週報や日報は、業務の進捗状況把握や、目標達成へ向けた行動の見直しにおいて重要な役割を果たします。
しかし、提出すること自体が目的となってしまうと、週報が単なる作業となってしまうと
「週報って意味があるの?」
「週報は時間の無駄ではないか」
と感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
週報を効果的に活用するためには、書き方のポイントや活用方法をしっかりと理解しましょう。そして、自社に適した週報の活用方法を見つけることで、より生産性の高いチームを実現しましょう。
週報の目的
週報は正しく意味を理解して行っていないと、ただの作業となってしまいます。作業化してしまうと、週報そのものがストレスとなってしまうでしょう。
一方で、週報の目的を理解し、活用できれば、目標達成のための重要なツールとなり得るのです。まずは週報の目的を正しく理解しましょう。
週報の目的は大きく分けて以下の4つです。
- 業務の進捗状況の共有
- 部下の状態把握
- 目標達成の支援
- 情報とナレッジの蓄積
本パートでは、上記の週報の目的について解説します。
また、週報や日報を営業の業績向上につなげたいという目的がある方は下記の記事も確認してみてください。
業務の進捗状況の共有
週報を取り入れる目的の1つ目は業務の進捗状況の共有です。
週報で1週間分の業務内容・成果を記入することで、業務の進捗状況が会社内で共有されます。
社内で進捗状況が共有されることで、無駄な情報共有のやり取りをなくすことができるため、最適なコミュニケーションを取ることができます。
また、業務の進捗状況が可視化されることで、目標達成へ向けて今後注力すべき業務が明らかとなるでしょう。
部下の状態把握
週報を取り入れる目的の2つ目は部下の状態把握です。
週報により、部下の仕事の進捗状況や成果がわかることで、部下の状態把握に繋がります。
それにより、「今、部下が何に悩んでいるのか?」「どの工程で進捗が遅れているのか?」を知ることができるため、部下へのサポートが行いやすくなります。
目標達成の支援
週報を取り入れる目的の3つ目は目標達成の支援です。
週報により、1週間分の業務の進捗状況や成果が可視化されると、目標達成への道筋が立てやすくなります。まとまった時間で進捗状況を確認できるため、修正するべき点が見つかりやすくなります。
それにより、目標達成へ向けた道筋を最適化していけるため、より成果に繋がりやすくなります。
情報とナレッジの蓄積
週報を取り入れる目的の4つ目は情報とナレッジの蓄積です。
週報により、目標達成への道筋を軌道修正し、失敗や成功を繰り返すことで、社内の貴重なナレッジとして蓄積することができます。
また、社内で高い成果をあげる人が「どのような思考のもと、どのような行動をとっているのか」が明らかとなるため、今後の新卒育成にも活かすことができるでしょう。
そのため、週報は振り返った時に情報として見やすく整理されている必要があります。
週報と日報の違い
日報は日々の業務を細かく記載するのに対して、週報は1週間という単位で業務の大まかな流れを見ることができます。
週報では、社員の日々の状態がわかりませんが、日報は業務内容だけでなく、社員のモチベーションや体調の「見える化」、コミュニケーションの活性化といった役割もあります。
また、日報は毎日提出するため、一般的には新人などより管理やサポートを必要とする人が使用し、週報はある程度業務に慣れたメンバーに対して使用すると言われています。
日報の意義や活用方法については、下記の記事を確認してみてください。
日報と比較したメリット
日報と比較した週報のメリットは以下の通りです。
- まとまった時間で業務の進捗状況の流れを確認できる
- 目標達成への道筋が描きやすくなる
- 1週間に1度で良いため、時間が短縮される
週報では日報に比べ、まとまった時間での成果を確認できるため、目標達成に向けて現状の道筋が適切であるのか、振り返りやすくなります。
それにより、目標達成へ向けた課題が見つかりやすくなるため、より成果を出すための施策を練ることができるでしょう。
さらに、週報では提出が1週間に1度のみなため、社員にとって書く手間や時間を減らすことができます。
