研修報告書の所感の書き方とは?評価される例文を紹介!

新人研修やビジネスマナー研修、管理職研修など、社会人になると研修やセミナーに参加する機会が増え、参加した後に「研修報告書」の提出を求められることがあります。
今回は様々なビジネスシーンでの研修報告書の記入方法から、目的、コツやポイントまで、わかりやすくお伝えします。あわせてテンプレートもご紹介しますので、会社で研修があったときに是非活用していただけたらと思います。

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研修報告書の所感とは?

そもそも、研修報告書ってどんなもの?研修報告書の所感ってなに?という疑問にお答えします。
研修報告書、所感、研修報告書の他の項目の3つに分けて解説します。

研修報告書とは

「研修報告書」とは、社内や社外に問わず何かの研修に参加したときに、研修の受講者が、どのような研修内容だったのか、どのようなことを学んだのかなどを記録しまとめた書類のことです。単なるレジュメではなく、研修の内容を深く理解し実践に活かすためのアウトプットが重要視されます。

研修の受講者が作成した研修報告書のことを「研修受講報告書」、講師やオブザーバーなどの研修を主催する側が作成したものを「研修実施報告書」と呼ぶこともあります。

所感とは

「所感(しょかん)」とは、個人が特定の出来事や情報に対して抱いた考えや印象、そしてそれに基づく評価のことです。ビジネスパーソンにとって、所感はレポートの作成、研修報告書、会議での議論、社内、上司・部下や顧客とのコミュニケーションにおいて、自らの見解や提案を明確に伝えるための重要なツールです。

所感を表現する際には、個人的な感想を述べるだけでなく、明確で客観的な情報に基づき、論理的に考察を行うことが求められます。これにより、聞き手は情報を正しく理解し、適切な判断を下すための補助となります。例えば、プロジェクトの振り返り会議では、「期間内に目標を達成できなかった主な理由はXとYであり、これを解決するためにはZが有効である」という具体的で詳細な評価と提案が重要です。

所感を共有することは、チーム内のコミュニケーションを深め、共通の認識を構築するためにも不可欠です。自分の考えを伝えることで、他のメンバーから異なる視点やアイデアを得ることができ、プロジェクトやタスクの成功に向けて良い意思決定が行えるようになります。

研修報告書の他の項目

研修報告書に書くことは、所感だけではありません。
受講した研修の内容など、報告する必要がある項目も忘れずまとめましょう。

以下が具体的な項目です。

  • 研修報告書の提出先の部門・部署名、個人名
  • 研修報告書の作成日
  • 場所
  • 作成者の氏名・所属
  • 題名
  • 序文
  • 研修の内容:研修名、実施日時と場所、講師名・所属、参加費用や研修概要など
  • (外部から招かれた方であれば、「株式会社〇〇 〇〇氏」「マナー講師〇〇氏」のように、派遣元や講師の肩書きを記しましょう。)
  • 所感(学びや気づき)

必要な情報を過不足なく報告しましょう。

研修報告書の目的

研修報告書を書くといっても、目的なく書いていてはなんの意味もありません。

研修報告書の目的を理解しておくことで、漠然と研修を聞き流すことなく、有意義な研修になり、成果もついてくるでしょう。

研修内容の情報共有

1つめの研修報告書の目的は、「研修内容の情報共有」です。

研修報告書で研修内容を情報共有することで、受講者以外の社員にも研修の内容を広く伝え、組織全体で知識やスキルを共有することができます。これにより、研修に参加できなかった人々も同じ知見を得ることができ、会社全体の能力向上につながります。

注意点として、情報共有する際は内容を的確に整理し、要点を明確にまとめる必要があります。冗長な記述は避け、分かりやすく簡潔に伝えるよう心がける必要があります。主観的な感想は控えめにし、客観的な事実関係を中心に報告することが重要です。

また、機密事項や守秘義務の対象となる内容については、適切に配慮し、開示できる範囲に留めましょう。研修報告書は組織内の多くの人に読まれることを意識し、倫理面での配慮も求められます。

このように、要点を絞り、客観性と倫理性を保ちながら、適切な情報共有を行うことが重要となります。

研修内容の整理

2つめの研修報告書の目的は、「研修内容の整理」です。

研修では多くの知識を短期間で学びますが、その内容を適切に整理し、自らのものとすることが最重要になります。報告書を作成する過程で、研修で学んだことを体系立ててまとめ直すことで、理解が深まり定着が図れます。

