▼ この記事の内容
目標設定フレームワークは、SMART、OKR、MBO、KPIツリーなどを目的別に使い分けます。個人の行動を具体化するのか、組織目標と評価を接続するのかを先に決めると、目標設定後の形骸化を防ぎやすくなります。
目標設定は、年度初めや評価前だけの作業ではありません。事業方針を現場の行動へ落とし、期中の変化に合わせて見直すための運用です。
ただし、フレームワークを選んだだけでは成果につながりません。目標の階層、評価との接点、1on1で確認する頻度を決めないと、記入欄を埋める作業で終わります。
ここでは、目標設定で使われる12種類のフレームワークを目的別に整理します。個人目標、組織目標、人事評価、KPI管理でどう使い分けるかまで確認します。
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目標設定フレームワークは目的で選ぶ
目標設定フレームワークは、目的に合う型を選ぶことが重要です。行動を具体化したいのか、組織目標を分解したいのか、評価と接続したいのかで使う型は変わります。
目標設定フレームワークとは
目標設定フレームワークとは、目標を具体化し、達成基準、行動、期限、評価方法を整理するための型です。SMART、OKR、MBO、KPIツリーなどがあり、目的ごとに使い分けます。
フレームワークを使うと、抽象的な方針を現場の行動へ落としやすくなります。たとえば売上向上という目標を、商談数、提案率、受注率などの行動指標へ分解できます。
一方で、型をそのまま当てはめるだけでは不十分です。目標を誰が見直すのか、どの会議や1on1で確認するのかまで決める必要があります。
人事評価で使う場合は、評価項目や等級要件との接続も確認します。目標だけが独立すると、評価時に説明しにくくなります。
フレームワークを使う目的
フレームワークを使う目的は、目標を具体化し、関係者の認識をそろえることです。達成基準、期限、担当者、行動を明確にすると、期中の進捗確認がしやすくなります。
個人目標では、本人が次に何をすればよいかを明確にします。組織目標では、部署やチームの目標が会社方針とつながっているかを確認します。
人事が確認すべき点は、目標の見た目ではなく、運用で使えるかどうかです。評価者、本人、上司が同じ言葉で達成状態を説明できる必要があります。
フレームワークを使う前に、誰のどの判断を助けたいのかを決めます。本人の行動を助けるのか、組織の優先順位をそろえるのかで選び方が変わります。
評価運用では、目標設定の時点で評価基準をそろえることが欠かせません。公的な能力評価の考え方は、職業能力評価基準の情報も確認できます。
人事評価の目的を整理する場合は、評価制度で何を判断するかの考え方も参考になります。
個人目標と組織目標で使い分ける
個人目標では、SMARTやベーシック法のように行動と期限を具体化する型が使いやすいです。本人が日々の行動へ落とせるため、1on1で進捗を確認しやすくなります。
組織目標では、OKR、KPIツリー、KGI分解のように上位目標から下位目標へつなぐ型が向いています。部門やチームの目標がばらばらになることを防ぎます。
評価と接続する目標では、MBOのように本人と上司の合意を残せる型が適しています。評価前だけでなく、期中の変更履歴も残すと説明しやすくなります。
挑戦や学習を促す目標では、達成率だけを評価しない設計が必要です。安全な目標ばかりになると、組織として伸ばしたい行動が生まれにくくなります。
営業組織のように数値と行動が密接につながる場合は、営業目標を行動へ分解する視点も合わせて確認すると、目標の粒度を決めやすくなります。
目標設定フレームワーク12選の比較
12種類のフレームワークは、行動の具体化、組織目標の分解、評価との接続の3つに分けて考えると選びやすくなります。目的に合わない型を使うと、見た目は整っても運用が続きません。
| 分類 | フレームワーク | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 行動具体化 | SMART | 個人目標を測定可能な表現にする |
| 行動具体化 | ベーシック法 | 目的、期限、基準を基本から整理する |
| 行動具体化 | マンダラチャート | 行動案を広げて整理する |
| 行動具体化 | WOOP | 障害と対策を先に考える |
| 組織接続 | OKR | 挑戦目標と主要成果をつなぐ |
