1on1ミーティングのよくある12個の課題の対策をフェーズ別に解説!

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1on1ミーティングのよくある12個の課題の対策をフェーズ別に解説!

1on1ミーティングを導入したものの「なかなか定着しない」や「従業員が実施してくれない」など1on1に関わる課題を感じている方は多いと思います。
そのような悩みを抱える1on1を導入している企業の経営者や人事部の方々、これから1on1を導入していこうと考えている方、実際に1on1を実施している方々に向けて、1on1の導入前から導入後の実践のフェーズまでに起こる課題と対策について、1on1専門会社だからこそお伝えできる内容をご説明していきます。
この記事を読んだ後には、現状の課題を乗り越える方法が明確になっていると思います。ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです。

そもそも「1on1ミーティングとは?」を知りたい方はこちらの記事をご覧ください


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1on1ミーティングが定着するまでの3つのフェーズ

1on1ミーティングを導入する前から、実際に定着するまでのフェーズは主に3つのフェーズに分けられます。

  1. 導入前
  2. 導入初期
  3. 導入後

これらのフェーズには、共通する課題の特徴があります。
それらの課題を適切に対処することで、組織に1on1が定着するようになります。
また、各フェーズの課題を事前に理解し、準備を行なっておくことで、スムーズに定着への道を歩むことができるでしょう。

また、本記事後半では、1on1を実践するにあたってのよくある課題についてご説明していきます。

1on1ミーティング導入前のよくある3つの課題と対策

1on1ミーティング導入前のよくある3つの課題と対策

まず最初に、「1on1ミーティング導入前」によくある3つの課題について解説していきます。
このフェーズの課題を乗り越えないと、1on1導入したとしても、社員が1on1を実施しない可能性が高いです。

導入前の3つの課題は以下の通りです。

  • 導⼊背景・⽬的・導⼊後の理想の状態が定義されていない
  • 導⼊背景・⽬的・導⼊後の理想の状態に関して社内で共通合意できていない
  • 1on1のメリットや注意点について従業員が理解していない

それでは各課題の詳細と具体的な対策についてお伝えしていきます。

課題1:導⼊背景・⽬的・導⼊後の理想の状態が定義されていない

まず最初の課題は、1on1ミーティングの導⼊背景・目的・導⼊後の理想の状態の定義が曖昧であることです。

何事にも共通することですが、目的が不明確なまま施策を導入してしまうと上手くいきません。
また、導入した施策が効果的であるのかを検証するためのPDCAも実施することができないでしょう。
そのため、「なぜ1on1を導入するのか」について導入前にきちんと社内で議論し、決定しておくことが重要です。

そして、1on1が実施された後の理想の状態を決めておくと、導入後の効果検証となる定量指標や定性指標も明確になるでしょう。

この課題を乗り越えるためには、「なぜ1on1を導入するのか」「何を持ってこの施策は成功と言えるのか」を明確にするための会議を開催するようにしましょう。

課題2:導⼊背景・⽬的・導⼊後の理想の状態に関して社内で共通合意できていない

次に、1on1ミーティングの導⼊背景・⽬的・導⼊後の理想の状態に関して「共通合意」できていないという課題です。
これらの事項を社員の方々が合意できていないと、「また何か新しいことを始めたぞ、忙しいのに」と思わぬ反発が生まれてしまいます。

1on1の導入目的等は経営層や人事部のメンバーのみで決定しがちですが、現場の主要マネージャー数人(6人以下がおすすめ)も交えて、特に目的の部分を一緒に定めることを強くおすすめしています。

現場マネージャーを巻き込むことによって、現場の意見を反映させることができ、1on1導入後にも定着しやすくなります。
また、現場に目的等をしっかりと理解しているマネージャーがいることで、その方達が1on1の魅力をプロモーションしてくれる存在にもなります。

そのため、1on1の導入目的等を決める際には、経営・人事のメンバーだけでなく、現場メンバーも交えた会議を実施すると良いでしょう。

課題3:1on1のメリットや注意点について従業員が理解していない

次に課題となるものは、「1on1のメリットや注意点について従業員が理解していない」ということです。

様々な人事施策の中でも、1on1は特に現場主導の施策の1つです。そのため、現場の理解を得られていないと中々定着しません。
特に日本では、専業マネージャーは全体の10%しか存在せず、90%が「プレイングマネージャー」となっています。プレイングマネージャーの40%程度は、業務時間の半分以上がプレイヤー業務であるという情報があります。