研修内容を整理する際の注意点は、主観に流されず客観的な視点を保つことです。自身の経験に過剰にとらわれると本質が見えづらくなります。むしろ研修の本旨をしっかりと捉え、重要なポイントを的確に抽出する姿勢が求められます。冷静な目線で事実関係を整理し、わかりやすくまとめるようにしましょう。

研修成果の報告

3つめの研修報告書の目的は、「研修成果の報告」です。

受講した研修の成果を適切に報告することにあります。研修に投資した費用と時間に見合う十分な成果が得られたことを示すためです。また、研修で得た知見を組織内で共有し、全体のスキルアップを図ることも重要な目的となります。

研修成果を報告する際の注意点は、具体的な根拠と客観的な事実に基づいて記載することです。単なる主観的な感想では不十分で、具体的にどのような新しい知識やスキルを習得したのか、研修前後でどのように変化したのかを詳しく記述する必要があります。報告内容に説得力を持たせることが肝心です。
さらに、習得した知見を実務にどう活かしていくかも言及すべきでしょう。研修の学びを実践に移す具体的な行動計画を示すことで、上司や関係者に研修の価値を理解してもらえます。

研修内容の見直し

4つめの研修報告書の目的は、「研修内容の見直し」です。

研修を受講した直後は、理解不足な点や不明点も多くあると思います。報告書を書く過程で、改めて内容を振り返ることで、学びの再確認と知識の補完が可能になります。

研修内容を見直す際の注意点は、客観的な視点から分析することです。自身の主観に捉われず、研修で伝えられた本質的な部分に着目し、重要なポイントを冷静に抽出することが肝心です。また、不明点や疑問点があれば積極的に調べ、理解を深めましょう。

報告書作成を通じて、研修内容の見直しと再検証を行うことで、よりいっそうの知識の定着が図れます。わからない場所が発見できれば、新たな気づきと学びにもつながります。


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研修報告書の所感の書き方のポイント

研修報告書の所感を書く上でのポイントが大きく4つあります。この4つを意識することでより読みやすい文章をスムーズに作成することができます。

一つずつ見ていきましょう。

ポイント1:結論から伝える

結論から所感を書く理由は、要点を明確にし、読み手に分かりやすくするためです。結論を冒頭に置くことで、主旨が一目瞭然となり、読む側の理解が深まります。

しかし、結論を最後に置いてしまうと、読み手は要点がつかみにくくなります。長文になりがちで、主旨が分散して読みたくない文章になる恐れがあります。

  • 例文
    • 結論から書けている文章:本研修を通して、プレゼンテーション力の重要性を改めて実感した。具体的には、話の構成力、資料作成力、聴衆を意識した話し方など、さまざまなスキルが求められることが分かった。
    • 結論から書けていない文章:プレゼンテーションの際は話の構成が大切だ。資料も分かりやすく作成する必要がある。そして、聴衆を意識した話し方も重要である。本研修を通して、プレゼンテーション力の重要性を改めて実感した。

そのため、結論から書くことで、要点が明快になり、読み手の理解が深まります。

ポイント2:事実を簡潔に伝える

事実関係を簡潔に伝えることで、所感の要点が明確になり、読み手の理解が深まります。冗長な説明は避け、核心部分のみを端的に記載するべきです。

事実を長々と説明してしまうと、主旨が分散し、読み手が要点を掴みにくくなってしまいます。逆に簡潔に事実を伝えれば、所感の主張が明快になり、説得力が増します。

  • 例文
    • 事実を簡潔に伝えられている文章:今回の研修では、プレゼンの重要ポイントとして話の構成力、分かりやすい資料作成、聴衆意識が学べた。
    • 事実を簡潔に伝えられていない文章:研修ではまずプレゼンテーションの重要性について講義があり、講師は具体例を交えながら話の組み立て方のコツを教えてくれた。次に資料作成の実習があり、私は円グラフの作り方に苦労した。最後にグループでお互いのプレゼンを評価し合い、聴衆を意識する大切さに気づかされた。

このように、事実関係を簡潔に記すことで、所感の主張が明快になり、読み手にもストレートに伝えることができます。

ポイント3:今後の行動について述べる

所感の最後に、研修で学んだことを踏まえた今後の行動計画や決意を記載することが重要です。今後の行動を書く理由は、単なる感想文に終わらせず、実際に行動に移す意志を示すためです。

もし今後の行動について触れなければ、所感は研修の内容を振り返っただけの文章になってしまいます。読み手には、自身がその内容を実践していく姿勢が伝わりません。

  • 例文
    • 今後の行動について述べられている文章:この研修を通して、プレゼンテーション力の重要性を改めて実感した。今後は話の構成力、資料作成力、聴衆を意識した話し方など、プレゼンスキルの向上に努めていく所存である。
    • 今後の行動について述べられていない文章:研修ではプレゼンの重要ポイントとして話の構成、分かりやすい資料作成、聴衆意識について学んだ。プレゼンテーション力は業務で大切な能力だと痛感した。

