1on1ミーティングとコーチングの違いとは?特徴やティーチングについても徹底解説
近年では組織改革や組織開発の手法として、1on1ミーティングやコーチングという言葉をよく聞くようになりました。
1on1ミーティングとコーチングは雰囲気は似ていますが、異なるマネジメント手法です。
そこでこの記事では、1on1ミーティングとコーチングの違いについて解説します。
また、1on1ミーティングとコーチングに関連するティーチングについてもお伝えし、読んでくださった方が自社に合うマネジメント手法を選ぶことができるような内容になっています。
1on1ミーティングとコーチングの違い
この章では、1on1ミーティングとコーチングの違いについて話します。
1on1ミーティングとは
1on1ミーティングとは、「1対1で部下と上司が定期的に話す施策」のことを言います。ヤフー・ジャパンが2012年に実施してから大きく広がりました。
実地目的としては、「部下に悩みを聞く」「部下のモチベーションを上げる」「部下を成長させる」のような目的で実施することが多いです。
しかし、1on1の最上位の目的は「会社の課題を解決すること」です。
そのため、「メンバーの離職が多い」という課題が会社にあるのであれば「部下の悩みを聞く」ことを目的に1on1をするべきですし、「メンバーレイヤーが成長しないため、業績が上がりにくい」という課題が会社にあるのであれば「部下を成長させる」ことを目的に1on1をするべきです。
世間では「1on1は部下のための時間」と言われることが多いですが、「マネージャーが部下に指示が出せない」という課題が会社にあるのであれば「マネージャーが部下に指示を明確に出す」ことを目的に1on1をする事もあります。
1on1ミーティングのメリット
1on1の最大のメリットは「現場からの生の声を聞いた上で対策が打てる」ことです。
全体でのミーティングや数字だけでの判断ですと、どうしても現場とズレた施策がなされることが多いため、直接メンバーから困りごとを聞いて解決策を打てる1on1という場は他の施策とは別の大きなメリットがあると言えるでしょう。
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1on1ミーティングのデメリット
1on1ミーティングのデメリットは、効果を発揮するために技術と時間のコストが必要なことです。
1on1でメンバーの意思を把握したり、メンバー育成や能力向上をするには、マネージャーにはメンバーから話を聞き出すコミュニケーション能力や、事前に話す内容を準備する時間が必要です。
また、1on1の目的に応じて「メンバーに何を話したら目標達成できるのか?」「メンバーが組織視点で思考できるようには何を伝えるべきか?」と話す内容をあらかじめ整理しないといけません。
そのため、1on1ミーティングには時間とスキルが必要です。
コーチングとは
コーチングとは、「メンバーが自分から考えたり行動したりするようにするコミュニケーション」のことを言います。
コーチという言葉は、もともと「馬車」のことを指し、「主人を望むところまで送り届ける」という意味で使われていました。
そこから「人の目標達成を支援する」という意味で使われるようになりました。
コーチングでは、基本的に「教える」「アドバイスする」ことはせず、代わりに、「問いかけて傾聴する」という対話を通して、相手自身から様々な考え方や行動の選択肢を引き出し相手のレベルアップに貢献します。
コーチングのメリット
コーチングの最大のメリットは、メンバーが自発的に考える能力がつくことです。
仕事で成果を残し続けるには、自分の持っている知識を抽象化して、活用する力が必要です。
そのため、コーチングを通じて自分の中の答えを出し、言語化する事をサポートをすることで、自発性や優先順位をつける力を身につけていくことができます。
コーチングのデメリット
コーチングの一般的なデメリットとしては、経験の浅いメンバーには効果が全くない事がある点が挙げられます。
基礎基本の知識や能力がついてない状態で、自分で考えてしまうと個人の主観によりすぎたアイデアが出てしまうリスクがあるので、
経験が浅いメンバーには、研修や指導を重ねて基本的な業務能力を身につけさせることからはじめる方が良いでしょう。
コーチングとティーチングの違い
コーチングがメンバーが自分から考えたり行動したりするようにするコミュニケーションなのに対し、ティーチングはマネージャーからメンバーに一方通行で知識を伝えるスタイルのコミュニケーションです。
