日々の業務をこなす上で、私たちは目標を持ち、達成を積み重ねていくことを求められています。
しかし、目標達成を目指す上で多くの人がつまづいてしまうのが、「ToDo」タスクの管理と、スケジュールの計画的な管理です。特に、チームでプロジェクトに取り組んだりする場合には、いかに全体の情報や個人のタスクを共有しやすいかが重要になります。
こうしたスケジュール・タスク管理には、専用の管理ツールを使う場合もありますが、それよりもさらに手軽で誰にとっても使い易いのが、今回ご紹介するホワイトボード活用のメリットです。
ホワイトボードを使った管理では、マグネットや付箋を使うことによって情報の足し引きの自由度がかなり高くなるほか、現状を可視化して、素早く把握できるという点が特徴です。
この記事では、ホワイトボードを使った目標管理の方法や、効率的な管理のアイデア、具体的な事例について解説していきます!
目標管理とは
目標管理とは、企業で用いられる組織マネジメント手法の一つです。同時に、評価を行う際の基準になったり、従業員一人ひとりのモチベーションアップにも効果があります。目標管理を成功させるには、最初の目標設定の段階が重要です。まずは、目標設定を行う際の手順を説明していきます。
目標設定までのステップ
目標設定を行う際には、まず基本的に業務を担当する社員本人に課題を見出してもらい、その課題に対して解決が必要なものから優先順位を付けていきます。
次に、解決策を「ToDo」化していきます。ToDo化とは、つまり「やることリストを作る」作業です。
例えば、新規顧客がなかなか増えないことが課題となっている営業チームにおいては、「ターゲットとなる層の見直しを行う」「営業の際に使っているスクリプトを改善する」「一日の営業件数を増やす」などが考えられます。
最後に、数値などを使って具体的な目標設定を行います。先ほどの営業チームの例から考えられる具体的な目標は、以下のようになります。
「ターゲット層の見直しを〇日までに行う」
「今週中に、営業成績の良いメンバーを中心に、新しいターゲット設定に適したスクリプト改善を行う」
「営業エリアと担当者の見直しを行い、一日の営業件数を先月よりも〇%増やす」
目標を設定する際には、SMARTの法則を意識しましょう。「SMART」はSpecific・Measurable・Achievable・Related・Time-boundedlyの略で、各単語の意味は以下のとおりです。
・Specific: 具体的な内容であるか
・Measurable :計測できるか
・Achievable :達成可能か
・Related :最終目標に関連しているか
・Time-bounded :期限が設定されているか
SMARTの法則に沿って、より具体的な内容の目標を設定することにより、目標を達成できたか、未達成となったかの判断が可能になります。そのため、結果を評価に反映する際に、公平な判断を行うことができます。
このように、目標設定の段階から社員が主体となり、SMARTの法則などを参考に現状とのギャップを埋めるための方法を掲げていくのが、理想的な目標設定です。
目標設定後の運用
目標を設定した後には、さっそく目標達成に向けてタスクをクリアしていきます。
目標管理を行う際には、期間内に目標が達成できるよう、進捗管理ツールなどを活用してタスク管理を行うことが重要です。しかし、チームや複数人での目標管理には、一目で見て状況を把握することのできる、ホワイトボードの利用がおすすめです。特にタスクや担当者が多く、進捗状況が日々変わっていく現場においては、”今やるべきこと”を明確に理解する必要があります。
また、担当メンバーごとにタスクの比重が偏っていないか、サポートが必要なメンバーがいないかなど、視覚的に把握できると効率的に作業が進められます。
目標管理には、このようにチームや個人単位で自己マネジメントを行う力も必要となります。
このように、目標管理を効果的に行うことによって、業務を行う社員が自ら目標設定に関わり、その進捗や成果物の管理まで責任感を持って行えるため、社員の主体性や積極性を育むことが可能です。そのため、目標管理は活力ある組織づくりに欠かせない方法でしょう。
ホワイトボードと付箋で目標を可視化
