1on1の強制は意味ない!失敗する理由と成功ポイント

1on1ミーティングとは、アメリカのシリコンバレーで確立された「上司と部下の一対一で行われる定期的な面談」のことです。近年ではヤフーや楽天といった有名企業が次々と導入したことを皮切りに、日本でもメジャーな人事施策として認知されつつあります。

そんな1on1ですが、比較的新しい施策であるために制度への理解やサポートが十分でなく、実施することに抵抗を感じる人も少なくはないようです。1on1は主体的に取り組んでこそ意味があるものなので、実施を強制しても意味がありません。

1on1の実施に失敗する理由や背景、1on1を成功させるポイントなどを紹介していくので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみて下さい。

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1on1の実施に失敗する理由

そもそも1on1の実施に対してメンバーやマネージャーが抵抗を感じている場合や、1on1をやってみたけれど上手くいかなかったという場合は、必ずどこかに理由があるはずです。

まずはそれらのポイントを確認して解消していくことで、1on1の失敗要因を取り除くことから始めてみましょう。

  • 新しい人事施策への抵抗感が強い
  • 部下との関係が構築できていない
  • 上司に1on1の経験がない、1on1の能力が低い

新しい人事施策への抵抗感が強い

まず考え得る失敗要因として、「新しい人事施策への抵抗感が強い」ことが挙げられます。

新しい人事施策であるということは、自社での成功体験がないために見込める効果やメリットが理論値に過ぎず、また実施に当たって参考にできる前例や蓄積が少ないということを指します。

更に、新しい制度を導入するというのは会社や組織の規模が大きければ大きいほどコストや労力が掛かる上に、慣れるまでの一時的な作業効率の低下や現場の混乱を引き起こすリスクもあるので、いくら効果を見込めるマネジメント方法であるとは言え従来の方法を継続したいという意見も尤もでしょう。

しかし、1on1による目標管理や人材育成面での飛躍的な効果は近年様々なビジネスシーンで報告されているものであり、決して無視できるものではありません。長い目で見て1on1の実施が会社全体にプラスになることは間違いないので、実施の手引きや効果を周知することで新規導入時の現場の抵抗感や負担を軽減することから始めてみましょう。

部下との関係が構築できていない

「部下との関係が構築できていない」と、1on1がうまくいかない場合が多いです。

1on1はその名の通り一対一で行うものであり、部下側からすると30分という決して短くない時間を目上の立場である上司と一対一で過ごすことになるため、緊張やプレッシャーを感じやすくなっています。

また、1on1において部下側は幾つかのアジェンダを用意した上でそれに沿って話したり上司への質問を考えたりする必要があり、上司と部下の関係が構築できないままに1on1を実施してしまうと、「発言内容に間違いや失礼はないか」「有意義な内容を話せているか」などといった心配やプレッシャーを過度に感じてしまう可能性があります。

上司に1on1の経験がない、1on1の能力が低い

「上司に1on1の経験がない、1on1の能力が低い」ことも、1on1が上手くいかない理由の一つです。

1on1は比較的新しい施策であり前例やノウハウなどの蓄積が少ないことは前述しましたが、マネジメントされる側であるメンバーはさておき、マネージャーが「どうすれば分からない」ような状態ではスムーズな1on1の実施は困難です。

最終的に1on1をメインで進行するのはメンバー側の方ですが、しかし1on1の目的の設定やアジェンダの選び方、進行のテンプレートといったアウトラインを示してあげないことには、メンバー側も1on1をどのように実施すれば良いのか途方に暮れてしまうことになります。

また、「1on1は部下のため」とは言いますが、あくまでマネージャーがメンバーに対して行うものである「マネジメント」の一種であることを忘れないようにしましょう。最終的な到達点としてメンバーの目標達成力の支援や能力の向上を1on1を通して実現することが求められ、部下の適性把握や経験や知見に基づいた支援といった従来のマネジメント能力に加えて、1on1についての知識や理解は必要不可欠です。


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強制された1on1になってしまう背景

1on1の当事者である現場のメンバーやマネージャーが後ろ向きであるにもかかわらず実施を求めたり制度を先行させたりすると、強制や義務感によって実施することになってしまい、そのような場合は効果的な1on1であるとは言えません。

1on1というのは、部下は自身の個人的な業務達成やキャリアについて学びを得る場として活用し、マネージャーそのような部下の求めに応じて支援やアドバイスを行うという場であり、事務的な面談のテンプレートがあるわけではなく双方の主体性に会話が委ねられているため、強制されて義務感で行ってしまうと何の意味もなくなってしまいます