日報と比較したデメリット
一方で、週報は日報に比べてデメリットもあります。日報と比較した週報のデメリットは以下の通りです。
- 部下が困っている時にすぐに気づけない
- 部下の行動が、本来取るべき行動とずれていた時の修正が遅れてしまう
- 部下の日々の思考を把握することができず、PDCAが回しにくい
週報では、1週間に1度のみの提出なため、上司が部下の思考や活動状況をすぐに把握できません。
部下の行動が注力すべき行動からそれてしまっていたとしても、修正が遅れてしまうため大きな時間のロスとなるでしょう。
また、上司からの進捗状況の確認が1週間に1度になるということは、部下が必要としている時にサポートできない可能性があります。
自ら積極的に上司に質問することができない部下にとっては、すぐに上司からのフィードバックをもらえない状況が続くと精神的負担も大きくなってしまうことでしょう。
週報の書き方基本構成
週報を書き始めるにあたり、何から書き始めたら良いかわからなければ、必要時間に週報を書く作業に時間を費やしてしまいます。
週報を書く際に押さえておきたい基本要素は以下の通りです。
- 目標
- 業務内容・成果
- 振り返り・次週の目標
書き方の基本構成を理解することで、週報を書く所要時間を短縮しましょう。
日報の書き方について知りたい場合は以下を参考にしてみてください。
目標
まず、1週間後に達成したい目標を設定する必要があります。
長期的な目標達成に向けて、この5日間でどのように作業を進めればよいのか理想状態を明らかにしましょう。
1週間後の成果達成のために、5日間で作業を進めることができます。
毎日目標を設定すると、管理されているように感じてしまう方もいるようですが、1週間単位での目標設定であれば「管理されている感」を減らすことができるでしょう。
業務内容・成果
次に、5日分の業務内容や・成果を具体的な数値とともに記載する必要があります。
日付ごとに業務内容と成果を記入することで、5日分の流れをまとめて振り返ることができます。
振り返った時にわかりやすくするために、具体的な情報を箇条書きでシンプルに記載しましょう。
振り返り・次週の目標
最後に、5日分の業務内容を成果をから得られた気づきや改善点などを振り返り、次週の目標設定を行う必要があります。
週の始まりに立てた目標を達成できていなければ、具体的にどのような行動や考え方が不足していたか明らかにした上で次週の目標を設定します。
振り返りと次の目標設定を繰り返し行い、改善していくことでより質の高いアウトプットができるようになるでしょう。
書き方のポイント
週報は、具体的かつシンプルに書く必要があります。週報を書く上で意識すべきポイントは以下の通りです。
- 5W1Hを意識する
- 事実と所感を分ける
- 具体的な定量情報を記載する
これらのポイントを意識し、シンプルであり、かつ誰が見てもわかりやすい週報を目指しましょう。
5W1Hを意識する
週報を書く際には、5W1Hを意識する必要があります。
5W1Hとは、以下の通りです。
- Who(誰が)
- What(何を)
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
5W1Hに沿って書くことで、情報の過不足に気づくことができます。
相手に情報が誤解なく伝わるため、時間や手間を取られない上手なコミュニケーションが可能になります。
また、書き手自身も、情報の趣旨を見失わず書くことができるため、思考が整理しやすくなります。
事実と所感を分ける
週報を書く際には、事実と所感を分ける必要があります。
事実とは、実際に起こったことであり、誰が見ても同じ結果になるものです。
一方、所感とは、誰かが感じたことであり、人によって解釈が異なります。
例えば、所感のみ記入するとこのようになります。
「自身の知識不足により十分な説明ができず顧客を怒らせてしまった。」
これでは、相手から何を求められて、どのような回答をした結果、相手がどのような発言をしたのかが第3者からするとわかりません。
そこで、所感を事実とともに記載することで、第3者からも状況がわかりやすくなり適切なフィードバックが行えるようになります。
