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1on1の質問は「心身の健康」「モチベーション」「業務課題」「目標進捗」「キャリア」「相互理解」の6分類で整理すると、部下の状態に応じた問いかけを選びやすくなります。テンプレートは質問の並び順に設計思想を持たせ、固定質問と変動質問の二層構造で運用するのが定着のコツです。
実際の活用例として、話す内容のバリエーションが増え1on1の質が向上した事例も、質問のレパートリーを広げる工夫の参考になります。
リクルートマネジメントソリューションズの2024年1on1ミーティングに関する実態調査では、1on1ミーティングを導入済みの企業は約7割にのぼります。一方で「質問がワンパターンになり部下が本音を話さなくなった」という声も増えています。
参考:2024年1on1ミーティングに関する実態調査|リクルートマネジメントソリューションズ
質問の引き出しを増やすだけでは、この問題は解消しません。問いかけの数よりも「どの順序で、何を目的に聞くか」の設計が1on1の質を左右します。
弊社が200社超の組織支援で見てきた傾向として、質問テンプレートの「設計思想」を理解しているマネージャーほど、部下の行動変容につながる対話を実現しています。この記事を最後まで読めば、6分類の質問例と、テンプレートを形骸化させずに運用するコツが手に入るはずです。
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1on1質問を6分類で整理する基本フレーム
1on1の質問は「心身の健康」「モチベーション」「業務課題」「目標進捗」「キャリア」「相互理解」の6分類で整理すると、部下の状態に合わせた質問を選びやすくなります。
1on1を導入している企業が増えるほど、質問の型だけでは対話の質を保ちにくくなります。質問の狙いを意識して使い分けることが、部下の状態に合わせた対話を続けるポイントになります。
心身のコンディションを確認する質問例
心身の健康を確認する質問は、1on1の冒頭で使うと部下が話しやすい雰囲気をつくれます。体調やメンタルの変化は業務パフォーマンスに直結するため、早い段階で異変をつかむことが上司の役割になります。
具体的には「最近、睡眠の質に変化はありますか」「業務量で無理がかかっている部分はありますか」「休日にしっかり休めていますか」といった問いかけが有効です。いずれもイエス・ノーで終わらない聞き方にすることで、部下が自分の状態を言語化しやすくなります。
聞き方のコツとして、「最近どうですか」のような漠然とした質問は避けるのが賢明です。具体的な場面や時間軸を添えると部下は答えやすくなり、健康確認の質問を毎回必ず入れる「固定枠」としてテンプレートの最初に配置しやすくなります。冒頭で体調を聞くことで、その日の1on1全体のトーンを部下の状態に合わせて調整できます。
モチベーションの変化をつかむ質問例
モチベーションに関する質問は、部下の意欲低下を早期に察知するために欠かせません。営業職の場合、数字のプレッシャーが常にかかるため、意欲の変化が成果に直結しやすい傾向があります。
「今の仕事で一番やりがいを感じる場面はどこですか」「最近、仕事でがっかりしたことはありますか」「チーム内で改善したいと思っていることはありますか」などが使いやすい質問です。ポジティブとネガティブの両面から聞くことで、部下の本音に近づけます。
意欲低下のサインとして、発言量の減少や質問への回答が短くなる傾向は見逃しやすいポイントです。前回と比べて反応が薄いと感じたら質問の角度を変えて深掘りし、健康確認の直後に配置すると「では仕事面はどうですか」と自然に移行できます。体調に問題がないと確認できた上で聞くため、部下も話の切り替えがしやすくなります。
業務上の課題を引き出す質問例
業務課題に関する質問は、1on1を「ただの雑談」で終わらせないための核になります。営業マネージャーの場合、商談の進捗やパイプラインの状況を把握しつつ、部下自身が課題を言語化できるよう促すのがポイントです。