| 組織接続 | KPIツリー | 上位指標を下位行動へ分解する |
| 組織接続 | KGI分解 | 最終成果から必要指標を逆算する |
| 組織接続 | BSC | 財務、顧客、業務、人材の視点をそろえる |
| 評価接続 | MBO | 目標管理と評価を接続する |
| 評価接続 | GROW | 1on1で目標と行動を確認する |
| 評価接続 | KPT | 振り返りから次の行動を決める |
| 評価接続 | PDCA | 計画、実行、確認、改善を回す |
12種類の特徴一覧
SMARTは測定可能な目標に整える型、OKRは挑戦目標と主要成果をつなぐ型です。MBOは目標管理と評価を接続し、KPIツリーは上位指標を下位行動へ分解します。
ベーシック法、マンダラチャート、WOOPは、個人の行動を具体化するときに使いやすい型です。BSC、KGI分解、PDCAは、組織の計画と改善を結びつける場面で役立ちます。
GROWやKPTは、目標設定後の対話や振り返りに向いています。目標を決めて終わらせず、期中に行動を見直す仕組みとして使います。
個人の行動を具体化する型
個人の行動を具体化するなら、SMART、ベーシック法、WOOPが使いやすいです。期限、達成基準、障害、次の行動を整理できるため、本人が動きやすくなります。
SMARTを使う場合は、測定可能であることだけに偏らないようにします。数値を置いても、本人が何を変えるかが曖昧なら目標として機能しません。
SMARTの詳しい使い方は、測定可能な目標を作る具体手順で確認できます。個人目標の書き方を整えるときに役立ちます。
組織と評価を接続する型
組織目標と評価を接続するなら、OKR、MBO、KPIツリーを検討します。上位目標、部門目標、個人目標をつなぐことで、評価時の説明がしやすくなります。
OKRは挑戦的な目標に向きますが、評価と強く結びつけすぎると安全な目標に寄りやすくなります。MBOは評価と接続しやすい一方で、運用が評価前だけになりやすい点に注意します。
OKRの基本を確認する場合は、OKRで目標と主要成果をつなぐ考え方が参考になります。
目的別にフレームワークを選ぶ手順
選び方は、目標の階層、評価との接点、見直し頻度の順に決めます。最初から一つの型に決めるより、何を運用で確認したいかを先に整理します。
| 手順 | 決めること | 使いやすい型 |
|---|---|---|
| 1 | 会社、部門、個人のどの階層で使うか | OKR、KPIツリー、KGI分解 |
| 2 | 評価や等級とどこで接続するか | MBO、SMART、BSC |
| 3 | 期中にどの頻度で見直すか | GROW、KPT、PDCA |
手順1 目標の階層を決める
最初に、会社、部門、チーム、個人のどの階層で目標を設定するかを決めます。階層が曖昧だと、部門目標と個人目標が別々に作られます。
会社や部門の目標を扱う場合は、KPIツリーやOKRが向いています。個人目標を扱う場合は、SMARTやMBOで具体的な行動へ落とします。
上位目標から指標を分解する場合は、KPIツリーで目標を分解する方法も確認すると、因果関係を整理しやすくなります。
手順2 評価と運用の接点を決める
次に、目標を評価とどこで接続するかを決めます。評価対象にする目標と、学習や挑戦のための目標を分けると、過度に安全な目標へ寄ることを防げます。
評価と接続する場合は、MBOが使いやすいです。ただし、評価前だけに確認する運用では、期中の変化や支援が遅れます。
MBOを使う場合は、目標管理制度を評価へつなげる考え方を確認し、目標設定、進捗確認、評価面談の流れをそろえます。
手順3 1on1で見直す頻度を決める
最後に、1on1や定例会議で見直す頻度を決めます。月次、隔週、週次など、業務の変化が起きる速さに合わせて確認します。
見直し頻度を決めないと、目標は期初に作って期末に振り返るだけになります。進捗、障害、優先順位を期中に確認できる設計へ変えます。
1on1で目標を扱う場合は、1on1で目標をすり合わせる進め方を合わせて確認すると、対話の型を作りやすくなります。
目標設定で起きやすい注意点
目標設定では、数値だけが先に決まり、行動や支援が曖昧になる失敗が起きやすいです。目標、指標、行動、対話の流れを分けて確認します。
数値だけで行動が曖昧になる
売上、達成率、件数などの数値だけを置いても、本人が何を変えるべきかは分かりません。数値目標には、行動指標と確認頻度をセットで置きます。
