営業1on1のテーマ例と進め方|成果につながる話題の選び方と記録方法

▼ この記事の内容

営業1on1のテーマは、案件前進、顧客理解、商談準備、行動改善、育成課題に分けると選びやすくなります。成果につなげるには、話題を増やすより、今日扱う論点を1つに絞り、事実確認から次回行動まで着地させます。

営業1on1で何を話すかが決まらないと、面談は近況確認や案件報告で終わりやすくなります。テーマが曖昧なまま始めると、部下も準備できず、上司もその場の質問に頼ることになります。

営業成果につなげるには、売上結果だけでなく、商談前後の行動、顧客理解、優先順位、育成課題を分けて扱う必要があります。面談の目的を一つに絞ると、30分でも次の一手まで決めやすくなります。

この記事では、営業1on1で使えるテーマ例、話題の選び方、当日の進め方、避けたい話題、記録への残し方を整理します。人事や営業マネージャーが共通運用を作るときの型としても使えます。

営業1on1のテーマ設計を共通化したい場合は、先に1on1全体の見方を整理しておくと、面談ごとのばらつきを減らせます。


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営業1on1でテーマを選ぶ基準

テーマ選びの基準は、話しやすさではなく成果と育成につながるかです。案件、行動、学習のどこを動かす面談なのかを先に決めると、話題が散らばりません。

ここでは、営業1on1のテーマ選定を「成果・行動・学習フレーム」として整理します。面談前に次の3点を確認すると、今日扱うテーマを判断しやすくなります。

確認軸判断すること選ぶテーマ例
成果直近の営業成果に影響する論点か案件前進、失注理由、次回商談
行動次回までに変える具体行動があるか商談準備、フォロー、優先順位
学習本人が次に似た場面で使える判断材料になるか顧客理解、質問力、振り返り

1on1の基本目的をそろえる場合は、まず1on1の基本目的を確認します。通常の報告会と支援面談を分けておくと、営業1on1で扱うテーマも選びやすくなります。

成果確認と育成課題を分けて考える

営業1on1のテーマは、成果を動かす話題と育成を進める話題に分けます。売上未達の確認と、商談力や仮説づくりの成長支援を同じ質問で扱うと、面談の目的がぼやけます。

成果テーマでは、停滞案件、次回商談、失注理由など、直近の数字に影響する論点を扱います。育成テーマでは、顧客理解、質問力、優先順位、振り返りの習慣を扱います。

両方を扱いたい場合も、1回の面談では主テーマを1つに絞ります。残りの論点は次回へ回すと、部下は何を準備すべきか判断できます。

人事が運用ルールを作る場合は、成果テーマと育成テーマを別の欄で記録させます。上司による面談品質の差を小さくするためです。

案件前進を妨げる障害を扱う

案件を進めるテーマでは、受注したかどうかより、次の商談を止めている障害を扱います。決裁者不明、課題仮説の弱さ、提案後の反応待ちなど、行動に変えられる単位へ分けます。

