットすることができます。その中で個人が持っている細かなノウハウを聞き出し、良いと思った点をチームで共有することが可能になります。

それと同時に、リーダーはメンバーの目標を理解し、彼らを目標達成に向けてサポートし、間接的にチーム全体の成果を最大化するために戦略を調整することができます。

このように、お客様対応における1on1ミーティングは、対応メンバーと個々で向き合い、強化へつながる要素を探し出すことができ、効果的な行動を開拓できる方法の一つです。

ここでは、1on1ミーティングでの目標設定によって期待できる2つのメリットについてご紹介していきます。

最初の目標設定でミスをする可能性が減る

1つ目のメリットは、目標設定でのミスを最小限に抑えられることです。なぜなら、1on1ミーティングでは個々の対応メンバーのスキルや能力に合わせた目標を設定することができ、実力に対して高すぎる目標を設定してしまうミスや、その後の達成計画におけるズレの発生を最大限防ぐことができるからです。

例えば、お客様対応メンバーが個々に目標設定を行ったものの、その目標の内容が曖昧であったり、難易度が高すぎるものだったとします。すると、メンバーが成長や達成を実感できないほか、対応メンバーそれぞれの業務レベルにも差が出てしまいます。

このように、適切でない目標を最初に設定してしまうと、根本的に目指すべきものが適切でない可能性も発生してしまいます。すると、達成までの段階で上司やマネージャーがサポートに入った場合でも、指導やサポートを有効に行いメンバーの能力を育てることが難しくなります。

そのため、最初の目標設定の段階が重要なポイントとなります。1on1ミーティングでは対応メンバーと個々に面談を行い、それぞれの能力やスキル、キャパシティを正しく理解することができます。能力やスキルを理解し、現状と比較した上で適切な目標を設定することによって、達成までの計画が立てやすくなり、目標達成時の成長度も確かなものとなります。

このように上司やマネージャーが本人のポテンシャルを把握し、適切な目標設定をサポートできるのが、1on1ミーティングを行うことのメリットといえます。

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途中で振り返る事で、改善活動ができる

2つ目のメリットは、1on1ミーティングによる振り返りによって、計画の途中でも改善活動が行える点です。なぜなら、1on1ミーティングによってメンバーは自分の到達度を客観的に把握することができ、一人ひとりに合わせたアドバイスも行いやすくなるからです。

例えば、1on1ミーティングを行わずにチームでの複数人によるミーティングしか行っていなかったとします。チームでのミーティングによる振り返りでは、発言が多いメンバーと少ないメンバーに差が出てしまうため、トラブルや不安点を主張したり質問できないメンバーはその問題を抱えたまま達成まで進んでいくことになります。

また、自分では上手くいっていると実感しているメンバーの仕事でも、客観的にどのくらいの進捗なのか、達成までに余裕があるのかは、経験のある上司やマネージャーの視点から見ると不足している点や、本人が気づいていないリスクが隠れている可能性もあります。

しかし、1on1ミーティングではメンバーの良い点や悪い点、問題点、課題点などを個別に振り返りながら目標達成をサポートすることが可能です。特にお客様対応は個人の特性が直接的に結果となる業務であるため、チーム単位でのサポートよりも個別でのサポートが行える点が大きくメリットとなります。
また、達成までの進捗には個人差があります。その個人差に合わせて柔軟な対応が可能になることで、目標達成の可能性をアップさせることができます。

このように、1on1ミーティングで個別での振り返りと業務改善へのアドバイスが行えるという点は達成までの過程においてもメリットとなります。


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お客様対応の目標設定の例

では、実際のお客様対応における目標設定の例をいくつかご紹介します。
ここでは対応時間に関する目標、クレームに関する目標についてご紹介します。

対応時間に関する目標設定の例

  • お客様からの問い合わせに対する初回返信時間を24時間以内にする
  • 先月の稼働率75%に対し、今月は80%以上を目指す
  • お客様の平均待ち時間を5分以内におさめる

クレームに対する目標設定の例

  • 週1回チームでのロープレを行い、クレーム発生率を先月より10%減らす
  • 前年度のクレームに対するPDCAを実施して、同様のケースの発生を年間5件以下にする
  • お客様対応の録音から月1回のフィードバックを行い、顧客満足度を前年度より20%上げる

まとめ

この記事では、どうしても抽象的になりがちな、お客様対応に関する目標設定について解説しました。お客様対応によって顧客が感じた満足度は、やがて自社の業績を左右する要素の一つでもあります。

お客様対応は営業職やマーケティング職に比べて定量化が難しく、目標管理も難しいと感じてしまう人も多いかもしれませんが、ここに書かれているようにデータを活用することによって具体的な設定も可能になります。

また、個々のコミュニケーションスキルや処理能力が直接的に結果に繋がる業務でもあります。1on1ミーティングや管理ツールの活用によって、マネジメント担当者がメンバーのポテンシャルを伸ばせるかどうかも重要なポイントです。

お客様対応で適切な目標設定ができているかを見直し、ぜひ結果に繋がる組織のメンバー育成に取り組んでみてください!

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