リモート・オンラインでの1on1のやり方やコツを解説!
近年、優秀なマネジメント方法として注目されている1on1ですが、対面のみではなくオンラインでの需要も高まっています。
リモートワーク環境での1on1のやり方やテクニックなど、具体例なども交えて解説していきます。
目次
1on1とは?
1on1ミーティングとは、マネージャーとメンバーで定期的に一対一で面談を実施するマネジメント制度のことです。アメリカのシリコンバレーで最初に導入され、近年では日本でも非常に優秀なマネジメント手法や人材育成方法として注目されつつあります。
会社の課題を解決して成長するという最終的な到達点のために、まずは個人やチームごとの目標達成力やスキルを強化するという目的で実施されることが多いです。
テレワークで1on1が重要視されるようになった理由
テレワークの普及に伴い、昨今1on1による人材育成や人材管理が重要視され始めています。
テレワークはオフィスで顔を合わせながら仕事を進めるということができないため、部下の仕事の進捗状況や課題が可視化しづらくなってしまっています。そこで定期的に1on1を通して部下とコミュニケーションを取ることで、部下の現状を把握しながら仕事のサポートや管理ができるのです。
テレワーク時の1on1のメリット
リモートで1on1を行うメリットについて、代表的な3つを紹介していきます。
- コンディションが把握できる
- 信頼関係の構築
- エンゲージメントの向上
コンディションが把握できる
リモートで1on1を行うメリットの一つに、「部下のコンディションが把握できる」というものがあります。
リモート環境では、たとえ部下が仕事で詰まってしまっていたり不安を感じるような状況にあったとしても、上司側がそれを察知しづらくなってしまいます。部下が自分から申告できるような関係性を上司と築けているのであれば問題はありませんが、マイナスな本音や悩みの相談というのはなかなかしづらいのも事実です。
そこで1on1を導入することによって、定期的に必ずコミュニケーションを取る機会を作ることができるため、そのような部下の状況を「見える化」することができるのです。
信頼関係の構築
リモートで1on1を実施することにより、メンバーとマネージャーの間に信頼関係を構築することができます。
リモート環境では、ただでさえ十分とはいえないマネージャーとメンバー間でのコミュニケーションがさらに少なくなってしまうため、毎日対面で顔を合わせる業務スタイルに比べて良い関係性が築きにくくなってしまいます。
1on1は、メンバーがマネージャーに話を聞いてもらったりアドバイスを貰うことで親密さを向上させられるだけでなく、キャリアや業務について豊富な経験に基づいた的確なアドバイスやフィードバックを得ることによってマネージャーへの信頼やリスペクトを生む効果もあり、コミュニケーション不足を補うにはうってつけの方法です。
また、もちろん1on1の内容の質も大切ですが、対人間の好感度においては「単純接触効果」という関わる量がそのまま好感度の向上に繋がるという心理効果が働くため、「とりあえず形だけでも1on1を何度か実施してみる」というだけでも信頼関係の構築にプラスに作用します。
エンゲージメントの向上
また、1on1を実施することにより、会社全体でエンゲージメントを向上させることができます。
1on1は企業の使命や経営理念などを定めた「ミッション・ビジョン・バリュー」を浸透させやすく、またメンバーの心理的安全性を確保する効果もあるため、従業員のエンゲージメントを向上させるのに非常に効果的です。
1on1とエンゲージメントについては以下の記事で詳しく紹介しているので、気になった方は参考にしてみてください!
リモート1on1で気を付けること
リモートで1on1をする際に気をつけるべき点についていくつか解説します。
1on1はメンバーが話しやすい雰囲気づくりが何よりも大切なので、メンバーのモチベーションを低下させるような行動をしないように気を付けてみましょう。
- 沈黙にならないように準備する
- 他の作業をしないようにする
沈黙にならないように準備する
リモート1on1で気をつけること1つ目は、「沈黙にならないように準備する」です。
1on1は比較的新しい施策であり、「何を話せば良いのか分からない」と思ってしまうこともあるかもしれません。しかし、30分という限られた時間をいかに有意義に設計できるかが1on1の質、ひいては1on1を通して日頃の業務の質や目標達成の程度にも影響してきます。
「1on1で何を話せば良いのか分からない」という方は、ここから1on1の進め方や具体例についても解説していくので、最後まで読んで参考にしてみてください。
↓以下の記事でも詳しく解説されています!1on1で「話すことがない」から脱却する方法
他の作業をしないようにする
リモート1on1で気を付けること2つ目は、「他の作業をしないようにする」です。
近年、マネージャーは自身の業務を遂行しながら部下のマネジメントも担う「プレイングマネージャー」であることがほとんどで、業務量が膨大であったりスケジュールがタイトに設計されていたりと非常に多忙になってしまっています。
そのため、そのような状況では他の作業と並行しながらの「ながら1on1」をしてしまっている場合があるかもしれません。
しかし、1on1を片手間で行うような姿勢はメンバーにもなんとなく伝わってしまうものであり、他の業務と並行しながらの「ながら」行動はメンバーの1on1へのモチベーションを削いでしまうことになるので止めましょう。
また、せっかく話している内容に対してマネージャーが真摯に耳を傾けていないと感じてしまうと、1on1をやる意味を見いだせなくなってしまうリスクもあります。
リモートで1on1を運用するコツや実地ポイント
実際にリモートで1on1を運用する際のコツや実施ポイントについて、いくつか解説していきます。
- 1on1のおすすめの頻度と時間
- 1on1で話した内容をメモする
- 話す内容(アジェンダ)を事前に決めておく
1on1のおすすめの頻度と時間
最もおすすめの1on1の頻度と時間は、「週1回30分」です。
週1回30分の面談は決して軽いものではなく、スケジュールの面で負担に感じてしまうかもしれません。しかし1on1は定期的に実施することこそが肝であり、頻度を落としたり間隔を空けてまうと得られるはずのメリットが半減したり目標達成が遠のいてしまう等のリスクがあるため、週1回のペースは保つようにしましょう。
また、人間が集中できる時間は45分が限界であると言われており、よって30分という時間が設定されることが多くなっています。
↓1on1の最適な実施頻度と時間について詳しく知りたい方はこちらから!