メンバーが自分で考えれることが理想ですが、基礎基本の知識や能力がついてない方には、コーチングよりもティーチングで人材育成する方が進め方としては適しています。
1on1ミーティングで使えるコーチングスキル・ティーチングスキル
実際に1on1ミーティングで使えるコーチングスキルを3つとティーチングスキルを2つまとめて提供しますので、ぜひ使って見てください。
傾聴力|コーチングスキル
傾聴力とは、相手の話に耳を傾けて共感しながら聞く力のことです。
傾聴力には様々なテクニックがありますが、今回は「ミラーリング」と「オウム返し」のテクニックについて記載します。
「ミラーリング」は、鏡のように相手と同じ動きをすることで、姿勢や表情、しぐさ、声のトーンなどを相手と同調することで、親密感や安心感を感じさせることができます。
わざとらしくならないように、タイミングをはかったり真似するポーズを左右反対にしたりするのがうまくミラーリングするコツです。
「オウム返し」は、相手が話したことをオウムのように繰り返すことで、しっかり理解してくれているという印象を与え、共感を示すことができます。
相手の感情に寄り添いつつ、一部を抜粋するように返すといいでしょう。
ただし、タイミングや頻度を間違え普通じゃないと思われてしまうと、逆効果にもなります。
すべてに「オウム返し」していると、相手から「オウム返し」しかしない人と思われ、真剣に話をしてくれなくなってしまうので気をつけましょう。
質問力|コーチングスキル
質問力とは「メンバーが回答しやすいような質問をする力」のことを言います。
おすすめの質問のやり方としては、「仮説込みの質問」になります。
例えば、営業成績の良いメンバーからそのノウハウを引き出したい際に、「Aさんってなんでそんなに人と信頼関係を築くのが上手いの?」と聞く方が多いですが、ここに仮説を入れて「Aさんは企業の経営状況とかポイントを調べてから、顧客と信頼関係を築けるのかなと思ったんだけど合っていたりする?」と聞く方が、メンバーとしても答えやすいです。
また、仮説は当たっている方が良いですが間違っていても問題ありません。仮説がある事で「自分は、企業調べそんなにしてないなあ、でも企業から情報を聞くが他の人より得意なのかも?」と思考するきっかけになるからです。
このように、仮説を含んだ質問をすることで、抽象的な質問をするよりも、メンバーが答えやすくなるだけでなく、思考を促進させるため非常に効果的です。
承認力(褒める力)|コーチングスキル
人は承認されたり褒められる事で、より話たくなる生き物です。
ただ、メンバーによって褒められた時の感じ方が違うので、ソーシャルスタイルごとにメンバーを場合分けして承認することをおすすめします。
ソーシャルスタイルとは1968年にアメリカの産業心理学者、デビッドメリル氏が提唱したコミュニケーション理論のことで、4つに分類される人のコミュニケーションのパターンを活用し、適切なコミュニケーションを選択するものです。
種類としては、「主導タイプ、促進タイプ、分析タイプ、支持タイプ」があり、それぞれのタイプに分けて適切なコミュニケーションを選択します。例えば、促進型の方は特徴として、認めて欲しい欲が高い傾向にあり、褒めれらる事が好きな性格な方が多いです。そのため、褒めや承認の言葉を多めにしながら聞くことを意識すると良いでしょう。
また、分析型の方は特徴として、論理的なことを重要視する傾向にあり、ただたくさん褒めてもあまり嬉しいと感じない性格な方が多いです。
そのため、褒める量ではなく「〇〇さんの△△の部分は〜〜と言う観点でいいね」と具体的に褒めたり承認しながら聞くことを意識すると良いでしょう。
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要素分解して教える|ティーチングスキル
ティーチングの際には、要素分解して教えるということを意識するとティーチングが成功しやすいです。
今回は、営業組織のマネジメント側の方が社員に「より効率的に営業活動を実践する方法」を教育することを例に要素分解の方法について記載します。
まずは、営業をする際の取り組みを書き出します。
例えば、営業で活動であれば
- お客様の事業について調べる
- お客様にアポイントを取り、話す機会をいただく
- サービスを使うと何が実現できるのかを伝える
- サービスを導入する際のフローについて伝える
の4つの要素に分けることができます。
2つ目のステップの「お客様にアポイントを取り、話す機会をいただく」ことに課題がある場合、アポイント獲得のプロセスをさらに分解していきます。さらに分解すると以下のように分けられます。