特に、1on1を実施する現場マネージャーに1on1をすることで、逆に業務が楽になるなどのメリットを伝えていくことが重要です。
そのため、1on1の導入目的やその背景と一緒に、メリットや注意点についてもしっかりと伝えていく社内説明会を開催することが良いでしょう。

また、マネージャー向け、部下向けとそれぞれのメリットを提示できるように、従業員の状況に合わせた複数の説明会を実施できることがベストです。

他にも1on1に関する研修を実施するのも効果的です。


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1on1ミーティング導入初期によくある3つの課題と対策

1on1ミーティング導入初期によくある3つの課題と対策

次に、1on1ミーティング「導入初期」のよくある3つの課題について紹介していきます。
1on1ミーティング導入前の課題を乗り越えたはいいものの思ったように定着しないという企業様は多いです。

この導入初期の課題の共通点は、1on1を実施するための仕組みが不足していることです。
そのため、その仕組みを整えていくことが課題を乗り越えるキーポイントです。

導入初期の3つの課題は以下の通りです。

  • 実施頻度などのルールやコミュニケーション指針がない
  • 公式アジェンダや記録フォーマットがない
  • 実施状況や内容などをモニタリングする仕組みがない

課題4:実施頻度などのルールやコミュニケーション指針がない

導入初期のよくある課題の1つ目は「実施頻度などのルールやコミュニケーション指針がない」ことです。

上述の通り、現場は日常業務で忙しい中、新しく導入した1on1ミーティングは優先度が低くなりがちです。
そのため、ある程度形式的なルールがあることによって、現場もどのように1on1を実施すれば良いのかわかるため、1on1の定着に非常に役立ちます。

また、1on1でどのようにコミュニケーションを取ればよいのかわからず、困惑してしまいます。中には、一方的な伝達だけを行うマネージャーも出てくる可能性もあります。
そのため、「メンバーの悩みを聞く」「耳を傾ける」「一方的な意見や指導をしない」などの傾聴の姿勢や、「内省の促す」「気付きを与える」「解決策を導き出させる」などのコーチングの姿勢など、様々な1on1の場面に対応できるようなコミュニケーションにおける基本的な内容を記載したコミュニケーション指針を作成することが効果的です。

1on1の時に設定するべきルールは以下の項目です。

  • 1on1で話す内容の公式アジェンダを作成する
  • 1on1の実施目的を明確化する
  • コミュニケーション指針を作成する
  • 1on1の頻度・時間を設定する
  • 1on1のメモを残す場所を用意する

1on1のルールや効果的な頻度に関して詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください!

課題5:公式アジェンダや記録フォーマットがない

次に課題となるものは「公式アジェンダや記録フォーマットがない」です。

1on1を実施しているときによく起こることは、上司・部下それぞれが何を話していいか分からず、雑談に終始してしまうということです。
そのため、1on1導入前に期待していた効果が得られないだけでなく、時間を無駄にしてしまいます。
そこで、組織として1on1で何を話して欲しいのか、現場マネージャーが話したいこと、現場メンバーが話したいことを基に「公式アジェンダ」を作成することがおすすめです。
そうすることで、組織の理念浸透や目標達成力の向上、メンバーのモチベーションの向上などの効果が期待できる1on1が着実に実行されるようになります。

また、1on1で話した内容を記録するフォーマットや管理場所を用意しておきましょう。
1on1の記録を残すことで、マネージャー自身が自分の1on1を振り返ることに使えます。
また、記録を継続的に管理することで、現場メンバーが共通して課題になっている部分を特定することができ、解決するためのスキル習得のための研修を導入するなど、社内の人材育成にも活用することができます。

1on1の時に使えるテンプレートシートは下記記事で公開しているので、ご興味ありましたらぜひご覧ください

課題6:実施状況や内容などをモニタリングする仕組みがない

次に、「実施状況や内容などをモニタリングする仕組みがない」ことが課題となり得ます。

1on1を組織全体で導入したは良いものの本当に実施されているのかが確認できないという状況になっている企業様はよく見受けられます。
先ほど紹介した記録フォーマットの提出などを基に実施したという判断をしても良いでしょう。
しかし、この方法では運用コストが非常になってしまうため、分析できるツールやサービスを利用するという手段もあります。

