統計データから考えるテレワーク下のコミュニケーション【おすすめツール紹介】
目次
コロナを経緯としたテレワークの現状
コロナウイルス蔓延による緊急事態宣言内閣府が2020年6月21日に公表した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、全国でテレワークを経験した人の割合は34.6%でした。
それに対し、総務省の2017年の通信利用動向調査報告によると、企業におけるテレワークの導入率は13.9%であったことからコロナを経緯とするテレワーク導入が急速に進んだと言えるでしょう。
また、東京都に限定すると2020年6月30日に行われた「テレワークの導入に関する実態調査」の結果よりテレワークの導入率は57.8%で、1年間で2倍以上(前回の調査では25.1%)に増えています。
これは、新型コロナウイルスの感染症対策として、政府の働きかけによりテレワークが推奨されたことが要因でしょう。
コミュニケーションの変化
テレワークの導入増加に伴い、コミュニケーションにも変化が起きたことは明らかです。
KDDI株式会社が2020年4月に実施した「緊急事態宣言下でのテレワーク勤務の課題・工夫についての調査」でもテレワークのデメリットとして、「同僚との何気ないコミュニケーションがとりづらい」を46.8%で約半数の人があげています。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズが3月に行った「テレワーク緊急実態調査」ではコミュニケーション(チャネル・内容)の変化について以下のように報告しています。
<チャネル>
- 「ビデオや音声での会話」が増える・やや増えるという人が59.8%
- 「メールなどでの情報共有」が増える・やや増えるという人が65.6%
- 「チャットなどの同時性の高いテキストコミュニケーション」が増える・やや増えるという人が59.1%
<内容>
機会が減るという人が増えるという人に比べて多かった項目は以下3つでした。
- 「感謝の言葉をかけたり、かけられたりする機会」
- 「雑談や思いつきレベルのアイディアの共有」
- 「同僚と、お互いの仕事の進捗を気にかけ、助け合う機会」
コミュニケーション手段がオンラインに切り替わったことにより、オフラインでは意識せずとも自然に取り組めたコミュニケーションが減少傾向にあります。
なお、特に業務に関係のない「雑談」に関連する内容となりますので、テレワーク以前の雑談の量やレベルによって、問題発生の度合・頻度も大きく差があると見られます。
変化によって生じた課題
株式会社メンタルヘルステクノロジーズは2020年10月に「テレワークの現状とその課題」に関する調査を実施しました。「テレワークによってメンタルヘルス不調の人は増えているか」について産業医の方々に質問してみたところ、半数以上がテレワーク環境下で何かしら「変化がある」とし、「(メンタルヘルスを)崩している人が増えている」が33%と「(メンタルヘルスを)崩している人が減っている」が23%であったのに対して、高い数字となっています。
こういった従業員の「メンタル問題」に対して、テレワークの変化への対応に追われていて気が回らず、まだ多くの企業が十分な対策を取れていない状況となっています。
テレワークにおいてコミュニケーションの観点から生産性をあげるためにするべきこと
少し話は変わりますが、リモート環境で働き方が大きく変わっても、チームで生産性を向上させるためにはチームビルディングが不可欠です。
それはどのような職種・環境においても基本的に変わることはありませんが、リモートにおいては特に「オフラインとオンラインのコミュニケーションに差分を埋めながら、メンバーがセルフマネジメントを行える仕組み作り」が重要となります。
これまでと異なり、マネージャーはその実現のために必要な知識を蓄えて、新たな仕組みやルールの構築・ツールの選定を行う必要があります。
また上に触れたように、メンタルヘルス低下や離職の予防のためにオフラインで行えていたコミュニケーションを補うための意図的なコミュニケーション設計が非常に重要となります。
具体的には意識的にタレントマネジメント発想に基づき、各メンバーの仕事における障害・モチベーションや得意・苦手な領域をこまめに把握し、エンゲージメントが高い状態を維持することが求められます。
各メンバーに気にかけていることを伝えたり、雑談を意図的にできるよう時間をとること、メンター制度の導入等メンバーに孤独感を与えないような工夫をしましょう。
テレワーク下のチームビルディングにおすすめのツールはコチラの記事をご覧ください!