- 電話での最初の挨拶
- 冒頭で架電の目的を伝える
- 電話の中盤で話すお客様がいいなと思ってくれそうな情報
- お客様の反対意見に対しての切り返し
- 終話の際の言葉
その中で、メンバーがこの中で反対意見に対しての切り返しトークで困っていたら、メンバーに合わせて「お客様への切り返しトークをケース別に5種類お伝えするね」と伝えていくとメンバーが納得しやすいのでおすすめです。
このように、課題に感じている部分を要素分解していくことで、より具体的な課題が明確になり、効果的なティーチングを実施することができるのです。
課題の原因を明らかにする||ティーチングスキル
コーチングの際は、メンバーが自分の課題の原因を自発的に発見することに価値がありますが、場合によっては早期に課題を発見しないといけないこともあります。
その場合はマネージャーに課題の原因を明らかにして、ティーチングをするのが有効です。
メンバーの課題を明らかにする方法としては、メンバーを観察して他のメンバーと比べる方法をおすすめします。
他のメンバーと比べることで不十分な部分がわかり、その部分に対してフィードバックを行うことで課題解決が見込めます。
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まとめ
本記事では、1on1ミーティングとコーチング、ティーチングの違いについて解説しました。
近年では採用が難しくなり、社員を会社の財産と捉える「人財」という考え方も普及してきました。
そのため、1on1ミーティングやコーチング、ティーチングをうまく使えるベースが会社にあるとメンバーが成長しやすいので是非力を入れると良いでしょう。
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- 1on1のスケジュールを何度も設定する
- 毎回1on1のアジェンダを決めるのに時間がかかってしまう
- 1on1の記録の管理が面倒くさい
- 従業員がどんな1on1を実施しているのか把握できない
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よくある質問(Q&A)
1on1ミーティングが注目されている背景とは?
1on1ミーティングが注目されている背景は様々ありますが、現代の社会やビジネス界が、変化のスピードが速く予測しづらいVUCAの時代になったことが一番の理由だと考えています。
- V(Volatility)変動性
- U(Uncertainty):不確実性
- C(Complexity):複雑性
- A(Ambiguity):曖昧性
上記の頭文字をとってVUCA時代と呼びます。現在は、メタバースやNFTなどの新しい概念が生まれては、すぐにそれがビジネスに応用されていくような時代です。
また、今後も時代は更に混迷を強くしていくと考えられ、想定外な場面に遭遇する可能性が高まっていきます。
そのような環境で、企業自体が柔軟で変化に強くなることが求められています。そして、変化に柔軟に対応するための手段として1on1ミーティングが期待されています。
1on1ミーティングで何を聞くべきですか?
1on1ミーティングで聞くべき内容は様々ありますが、今回は中でも聞いた方が良いアジェンダについてご紹介します。
話すべきアジェンダはズバリ下記5つになります。
- 目標達成についてのアジェンダ
- キャリア支援のためのアジェンダ
- 部下育成のためのアジェンダ
- 行動指針・バリュー浸透のためのアジェンダ
- 人事評価の材料を集めるためのジェンダ
1つ目の「目標達成」については、目標の設定から「なぜ達成できたのか?できなかったのか?」を聞くと良いでしょう。
2つ目の「キャリア支援」については、社内でどんな自己実現をしたいのかを聞いて、現状の状態と比較できるように質問すると良いでしょう。
3つ目の「部下育成」については、メンバーの主体性が育めるようコーチングのテクニックを使いながら聞くと良いでしょう。
4つ目の「行動指針・バリュー浸透」ついては、メンバーに自信を客観視させて会社の行動指針と沿った行動ができているか?を問うと良いです。
5つ目の「人事評価の材料を集める」ついては、評価の材料を集めようとしすぎず、実際にメンバーが行った事実のみをメモとして残しておくと良いでしょう。
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