1on1を導入し制度化するのであれば、現場に十分な説明を行って理解と合意を得た上で実施する必要があります。

上司も1on1が負担になる

マネジメントを行う上司側も1on1を負担に感じてしまっている場合があります。

上司・部下双方が有意義であると感じられる1on1にするためにも、上司側として1on1を実施する際のストレスポイントや懸念点も知っておきましょう。

  • 部下の不満を聞くだけの場になっている
  • 1on1をやったことない場合、学習をしないといけない
  • 話すことがない

メンバーの不満を聞くのみの時間になってしまう

1on1がメンバーの不満を聞くのみで終わってしまうのは、あまり効果的であるとは言えません。

部下の不満を解消したり意見や考えを肯定することは1on1をスムーズに進める上で非常に重要ですが、部下の心理的安全性を確保することそれ自体が1on1の目的ではないことを忘れないようにしましょう。

そもそも1on1は部下の成長や目標達成への貢献を期待して実施されているものであり、心理的安全性の確保は、1on1を効果的に実施するための過程に過ぎないことを念頭に置きましょう。


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1on1をやったことない場合、学習をしないといけない

1on1の知識や経験がない場合、実施に当たって学習する必要があります。

部下の目標達成力の強化や人材育成を1on1を通して行うためには、そもそもの1on1のメソッドや効果的に実施するポイントを理解する必要があります。マネージャー側が1on1を指導できるレベルの水準に達していなければ、当然メンバー側も満足に1on1を実施することはできません。

1on1に関する紹介記事や資料を読んだり、或いは全体で1on1を用いたマネジメント研修を行うなどして1on1の知識や理解を促進しましょう。


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話すことがない

部下が「1on1で何を話せば良いか分からない」と感じてしまうのは良くあることですが、上司側も同じような状況である可能性があります。

1on1は部下主体で進めるものであり部下がアジェンダを用意するのが基本ではありますが、しかし「部下がやるものだから」と丸投げして何も考えずに始めてしまうと、部下側が1on1に不慣れだったり用意してくれた話題が尽きた時などのカバーができなくなってしまいます。

何を話せば良いかわからず1on1が停滞してしまうのは非常にもったいなので、普段の部下の仕事ぶりや何気ない会話から話題をいくつかストックしておくと良いでしょう。

1on1を成功させるポイント

1on1を成功させたり、より効果的に実施するためのポイントを3つ紹介していきます。

  • 現場も巻き込んで1on1施策を行う
  • アイスブレイクを行う
  • 1on1研修やマネジメント研修を行う

現場も巻き込んで1on1施策を行う

「現場も巻き込んで1on1施策を行う」ことが最も大事なポイントです。

実際に1on1を実施するのは現場の当事者であるマネージャーとメンバーなので、現場に実践レベルの1on1の知識やノウハウが浸透し、且つ1on1の実施に理解や合意を得られて初めて施策として導入するようにしましょう。

経営層や人事の判断のみで済ませるのではなく、必ず当事者である従業員への教育やサポートを行い、1on1という制度は現場ありきであることを忘れないようにしましょう。

アイスブレイクを行う

スムーズに1on1を進行できるようになるまでは、割り切って「雑談などのアイスブレイクを行う」ことを意識しましょう。

上司と部下の関係が浅くは、いきなり業務的な話をするよりもまず雑談等でアイスブレイクを行い、部下の心理的安全性を確保するところから始めてみましょう。一対一でのコミュニケーションに慣れてもらい、「話しやすい」と感じてもらうことが先決です。

また、「話しやすい」と感じてもらうことは、なにも1on1ミーティングにおいてのみ効果するものではなく、普段から部下が困ったときに相談してもらいやすくなったりとコミュニケーション全般のハードルを低下させてくれます。

雑談や他愛のない話からはじまった1on1ミーティングでも、相手の緊張がほぐれるのに合わせて徐々に業務上での悩み事や課題などの話を聞き出せるよう変化させていければ上出来ですね。

1on1研修やマネジメント研修を行う

「1on1研修やマネジメント研修を行う」ことは1on1に対する正しい知識や理解を促進する上で非常に有効です。

資料や記事を読んでいわば「独学」で1on1についての知識や理解を得るのと、実際の1on1をシミュレーションしながら豊富なノウハウを持ったマネジメントのプロから研修を受けるのとでは、その理解の深さや実践に即活用できるかどうか、或いは必要な情報をピンポイントに過不足なく知ることができるかといった点で雲泥の差があります。