目標管理の際には、タスク管理によって生産性を向上させるためにも、目標と進捗を可視化することが重要です。そんな時に、ホワイトボードを利用したスケジュールやToDoリストの見える化がおすすめです。
ホワイトボードへは、マーカーペンを使って文字を書いたり、消したりできるほかにも、付箋を使って新しい情報を貼ったり、位置を移動させたり、はがしたりすることもできます。
また、よく使うワードやメンバーの名前、曜日に関しては、マグネットを使うのも便利です。
このように、ホワイトボードでのタスク管理は紙への書き込みと異なって、繰り返し書き込んで使える点がメリットです。また、「ホワイトボードを見れば今何が起きているのかが分かる」という状況を作るためにも、タスクの見える化がポイントです。
目標管理においては、目標達成までの間に誰が何に取り組み、いつまでに終わらせるのかというスケジュール管理が必要です。特にチームでの仕事においては、プロジェクトの進捗状況やタイムスケジュールをメンバー全員に一目でわかるように共有することで、サポートが必要な状態のメンバーにいち早く気づくことができたり、スケジュールの遅れに対してメンバー全員が意識を向け、改善に取り組むことができます。
ホワイトボードと付箋で目標管理するメリット
このように、ホワイトボードと付箋を使った目標管理には、いくつかのメリットがあります。例えば、進捗をチームのメンバーに視覚情報として共有することで、まず何をしたらよいのかという「ToDo」タスクの伝達を効率化できる、などです。この章では、このような4つのメリットについて詳しくご紹介していきます。
1.手軽に目標管理できる
1つ目のメリットは、目標管理が手軽に行えるようになることです。
目標管理を行っている最中には、どのタスクが完了したのか、今どのタスクが最優先なのかを、他のメンバーと常に共有する必要があります。
しかし、そのようなタスク管理をデジタルで行うと、常にチェックしているメンバーとそうでないメンバーに分かれてしまったりと、認識にムラが発生してしまいます。しかし、ホワイトボードを使うことによって、オフィス内やデスク上で常にタスクを確認できる状況を提供することができます。
さらに、タスクの詳細や補足などを書き込んだ付箋を足したり、動かすこともできます。そのため、後から付随された情報やアイデアに関しても共有のハードルが下がります。
また、自分の進捗状況やタスクの詳細をメンバーに口頭やテキストで報告しなくても、ホワイトボードを見るだけで確認ができるようになります。
ホワイトボードをオフィス内に取り入れることで、このように目標管理が手軽に行えるようになる点が魅力です。
2.視覚的に目標管理できる
2つ目のメリットは、状況の「見える化」により視覚的に目標管理が行えることです。
目標管理を行う際には、チームメンバーとタスクを共有し、効率よく業務を完了させていく必要があります。そのため、タスクを柔軟に動かすことのできるホワイトボードでの管理が便利です。
例えば、ホワイトボードに貼り付けることのできる付箋にはさまざまな色やサイズがあるため、活用方法の幅が広いことが特徴です。そのため、優先度や担当メンバー、曜日などに合わせて付箋の色を分けたりするのがおすすめです。
さらに、完了したタスクを消去するのも簡単です。付箋やマグネットをホワイトボード上から外すことによって、あとどのくらいのタスクが残っているのかを視覚的に把握することができます。
また、剥がせるテープでオリジナルの表を作ったり、グラフを描くことによって進捗を見える化する使い方もあります。例えば、営業職やマーケティング職においてホワイトボードを使い、成績を視覚的に把握しやすくすることによって、モチベーションや競争心の向上に繋がります。
このように、視覚的に自由に付箋やマグネットを動かしたり、表を自由に作りながら目標管理を行うことができるのが、ホワイトボードを使う魅力の一つです。
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3.付箋を並び替えたり、グループ化したりできる
3つ目のメリットは、付箋を使うことによって手軽にタスク管理が行えることです。