たとえば受注率を上げる目標なら、商談準備、提案内容、振り返り、上司の同席など、改善行動を分けます。数値だけでは支援の打ち手が見えません。
指標を整理する場合は、人事や組織運用で使うKPIの見方も参考になります。
組織目標と個人目標がつながらない
組織目標と個人目標がつながらないと、本人は目標の意味を理解しにくくなります。会社方針、部門目標、個人行動の順に接続を確認します。
接続が弱い場合は、目標を増やすのではなく、上位目標との関係を説明し直します。本人の担当業務がどの成果に影響するかを具体化します。
目標設定の基本手順を見直す場合は、目標設定の進め方と注意点を確認すると整理しやすくなります。
期中の変化を反映できない
期初に決めた目標を固定しすぎると、事業環境や組織体制の変化に対応できません。目標を変える基準と記録方法をあらかじめ決めます。
目標を変える場合は、甘くするためではなく、優先順位と成果責任を現状に合わせるためだと説明します。変更理由を残すと、評価時の納得感につながります。
期中変更を扱うときは、上司と本人の対話が欠かせません。目標の難易度、支援内容、評価への反映を同じ場で確認します。
組織に定着させる成功ポイント
目標設定を定着させるには、設定後の運用を先に決めます。1on1、評価面談、KPI確認の場で、目標を見直すタイミングを組み込みます。
目標を評価前だけの作業にしない
目標設定が評価前だけの作業になると、期中の行動改善につながりません。設定、実行、確認、見直しを同じ運用の中で扱います。
人事は、提出率だけでなく、目標が見直されているかを確認します。期中にコメントや更新がない目標は、現場で使われていない可能性があります。
評価制度と目標管理を接続する場合は、評価項目、目標、1on1の記録を分断しないことが重要です。管理ツールやシートの項目も運用に合わせます。
1on1で進捗と障害を分けて確認する
1on1では、目標の進捗と障害を分けて確認します。進捗だけを聞くと報告で終わり、支援が必要な論点を見落としやすくなります。
障害は、本人のスキル不足、優先順位の衝突、関係者調整、権限不足などに分けます。原因を分けると、上司が支援できる範囲を決めやすくなります。
1on1の場で目標を扱うなら、進捗確認だけでなく、次の行動と支援内容を残します。次回の対話で同じ論点を確認できる状態にします。
KPIと行動を同じ画面で見直す
KPIと行動を別々に管理すると、数値の変化と現場の取り組みがつながりにくくなります。指標、行動、振り返りを同じ流れで見直します。
KPIが悪化したときは、担当者を責める前に、行動量、質、支援、外部要因を分けて確認します。目標設定は管理ではなく、改善の会話につなげるものです。
目標設定後の対話運用を整えたい場合は、以下のガイドを活用できます。1on1で目標を扱う観点を整理し、評価前だけで終わらない運用へつなげてください。
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よくある質問
目標設定フレームワークはどれを選べばよいですか?
個人目標を具体化するならSMART、組織目標を分解するならOKRやKPIツリー、評価と接続するならMBOが候補になります。目的を先に決め、評価や1on1でどう見直すかまで設計します。
OKRとMBOは併用できますか?
併用できます。ただし、OKRは挑戦目標、MBOは評価接続と役割を分ける必要があります。両方を評価に強く結びつけると、安全な目標に寄りやすいため、運用ルールを明確にします。
目標設定を形骸化させない方法はありますか?
期中の1on1や定例会議で、進捗、障害、次の行動を確認することです。目標を作って終わりにせず、変更理由や支援内容を記録すると、評価時の納得感も高めやすくなります。
まとめ
目標設定フレームワークは、目的に合わせて選ぶことで効果を発揮します。個人行動を具体化するならSMART、組織目標を分解するならOKRやKPIツリー、評価と接続するならMBOが候補になります。
重要なのは、フレームワークを選んだ後の運用です。目標の階層、評価との接点、1on1で見直す頻度を決めると、設定した目標を日々の行動に接続できます。
目標設定は評価前だけの作業にせず、1on1や進捗確認の中で継続的に見直します。目標と対話をつなげる運用を整えるには、以下のガイドを活用できます。
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