1on1で話した内容をメモする
1on1で話した内容はきちんとメモなどに記録しておきましょう。
1on1では、部下の進捗状況や目標達成状況のみならず、仕事に対する姿勢や適性などを知ることができます。
そのような情報はお互いに自己開示して信頼関係を構築したり、また部下の仕事のサポートをする上でも非常に有用なので、忘れないように記録しておきましょう。
話す内容(アジェンダ)を事前に決めておく
1on1を開始する前に、話す内容(アジェンダ)を事前に決めておきましょう。
1on1に慣れていたり、既に良い信頼関係が構築できているために話題が尽きない場合を除いて、しっかりと話すべきアジェンダを用意しているに越したことはありません。沈黙が続いたりすぐに話すことがなくなってしまうような話題選びをしてしまうと、1on1への苦手意識にも繋がりかねません。
もしアジェンダの選定に自信がない場合は、以下のようなアジェンダリストを参考にしてみるのも良いかもしれません。
↓おすすめの1on1のアジェンダ9選
リモートで1on1を上手に運用するテクニック
リモートで1on1を上手に運用するテクニックについて、基本は対面での1on1と同じになります。
どれも「メンバーが話しやすい雰囲気を作って話を引き出す」ことにおいて非常に重要なポイントなので、ぜひ実践してみて下さい。
- 部下の話を最後まで聞く
- 承認の時間を設けてメンバーが話しやすくする
- クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける
部下の話を最後まで聞く
リモートで1on1を上手に運用するテクニック1つ目は、「部下の話を最後まで聞く」ことです。
部下の話を途中で遮ったり、あるいは早合点して結論を出してしまうと、「きちんと話聞いてくれていない」と思わせてしまう原因にもなり、会話のモチベーションを削いでしまいます。部下の話を聞く上で訂正やアドバイスを入れたくなったとしても、話が締めくくられるまでは口を挟まずに傾聴に徹するようにしてみましょう。
部下に対して「貴方の話を聞きたい」という真摯な姿勢を見せることで、自ずと積極的に発言してくれるようになるでしょう。
↓傾聴について詳しくはこちら!
承認の時間を設けてメンバーが話しやすくする
リモートで1on1を上手に運用するテクニック2つ目は、「承認の時間を設けてメンバーが話しやすくする」ことです。
一般的に、日本人は「3回承認して1回アドバイスを行う」というやり方が一番合っていると言われており、これを「Good Good Good moreの法則」と言います。この「3回承認して1回意見やアドバイス」を実践するために、部下が話してくれる業務の振り返りや相談内容などについて、基本的には承認して部下の心理的安全性を確保した上で一言アドバイスや意見を挟むようにしましょう。
また、アドバイスについても、「指摘ではなく提案形式で投げかける」ことで、角を立てずにすんなりと受け入れてもらうという対話のスキルがあります。
例えば、「この資料だと〇〇についての情報が不足しててダメだよね」ではなく「○○について情報をもう少し盛り込んだら分かりやすくなるんじゃないかな?」というように、命令や指示として思考停止的に受け入れさせるのではなく、あくまで提案として投げかけることで、部下が自身で考えて納得した上で決定したという認識を持ってもらうことができます。
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クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける
リモートで1on1を上手に運用するテクニック3つ目は、「クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける」ことです。
クローズドクエスチョンとは選択肢の中から回答を選ぶ質問形式で、相手が気楽に回答できる反面、回答の内容が制限されてしまうというデメリットもあります。また、オープンクエスチョンは自由に内容を考えて回答してもらう質問形式であるため、内容の幅が広がりやすいという特徴があります。
最初に話題や深堀りしたいポイントを模索する際にはオープンクエスチョンで相手の大きい範囲でおおよその関心を特定し、その後はクローズドクエスチョンも織り交ぜながら行うべきアドバイスや支援を絞っていきましょう。
リモート1on1の具体例
ここでは、リモートでの実際の1on1の会話例を参考にして、良いポイントや意識すべき点をおさらいしてみましょう。
以下は予算を大幅達成している営業のメンバーと、そのメンバーの成績を評価しながら、且つチーム全体での目標達成にも繋げたいと考えているマネージャーとの1on1のケースにおける会話例になります。
1on1の目的が「チームとしての売り上げアップ」であることを念頭に置きながら、会話を確認していきましょう。
実際の1on1の会話例
上司)お疲れ様!今月も予算ハイ達成しそうで、絶好調だね!
