1on1ミーティングのやり方とは?効果的な方法や進め方の流れを徹底解説!

国内では1on1ミーティングの導入が進んでおり、人事施策として有名になりつつあります。日本の人事部が2020年に調査したところ、1on1ミーティングを「導入している」(42.2%)は4割超で、「導入していない」(53.1%)が過半数を占めるという結果となっていました。 

しかし、「1on1をやりたくない」「1on1の効果がマネージャー毎に大きく差が出ている」のような声も多く耳にします。特に1on1をやる背景や目的のすり合わせができずに失敗する会社は、とても多いです。

そのため、本記事では1on1のやる背景や目的、メリットについて網羅的に解説したのち、1on1のやり方とコツについて実践で使えるような形で解説します。

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目次

1on1ミーティングとは?

1on1ミーティングとは、「上司と部下1対1が定期的に行う個人面談」です。

上司と部下が一般的ですが、先輩社員と後輩社員という具合に、組織の経験者が経験が浅い方に対して行うケースもあります。

1on1ミーティングの目的は、部下の成長や心理的安全性の醸成、離職防止など、多岐に渡ります。そのため、目的を見失うことのないように、1on1の目標と対話内容(話す際に気をつけるポイント)を事前に準備しておくことが重要です。

1on1ミーティングをしておけば、会社のコミュニケーション課題が簡単に解決されると理解されている方もいますが、1on1は業務時間も削られますし、目的に沿って実施しないとメンバーとマネージャーがお互いに気まずい思いをして逆効果になることもあります。

そのため、一般的なミーティングと同様に、テーマやゴール設定のない1on1ミーティングは効果が出ないことを心得ておく必要があります。

そもそも1on1についてより知りたい方はこちらの記事をご覧ください

評価面談との違い

1on1ミーティングは、上司と部下の1対1の面談であることから、人事評価面談と同じものだと考えてしまいがちです。しかし、実際は1on1と人事評価面談は大きく違います

人事評価面談では上司が主体となり、上司が適正な評価を下すために部下に質問を行います。部下に対して一方的に評価を行い、目標や進捗について確認することが主な目的となります。部下が持つ悩みの解消などは面談の場で重視されません。

それに対して1on1では部下が主体です。評価や業務管理を目的とした評価面談とは異なり、1on1は部下の成長をサポートすることを目的としています。1on1を通じて、上司は部下がどんな将来像を描いているのか把握しそれを支援したり、部下が持つ悩みの解消をしたりします。

また、実施する頻度も大きく異なります。評価面談は通常、四半期や半期に1回行うケースが多いです。
一方、1on1は週1または、月に1回は実施します。四半期や半期に一度では、なかなか部下が持つ悩みや課題をリアルタイムで把握できません。

1on1と人事評価面談の違いとしては、主体が部下と上司のどちらかにあるかを抑えるようにしましょう。

1on1が注目される4つの背景

1on1が注目されている背景は大きく分けると以下の4つです。

  • ヤフーの1on1
  • 人材の減少と流動化
  • 予測不能なVUCA時代
  • 多岐にわたるロールモデルの存在

ヤフーの1on1

1on1が注目されている背景としては、日本の有名企業であるヤフー株式会社がアメリカのシリコンバレーで始まった1on1を日本で初めて導入して、事業課題を解決した事が挙げられます。

ヤフーが1on1を導入した目的は、「上司と部下が深く理解し合うことにより、部下の隠れた才能とやる気を引き出すこと」で、つまり人材の育成でした。人材不足が叫ばれる昨今、企業にとって社員の能力を伸ばすことはどの会社でも緊急の共通課題です。

ヤフーは1on1を導入する事で、ヤフーが抱えていた課題であるコミュニケーション不足が改善され、メンバー一人ひとりへの理解が深まり、個人の強みを生かせるチームづくりができるようになりました。

また、このようなヤフーが取り組んだ1on1の手法を記した『ヤフーの1on1』という本がベストセラーとなり、世間全体で注目を集め、1on1が一般に広がったのです。

ヤフーの1on1についてさらに詳しく知りたい方はこちら

人材の減少と転職者の増加

2つ目の背景は、「人材の減少と転職者の増加」です。

日本では少子高齢化が起きており、29歳以下の若者の人口が昭和50年以降一貫して減少しており、働ける人材(=生産年齢人口)が年々減少しています。結果、1人当たりの生産性を向上させる必要があり、より少ない従業員数で成果を出さないといけなくなりました。

さらに、終身雇用制度に縛られず自身のキャリアに合わせて転職することが当たり前になったことで企業は人材が転職しないような取り組みを検討しなければならなくなりました。

部下を育成して1人当たりの生産性を上げたり、エンゲージメントの向上により会社への定着率を高めるための手段として、1on1ミーティングは期待されています。

予測不能なVUCA時代

3つ目の背景は、「予測できないビジネス環境への変化」です。

現代の社会やビジネス界は、変化のスピードが速く予測不能である「VUCA(ブーカ)の時代」だと言われています。「VUCAの時代」とは、以下の現代のビジネス環境を表す単語の頭文字をとったものです。

  • V(Volatility):変動性
  • U(Uncertainty):不確実性
  • C(Complexity):複雑性
  • A(Ambiguity):曖昧性