このように、今後の行動計画を明記することで、読み手に対して自身の決意や姿勢が伝わります。一方で、それがない場合は、所感が感想になってしまい、研修が無意味だった、今後に活かせない研修だったという印象を相手に与えてしまいます。

表記のルール・マナーに気をつける

適切な表記ルールとマナーを守ることも重要です。文章の基本的ルールに加え、報告書の体裁にも気をつける必要があります。句読点、敬語、見出しの付け方、改行のルールなどを意識し、統一感のあるレイアウトを心がけましょう。

文書作成時のルール・マナーの一例

  • 表記の統一
  • 箇条書きを上手く導入する
  • ですます調/である調で統一
  • こそあど言葉をあまり使用しない
  • 数字やアルファベットは半角入力

研修ごとの所感の例文

研修報告書のシーン別のフォーマットを紹介します。内容を変更すれば、どのような業種でも応用できる内容で書いているので、ぜひ活用してください。

ハラスメント・コンプライアンス研修

宛先:営業部長〇〇殿
作成日:2024年7月18日
場所:オンライン
作成者の氏名・所属:営業部 田中太郎 
題名:研修報告書
序文:このたび、下記のとおり研修を受講しましたので、ご報告申し上げます。
研修の内容:ハラスメント・コンプライアンス違反をしないためには、

○所感(学びや気づき)
ハラスメント行為の深刻さと、コンプライアンス違反がもたらす企業への甚大な影響を今回のハラスメント・コンプライアンス研修で改めて認識した。一見些細な発言や行動でも、相手を不快にさせ、職場環境を著しく損なう可能性があることを肝に銘じる。今後は言動に細心の注意を払い、お互いを尊重し合える職場風土の醸成に努めていきたい。コンプライアンス順守は企業の信頼にも直結する重要課題であり、自身の意識改革と実践が求められている。

マネジメント・リーダーシップ研修

宛先:営業部長〇〇殿
作成日:2024年7月18日
場所:〇〇会議室
作成者の氏名・所属:営業部 田中太郎 
題名:研修報告書
序文:このたび、下記のとおり研修を受講しましたので、ご報告申し上げます。
研修概要:マネジメントとは、部下の能力を最大限引き出す方法、傾聴力のレベル

リーダーとしての自覚と責任の重さを身に染みて感じた。部下一人ひとりを公平に理解し、適切な動機付けと指導を行うことがリーダーの役割である。同時に、組織全体の方向性を常に意識し、明確なビジョンを示すことも求められる。これまでの経験から、上意下達型のマネジメントは現代に合わない。

これからは部下の能力を最大限に引き出し、目標達成に向けて全員が力を合わせていくことが不可欠だ。本研修の内容を踏まえ、傾聴力とコミュニケーション能力の向上に注力し、信頼に基づく風通しの良い職場づくりを心がける。

新人・ビジネスマナー研修

宛先:人事部 新入社員担当〇〇殿
作成日:2024年7月18日
作成者の氏名・所属:営業部 田中太郎 
題名:研修報告書
序文:このたび、下記のとおり研修を受講しましたので、ご報告申し上げます。
研修概要:絶対に覚えるべきビジネスマナー10選、名刺交換の仕方、議事録の取り方

○所感(学びや気づき)
今回の新人社員研修では、社会人として最低限守るべきビジネスマナーの重要性を痛感した。お辞儀や挨拶、言葉遣いなどの基本は勿論のこと、報連相の徹底、時間厳守の意識、電話対応、身だしなみなど、さまざまな場面で高い意識と行動が求められることを学んだ。特に、相手の立場に立って配慮する姿勢は、ビジネスマナーの根幹をなすものだ。自身の言動が職場の雰囲気や生産性に大きな影響を与えかねないことを自覚し、基本に忠実に行動することが何より大切である。入社して日が浅いからこそ、今のうちからマナーを徹底し、信頼される人材を目指したい。

まとめ

本記事では、研修報告書の種類や違い、必要な項目、書き方、例文を紹介しました。

基本的な項目が漏れていないか・読む側が読みやすく分かりやすい文章であるかに気をつけ、研修で学べた事と今後どのように活かしたいと考えているのかを明確に記載しましょう。

最適な研修報告書を作成し、自分が研修で十分な成果を得たという事実を上司に伝えられるようになり、成果に繋げられる研修報告書を作成できるようになりましょう。

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