目標設定理論とは?意味と例を専門会社が解説!

目標設定理論とは、人材一人一人の企業への貢献意欲を高めることで成果を最大化するための効果的な施策です。適切かつ具体的で明確な目標があるとき、人間は仕事に対して高いモチベーションを持って取り組むようになります。仕事に対してのモチベーションの高い組織は業績を向上させ、大きな発展を見込める組織として成長していくことが期待できます。 この記事では、ロックが提唱した目標設定理論の論文をもとに、メンバーのモチベーションを向上させる目標設定のポイントをわかりやすく具体例をもって解説します。

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目標設定理論とは?

目標設定理論とは、目標が明確で適切であるならば目標がモチベーションに大きなよい影響を与えるとした理論です。アメリカの心理学者である、エドウィン・ロック氏とカナダの心理学者ゲイリー・レイサム氏が、1960年に発表した論文で提唱しています。 論文のなかで両氏は

・課題の達成に目標設定が不可欠
・困難な目標・自発的な目標が、より高いパフォーマンスを発揮させる
・動機付けとして有効に機能するのは、目標を受容している場合のみ

と主張しており先ほどの条件を満たした明確で適切な目標設定とポジティブフィードバックが、仕事へ貢献したいという意欲とモチベーションを高め、仕事としての満足性や組織としての生産性につながるとしています。

目標設定理論における4つの原則

目標設定理論を勉強した方ならわかるとおりモチベーションを高める効果的な目標を設定するには、いくつかのポイントがあります。以下に挙げる4つの要素を満たすことで適切な目標となり、目標設定が意味のあるものとなります。

・明確で具体的であること
・達成可能でありつつもある程度の達成が困難であること
・意欲的に取り組めるものであること
・適切なフィードバックがあること

明確で具体的であること

目標は曖昧なものだと意味がありません。目標設定でモチベーションを高められるようにするにはより明確で具体的に設定する必要があります。また、後々達成したかどうかを振り返れるように数値化できるものは、必ず数値化し期限を設けることが重要です。

「売上アップを目指す」 ⇒「今期売上を昨年度実績より7%上乗せする」
「顧客対応を素早く行う」 ⇒「3ヵ月以内に基本受付後45分以内に対応できるよう制度を構築する」

このように、数値化し期限を設け具体的にすることで「やるべきこと」も明確になるため、非常に目標達成やモチベーションに効果的な目標を設定することができます。また、数値化が難しい場合は、「目標達成した状態」を可能な限り具体的に言語化するとよいでしょう。

達成可能でありつつもある程度の達成が困難であること

期待理論でも示されている通り達成が不可能な非現実的な目標を設定するべきではありません。不可能な目標に対しては、誰も本気で努力しようとは思えないでしょう。現在のスキルや周囲の環境を十分に考慮し、大きな工夫や努力によって達成可能な現実的な範囲で目標を設定することが大切です。

また、ロック氏とレイサム氏は、論文のなかで「困難な目標ほどモチベーションを高め、パフォーマンスが向上する」としています。もちろんあまりに困難な目標は逆効果となり、モチベーションを低下させてしまいますが、あまりに用意に達成できる目標であれば、必死に取り組む人間はいなくなってしまうでしょう。

現状では達成困難かつ、多くの努力量を要することで「なんとか手が届く」といった難易度の目標が適切といえるでしょう。

意欲的に取り組める

目標は、自ら本気で取り組みたいと思えるものであることが重要です。上司から一方的に与えられ、本人が納得していない目標では、意欲的に取り組むことが難しくなるでしょう。そのため、本人が納得しやすくするには、目標の意義や必要性を丁寧に伝えることが必要です。

また、その目標を達成したときの状態が、本人にとって魅力的であることも、本気で取り組むための大切なポイントと言えます。

適切なフィードバックがある

目標達成理論において、フィードバックは最も重要なポイントです。定期的なフィードバックにより、進捗状況を確認し、目標達成に向けたアドバイスを行います。アドバイスは必要ですが、具体的な指示や強制にならないよう配慮が求められます。親しみやすい雰囲気を作り、質問を促して相手自身が答えを見つけられるようにすることが理想です。このようなフィードバックを繰り返すことで、上司と目標を共有している意識が高まり、モチベーションの維持に大きく役立ちます。


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目標設定理論のメリット

目標設定理論のメリットは、メンバーのモチベーションを向上させつつ達成に向けた行動を明確にすることで効率的に仕事を進められる点にあります。具体的には以下の2点が挙げられるでしょう。

・目標達成や成果につなげやすい
・業務の進捗が確認しやすい

目標達成や成果につなげやすい

目標を明確にすることで、努力の方向性も明確になります

目標達成の状態から逆算することで、必要なタスクを洗い出し、優先順位をつけることができます。そうして達成に向けた道筋と取り組むべき内容が明確になれば、無駄な労力を抑え、最短距離で目標に向かって進むことができるでしょう。

さらに、目標達成による成功体験は社員に達成感をもたらし、士気を向上させることができます。適切なフィードバックも不可欠ではありますが、この積み重ねを行うことにより、モチベーションを維持し、成果を出しやすい組織づくりの基盤をつくることができます。