つまり、現代社会は「正解がなく複雑性が増す」環境だと言えます。そのようなVUCA時代の中では、これまで重要視されてきた「言われたことを間違えず行う力」ではなく、「自律的に学習し変化に対応していく力」が重要になっています。

社員に「自律的に学習し変化に対応していく力」を獲得させ、その姿勢を促進させる手段として、1on1ミーティングが注目されています。

多岐にわたるロールモデルの存在

4つ目の背景は、「多岐にわたるロールモデルの存在」です。

変化が激しく多様性を重要視する現代社会において、分かりやすく明確なロールモデルというものは存在しません。

このVUCA時代では、会社にとっても「理想的な人材」が固定されておらず、多様化し、価値観も様々です。さらに時代に即して必要なスキルが早いスパンで変化しており、人材育成手法もそれに応じて柔軟に対応していく必要性が生まれました。

また、技術の高度化や新型コロナウイルスの流行により、リモートワークの普及などオンラインで仕事をすることが増え、マネジメントの難易度も高くなっています。このような働き方の変化や多様化に対応する方法として、1on1ミーティングを導入する企業が増えています。

1on1導入の目的

人事評価の面談や進捗管理をするだけの面談とは異なり1on1は、部下の育成、成長支援やエンゲージメント向上を目的と考えている方が多いです。

しかし、1on1の最大の目的は「会社の課題を解決すること」です。

会社の課題を部下を成長させることによって解決していくことが1on1の目的であり、存在意味であるといえるでしょう。

このセクションでは、1on1の実施目的の主要3点を説明していきます。

部下の成長促進

1on1ミーティングの目的1つ目は、「部下の成長促進」です。1on1を効果的に実践することで、部下は驚くべきほど成長します。

部下に関わらず多くの従業員は、日々業務を行う上で、様々な悩み・課題を抱えています。悩みの内容としては、業務そのものや職場のコミュニケーションや人間関係、将来のキャリアなど多岐にわたります。

悩みを抱えた状態が続くと、どんなに優秀な方でもモチベーションの低下や作業効率の低下を招いてしまうので、1on1で悩みや課題を聞いて解決する事が重要です。

また、「どんな方向に成長したら良いのか?」「自分が現状苦手にしている項目は何なのか?」と成長先のイメージがつかない人は多いです。そのため、上司が部下に対して、どのようなスキルを取得すべきかを伝達したり指導したりすることが有効といえるでしょう。

離職の防止

1on1ミーティングの目的2つ目は、「部下の離職防止」です。

離職する主な理由は以下の通りです。

  • 人間関係にストレスを感じる
  • 労働環境・職場環境に不満を抱えている
  • 将来(キャリア)に不安を感じる
  • 自分が成長しているか不安を感じている
  • 自分の持っている裁量や評価に不満を感じている

人間関係や職場環境等のストレスは1on1で事前にキャッチアップすることができ、対策を講じることができます。

キャリアに関しては、1on1で一緒にキャリアプランを考えたりすることで、不安を解消する事ができます。加えて、本人のやりたいことを実現するにはどうしたらよいのかなどの具体的なアクションプランを考えることで、理想に向かって成長を促進することもできます。

また、1on1でメンバーの成長しているところを承認して、成長に見合った裁量や評価を渡すことでメンバーをマネージャー候補に押し上げる事ができ会社の成長に貢献する事ができます。

このように、1on1ミーティングで離職対策をする事ができます。


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目標達成力の強化

1on1ミーティングの目的3つ目は、「目標達成力の強化」です。実は1on1は、MBOやOKRなどを始めとする目標管理と非常に相性が良い施策です。

1on1を定期的に実施することで「目標の進捗管理を高頻度でできる」ことが、目標達成力を向上させる大きな要因です。

目標達成をしようとした際に、どうしてもメンバーでは解決できない課題が出てくることもあります。その際、メンバーの相談に具体的に回答していくことで、メンバーの目標達成を手助けすることが出来ます。

また、定期的に1on1で目標の進捗の様子を知ることで、未達しそうな時はマネージャーが試行錯誤して自分で介入することもできるため、目標の進捗管理を高頻度で行える仕組みを社内に作っておくと目標が達成できる確率が上がるでしょう。

1on1を継続的に実施することで、目標達成力が上がり、人材育成も促進されることで、結果的に組織力が向上します。

1on1は「部下のための時間」は日本企業には合わない

一般的に「1on1は部下のための時間」なので、目標や業務から離れて、部下個人の話をしてくださいと言われている場合がほとんどで、「目標の話をした方が良い」と言われても違和感を覚えるのではないでしょうか。

それはそのはずで、現在出版されている1on1に関する書籍や記事は「海外の1on1」を事例としているケースがほとんどだからです。日本には日本に適した1on1のやり方があります。海外の1on1をベースとしている書籍や記事通りに1on1を運用しても失敗してしまうのは当然といえるでしょう。

失敗する原因は「日本と海外で雇用形態の違いがある」ことです。

海外では、成果を上げないとすぐにクビにすることができる成果重視の雇用形態である一方で、日本は古くからメンバーシップ型雇用が一般的で簡単にクビにする事ができません。海外は、成果重視の雇用形態なので、日常的に成果に対するコミュニケーションを行っています。