上司が最初から答えを出すと、部下は案件相談を指示待ちの時間として使いやすくなります。まず本人に、次に確認すべき相手や情報を言語化してもらいます。

障害を特定したら、次回商談までに試す行動を1つ決めます。資料修正、追加ヒアリング、同席依頼など、期限つきで実行できる形にします。

この進め方なら、案件レビューと育成が分断されません。案件を進展させながら、部下が次に似た場面で使える判断材料も残せます。

本人の営業行動を具体化する

育成テーマでは、性格や意欲ではなく営業行動を具体化します。頑張る、提案力を上げるといった抽象語だけでは、次回までに何を変えるかが決まりません。

扱う行動は、事前準備、初回質問、課題整理、提案後フォロー、失注後の振り返りなどに分けます。どの場面の行動を変えるかを決めると、面談の終点が明確になります。

行動を具体化するときは、できていない理由を責めるより、次に試す条件を一緒に決めます。顧客業界、商談フェーズ、相手役職を入れると実行しやすくなります。

たとえば提案前の準備を扱うなら、顧客課題の仮説、確認したい質問、提案で外せない条件を分けます。部下が次の商談で見直す行動を選べる状態にします。

部下側の準備も整えるなら、部下側の準備ポイントを使い、面談前に話したい論点と困りごとを持ってきてもらいます。

営業1on1で使えるテーマ例

営業1on1で使えるテーマは、案件前進、顧客理解、商談準備、行動量、振り返り、育成課題の6つに整理できます。状況に応じて1つだけ選ぶのが基本です。

案件の進捗と次の一手を確認する

案件進捗を扱うときは、売上見込みだけでなく、次に動かす条件を確認します。決裁者、課題、期限、競合、次回予定のどこが不明なのかを分けて聞き、次の一手へつなげます。

上司は、案件が進まない理由をすぐ断定しません。部下が見ている事実を聞き、顧客側の動きと自社側の対応を分けると、打ち手の選択肢が増えます。

最後は、次回商談までに実行する行動を一つに絞ります。たとえば決裁者の確認、課題仮説の再整理、提案資料の修正などです。

顧客理解と仮説を深める

顧客理解をテーマにするときは、顧客の業界、役割、課題、意思決定の条件を確認します。商談後に分かった事実と、まだ仮説のままの内容を分けることが出発点です。

仮説が浅い場合は、情報収集不足か質問設計の問題かを切り分けます。顧客の発言をそのまま受け取るだけでは、次の提案に必要な論点が残りません。

1on1では、次の商談で確認する質問を事前に作ります。質問が具体化すると、部下は商談中に何を聞くべきか迷いにくくなります。

商談準備と提案品質を確認する

商談準備をテーマにするときは、資料の完成度だけでなく、提案の前提が合っているかを確認します。顧客課題、提案理由、導入後の変化を説明できるかを見ます。

提案品質の改善では、過去資料の添削だけで終わらせません。次回商談でどの順番で話すか、どの反応を見て切り替えるかまで決めます。

準備不足が続く場合は、時間の問題か、準備項目が分からない問題かを分けます。チェックリストだけを増やすより、確認すべき観点を絞ったほうが定着します。

行動量と優先順位を見直す

行動量をテーマにする場合は、数を詰めるだけで終わらせません。架電、メール、商談準備、フォローのどこに時間が使われているかを確認します。

行動量が不足しているように見えても、優先順位が崩れているだけの場合があります。重要案件の準備時間を削って新規接触を増やしていないかなど、配分を見る必要があります。

次回までの行動は、件数だけでなく条件を決めます。誰に、いつ、何を確認するかまで置くと、次の面談で検証できます。

数字や目標と面談を接続する場合は、1on1で指標を扱う方法を確認すると、結果数字と行動数字を分けて扱えます。

受注失注から学びを整理する

受注失注の振り返りでは、結果の良し悪しではなく、再現できる行動を抽出します。うまくいった理由を偶然の要因と行動の要因に分けると、次回に使える学びが残ります。

失注時は、本人の反省だけを求めると防衛的になりやすいです。顧客条件、競合、提案内容、タイミングを分けて確認し、次に変えられる行動へ落とします。

振り返りは商談直後に行うほど精度が上がります。記憶が薄れる前に、事実、判断、次回改善の3点だけでも残します。

営業スキルと育成課題を整理する

育成課題をテーマにする場合は、質問力、仮説構築、提案構成、クロージング、フォローなど、スキルを場面別に分けます。大きな課題名だけでは改善行動に変わりません。

本人の強みも同時に扱います。弱点補強だけの1on1になると、面談は詰められる時間として受け止められやすくなります。

育成課題は、次回までに練習する行動と確認方法を決めます。録音、商談同席、ロープレ、資料レビューなど、検証できる形にします。

営業1on1の進め方

営業1on1は、事前準備、事実確認、原因整理、次回行動の順で進めます。テーマを選んでも、流れがなければ報告会に戻りやすくなります。

リクルートマネジメントソリューションズの1on1ミーティング導入の実態調査では、1on1ミーティングを導入している企業は68.8%でした。一方で、運用上の悩みには上司の面談スキル不足や上司側の負荷が挙がっています。

参考:1on1ミーティング導入の実態調査|リクルートマネジメントソリューションズ

時間配分を見直す場合は、1on1の時間設計を使い、冒頭確認と深掘りの比率を決めます。短時間でも終点を次回行動に置くと、面談後の検証ができます。

事前に扱うテーマを一つ選ぶ

営業1on1の前に、上司か部下がテーマを1つ選びます。30分の面談なら、冒頭確認を5分、深掘りを15分、次回行動の合意を10分に分けると、会話の終点を見失いにくくなります。