また、公式アジェンダの利用状況も確認できると、公式アジェンダの見直しの指針となり、対話の質向上につながるでしょう。

このようにモニタリングの仕組みがないと、実施状況の確認だけでなく、どのマネージャーのマネジメント能力に課題があるのかもわからず、1on1を効果的に実施するためのPDCAサイクルを回すことができません。
そのため、定期的なモニタリングの仕組みがない場合は、早急に環境を構築することをおすすめします。


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1on1ミーティング導入後のよくある3つの課題と対策

1on1ミーティング導入後のよくある3つの課題と対策

次に、1on1ミーティング「導入後」のよくある3つの課題について説明していきます。

1on1導入初期を乗り越え、いよいよ組織に浸透させていくフェーズですが、効果的な1on1を定着させるためにも課題があります。
このような1on1の運用開始後は「いかに形骸化させないか」が重要なポイントとになります。

それでは、本格的に1on1を定着させていくための方法についても解説していきます。

導入後のよくある3つの課題は以下の通りです。

  • マネージャーごとに1on1の質がバラバラ
  • 目標達成力向上や離職防止などの成果が得られない
  • 部署や個人ごとの改善点の抽出・対策ができていない

課題7:マネージャーごとに1on1の質がバラバラ

1on1を実施していると「マネージャーごとに1on1の質がバラバラ」であるということがよく起こります。
質がマネージャーごとに違うと、部下からの信頼関係や成長スピードなど、効果が属人的になってしまいます。

この課題には、各マネージャーの質をある程度揃えるための1on1・マネジメント研修を導入することが効果的です。
また、導入初期フェーズで構築したモニタリングの結果をもとに、1on1が苦手そうな人に個別にアプローチしていく手段もあります。

上記のような対策を実施することで、マネージャーのマネジメントに対する意識向上にも繋がり、効果的な1on1の促進につながります。

課題8:目標達成力向上や離職防止などの成果が得られない

次に、目標達成力向上や離職防止など導入時に期待していた成果が得られないという課題が生じます。
この課題は一重に目的に応じた1on1を実施できていないことが考えられます。

そもそもマネージャーたちも導入前の1on1の目的を忘れてしまっている可能性もありますし、1on1に苦手意識があり「何を話して良いか分からない」という状況に陥っているかもしれません。

再度マネージャーたちに1on1の目的やメリットを伝える機会を設けることはもちろんのこと、目的ごとのテンプレートのアジェンダを用意してあげることが効果的です。

例えば、目標達成力向上を目的とするアジェンダは以下のようなものが考えられます。

  • 今の目標を、さらに具体化したサブ目標はありますか?
  • 目標を達成することで、あなたは何が得られると思いますか?(これをやることのメリットは何でしょうか?)
  • 目標を達成することで、周囲にどんな影響を与えられると思いますか?
  • 目標は、何があれば達成できるでしょうか?
  • 目標達成のために、私(上司)や周囲からの何かサポートは必要ですか?

上記のように目的に応じた1on1のアジェンダをいくつか準備することが重要です。

他にも目的に応じたアジェンダを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください!

課題9:部署や個人ごとの改善点の抽出・対策ができていない

1on1導入後の課題として「部署や個人ごとの改善点の抽出・対策ができていない」ことがあります。
上述の通り、これらの課題の抽出ができていないとマネージャーごとの1on1の質の差がどんどん大きくなってしまいます。
そのため、できるだけ早く部署・個人の課題点を特定する必要があります。

方法としては、各部署の1on1の実施状況や1つひとつの1on1の内容を確認し、きちんと対話がなされているのかをチェックします。
そうして得られた情報をまとめることで、課題へのアプローチ方法が見えてきます。

また、部下に対して1~3ヶ月に1回程度の頻度で「上司との1on1にスッキリ感はあるか?(10段階)」というアンケート調査を実施して、1on1に課題があるマネージャーを特定していくこともできます。

一般的な対策としては、パフォーマンスやフィードバックの質が低いマネージャーを特定して、それらの人たちを集めた1on1の研修を実施することがお勧めです!