しかし、それではストレスが非常に溜まる(簡単にクビにできる一方で、労働者は簡単に転職できる)ので、会社と個人を結びつけるために個人のキャリアなどを1on1で話すことが重要になってきます。

日本では、海外に比べ成果に対するコミュニケーションが低いので、1on1の時間で成果に関する対話をする必要があります。また、日本の多くのマネジメント層は自分自身もプレイヤーとして働く「プレイングマネージャー」です。90%のマネージャーがプレイングマネージャーであるという統計データもあります。

プレイング業務・マネジメント業務の両方をこなす「プレイングマネージャー」は非常に多忙で、1on1の時間を捻出するのも一苦労です。

忙しい中、ようやく1on1の時間を捻出しても「部下のための時間だから自分の話や業務の話はせずに傾聴すること」や「マネージャーからの意見や指示はしないこと」などマネージャーが本来話したい「目標や成果に関する話」ができないように会社から指示されている場合がほとんどです。

しかし、これでは1on1でのプレイングマネージャーへの負荷が非常に大きくなってしまいますので、形骸化のリスクが非常に高いです。

そのため、最も忙しいプレイングマネージャーに負担を強いる形ではなく、プレイングマネージャーを助けるため、楽にするために1on1を設計することが非常に重要です。もちろん、部下のキャリアなどについては重要なので全くしないということではなく、「目標や成果」に関する話も1on1で会話することを私たちはおすすめしています。

1on1を行うメリット

続いては1on1を行うメリットについて解説します。1on1によって社内のコミュニケーションが円滑になり活性化するだけでなく、様々な社内の課題にアプローチできます。

会社全体の生産性や売上の向上

1on1ミーティングを実施するメリット1つ目は「会社全体の生産性や売上の向上」です。

1on1で基本的な仕事のやり方や先輩がやってきた工夫などをメンバーに伝える事で、メンバーの人材育成の機会になります。人材が成長することにより、成果を出せる人材が増え、業績の向上が期待できます。

また、1on1で普段の業務の振り返りを行い内省する事で、個人の生産性を上げる事ができます。個人でうまくいったことをさらに全社でやるように広めればで会社全体の生産性を上げることも可能となります。

1on1で、ティーチングやコーチングを行う事で、メンバーの目標を達成させ会社全体の生産性や売上の向上をしていきましょう。

マネージャーとメンバーの信頼関係構築

1on1ミーティングを実施するメリットの2つ目は、「マネージャーとメンバーの信頼関係の構築」です。

従来の人事評価面談と異なり、1on1ミーティングは仕事の進捗だけではなく、仕事での不安やキャリアの話、時にはプライベートの話も行います。深い話を行うことで、上司と部下の心理的距離が近づきやすくなるといった効果を見込め、信頼関係を構築に繋がるでしょう。

信頼関係の構築が上手くいくと、メンバーが気軽に意見を言ってくれるようになるので、面白いアイデアやネタをメンバーが提供してくれるようになります。また、部下に信頼されていない場合は、部下を説得するために用意をしないといけませんが、部下に信頼されていると細かいことを共有しなくても指示が通るようになるので効率的に仕事ができるようになります。

心理的安全性が高まる

1on1ミーティングを実施するメリットの3つ目は、1on1ミーティングを実施することで、部下の「心理的安全性を高める」ことができることです。

心理的安全性が高まる理由は「1on1で困っている際にすぐにフォローすることができる」からです。周りで連携しながらやるチームであれば困っている事に気づきやすいのですが、営業チームなど個人でやる仕事やテレワークで仕事をしている場合はメンバーが困りごとを抱えたままになってしまうことがあります。

1on1で定期的に悩み事がないかチェックする事で現場の困りごとをすぐフォローし、心理的安全性の高い職場環境を構築することができます。

公平な人事評価の実現と人事評価業務が楽になる

1on1ミーティングを実施するメリットの4つ目は「公平な人事評価の実現と人事評価業務が楽になる」です。

「1on1と評価業務は関連していないと思った」と言われることが多いのですが、実は海外のIT企業では1on1と評価業務を絡めている企業は多いのです。

1on1で記録を取り続けると人事評価の業務が非常に楽になります。日々の1on1ミーティングで、評価の際に活用できる評価材料を集めることで、実際の評価の際は過去の1on1の記録を見るだけで、評価できるようになります。

また、部下が評価期間中にやってきたことが記録されているので、評価の直前に印象の良かった人が高評価になりやすいというバイアスがかかった評価ではなく、公平な評価も実現できます。


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1on1のデメリット

1on1にはメリットが多くある一方でデメリットも多く存在します。このセクションでは1on1のデメリットの概要について解説します。

現場の負担が大きい

1on1ミーティングのデメリットの1つ目は、「現場の負担が大きい」ことです。

1on1を効果的に実施することができれば、様々なメリットを享受することができます。しかし、1on1のメリットを最大限発揮するためには、1on1を高頻度で行うことが肝心です。忙しい業務の中で、高頻度で1on1ミーティングを行なえば行うほど、現場の負担が大きくなることに繋がります。その結果、通常の業務の進行に問題が生じてしまうといった問題が起きてしまう事もあります。

1on1は短期的に結果を出すためのものではなく、長期的に持続可能な形で進めていくことが重要です。
そのため、組織・チームの実態に則した頻度や時間を設定しましょう。おすすめの1on1の頻度は週1で一回30分ですが、状況に合わせて月1にしたり15分で運用する事も視野に入れるといいでしょう。