「今週の商談で一番手応えがあったのはどの案件ですか」「進行中の案件で、判断に迷っているものはありますか」「チーム内で連携がうまくいっていない部分はありますか」といった質問が有効です。KPIの数字を問い詰めるのではなく、部下の判断プロセスに焦点を当てることが信頼関係の維持につながります。
業務報告との違いを意識することも大切です。1on1での業務質問は「結果の報告」ではなく、「課題の発見と解決策の共創」を目的とします。テンプレートの中盤に配置し、判断条件、関係者、確認データをそろえると、担当者ごとの判断差を抑えながら業務報告と切り分けられます。
目標の進捗を確認する質問例
目標進捗を確認する質問は、短期の業績目標と次の行動を接続するために使います。営業マネージャーは数字の達成可否だけでなく、部下がどの案件で迷い、どの行動を変えるべきかまで確認します。
質問例としては「今月の目標に対して、現時点でどのくらい手応えがありますか」「目標達成に向けて、足りないと感じていることはありますか」「次回までに変える行動は何ですか」などが使いやすいものです。結果だけを聞くのではなく、次の打ち手まで一緒に確認します。
目標進捗の確認は毎回行い、前回の合意事項と現在の状況をつなげて聞くと、1on1が報告会になりにくくなります。未達理由を詰めるより次に試す行動を具体化し、テンプレートでは「毎回の固定枠」として分けます。短期目標の確認漏れを防ぎ、部下の行動改善を継続的に支援できます。
キャリアの方向性を探る質問例
キャリアを考える質問は、日々の目標とは別に、部下が中長期で身につけたい経験や役割を確認するために使います。毎回ではなく月1回程度に絞ると、評価面談のような圧迫感を避けやすくなります。
質問例としては「半年後にどんなスキルを身につけたいですか」「今の仕事の延長線上に、目指したいキャリアはありますか」「次に挑戦したい役割はありますか」などが挙げられます。短期の成果確認とは分けて扱うことで、部下が将来の希望を話しやすくなります。
テンプレートではキャリアを「月次の変動枠」として設け、目標進捗とは別の欄に記録します。短期目標の評価と混ぜず、本人が望む経験、任せられる業務、次に確認する時期を分けて残すと、1on1の内容を育成計画へつなげやすくなります。日々の業務と中長期の成長を混同しないことが、対話の質を保つポイントです。
上司と部下の相互理解を深める質問例
相互理解を深める質問は、上司と部下の前提認識をそろえるために使います。仕事で大事にしている価値観や、支援してほしい場面を聞くことで、普段の指示やフィードバックの受け止め方を調整しやすくなります。
質問例としては「仕事を進めるうえで大事にしていることは何ですか」「上司からどのような支援があると動きやすいですか」「フィードバックを受けるときに配慮してほしいことはありますか」などがあります。業務課題に入る前に前提をそろえることで、認識のずれを減らせます。
1on1の質問テーマの整理は、1on1で話すべきテーマと質問の組み立て方の記事で詳しく解説しています。相互理解で得た内容は、報告頻度や相談しやすいタイミングの調整など、仕事の進め方を合わせる目的で使います。
質問テンプレートの設計思想と使い方
1on1テンプレートは「質問を並べたシート」ではなく、対話の順序と深さを設計するツールです。質問の並び順には意図があり、設計思想を理解して使うことで形骸化を防げます。
テンプレートの基本構成と質問の並べ方
1on1テンプレートの質問は「アイスブレイク」「状態確認」「課題深掘り」「次回アクション」の4ステップで並べるのが基本構成です。この順序には、部下の心理的ハードルを段階的に下げる設計意図があります。
「課題深掘り」では業務上の困りごとや判断に迷っている案件を扱い、最後の「次回アクション」で具体的な行動計画を1つだけ決めます。この4ステップを30分の1on1に収める場合、目安は5分・5分・15分・5分の配分です。
テンプレートに時間配分の目安を記載しておくと、マネージャーごとのばらつきを抑えられます。特に「課題深掘り」に十分な時間を確保することが、部下の行動変容につながるポイントです。
読み上げだけでは対話が浅くなる理由
通説では「テンプレートどおりに質問すれば1on1の質が安定する」と考えられがちですが、実際にはテンプレートを忠実に運用しすぎることで部下の本音が出にくくなるケースがあります。質問を順番に消化すること自体が、対話をチェックリスト化してしまうのが原因です。