また、まとまった時間は必要になりますが、短時間の間集中して研修やプログラムを受けるほうが断続的に独学を行うよりも一気に知識や理解を定着させることができるので、効率性や実践性を求めるのであれば研修プログラムを組むことをおすすめします。


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1on1ミーティングで部下の心を開くテクニック

1on1は、まず部下に心を開いてもらわないことには何も始まりません。
会話やコミュニケーションのテクニックを使用することで部下に心を開いてもらいやすくなるため、積極的に活用してみましょう。

  • 承認・共感の時間を設ける
  • 相手の性格に合わせたコミュニケーションを取る
  • クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける

承認・共感の時間を設ける

「承認・共感を効果的に使う」ことでは、部下に「詰められている感」を感じさせないためにも非常に重要です。

1on1での指摘や説教があまりにも多いと、部下からすると「1on1は指摘や説教をされる場」という印象を持たれてしまい、心理的安全性を大きく損なってしまいます。「1on1が詰められる場になっている」ことは、1on1にネガティブなイメージを持たれてしまう代表的な理由であるとも先述しました。

一般的に、日本人は「3回承認して1回アドバイスを行う」というやり方が一番合っていると言われています。部下が話してくれる業務の振り返りや相談内容などについて、基本的には承認して部下の心理的安全性を確保した上で一言アドバイスや意見を挟むようにしましょう。

また、アドバイスについても、「指摘ではなく提案形式で投げかける」ことで、角を立てずにすんなりと受け入れてもらうという対話のスキルがあります。

例えば、「この資料だと〇〇についての情報が不足しててダメだよね」ではなく「○○について情報をもう少し盛り込んだら分かりやすくなるんじゃないかな?」というように、命令や指示として思考停止的に受け入れさせるのではなく、あくまで提案として投げかけることで、部下が自身で考えて納得した上で決定したという認識を持ってもらうことができます。


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相手の性格に合わせたコミュニケーションを取る

「相手の性格に合わせたコミュニケーションを取る」ことも、1on1で部下の心を開くテクニックの一つです。

部下と一口に言っても、「行動力・野心が強い主体的な部下」や「好奇心旺盛で周りと楽しむことが好きな部下」、「論理的で分析力が強い部下」などそれぞれ異なる性格や強みを持っており、このような異なるタイプに対応したコミュニケーションを取るために、ソーシャルスタイルという理論を活用することをおすすめします。

ソーシャルスタイルは、1968年にデビッド・メリル氏が提唱したコミュニケーション理論であり、人のコミュニケーションのタイプを「主導タイプ」「促進タイプ」「分析タイプ」「指示タイプ」という4つにカテゴライズし、最適なタイプを選択するというものです。

例えば、主導タイプは文字通りリーダーとして周囲を主導するような立場に立つことが多く、主体的な性格を持つ場合が多いです。このようなタイプはリーダーシップがある反面、意思が強く頑固な面もあるので、上司という立場から様々な意見や視野に触れさせて凝り固まらないようにサポートしてあげることが有効です。

また、この主導タイプとほぼ対極に位置するタイプとして支持タイプがあります。支持タイプは発言や主張が控えめで、そのため比較的パーソナリティを把握しづらい傾向にあります。このような部下には積極的に傾聴する側に回ることで、普段はなかなか聞くことができない相談や不満などを引き出してあげることが重要です。


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クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける

「クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける」ことは、相手が話しやすくなる会話テクニックの一つです。

クローズドクエスチョンは選択肢がある質問形式で相手が気楽に回答できるという特徴があり、オープンクエスチョンは自由に内容を考えて回答してもらうため内容の幅が広がりやすいという特徴があります。

最初に話題や深堀りしたいポイントを模索する際にはオープンクエスチョンで相手の大きい範囲でおおよその関心を特定し、その後はクローズドクエスチョンも織り交ぜながら行うべきアドバイスや支援を絞っていきましょう。

まとめ

現場に「1on1を強制された」と思わせずに、モチベーションを持って主体的に取り組んでもらうためにも、そもそも「1on1とは何か、どのようにするのか」という疑問を解消する必要があります。

1on1を目標管理や人材育成のツールとして役立たせるためにも、会社全体で1on1に対する知識や理解をしっかりと深め、現場への教育やサポートを怠らないようにすることが大切です。

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