また、1on1を実施する際の負担を軽減させるために、組織共通のテンプレートのアジェンダや公式ルールを設定することも効果的です。時には、弊社が提供する「Co:TEAM(コチーム)」のような1on1のツールを導入することも負担の軽減に効果的で、1on1の準備時間が半分になっただけでなく、話す内容も3倍になったという事例もあります。

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効果が出るまで時間がかかる

1on1ミーティングのデメリットの2つ目は、「効果が出るまで時間がかかる」ことです。

上記でも述べたとおり、1on1ミーティングの成果は、すぐに結果が出るものではなく、長期的に持続可能な形で進めていくことが重要です。

人の成長にはそれなりの時間がかかりますので、すぐに成果を求めず中長期的な視点で取り組むことが大切です。1on1の成果は早くて3ヶ月ですが、数年後に実感するというケースも少なくありません。

また、1on1の効果を測定することは難しいと言われています。そのため1on1を行う前の元々の会社への満足度を測っておいて、1on1実施後にも同じアンケートをするなど、早めに1on1の効果測定の準備をしておくことおすすめします。

効果的な1on1を実施し続けると必ず効果は現れますので、経営・人事戦略に則った1on1を実施できているか定期的に現場マネージャーたちの1on1の振り返りを行うようにしましょう。

形骸化しやすい

1on1ミーティングのデメリットの3つ目は、「形骸化しやすい」ことです。

株式会社ビジネスコーチ株式会社の調査によると、約39.9%の企業が形骸化を問題視しており、50.9%の企業が習慣化・定着化をするための仕組みづくりを課題として設定しています。

1on1で一番よくある失敗例は、お互いに何を話していいかわからなかったり、事前準備が行われていなかったりすることで、「ただなんとなく実施しているミーティング」になり、形骸化してしまう事です。

何のために行っているのか理解していない、周知されていないまま実施されていると、1on1ミーティングの効力が発揮されません。さらに上司がわかっていても、部下が1on1の意義や活用方法を理解できていない可能性もあるので気をつけましょう。

1on1の形骸化を防ぐための方法について知りたい方は下記記事をご覧ください!

上司にスキルが求められる

1on1ミーティングのデメリットの4つ目は、「上司にスキルが求められる」ことです。

1on1を効果的に実施するために、上司は部下の本音や部下自身も気がついていないような内容にもヒアリングすることが重要です。そのため、上司は本音を引き出すような声かけや話しやすい雰囲気をつくるような1on1スキルが必要です。マネジメントスキルに長けている方と不得意な方では、1on1の質にばらつきが生じてしまいます。

質のばらつきを抑えるためには1on1のルールやコミュニケーションのガイドラインを設定しするのがおすすめです。また、1on1に必要な重要なスキルを身につけるための研修を実施することも効果的といえるでしょう。


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1on1が意味がないと言われないようにする注意点

1on1ミーティングを導入していても、部下の方が1on1をだと感じているケースも少なくありません。

部下が1on1を嫌いになる原因のほとんどは上司の関わり方が問題です。部下の上司への好感度が低かったり、低くなったりすると同時に1on1も嫌いになるという傾向があります。嫌いな1on1を実行しているとさらに部下から上司への好感度が下がってしまいます。

このようなバッドサイクルに入ってしまうと、1on1が逆効果になってしまうので注意しましょう。これから特に注意すべき点について解説します。

1on1が「詰められる」「説教」の場になっていないか注意する

部下が1on1を苦痛に感じる上司の1on1の特徴1つ目は、1on1が「詰められる」「説教」の場になっている事です。

何事においても「なぜ?」を繰り返して原因を追究してソリューションを考えることは重要です。ビジネス業界でも「なぜ?を5回繰り返せ」ということが定説になっています。例えば、「なぜやっていないの?」など、部下ができなかったことに対して、その原因を特定するために上司は質問をします。

しかし、この「なぜ?」を繰り返すことは、自分自身の課題に対して行うことは効果的ですが、他者とのコミュニケーションにおいてはあまり効果的とは言えません。部下の立場からすると詰められて責められている感覚になり、心理的安全性がなくなってしてしまう可能性があります。

また、理由をいくら聞き出しても部下の性格のタイプによっては謝罪をするだけで終わってしまう事もありますし、場合によっては上司がパワハラで訴えられてしまう事もあります。本来は、詰めることは大事ではなく、失敗を繰り返さないために、これからどうするのかを考える事が重要なはずです。

そのため、部下と対立するのではなく、共通の目的を達成するために、柔らかい口調で「どうして問題が起こったんだっけ?」と要因を一緒に探り、「これからどうしていこうか?」「一緒に挑戦しよう」と解決策を一緒に考え、時にはサポートしてあげることが重要です。

これを繰り返していくことで、部下の心理的安全性が担保され有意義な1on1をする事ができます。
このように過去の経験を学びに変えて、「未来をどうよくするのか」「今後どんなアクションをしていくのか」に焦点を当てた進め方がオススメです。