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1on1ミーティング実施者のよくある3つ課題と対策

1on1ミーティング実施者のよくある3つ課題と対策

これまでは組織や部門単位などの会社として課題となるものを中心に紹介してきましたが、ここからは1on1を実際に行なっている個人に課題がある場合についてお伝えしていきます。
組織として1on1を導入すると、どうしてもやる人・やらない人が出てきます。
そのような人たちが1on1を実施しない理由は、以下の3つに分けられます。

  • 1on1を実施する意味や意義を理解していない
  • 効果的な1on1が実施できていない
  • ガイドラインに沿った頻度・アジェンダで1on1を実施していない

これらの課題に対する対策について詳しく解説していきます。

課題10:1on1を実施する意味や意義を理解していない

まず、マネージャーが「1on1を実施する意味や意義を理解していない」ことです。
この場合、2つのパターンに分けられ、「シンプルに知らない場合」と「認められないなど1on1の実施に抵抗がある場合」です。

シンプルに知らない場合」は簡単で、導入前に実施したような1on1に関する説明会を開催すれば良いでしょう。
このような方は多くの場合、1on1実施後に中途入社してきた方です。そのため、オンボーディング期間中に1on1のオンボーディングも合わせて実施すると良いでしょう。

認められないなど1on1の実施に抵抗がある場合」は非常に難しいケースです。
この人の場合は、合理的でない他の要因が影響して、実施しない場合が多く、どれだけアドバイスややり方を伝えても実施すらしようとしないのが特徴です。
このような人の場合の対策は、社内で1on1の効果を実証して、周りの人から勧められるのが最も効果的です。
そのため、社内の1on1にポジティブな印象を持っている現場マネージャーを特定し、その人からアプローチしてもらう方法が良いでしょう。
主体的にこのような動きをとってくれる人数を増やしていくことが、1on1が定着する重要要素となります。

また、社内の1on1を表彰する取り組みを実施したり、良い1on1の事例を紹介したりして、会社全体で1on1を実施することに価値があるという雰囲気を作っていくことも重要です。

他にも、1on1の実施をマネージャーの評価制度の項目に入れてしまうという手法もあります。

課題11:効果的な1on1が実施できていない

次に「効果的な1on1が実施できていない」という課題です。
会社から言われて1on1をやってみても効果が実感できないなど「やっても意味がない」と感じられている方に多い印象です。

このような人は、会話のパターンが少ない場合が多いです。
1on1ミーティングで雑談に終始したり、「最近どう?」「あれどうなった?」「何話す?」という中身のない話をしている場合が多く、その結果「やっても意味がない」と言っている人が多いイメージです。

対策としては、会社からいくつかの質問項目を用意したアジェンダを作成し、共有すると良いでしょう。
アジェンダを用意しておくと、マネージャーの1on1の準備時間の削減など負担を軽減し、効率的に実施することができます。


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課題12:ガイドラインに沿った頻度・アジェンダで1on1を実施していない

最後のよくある課題は「ガイドラインに沿った頻度・アジェンダで1on1を実施していない」という課題です。
この場合は、忙しすぎて1on1を実施することができない人とあくまで自己流のやり方にこだわっている人などがいます。

忙しすぎて1on1を実施することができない人に関しては、フォロー体制を整えたり、仕事の割り振りを見直したりするなどを行なったりする方が最も効果的です。
他にも、1on1やその他の事項についても相談に乗る個別相談会を実施しても良いでしょう。

自己流のやり方にこだわっている人に関しては、再度管理職研修を実施したりして、マネジメントに関して学ぶ機会を作ることが必要でしょう。

また、1on1ミーティングは組織の経営戦略に基づいた人事施策の1つですので、評価制度に1on1の項目を追加するなど、実施を徹底させるような状況を作っても良いかもしれません。

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まとめ

この記事では、1on1ミーティングでよくある課題を12個対策とともに紹介してきました。

これらの課題を着実に乗り越えていくことで、1on1は組織に浸透します。現状の組織上で起こっている課題を特定して、適切に対処していきましょう。

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