ワンマン経営とは?メリット・デメリット・社長の特徴・対処法をわかりやすく解説
ワンマン経営は、一人の経営者が組織のすべての意思決定権や管理権を握り、他のメンバーに対して十分な権限や責任を与えない、または十分な意見を求めない独裁的な経営スタイルを指します。
この経営スタイルは、スピーディーな意思決定や責任の所在が明確になることがメリットとして挙げられる一方、従業員の主体性の欠如や後継者問題などのデメリットも持ち合わせています。これらのデメリットは会社の業績に大きな影響を与えるため、ワンマン経営のデメリットの対策について考える必要があります。
本記事では、ワンマン経営の特徴やメリット・デメリット、デメリットの対策方法について紹介します。
ワンマン経営とは?
ここではまず、ワンマン経営の定義を明確にします。
- ワンマンとは?
- ワンマン経営の定義
ワンマンとは?
「ワンマン」という言葉を聞いた時にまず思い浮かぶのは、「一人」をイメージするのではないでしょうか。しかし、ビジネス視点での「ワンマン」は、組織やプロジェクトにおいて一人の人物が端的に支配的で独断的な振る舞いをすることを意味します。
つまり、その一人の考えや意見、判断がその組織全体としてのビジョンや取るべき行動を決定するということを意味します。
ワンマン経営の定義
ワンマン経営とは、経営者が自己中心的であり、会社全体に対する支配的な姿勢を示す経営スタイルを指します。最終決定には社長の意見が通るため、従業員の意見が通りにくく、会社の方針や目標に反映されにくい特徴があります。
ワンマン経営では、経営者の独自の知識や経験を生かした迅速な意思決定が行われるといった市場の変化が速い近年のビジネスにおいて欠かせないメリットがあります。一方で、経営者一人の知識や経験のみに頼った意思決定のため、もしその判断が間違っていたり、一昔前の現代に適していない判断をすると、それが会社全体の方針になってしまい、大きな失敗につながるリスクがあります。さらに、従業員の意見が採用されるケースが少ないため、業務に対する意識やモチベーションの低下を招いてしまうなどといったデメリットも存在します。
そのため、ワンマン経営は、「早さ」が重視される現代で有利に働く一方で、従業員の「声」に耳を貸さないことによる事業失敗のリスクの存在を理解する必要があります。
ワンマン経営が向いているケース
ネガティブな一面を加味した上で、ワンマン経営に向いているケースとしては以下のものが挙げられます。
- 大企業に比べ、リーダーシップを発揮できる優秀な人材が少ない中小企業
- 経営者が従業員からの厚い信頼を得ている
- 経営者が会社の将来的な成長を真剣に考えている
このように、ワンマン経営は必ずしも会社にとって悪いというわけではなく、自社の経営体制や規模に合っている場合は導入を考慮するのも一案です。
ワンマン社長の3つの特徴
次に、ワンマン社長の主な3つの特徴について詳しく解説します。
- 意思決定が早い
- リーダーシップがある
- 責任感が強い
特徴1:意思決定が早い
ワンマン社長の特徴1つ目は、意思決定が早いことです。
ワンマン社長は従業員の意見に依存せず、自身の直感や経験に基づいてビジョンや方向性を定めます。各従業員の意見を集約し、その中から適した意見を採用するといったプロセスを取る必要がないため、直接かつ迅速に経営のビジョンを決めることが可能です。
この「スピーディーな意思決定」は、変動の激しい市場やビジネス環境において、変化に素早く対応できることを強みとして、自社の優位性を確立します。
特徴2:リーダーシップがある
ワンマン社長の特徴2つ目は、リーダーシップがあることです。
ワンマン社長はただ自己中心的に意思決定をするのではなく、従業員を引っ張っていけるリーダーシップと、その会社に対する明確なビジョンや目的を持っています。
そのビジョンを達成するために、ワンマン社長は意思決定を行うため、存在そのものが会社の指針となります。このような明確なビジョンを会社全体と共有することで、各従業員がどの方向に何を目指して進んでいけば良いのかがはっきりと分かります。
さらに、強烈なリーダーシップを持つ社長が意思決定や方針決定の基盤となることで、従業員は一致団結して目標に向かうことができます。
特徴3:責任感が強い
ワンマン社長の特徴3つ目は、責任感が強いことです。