さらに1on1の進め方について知りたい方は下の資料をご覧ください。

部下の話を聞かずに自分の意見を押し付けている

部下が1on1ミーティングを苦痛に感じる上司の1on1の特徴2つ目は、「部下の話を聞かずに自分の意見を押し付けている」事です。

1on1では、部下自身が感じている悩み・課題を特定して、その解決のために対話を重ね、個人に適した解決策を決めることが重要です。時には、新入社員や入社してきたばかりの中途採用の部下などの新人には、上司自身の成功した考えややり方を教えていくことも重要です。

しかし、入社後の時間が経過してもなお上司がやり方を事細かく指示していた場合、部下はそれに従うことが当たり前になり、自分で考える体験が不足して、いつまでも独り立ちしなくなってしまうという悪い側面もあります。また、このような上司が考え、指示を出すコミュニケーションを続けていると部下に他責思考が身についてしまいます。

例えば、「言われた通りにやっていれば、結果悪くても上司の指示のせいだ」「自分で発信しなくても上司がやってくれるからいいや」などと、他責で受け身な人材を育成することになってしまいます。このような状態が続いてしまうと将来部下が成長しないだけでなく、ネガティブな雰囲気が社内に広がってしまいます。

このような状況にならないように、上司の意見や考えの押し付けは最低限にしましょう。まず、「あなたはどう考えていますか?」と部下の考えや判断を聞き出す傾聴の姿勢で、最後まで部下の話を聞くようにするようにしましょう。意見を言う際も、1on1は部下が主役であるということを意識して、1から100まで教えるというよりはヒントを伝えていく方が上司のあり方としても良いでしょう。


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1on1で準備すべきこと

続いては1on1で準備すべきことを解説します。

話す内容(アジェンダ)を事前に決めておく

1on1で準備すべきこと一つ目は「1on1ミーティングの話題(アジェンダ)を事前に決める」ことです。

1on1前にその内容を上司と部下で共有しておけば、内容のポイントを事前に整理することができます。
事前共有されている内容に沿って、1on1を進めることができるので、話すべきことを話す要点を押さえた目的に沿った建設的な1on1を実践することができ、質の向上が期待できるでしょう。

また、アジェンダを準備するだけでなく、事前に部下に共有して、部下に話すことを書いてもらうこともおすすめです。理由としては、部下が自分の話すことを整理してきてくれると、マネージャーが部下からコーチングを行い聞き出す手間が省けるためです。

環境を整える

1on1で準備すべきこと二つ目は「環境を整える」ことです。話に集中できる環境でないと、気持ちが落ち着かず1on1が失敗に終わってしまう可能性があります。物理的な環境の確保は部下の気持ちをリラックスさせるためにも大切です。

1on1に適した環境としては必要なことは二つあります。

まず一つ目は周りに自分たちの話が聞こえない場所、できれば個別の空間であることです。二つ目が調度品等が少ないシンプルな内装の部屋であることです。この二つを抑えることで集中が切れにくいのでおすすめです。

しかし、重要なのはそこが部下と上司にとって定期的な時間設定をして優先度を高め、何も話すことがなくても必ず会う場であるということです。

1on1で話した内容をメモできる準備

1on1で準備すべきこと二つ目は「1on1で話した内容をメモできる準備」です。

上司は1人で複数名の部下と1on1を行なっているため、話が混同してしまったり、他の人の1on1の内容を間違えて話してしまったりする可能性もあります。また、1on1に限らず、対話でのコミュニケーションは流動的であるため、どの会議でも議事録をとっていないと話した内容を忘れてしまったりする可能性があります。

部下としても一度話した内容を忘れられていたり、話してほしくない内容を他の人に話されると信頼関係を構築できる1on1の効果を台無しにしてしまう可能性もあります。

また、双方の認識が違った場合にもすぐに気づくことができ、修正することができます。特に行動ベースのネクストアクションを立てる時に双方の認識を揃えることで、迷いなく実行することができるようになるでしょう。

メモは紙でも良いですが、過去に話した内容をすぐに手元に出すことができたり、権限によって1on1の内容を見れる範囲を決めれるという点で1on1のために制作されたツールを使うことをおすすめします。

1on1の進め方

本項では、1on1ミーティングの進め方・流れについて説明します。下記のステップで実施すれば効果的な1on1を行う事ができます。

ここからは、各STEPを詳細に説明します。

  • STEP0:1on1ミーティングの目的を伝える(初回のみ)
  • STEP1:事前準備・共有、スケジュール・場所の決定
  • STEP2:1on1ミーティングの実施・記録
  • STEP3:次回の日時・場所の決定
  • STEP4:STEP1〜3を継続的に繰り返す

STEP0:1on1の目的のすり合わせ(初回のみ)

まず、1on1を初めて実施する際は、1on1が何のための時間なのか、何を目的としているのかを伝えましょう。

目的を伝えることで、部下はこの時間をどのように利用していけばよいのかが明確になり、悩みなどが話しやすくなるでしょう。また、目的を伝える際には、部下をフォローしたい姿勢について明確に示しておくことで、安心感を与えることができ、スムーズに1on1を実施することができるようになります。

会話の例としては「1on1ではあなたの抱えている課題を解決したいから、気軽に相談してほしい!自分も解決できないことはちゃんと断るから言うだけ言ってみて欲しいな!」等の言葉掛けがおすすめです。