テンプレートは「聞くべき項目の備忘録」として活用し、実際の対話では部下の反応に応じて質問の順序や深さを柔軟に変えることが求められます。質問の「型」を持ちつつ、型に縛られない運用が理想です。
テンプレートと対話のバランスを取るには、全質問を消化しようとせず「今日はこの2問を深く聞く」と事前に優先順位を決めておく方法が有効です。残りの質問は次回に回す前提で設計すると、部下のペースに合わせやすくなります。
部下の反応に合わせて質問を切り替えるコツ
テンプレートを活用するには、毎回確認する「固定質問」と状況に応じて入れ替える「変動質問」を分ける「固定・変動二層テンプレート」として運用します。固定質問は健康、前回合意、次回行動の最低限の確認項目、変動質問は部下の状況や前回の内容に応じて入れ替える項目です。
変動質問は、前回の1on1で出てきた課題のフォローアップや、今月の目標に対する進捗確認など、そのタイミングに合った問いかけを選びます。テンプレート上では「変動枠」として3〜4問分のスペースを確保しておき、1on1の前日にどの質問を入れるか決めるのが実践的な運用です。
この二層構造により、テンプレートが「毎回同じ質問シート」になるリスクを防ぎつつ、最低限の確認項目は漏れなくカバーできます。固定質問は四半期に一度見直すサイクルを設けると、形骸化の防止にもつながります。
目的別に使える1on1質問テンプレート
1on1の質問は、目的ごとに使い分けることで対話の焦点が明確になります。ここでは、業務課題、キャリア支援、課題解決の3つに分けて、テンプレートに入れやすい質問例を整理します。
業務課題を具体化して引き出す質問例
業務課題を引き出す質問では、結果の確認だけでなく、部下がどの場面で迷っているかを言語化してもらうことが重要です。「今週の商談で一番判断に迷った場面はどこですか」「進行中の案件で、次に相談したいことはありますか」「チーム内で連携しにくい部分はありますか」といった質問が使えます。
1on1は「部下のための時間」であり、発言量は上司が話し続けていないかを点検する目安になります。リクルートマネジメントソリューションズの2024年1on1ミーティングに関する実態調査を参照しながら、自社では部下が話す時間を確保できているかを振り返ると、運用改善の論点を見つけやすくなります。
質問を投げた後に上司がすぐ補足説明を重ねると、部下は自分の考えを整理する前に受け身になってしまいます。テンプレートには「聞いた後に待つ」欄を設け、上司の発言比率を振り返る運用にすると、業務課題の深掘りが進みやすくなります。
参考:1on1ミーティングに関する実態調査|リクルートマネジメントソリューションズ
キャリア支援につなげる質問例
キャリア支援を目的にした質問では、直近の目標とは切り離して、部下が今後どのような経験や役割を望んでいるかを確認します。「半年後に身につけたいスキルは何ですか」「次に挑戦したい仕事はありますか」「今の業務で将来につながると感じる部分はどこですか」といった質問が候補になります。
注意点として、1on1が「評価面談の延長」と受け止められると、部下は防御的になりやすくなります。冒頭で「この場は評価とは切り離して話す時間です」と伝え、1on1の内容を人事評価シートにそのまま転記しない運用を説明しておくと、キャリアの希望を聞きやすくなります。
次のアクションを決める質問例
課題解決を目的にした質問では、部下が「特にありません」と答えた場合でも、別の角度から状況を確認します。「先週と比べて変わったことはありますか」「何でも変えられるなら、業務で一つ変えたいことは何ですか」「次回までに試したい行動はありますか」と聞くと、具体的な打ち手に進めやすくなります。
それでも沈黙が続く場合は、上司側から「最近こういう場面を見ていて、こう感じた」と短く自己開示する方法もあります。上司が先に考えを少しだけ開示することで、部下が自分の状況を話し始めるきっかけをつくれます。
質問テンプレートを形骸化させないコツ