事実と所感をどちらも記載すると以下のようになります。
「顧客の〇〇様から△△について知りたいと要求された。△△についての自身の知識不足により、△◯と回答した。すると、顧客から、別の相手に変わって欲しいと言われた。(事実)
相手が欲しい情報をすぐに提供できず、信頼を失ったと感じた。(所感)」
事実が記載されることで、所感のみの記載ではわからなかった要因や背景が明らかとなります。
そのため、より現状から目標達成に向けた課題を見出すためにも、事実と所感の両軸で記載する必要があるでしょう。
具体的な定量情報を記載する
週報を書く際は、業務内容だけでなく、どのような成果を上げたかを具体的な数字とともに記載する必要があります。
数値としての定量的な結果があることで、課題が発見しやすくなり次週の目標が立てやすくなります。
また、定量的な結果が見えることで、上司はサポートやフイードバックが行いやすくなるでしょう。
週報を読む上でのポイント
週報は、書き手だけでなく読み手が存在することで効果を発揮します。
より週報を成果につなげるためにも、読み手が行うべき行動は以下の3つです。
- フィードバックを行う
- 部下の状態を把握し、必要に応じてサポートする
- 目標達成へ向けた行動ができているか整理する
週報が取り入れられていても、なかなか成果に繋がらないと悩んでいる方は、書き方の工夫だけでなく、読み手側の行動も一度整理しましょう。
フィードバックを行う
読み手は、週報を受け取ったらフィードバックを行うことが重要です。
週報を書いたとしても、なんのリアクションも得られなければ部下は書く意欲を失ってしまいます。
フィードバックは、できるだけ週報を受け取った後すぐに行うことが大切です。それにより、部下が次の行動に繋げやすくなります。
また、フィードバックを行う際は、相手の行動を支持する形ではなく、部下の目標達成へ向けた思考を促すような形で行いましょう。
部下の行動を縛ってしまうのでは、部下の考える力を奪い、主体性をなくしてしまいます。部下が自走できる状態を目指し、部下が考えるべきポイントの助言を行いましょう。
部下の状態を把握し、必要に応じてサポートする
読み手は、週報を受け取ったら部下の状態をしっかりと理解し、必要に応じてサポートを行うことが重要です。
週報を通して部下の活動状態や思考が明らかになると、場合によっては個別で声かけや1on1を実施する必要が生まれることがあるでしょう。
週報を活用し、部下のサポートに回ることで、良好な信頼関係を築きましょう。
目標達成へ向けた行動ができているか整理する
読み手は、週報を受け取ったら、目標達成へ向けた行動ができているか整理することが重要です。
週報では1週間分というまとまった時間での成果や業務の流れを可視化できます。得た情報をもとに、今後どのように進めば目標達成できるのかを整理しましょう。
テンプレートを使用するべきか
上記で解説した週報で書く際の構成要素・ポイントを抑えたテンプレートは以下の通りです。
今週の目標: 【○月○日(月)】 業務内容・成果・所感 【○月○日(火)】 【○月○日(水)】 【○月○日(木)】 【○月○日(金)】 【今週の成果】 1週間分の成果のまとめ 【振り返り】 目標に対し、1週間の行動や成果が適切だったかの振り返り 【次週の目標】 |
テンプレートの使用には、メリットとデメリットがあります。自分の組織ではどのような活用の仕方が適しているのかをぜひ考えてみてください。
テンプレートを使用するメリット
テンプレートを使用するメリットは、短時間で効率的に記載漏れがない週報を作成できるということです。
大まかな形式が決まっていれば、内容を埋めるだけになるためより短い時間で週報を作成することができます。
また、確実に記載して欲しい項目を漏れがなく記入してもらうことが可能になります。そのため、全社員から必要な情報を週報により得られることができるのです。
テンプレートを使用するデメリット
テンプレートを使用するデメリットは、他の内容をコピーするように社員が深く考えずに週報を記入するようになってしまうことです。