人にもよりますが、マネージャーの忙しさを気にして相談できない人も多いので、メンバーが相談しやすいようメンバーに合わせて言葉掛けをする事が重要です。

STEP1:事前準備・共有、スケジュール・場所の決定

1on1ミーティングのステップの1つ目は、「事前準備・共有、スケジュール・場所の決定」です。このSTEP1からSTEP3まで毎回の1on1で繰り返し実施していきます。

まず最初に事前準備を行います。準備内容としては、1on1で話す内容(アジェンダ)です。
事前に1on1ミーティングで話し合う内容を決めておけば、実際に1on1ミーティングの際に雑談しか話さないなんて事は無くなります。

また、事前に話し合う内容を決めておけば、部下側、上司側も事前の準備をすることができ、1on1ミーティングの効果を最大化するためにも双方の事前共有はしっかりとしましょう。

次に、1on1を実施する具体的な日時と場所を決定します。1on1の日時は上司の都合だけで決定せず、必ず部下の都合を聞きましょう。お互いのスケジュールをすり合わせた上で日時を決定することが、上司と部下の信頼関係を築くために大切なポイントです。

1on1を実施する場所も、部下の都合を聞いてから決めてください。場所は決まりきった場所でなく、会社の会議室やラウンジ、オンラインなど、1on1で話す内容によって適切な雰囲気の場所を選ぶことがおすすめです。

1on1の日時・場所を決定した後は、上司・部下の双方がスケジュールに組み込むことを忘れないようにしましょう。できるだけ決めたスケジュールで実施するようにしてください。リスケが続いてしまうと形骸化してしまうだけでなく、部下が自分との時間を大切にしてくれないという印象にも繋がり、信頼関係が構築しづらくなってしまうからです。

後日に都合がつかなくなるケースも考えて、日程変更したい場合は必ず連絡を入れるなどのルールも決めておくと良いでしょう。

STEP2:1on1ミーティングの実施・記録

1on1ミーティングのステップの2つ目は、「1on1ミーティングの実施・記録」です。決定した日時に上司と部下で1on1を実施します。ステップ1で準備したアジェンダに沿って話し合いを行いましょう。

1on1の実施では、上司はコーチングとフィードバックの手法を用い、部下から「話を聴く」スタイルをとることが大切です。事前共有の内容や部下が困っている内容について質問して具体的に認識を揃えていきましょう。そして場合に応じて、課題解決のためのアクションを決めたり、上司からサポートできることなどを提示しましょう。

また、1on1で話し合った内容は、上司・部下の双方がいつでも振り返ることができる場所に記録すると良いでしょう。1on1の記録方法としては、手帳のメモや文書ソフトへの入力、クラウドツール等があります。特にクラウドツールは記録の管理や検索がしやすく、異動が生じた時の情報の引き継ぎが簡単なためおすすめな手法になります。

また、1on1で人事評価に関する材料を集めて、記録しておくことで、今後の人事評価の業務が楽になるので、記録しておくようにしましょう。

アイスブレイク

1on1の最初にはアイスブレイクを行うようにしましょう。

特に職場移動や新しい人の入社によって、上司・部下になって間もない場合は、新しい組織でうまくやれるか不安に思う方がほとんどなため、アイスブレイクは行った方が良いです。

アイスブレイクによって距離感を近づけることで、メンバーから「ミスがないかチェックしてください!」「〇〇について困っているので参考になる資料があれば欲しいです!」というような声が上がるようになり、上司がフォローやアドバイスをしやすくなる関係性ができて、部下の不安を取り除くことができるので、アイスブレイク的な内容を1on1の序盤に入れるようにしましょう。

テーマ・アジェンダについて部下の考えを引き出す

次に、メインで話したいテーマ・相談内容について今の状況を整理します。

上司から問いかけるというよりも、部下が主体的に話せるような場をつくることを心掛け、上司は聞き役に徹しましょう。言葉に詰まる場合やもう少し深く状況を知りたいときにはコーチングを行い、部下の考えを引き出すようにしましょう。基本的には部下の話をさえぎらないように意識する事が重要です。

また、頷きや相槌を打つことで、相手の話を聞く姿勢を見せることで部下が話しやすい環境づくりを意識しましょう。

部下と一緒に問題への対応・対策を考える

一通り状況が把握できたら、メンバーと一緒にこれからの対応・対策を考えていきましょう。

上司が正解を教えるのではなく、部下が主体的に答えや方向性を導き出す方が望ましいです。「なぜそうなったと思うか?」「どうしたらよいか?」と思考を深めるプロセスをサポートすることで、自発的な気づきや学びを促します。

それでも解決策が見つからない時は、他の先輩の工夫や成功例などを伝える事で解決策を見つけるようにしましょう。

次の1on1までの具体的なアクションを決める

大筋の方向性が見えたら、次回の1on1までにやるべきことを決めましょう。

やるべき事は定量で測れるようにする事をおすすめします。定性的な目標やアクションにしてしまうと、1on1で決めた事がうまくいっていたのかどうかがわからなくなりPDCAサイクルを回せなくなるからです。

「来週までに○○を終わらせる」「次の2週間は○○の方法を3つ試してみる」と、限られた期間のなかで現実的にやりきれる行動目標を立てる事も重要です。

次の1on1で結果を共有する

2回目以降の1on1では、前回決めた行動目標がどれだけ達成できたのかを必ず確認するようにしましょう。

この際、定量的な目標であれば振り返ることが容易になります。しかし、仮に前回1on1で決めた内容を達成できていなかったり、チャレンジしたものの成果につながっていなくても責めないようにしましょう。