業務の進捗が確認しやすい

目標が明確であれば、達成に向けたプロセスをより具体的な計画に落とし込むことが可能です。具体的な計画があることで、その進捗状況を基に確認を行えるようになります。

例えば、チームの目標達成を目指して個人にタスクを割り振った場合、一人が遅れるとチーム全体の目標が未達になるリスクがあります。

しかし、定期的なフィードバックを通じて進捗を確認することで、遅れが生じた場合には迅速にフォローするなどの対応が可能になります。

以下では、1on1ミーティングで定期的に目標の進捗を確認するためのテンプレート集を配布しています。興味のある方はぜひご確認ください。

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目標設定理論の活用方法

目標設定理論を用いることで以下のような状況が期待できます。

・目標未達の状況の打破
・従業員のモチベーションを向上させる

目標未達の状況の打破

やみくもに目標を立てるだけで目標が達成できていない状態を続けていては、モチベーションの向上にはつながりません。なぜその目標に取り組むのか、達成した際にはどのようなメリットが得られるのかを明確にする必要があります。 目標の意義や目的が明確であれば、熱意をもって取り組めるものです

そして、その意義と目的は、周囲の同僚や上司、経営層にまで共有されることが理想です。

さらにモチベーション高く目標に取り組むには、綿密な計画が欠かせません。計画があれば、やるべきタスクが明確になり、日々の業務に意欲をもって取り組めるようになるためです。 計画を立てる際に有効なフレームワークに「SMARTの法則」があります。

  • Specific(具体的)
  • Mesureable(測定可能)
  • Achievable(達成可能)
  • Realistic(現実的)
  • Time-bound(期限)

この5つの要素と、それに加え、先ほど記述した目標の意義や目的を加味したり、目標達成までのフローチャートを描いたりすることで、目標が未達成のまま時間が過ぎる、ということが少なくなります。その結果、目標をモチベーションの向上に最大限生かすことが可能になります。

従業員のモチベーションを向上させる

従業員のモチベーションを高めるためには、目標設定が効果的です。目標を設定する際に、達成に必要なリソースが揃っているかを確認し、足りないものがあれば面談などで見直し、迅速に提供することでタイムリーな支援が可能となります。

このとき、目標を設定した後も任せきりにせず、定期的なフィードバックを行うことで進捗や方向性を確認し、安心して取り組みを続けられる環境を整えるとよいでしょう。

タイミングの良い支援とフィードバックにより、従業員は困難に直面したときもモチベーションを維持しながら目標に向かって前進することができます。

目標設定理論を定着させるポイント

社員のモチベーション管理の手法として目標設定理論を用いる場合は、全社員を対象にした制度の導入など、企業としての施策が必要です。 例えば、以下のような施策が挙げられます。

  • ・目標管理制度(MBO)を導入する
  • ・1on1の導入など面談の機会を意図的に増やす
  • ・目標設定・管理に関する研修を実施する

目標管理制度(MBO)の導入

人事評価に目標管理制度(MBO)を取り入れることも有効な方法です。MBOでは、期の初めに上司とともに業務目標を設定し、期末の評価時期に目標の達成度合いで評価を行います。この評価時期には、結果の通知とともに、期中の業務行動の良かった点や改善点について丁寧にフィードバックを実施することで効率的に改善を図ります。

また、期の途中でも面談を通して細かな進捗確認やアドバイスを行い、さらに改善のサイクルを加速させることも可能です。

人事評価と連動させつつ目標管理制度を導入することで、目標に対する意識を高めることができるでしょう。


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1on1の導入

タイムリーで適切なフィードバックは、モチベーション維持に欠かせない要素です。こうしたフィードバック機会を増やす手段として、1on1の導入が効果的です。1on1とは、月に1回や週に1回など、上司と部下が高頻度かつ定期的に面談を行う制度であり、一般的には30分程度の短い面談時間で設定されることが多いです。これにより進捗確認がスムーズに行え、部下も抱えている問題があれば気軽に相談しやすくなるという効果が期待できます。


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目標設定・管理に関する研修の実施

目標設定や進捗管理の手法については、研修を通じて教育することが重要です。SMARTの法則を使った目標や計画の立て方は、従業員にとって基本的な知識として習得する必要があります。

また、管理職に対しても、適切なフィードバックの方法や目標の判断基準、進捗管理の手法を提供することが求められます。特に人事評価に目標管理制度を導入する場合、評価者ごとの差異が生じるリスクがあるため、管理者向けの研修は欠かせない取り組みといえるでしょう。

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まとめ

目標設定理論は、社員のモチベーション管理に効果的な手法です。この理論を活用するためには、適切な目標設定のポイントを社員が理解することが重要です。

さらに、管理職向けに効果的なフィードバックを行えるような教育機会を提供しましょう。モチベーションの維持・向上には、フィードバックを通じた上司と部下の「密接な関わり」が不可欠です。両者の関係が深まることで、多くの良い影響が期待できるでしょう。

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