テンプレートで決まった項目を埋めるだけとなってしまうと、書くことそのものが作業化してしまい、週報がただの情報共有のツールとなってしまう恐れがあります。
また、部署によってミッション、目標、業務内容が異なるため、それぞれに合ったテンプレートを使用しなければ、週報そのものが意味のない作業となってしまいます。
そのためテンプレートを使用する際は各部署に合ったものを作成することが重要です。
週報の作成に使うツール
週報を取り入れるにあたっては、週報の意義が最大限発揮できるツールを使用するとよいでしょう。
ツールを選ぶ際の基準は以下の通りです。
- 週報が社内で共有されるか
- 上司からのフィードバックに適したツールか
- 場所を選ばず作成できるか
これらのポイントを意識した上で、自社にとって適したツールを取り入れましょう。
Excel・Word
週報の作成に用いるツールとして、Excelやwordが挙げられます。Excelやwordの使用に慣れている方は、週報としても気軽に取り入れやすいでしょう。
しかし、Excelやwordでは、過去の情報が振り返りにくかったり、上司からのフィードバックに気づきにくいといったデメリットがあります。
さらに、Excelやwordで記入したものをその後メールなどで共有する必要があるため、2度手間となってしまいます。
Excelを使用するメリットやデメリットについては以下の記事で詳しく解説しています。
メール
週報の作成に用いるツールとして、メールが挙げられます。
パソコンからだけでなく、スマートフォン等の携帯端末からも記入できるため、移動しながらでも効率よく週報を書き進めることができます。
しかし、メールだとチーム全体に共有したり、フィードバックをもらうことに手間がかかってしまいます。
日報や週報管理用のツール
週報の作成に用いるツールとして、日報や週報管理用のツールが挙げられます。
専用のツールを使うことで、情報の一元管理やチーム全体への共有が容易になります。部下の行動や成果といった情報が振り返りやすくなることで、上司もフィードバックを行いやすくなります。
また、ツールによってはスマートフォン等の携帯端末からの記入も可能なため、週報を移動しながら記入することができ、週報に割く時間を短縮することができます。
日報や週報管理用のツールを比較した記事を以下に記載します。自社に適したツールを見つける際の参考にしてみてください。
週報・日報ならCo:TEAM(コチーム)
週報を活用するツールの1つとして、Co:TEAM(コチーム)を紹介します。
コチームは「日報・タスク管理・目標管理」の3つの機能を1度にできるマネジメント業務支援ツールです。
週報や日報を記入する際に必要な「業務内容・成果」の記入と「個人の所感」をそれぞれ分けて振り返ることができるため、情報の蓄積や共有が行いやすくなります。
部下の業務内容や活動状況を、時系列でわかりやすく管理できるため、上司からのフィードバックも行いやすくなるでしょう。
まとめ
週報は、取り入れたいと考えていても書き方がわからないという方も多いのではないでしょうか。
しかし、週報は書く際の要点やポイントをしっかり抑えることで、会社の目標達成のための貴重なツールとすることができます。
週報で自身の行動を振り返ることは成長につながるため、研修や新人の育成にも効果的でしょう。
日報と日報のどちらが適しているのかは、会社や業種によって異なります。自社に合う方法を用いて、より生産性の高いチームを目指しましょう。
お役立ち情報
-
全170P超の目標マネジメントパーフェクトガイド近年増えている目標マネジメントへの不安を解消するあらゆる手法やマインドなど目標管理の全てが詰まっている資料になっています。
-
【100P超のマネージャー研修資料を大公開!】マネジメントと1on1って何ですか?「これさえ実践すれば間違いないという具体的なHOW」に焦点をあてて、マネジメントや1on1を実践できる内容となっています。
-
【全260スライド超】メンバーの成長・マネジメントを最適化させるプロが実践する1on1パーフェクトガイド組織開発・1on1 ・評価の設計運用で 100 社以上の企業に伴走してきた弊社の知見をもとに作成したガイド資料になります。