大事なことは、1on1を用いてPDCAサイクルを回す事です。そうやって、1on1の振り返りを繰り返すことがより大きな成長・成果につなげていきましょう。

STEP3:次回の日時・場所の決定

1on1ミーティングのステップの3つ目は、「次回の日時・場所の決定」です。1on1の最後には、次回の1on1を行う日時・場所を決定します。

1on1は部下を成長させるためだけでなく、上司と部下の信頼関係を構築する目的もあるため、次回の日時は期間をあけすぎないようにしましょう。理想は週1回、間隔を空けても月に1回の頻度でスケジュールを組むことがおすすめです。

また、毎週月曜の13時から30分間など、1on1のスケジュールを固定化することで、毎回の1on1でスケジュールのすり合わせをする手間を省くのもおすすめの方法になります。毎週固定の時間を1on1の時間として確保することで、確実に毎週1on1を実施することができ、形骸化のリスクを低くすることができます。

STEP4:STEP1〜3を継続的に繰り返す

そして、このSTEP1〜STEP3を継続的に繰り返し実施するようにしましょう。

1on1が価値を発揮するのは、繰り返し1on1を実施してPDCAサイクルを回すことにあります。1on1の期間が空いてしまうと、メンバーが抱えている悩みや課題のキャッチアップが遅くなってしまいます。

その間、メンバーは同じ悩みなどを抱え続けることとなり、生産性が低下してしまうでしょう。そのため、無理のない範囲内で1on1をできるだけ高頻度で行うことが重要です。

1on1で話す具体的なテーマ例

続いては、1on1で話す具体的なテーマ例について解説します。

業務の課題や解決策

最初に紹介するトークテーマは、「業務上の課題や解決策についての話」です。

近年では、個人の目標達成ができる方とできない方に差がで始めています。理由としては、アドバイスもパワハラと思われてしまうことが増えている時代なので、上司側は仕事のコツや情報を渡したいものの、部下が求めないと話すきっかけがない事にあります。

そのため1on1で、現在の目標達成率、業務の中で負担になっている事や課題、メンバーが思う課題の解決策を上司に伝えることで、課題の解消方法やその選び方を教えてもらうことができます。

1on1でのテーマ例に悩んでいる場合は、まず部下の業務の課題のキャッチアップとその解決策を伝える時間にしてみましょう。

チームの目標達成の話

個人の業務の課題や解決策の話ができるようになった後は、「チームの目標達成につながる話」をするのもおすすめです。

現在は、タレントマネジメントシステムで能力をメモしておく企業様も増えました。その中で自分の業務だけでなく、チーム全体に影響を与えることのできる方がリーダー職につきやすくなりました。

そのため、個人の目標が達成できているメンバーには、「どうやったらチームの目標と現在の実績のギャップを埋める事ができるのか?」について話してみましょう。

メンバーによっては実はチームのために色々考えている場合があります。その場合は「その施策ぜひやってみようよ」と後押しすることでメンバーから次のマネージャー候補を育成する事ができます。

また、メンバーから意見が出ない場合も、マネージャーがチームのためにやっている事を知ることで、メンバーの視座や能力も上がるのでおすすめです。

会社についての話

続いて1on1で話すと良いテーマは「自社についての話」になります。

自分の所属している会社がどんなビジネスをしていて、どのような状況なのかを深く理解する事で、自らが会社に対してできることを提案できるようになります。また、会社のミッションや目的を聞くことで、メンバーのエンゲージメントが高まる効果も期待できます。

アジェンダの中に会社が落とし込みたい文化やバリューの話を入れることで、文化醸成も期待できます。会話例としては、「会社のバリューである前向き思考にチャレンジしたことある?」と聞いて、チャレンジしたことを承認すると言うのがおすすめです。

キャリアプランや将来の目標

続いての話すテーマ例は、「キャリアプランや将来の目標」についてです。

近年ではVUCA時代な事もあり、メンバーがどのようなキャリアを目指せばいいか悩む人が増えました。
1on1の中でメンバーにキャリア開発についての計画や考え方を伝えると、メンバーの悩みがなくなり働きやすくなる事が多いです。

また、メンバーが自分の目指すべき目標が見つかったら、今メンバーがやっている仕事がメンバーの目標とどうつながっているのか?を説明するとメンバーのモチベーションを向上させる事ができます。

工数はかかりますが、メンバーが何に意欲があるかを知れたら、積極的にそのメンバーがより合う仕事を探し社内の他の部署にかけあうなどメンバーのキャリア支援のために動くとメンバーからの信頼を得る事ができます。

1on1ミーティングで部下の心を開くコツ

ここまでは理論について話しましたが、1on1で部下の心を開けないと、1on1での効果は期待しづらいでしょう。そのため、このセクションでは1on1ミーティングで部下の心を開くコツについて解説します。

部下の話を最後まで聞く

1on1ミーティングで部下の心を開くコツの1つ目は「部下の話を最後まで聞く」事です。
弊社で支援してい中でも「部下のためにアドバイスをしているのに部下の気持ちが離れている」といったような事例が多いです。