例えば、ホワイトボード上でスケジュール管理をしている際に、仕事が予定通りに進まなかったり、突発的なタスクが発生することもあります。そのような場合には、状況に応じてタスクの順番を入れ替えたり、優先順位をつけて業務を遂行しなければならないこともあります。
ホワイトボードと付箋の組み合わせは、このようなシーンにおいて柔軟性に優れています。紙やノートと異なり、貼ったりはがしたりが簡単に行えるだけでなく、順番を入れ替えたり、付箋をまとめてグループ化して見せることもできます。
特に、関連性があるタスクを同時並行で遂行する際には、細分化したタスクを付箋に書き込み、グループ化しておくのがおすすめです。また、マインドマップのようにアイデアを出したい時にも、付箋を使うことによって並べ替えやグループ変更が簡単に行えます。
このように、予定や計画の変更に合わせて柔軟に対応できるのがホワイトボードと付箋を使った目標管理のメリットの一つです。
4.目標が完了したら付箋を剥がして破棄できる
4つ目のメリットは、完了したタスクをToDoリストから消していくことにより、情報の管理がしやすくなる点です。
例えば、ノートや手帳のメモを使ったタスク管理においては、一度書いたタスクを視覚的に消すことができません。タスクを完了しても上から線を引くか、チェックリストのように印をつけていくことしかできず、あとどのくらいのタスクが残っているのかや、残ったタスクの量を視覚的に把握することが難しくなります。このような管理方法では、タスクの完了が進むごとにリストが見づらくなってしまったりと、モチベーションの低下も招きかねません。
しかし、ホワイトボードに付箋でタスクを足したりはがしたりする管理方法では、タスクが完了したタイミングで付箋を剥がしていくことができ、視覚的に状況の把握が簡単になるのがメリットです。
また、タスクをこなすごとにホワイトボードがすっきりしてくることで、達成感につながりモチベーションもアップします。
そのため、情報の足し引きが簡単に行えるホワイトボードでの目標管理は、状況の把握がしやすくおすすめの方法といえます。
目標管理のためのホワイトボード活用法
ホワイトボードで目標やタスクを見える化し、管理していく際には+アルファの活用術も存在します。ここでは、管理の際にぜひ取り入れて見て欲しい2つの方法をご紹介します。
個人×時間軸で管理
1つ目は、それぞれのメンバーと時間軸を基準に管理する方法です。この方法では、ホワイトボードに線を引き表を作っていく要領で管理を行います。
表では、ホワイトボードの縦軸に個人名、横軸に曜日を記入し、個人名と時間軸でタスクを管理する方法です。
週の始めまたは終わりにチームのメンバーを招集し、ミーティングを通じて各自が1週間のうちに取り組むべきタスクを洗い出し、見える化します。タスクが洗い出されたら、何曜日に処理するかを決め、曜日別に付箋を貼り付けていきます。セールスパーソンのスケジュール管理によく活用される方法です。
完了したタスクは剥がしていくため、進捗が遅れているタスクが見える化できます。1週間のうちにやるべき仕事と量を視覚的に把握できるため、行動計画が立てやすくなります。また、特定の人に仕事が集中している場合、他の人へ仕事を割り振るといった対応もしやすくなるでしょう。
業務内容によっては、日ごとや1ヵ月を単位としてスケジュール管理することもできます。
注意点としては、スケジュール管理や進捗の共有には効果的ですが、タスクの内容については付箋にすべて書き込むことは難しいため、詳細は事前にメンバー間で情報共有しておく必要があることです。
重要度と緊急度で管理
2つ目は、重要度と緊急度で優先順位をつけ、管理する方法です。この方法を使うことによって、メンバー全員が同じ認識で優先すべきタスクを理解することができ、チームの足並みをそろえることができます。
この方法では、ホワイトボードに縦軸を重要度、横軸を緊急度とした2軸のマトリクス図を書き込みます。すると4つの領域が出来上がり、最も優先して対応すべきなのは重要度も緊急度も高い領域のタスクであることが視覚的にわかりやすくなります。
次に、各メンバーが抱えているタスクを付箋に書き出し、4領域のいずれかに貼り付けていきます。この時に、進行役が中心となりチームのメンバー全員で付箋の場所を決めていくことで、納得感を持って優先順位を決めることができます。