テレワークにおけるコミュニケーションへの取り組み
これまでの内容を考慮しますと、テレワークにおいてコミュニケーションコストはオフィスで一緒に働くときと比較して高くなることは明らかです。
しかし、オフラインで行っていたコミュニケーションを代替えするようなシステムを導入し整備しても、コミュニケーションの問題が解決しないことは非常によくあります。
その場合、下記の大きな原因2つが想定されます。
テレワーク前からあるコミュニケーション課題
1つ目はテレワーク前にあった課題がコミュニケーションの難易度が上がる(情報収集元が減るという意味で)ことで露呈したという可能性です。
つまり、テレワークを実践することで、元々から存在していたが問題視されなかったコミュニケーションの課題が浮き彫りになった、ということです。
マネージャー等の管理職が抱えるテレワークへの不安の対象は「タスク管理や勤怠に関すること・チーム内でのコミュニケーション」が多くを占めると言われています。
もし、上記が真の課題だとすると、オフラインであってもオンラインであっても仕組み化により解決が見込めます。このような場合、最もオススメする方法は日報などの業務内容の共有ツールを利用することとなります。
日報では基本的に、テレワーク下で見えづらい各メンバーのタスク管理・現状理解はもちろん、勤怠管理も可能なためで、古来からある方法なのでネットを調べてみても「自分のチームにマッチしそうな良いやり方」がたくさん見つかります。
また、各メンバーの日報をチーム内で共有することで、メンバー間でのいいねやコメントなど「テレワークでは発生しづらいが重要な雑談的なやり取り」が発生することも見込めますので、日報はテレワーク下のマネージャー等の管理者の不安、課題解決に役立ちます。
テキストによるミスコミュニケーション
2つ目はテレワークならではの問題です。
SlackやTeams、Chatworkといったコミュニケーションツールが普及しつつありますが、テキストコミュニケーションはニュアンスが伝わりづらく、メンバー間の認識ズレや誤解を招く機会を増大させます。
テキストによる正確性を求めるコミュニケーションに慣れているチーム(エンジニアチームなど)はさておき、今まで顔を合わせて対面コミュニケーションを重んじていたメンバーが、いきなりテキストだけでコミュニケーションを駆使することになると高確率で事故が発生します。
対面のコミュニケーションとテキストコミュニケーションの一番の違いは「エモーション」です。
そもそもコミュニケーションは「情報」と「エモーション(感情)」の2つの要素から成り立ちますが、テキストコミュニケーションにおいてはこの「エモーション」が欠落しやすく、意識的に感情面を伝えられるよう努めないと相手に真意が伝わりづらくなったり、不安視させることにつながります。
文化的側面から、「絵文字の使用」「オープンな場とクローズな場の使い分け」「人に伝わる文章を入力する能力」といった新しい適性が求められます。
このようなコミュニケーション方法を学習していくにはそれなりに時間がかかりますが、オフライン時と同じコミュニケーション方法には固執せず、何が問題なのかを見極めて、柔軟に対応していくことが重要となります。
オンラインチームビルディングにオススメのコミュニケーションツール
日報共有ツール
Co:TEAM(https://coteam.jp/)
Gamba(https://www.getgamba.com/)
marchily(https://www.marchily.jp/)
チャットツール
Slack(https://slack.com/intl/ja-jp/)
Microsoft Teams(https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/microsoft-teams/group-chat-software)
Chatwork(https://go.chatwork.com/ja/)
オンライン会議システム
Zoom(https://zoom.us/jp-jp/meetings.html)
Google Meet(https://apps.google.com/intl/ja/meet/)
Microsoft Teams(https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/microsoft-teams/group-chat-software)
Whereby(https://whereby.com/)
バーチャルオフィス
Remo(https://remo.co/)
Tandem(https://tandem.chat/)
まとめ
すでにテレワークに切り替えてコミュニケーションに問題を感じている場合はチームビルディングを進めるためのチャンスと捉え、そのコミュニケーションの問題は何故発生しているのか、どうすれば解決できるのかを考え、新たなコミュニケーション設計に取り組んでみましょう。たとえテレワークが解除になったとしても、その取り組みはチームにとってセルフマネジメント力が向上し、管理工数が減ることで生産性が上がるのでチームにとってはプラスの効果をもたらすでしょう。
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