質問テンプレートを「使い始める」だけでなく「組織に定着させる」には、段階的な導入ステップが有効です。弊社が200社超の組織支援で見てきた傾向として、最初から完成版を配るよりも、少ない質問で始めて、部下とマネージャーの反応を見ながら更新する方が継続しやすくなります。
固定質問と変動質問を分けて設計する
弊社の支援現場では、全員に同じ質問を続けるほど、部下の回答が短くなり、前回との差分を確認しにくくなる場面があります。質問テンプレートは標準化のために使うものですが、部下ごとの課題や前回の合意事項を反映しないと、対話が確認作業に寄ってしまいます。
導入初期は「体調面で気になることはありますか」「今週のハイライトとローライトを1つずつ教えてもらえますか」「次回までにやっておきたいことは何ですか」の3問に絞ると、固定質問の負担を抑えやすくなります。部下の役職・経験年数・直近の課題に応じて質問を変える仕組みが、テンプレートの形骸化を防ぐ要点になります。
1on1でやってはいけないNG行動やその対処法については、1on1で避けるべき失敗パターンと改善策の記事で具体的に紹介しています。質問の扱い方を見直す際の判断材料として、テンプレート運用と合わせて確認できます。
質問の意図をマネージャー間で共有する
質問を追加するときは、質問文だけでなく「何を確認するための質問か」もマネージャー間で共有します。意図が共有されていないと、同じ質問でも聞き方がばらつき、部下には確認作業のように伝わりやすくなります。
3問の運用に慣れてきたら、「聞いてほしいテーマがあれば教えてもらえますか」と部下に確認し、出てきた要望を変動質問として追加します。固定質問は維持し、変動質問を少しずつ入れ替えると、テンプレートの標準化と個別対応を両立しやすくなります。
マネージャーミーティングでは、「質問文」「質問の意図」「使う場面」をセットで共有すると、チーム内の知見として蓄積しやすくなります。
1on1以外の場で問いや進行を設計する際は、チームビルディング テンプレートやオフサイトミーティング テンプレートも、目的と進め方をそろえる判断材料になります。質問の意図までそろえることで、部下に合わせた調整もしやすくなります。
1on1後の記録とフォローアップを回す
テンプレートに回答を記録していても、その内容が次のアクションに反映されなければ、部下は「話したことが何も変わらない」と感じやすくなります。最終欄に「今日決めたアクション」を1つだけ書き、次回の冒頭でフォローする流れを固定します。
マネージャー自身が「次回までに自分がやること」も記録しておくと、1on1が部下だけに宿題を渡す場になりにくくなります。チーム内で共有する際は、個人情報や評価に関わる内容を除き、質問の使い方やフォロー方法に絞って蓄積します。
1on1で出た課題を育成計画に落とし込む場合は、部下育成 計画 テンプレートを確認すると、面談内容を次の育成アクションへ接続しやすくなります。
よくある質問
1on1の質問テンプレートは毎回同じでよいですか
固定質問2〜3問は毎回同じで構いませんが、残りの質問は部下の状況や前回の対話内容に応じて入れ替えるのが効果的です。全問固定のまま3か月以上使い続けると、部下の回答がパターン化して対話が浅くなる傾向があります。
1on1で部下のキャリアにどこまで踏み込むべきですか
キャリアに関する質問は「半年後・1年後にどうなりたいか」程度の粒度から始めるのが適切です。転職意向やプライベートの人生設計にまで踏み込む必要はなく、部下が自発的に話す範囲を超えて深掘りしないのが信頼関係を保つ基本姿勢になります。
1on1の頻度はどのくらいが適切ですか
1on1の頻度は、部下の業務サイクルとフォローしたい行動の単位に合わせて決めます。営業組織で週次商談レビューがある場合は、15〜30分の短い1on1を週1回置くと、前回の合意事項を次の行動へつなげやすくなります。
まとめ
1on1の質問は6分類で整理し、テンプレートには「固定質問」と「変動質問」の二層構造を持たせることで、形骸化を防ぎながら部下の状態に合わせた対話が実現できます。テンプレートを導入する際はまず3問に絞って小さく始め、部下のフィードバックを元に段階的に拡張するのが定着の近道です。
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