付箋にタスクを記入する際には、メンバー別に付箋を色分けするのがおすすめです。なぜなら、重要度と緊急度の高い業務が誰に集中しているのか一目でわかるようになり、手の空いているメンバーがフォローに回るといった対応ができるようになるからです。
このように、マトリクス図を使い付箋の色分けをしながら優先順位を決めることによって、すぐに対応すべきタスクと後回しにしても問題ないタスクが見える化でき、効率的に業務が遂行できるようになります。
ホワイトボードによる目標管理の弱点
ホワイトボードを活用した目標の進捗管理には、ここまでに説明したようなメリットも多いですが、いくつかの問題点もあります。そのため、きちんと問題点を理解した上で、適切な方法で対応することで、ホワイトボードを使ったタスク管理のメリットが最大限に発揮されます。ここでは、そのホワイトボードを使用する上での弱点と対策について解説していきます。
1.過去のタスクや記録を保存できない
1つ目は、現在進行しているタスク管理には有効ですが、過去のタスクや記録ほ保存には適していないという点です。
ホワイトボード上のスペースには限りがあるため、不要な情報を適宜削除しながら新しい情報を追加していく使用方法が前提となっています。これは、最新のクラウドシステムやその他管理システムとは異なり、ある意味アナログな記録方法とも言えます。
そのため、もし長期間情報を残したままにしておくと、スペースが足りなくなってしまうことは確実です。ホワイトボード上にスペースが無くなってしまうと、個人のノートやメモ帳など他の場所でタスク管理することになってしまいます。しかし、このような管理方法では対応漏れなどの発生リスクが高くなってしまいます。
そのため、タスクを管理する際にはその情報の特徴や優先順位ごとに、”タスクの居場所”を分散させるようにしましょう。
また、ホワイトボードのスペースから消したタスクに関しては、きちんと管理しておかなければ過去の作業内容が遡れなくなってしまいます。ホワイトボード上で管理が終わったタスクに関しては、デジタルでデータが残せる別のシステムを活用しましょう。
2.リモートワークに対応できない
2つ目は、最近主流となってきたリモートワークとは相性が悪いという点です。
ホワイトボードによるタスク管理は、チームのメンバー同士が同じ場所にいることが前提となるスケジュール管理方法です。そのため、メンバーが別の場所にいることもあるリモートワークでの情報共有の方法としては、不向きと言えます。
ホワイドボードを使用する最大のメリットは、その管理の手軽さにあります。タスクを削除したり付け足したりという作業を気軽に行い周囲に共有できる点がメリットですが、メンバーが不在の場合にはホワイトボードに直接触れることができないため、このメリットを享受することもできなくなります。
そのため、リモートワークを行う際には、最新の進捗状況を共有するために、ホワイトボードをカメラで中継する必要があります。また、リモートワーク中のメンバーが新しい情報を追加したい場合には、出社しているメンバーの手を借りる必要が発生します。
しかし、業務の進捗情報の共有は、リアルタイムに行うからこそ意義があります。
そのため、リモートワークを導入している企業は、オンラインで使えるホワイトボード風のシステムを使用するなど、その他のタスク管理の方法を検討する必要があります。
まとめ
この記事では、ホワイトボードと付箋を利用した目標管理の方法について解説しました。
目標管理の運用においては、いかにわかりやすく情報を共有し、タスクを見える化できるかが重要になります。この記事でご説明したように、ホワイトボードを使用することによって情報の付け足しや削除が手軽に行えるため、日々変動のあるタスク管理においてはチームでの運用がしやすくなります。
デジタルが主流となってきた時代においても、簡単にタスクを作成したり視覚的に優先順位を考えることのできるホワイトボードでのスケジュール管理は、複数人がかかわるプロジェクトなどでも導入しやすくおすすめです。
メリットと問題点を把握した上で、目標管理ツールの一つとしてのホワイトボード活用を、ぜひ検討してみてください!
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