10年ほど前は上司が部下にアドバイスを伝え、部下がそれを忠実に守ると言うことが主流でしたが、これからの管理職に必須なのは「聴く力」です。「聴く力」が必要とされる背景としては、現代がVUCA時代と呼ばれる「先行きが不透明で、将来の予測が困難な時代」だからです。

VUCA時代の環境では管理職の言うことだけを聞いていても、環境の変化についていけず結果が伴いません。
そのため、部下側が仮に間違っている事を話したとしても途中で遮るのではなく、質問をしながら自己を対話してもらい部下自身に答えを出してもらう事で部下の考える力を育成するようにしましょう。

問いかけを中心にコミュニケーションをとる

1on1ミーティングで部下の心を開くコツの2つ目は「問いかけを中心にコミュニケーションをとる」事です。

問いかけ方法としては、会話を横に展開しながら聞くと良いでしょう。メンバーがどんな事を考えて業務をしていたかを網羅的に聞く事で、メンバーの状況を把握できます。質問例としては、「他にも意識したことはある??」という質問が効果的です。

次は会話を横に展開していく中で、もっと深ぼって聞くと良さそうと思った話を、マネージャーが縦に深ぼって聞くことでメンバーの考えをより明確にし教訓にできるようにします。質問例としては、「具体的にはどんなことしたの??」という質問が有効です。

それでも、なかなかメンバーから意見が出てこない場合は、マネージャーが仮説を持って問いかけをすると良いでしょう。質問例としては、「〇〇にこだわって業務しているのかなと思ったんだけど、合ってたりする??」という質問がよいでしょう。

メンバーがどこにこだわっているかを予想する能力が必要なので、テクニックが必要ですが、仮説が外れることをそこまで恐れなくても問題ありません。メンバーとしては、抽象度の高い質問ばかりをされるよりも「〇〇にこだわって業務しているのかなと思ったんだけど」と聞かれる方が、「意識はしてなかったけどマネージャーにはそう見えていたのか」「無意識の中で自分は〇〇にこだわっていたのかも」と考える視点を与えることができるからです。

上記のように「横への網羅的に問いかけ」「縦に深ぼる問いかけ」「仮説を入れた問いかけ」を意識して、メンバーの心を開いていきましょう。

承認・共感を効果的に使う

1on1ミーティングで部下の心を開くコツの3つ目は「承認・共感を効果的に使う」事です。
1on1で指摘があまりにも多いと、メンバー側に「1on1は指摘される場」という嫌な印象を持ってしまい1on1に安心感がなくなってしまいます。

そのため、1on1に承認の時間を設けて1on1に良い印象を持ってもらう事が大事です。一般的には日本人は、3回承認して1回アドバイスをするくらいの頻度で承認をすると良いとされています。

例としては「休日もセミナーでサービスの勉強してるなんて偉いね」「競合資料を問い合わせて一覧表を作ってるって聞いたけど、さすがだね」「繰り返し反復練習をしていたから、土台ができてきたね」と具体的な承認をした後に、「お客様が納得できるような資料を作ってみるのはいかがでしょう?」とアドバイスをするとよい印象を持ってもらうことができます。

また、アドバイスをする際も「資料作らないとダメですよね。」と否定的に言うのではなく、「資料を作るとより良いと思ったんだけどどう思う?」を疑問形で相手に合意を取らせる形の方が良いでしょう。

相手の性格に合わせた質問をする

1on1ミーティングで部下の心を開くコツの4つ目は、「相手に合わせた質問をする」ということが挙げられます。

例としてはソーシャルスタイルごとにメンバーを場合分けするのがおすすめです。ソーシャルスタイルとは、4つに分類される人のコミュニケーションのパターンを活用し、適切なコミュニケーションを選択するものです。種類としては、主導型、促進型、分析型、指示型があり、それぞれに分けて適切なコミュニケーションを選択します。

例えば、主導型の方は特徴として合理的に物事を達成していく傾向にあり、プロセスよりも結果を重視するビジネスライクな性格な方が多いです。主導型の方と1on1をする際は、1on1の最中の雑談等は少なめにして、「いかに目標達成していくか?」と言う内容を軸に質問していくと話が進みやすいです。


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クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける

1on1ミーティングで部下の心を開くコツの5つ目は「クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける」ということが挙げられます。

クローズドクエスチョンは「Yes/No」などの択一で答えてもらう質問で相手が答えやすいというのが特徴です。対してオープンクエスチョンは相手に自由に回答してもらう質問の仕方で、会話の幅が広がりやすいのが特徴といえるでしょう。

基本的にはオープンクエスチョンで「Aさんの解決したい課題は何ですか??」と答える範囲の広い質問をしましょう。ただ、メンバーが言葉に詰まってしまうなど会話が止まった時は、「Aさんは現在の営業資料に課題を感じていますか?」とクローズドクエスチョンで「Yes/No」で答えれる質問をする事で、部下の考えを探っていきましょう。

まとめ

本記事では、1on1のやる背景や目的、メリットと1on1のやり方とコツについて解説しました。1on1ミーティングに関する知識は、1on1ミーティングの効果を最大化し、企業の持続的な成長のために非常に重要です。1on1で企業の生産性を高めていきましょう。

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