部下)ありがとうございます!
上司)他のメンバーも部下さんくらい優秀だったらチームとしても嬉しいんだけどね
部下)自分もまだまだですよ
上司)ちなみに部下さんの中で、達成できた理由ってわかってたりするの?
部下)そうですね、結構、基礎基本のことかもしれないのですが、
自分は人材紹介会社に転職してきて1年ではあるものの人事の方の気持ちがまだまだ理解できていなかったなと思ったので、人事の方が読みそうな記事とかを読んでみたのが良かったかもです。
上司)おお〜!!お客様の気持ちになるのはいいことだね!他にもやったことってあったりする?
部下)お客様と良い関係を構築できるように気は遣っていた気がします。
上司)いいね!具体的にはどんなことしてるかとかって言語化できたりする?
部下)色々やっていた気はするんですけど、目の前のことで精一杯だったので言語化できないかもです。
上司)そうだよね!先月、残って資料作成していた気がしていて、資料にこだわっているのかな?と思ったけど合ってたりする?
部下)あ!確かに、資料は結構こだわっているかもです!
お客様との面談の時に、良い資料を出せたらお客様に信頼してもらえるかなと思ったので!
上司)いいね〜!もしよかったらAさんの作った資料を他の社員に展開してもよかったりする?
できれば、資料のポイントを解説してもらえると嬉しいかも
部下)恥ずかしいですけど、チームのためならもちろんです!
上司)ありがとうね!Aさんがチームのために動いてくれてるところは、自分もちゃんと評価に入れれるようにしようと思っているから、今後もAさんの個人のハイ達成だけでなく組織でのハイ達成に貢献してくれると嬉しい!
部下)承知です!これからは組織にも貢献できるように仕事に取り組みますね!
会話の中に含まれていたポイント
では、会話の中に含まれている良かった点を一つずつ解説していきます。
- 承認による良い雰囲気づくりができていた
- マネージャーの質問で部下の考えを引き出せていた
- マネージャーが今回の1on1の話すテーマを準備していた
1.承認による良い雰囲気づくりができていた
まず会話の掴みから、メンバーの成績に対する称賛から始めています。メンバーが話しやすくなるような空気づくりに最初から成功すると、その後の1on1の雰囲気や会話の質、量が確実に良くなるでしょう。
2.マネージャーの質問で部下の考えを引き出せていた
様々な角度から質問をすることで、部下の考えや意見を十分に話してもらうことに成功しています。
また、早合点せずに部下の話に傾聴し、相槌や承認を適宜使用することで、部下の話を最後まで引き出せていますね。
3.マネージャーが今回の1on1の話すテーマを準備していた
メンバーに対する質問をいくつもスムーズに行っていたり、またメンバーのノウハウを活用する提案を練ってきたりと、あらかじめ1on1の準備をしていたことが伺えます。]マネージャーが淀みなく質問や提案をしてリードすることで、スムーズ且つ質の高い1on1の進行を可能としています。
リモートで1on1を実践するならCo:TEAM(コチーム)!
1on1にはこのように意識すべきポイントやテクニックが多く存在しますが、1on1のための総合ツール「Co:TEAM(コチーム)」なら、簡単に質の高い1on1を実現することが可能です!
- 定期的なスケジュール設定/管理
- 1on1のメモを書き、保存する
- 1on1で話す内容を準備する
など、1on1の面倒な工程をすべて解決することができます。
まとめ
1on1は、リモート環境においても対面での実施と遜色ない効果が期待できる優秀なマネジメント方法です。
もし、1on1の実施について「注意すべきポイントやテクニックが多く導入コストが高い」と感じてしまう方には、テンプレートの整備や1on1ツールの導入をすることで、工程をぐっと楽にしながら質の高い1on1を実現することができます。
なるべく現場の負担を減らしながら1on1を上手に活用して個人の目標達成に繋げ、さらにはチームや会社全体での目標達成力の強化を目指してみましょう。
1on1支援ツールの「コチーム」では1on1のよくある困りごとを簡単に解決できます!
- 1on1のスケジュールを何度も設定する
- 毎回1on1のアジェンダを決めるのに時間がかかってしまう
- 1on1の記録の管理が面倒くさい
- 従業員がどんな1on1を実施しているのか把握できない
- 1on1で話した内容をチャット形式で簡単に記録・管理・保存できる!
- 1on1で話すことに困らないアジェンダテンプレート機能!
- 1on1の対話を深める質問を提案するAIアシスト機能!
- 1on1の実施率・アジェンダの使用率がわかる分析機能!
- 従業員の特徴に応じたコミュニケーションを促進するソーシャルスタイル診断機能!
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