テーマ候補は、案件、顧客理解、商談準備、行動量、振り返り、育成課題から選びます。部下が選べる余地を残すと、面談への納得感が高まります。

人事が運用する場合は、面談前に選択式のテーマ欄を用意します。自由記述だけより、上司ごとのばらつきを減らせます。

一般的な話題設計を確認する場合は、1on1で扱う話題の広げ方も参考になります。営業特有のテーマと通常1on1の話題を分けて使います。

事実と原因を分けて考える

当日は、最初に事実を短くそろえます。売上、商談状況、顧客反応などの事実を確認してから、なぜそうなったかを一緒に整理します。

原因を聞くときは、本人の努力不足に寄せすぎません。顧客条件、案件フェーズ、提案内容、行動量、支援不足のどこに停滞要因があるかを分けます。

原因が分かれていないと、上司の助言は抽象的になります。次に変える行動を選ぶためにも、事実と解釈を分けて扱います。

次回行動を期限つきで決める

営業1on1の最後は、次回までに実行する行動を期限つきで決めます。行動が複数ある場合も、最初に確認するものは1つに絞ります。

期限は、次回面談日ではなく商談や顧客接点に合わせます。次の提案前、フォロー前、社内相談前など、実務のタイミングに合わせると実行されやすくなります。

次回の冒頭では、前回決めた行動を確認します。これを繰り返すと、1on1が聞きっぱなしではなく改善サイクルになります。

営業1on1の頻度を決める場合は、営業1on1の頻度設計で週次、隔週、月次の使い分けを確認できます。

営業1on1で避けたい話題

避けたいのは、扱うこと自体が悪い話題ではなく、目的を失った話題です。報告だけ、詰問だけ、評価だけになると、部下は相談ではなく防衛を優先します。

報告だけで終わるテーマ

進捗報告だけで終わるテーマは、営業1on1の価値を下げます。数字や案件状況は必要ですが、それだけでは次に何を変えるかが残りません。

報告が必要な場合は、冒頭5分で確認し、残り時間を原因整理と行動決定に使います。上司が聞きたいことを並べるより、部下が困っている論点へ移ります。

報告会に寄っている場合は、次回から事前共有に切り替えます。当日は、共有済みの情報を使って判断と支援に時間を使います。

詰めるだけの案件確認

案件確認が詰問になると、部下は失敗や不安を隠しやすくなります。なぜできないのかを重ねるより、どの条件が足りないのかを確認します。

詰問を避けるには、事実、見立て、支援要望の順で聞きます。上司が評価する前に、部下自身の見立てを出してもらい、足りない情報だけを一緒に補います。

営業1on1が形だけになっている場合は、営業1on1が形だけになる原因も確認します。面談の目的と扱う話題がずれていないかを点検できます。

評価面談と混ざりやすい話題

評価面談と営業1on1が混ざると、部下は本音より評価に有利な説明を選びます。成果確認が必要でも、評価判断の場なのか支援の場なのかを分けます。

上司は、今日の話題が評価にどう扱われるかを明確にします。評価資料に使う内容と、支援のために扱う内容を分けておくと、防衛的な反応を下げられます。

評価が近い時期ほど、1on1では次の行動に焦点を当てます。過去の点数より、次の商談で改善する行動を決めるほうが実務に残ります。

営業1on1を定着させる記録方法

テーマを選んでも、記録が残らなければ次回につながりません。記録は管理のためではなく、前回の約束と次の行動を忘れないために使います。

前回の約束を冒頭で確認する

次回の営業1on1では、前回決めた行動を冒頭で確認します。実行できたかだけでなく、実行して何が分かったかを聞くと、学びが残ります。

実行できていない場合も、責める前に障害を確認します。時間不足、優先順位、顧客都合、支援不足のどれかを分けると、次の修正ができます。

前回確認を毎回入れると、1on1は単発の相談ではなく継続的な改善の場になります。部下も話した内容が扱われていると感じやすくなります。

テーマ別に記録欄を分ける

記録欄は、テーマ、事実、原因、次回行動、支援内容に分けます。自由記述だけにすると、上司ごとの粒度差が大きくなります。

テーマ別に残すと、案件相談が多いのか、育成課題が多いのかを人事やマネージャーが把握しやすくなります。制度改善の材料にもなります。

ただし記録項目を増やしすぎると入力が目的化します。次回確認に使う項目だけに絞ることが、継続の条件です。

人材育成の記録へつなげる

営業1on1の記録は、単なる面談メモではなく人材育成の記録につなげます。どのスキルを伸ばし、どの行動を試したかを残すと、育成の進捗が見えます。

個人別に見るだけでなく、チーム全体で多いテーマも確認します。商談準備に課題が集中しているなら、個別1on1だけでなく研修や型化が必要です。

フィードバックを組織に定着させるには、営業組織にフィードバックを定着させる方法も参考になります。個人面談の改善を、営業チーム全体の学習に接続します。

よくある質問

営業1on1のテーマは毎回変えるべきですか?

毎回変える必要はありません。案件前進や行動改善など軸を固定し、状況が変わった時だけテーマを切り替える方が、記録と振り返りを次回面談へつなげやすくなります。運用も安定します。

営業1on1で最初に扱うテーマは何がよいですか?

最初は成果確認より、今止まっている案件や次回商談の準備を扱うと会話に入りやすいです。部下が困っている場面を事実で確認し、最後に次の一手と期限を決めます。次回確認も置きます。

営業1on1が報告会になるときはどう直しますか?

報告項目を冒頭で短く確認し、残り時間を原因整理と次回行動に使います。上司が答えを出し続けるより、部下が試す行動を一つ選べる質問へ変えると改善が残ります。記録にも残します。

まとめ

営業1on1のテーマは、案件前進、顧客理解、商談準備、行動改善、育成課題に分けると選びやすくなります。話題を増やす前に、今日扱う論点を1つに絞ります。

当日は、事実確認、原因整理、次回行動の順で進めます。報告や詰問で終わらせず、部下が次の商談や行動で何を試すかまで決めます。

テーマや記録欄が上司ごとに違うままだと、1on1は担当者の経験に依存し、育成状況をチームで確認しにくくなります。面談後に何を試すかが残らない状態が続くと、部下も上司も次回の準備に迷います。1on1テンプレートを使うと、テーマ、事実、次回行動を同じ形式で残せるため、人事やマネージャーが運用改善を進めやすくなります。


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