ワンマン経営において、社長一人の経営判断や決断によって会社全体としての成果が大きく左右されることを心得ています。そのため、彼らは自らの会社が成功するか否かに対する責任を強く感じ、常に会社経営に全力で取り組む傾向があります。また、自らの経営判断によって直面するリスクや影響を考慮しながら、長期的な戦略計画を立てることで会社を良い方向に導こうと精一杯努力します。
このような社長の強い責任感や姿勢は、会社全体に伝染し、従業員個人の業務における成果や成長に対するコミットメントが飛躍的に向上します。これにより、長期的なビジョン達成に向けた、会社の経営基盤を築き上げ、安定性を強固なものにします。
ワンマン経営のメリット
ここでは、ワンマン経営のメリットを4つ解説します。
- 意思決定が早くスムーズ
- 責任の所在が明確
- 従業員が緊張感を持つようになる
- 企業の求心力が強まる
メリット1:意思決定が早くスムーズ
ワンマン経営のメリット1つ目は、意思決定が早くスムーズなことです。
ワンマン経営では、経営者が会社全体の指針を一元的に決定するため、意思決定プロセスが迅速かつ効率的に行われる傾向があります。経営者は複数の意見や承認を待つ必要がなく、自らのビジョンや経験に基づいて即座に決断を下すことができます。
これにより、会社内での度重なる協議や議論による情報の待ち時間や意見の対立が減少し、迅速な行動が可能となります。また、経営者の決定が直接的であるため、組織全体が一貫した方向性を持ち、組織の目標達成に向けてスムーズに進むことができます。
スピーディーな経営体制は、近年の変化が激しい市場やビジネス環境に随時適応できるという面で、市場競争において優位性を得ることが可能です。
メリット2:責任の所在が明確
ワンマン経営のメリット2つ目は、責任の所在が明確なことです。
多くの従業員が会社としての意思決定や経営判断に関わる会社では、トラブルが発生したときに「どの部門でどの従業員がどのような意思決定をしたのか」というような責任の所在の特定が困難になることが多々あります。
その結果、社員同士で責任のなすりつけ合いが生じ、職場での人間関係に悪影響を及ぼしてしまいます。一方、ワンマン経営の会社では、経営者の独断で意思決定がなされるため、全責任が経営者個人に集約されます。そのため、緊急性のある問題が発生した際に、責任の逃れや責任の押し付けがなくなり、経営者による迅速かつ的確な判断や対策が練られます。
また、明確な責任の所在は経営者自身のモチベーションを向上させます。自らの意思決定が会社全体に良くも悪くも大きな影響を与える認識により、経営者は常に会社にとって最善の決断を下しながら、会社を発展させるよう努めます。
結果として、その経営者が示す明確な指針が、会社全体を一つのチームとして一致団結させ、目標達成を目指す原動力となるのです。
メリット3:従業員が緊張感を持つようになる
ワンマン経営のメリット3つ目は、従業員が緊張感を持つようになることです。
ワンマン社長は一方的な指示を行い、その影響力によって会社内の従業員はワンマン社長の意向に従うことが求められます。このような状況下では、従業員はワンマン社長の思いに対して緊張感を持ち、彼らの期待に沿うように行動する必要があります。
また、大企業のように複数の階層を経て社長からの指揮命令が各従業員に伝わる場合、その指示の背後にある意向や意図、さらには理念までもが薄れてしまうことが多々あります。一方、ワンマン経営では、各従業員が社長の指示を直接的に受け取ることができ、「社長はなぜその指示をしたのか」をより明確に理解することが可能です。
社長の思いがダイレクトに伝わった結果、従業員は社長が思い描いている成果を出すために、より一層緊張感を持って自らの仕事に励むようになります。
メリット4:企業の求心力が強まる
ワンマン経営のメリット4つ目は、企業の求心力が強まることです。求心力とは、組織内のメンバーが一体となって行動し、結束している程度を示す概念です。
ワンマン社長の持つ強烈なリーダーシップは、会社全体の指針や方向性を明確にすることで、従業員を目的達成に向けて強く導きます。経営者が強いリーダーシップを持っている場合、会社の指針や方向性を明示することができるため、従業員間で共通の最終目的を持てることに繋がります。
その結果、従業員は経営者のビジョンに集中することで、従業員間や部門間で一体感が生まれ、全員同じ方向に向かって協力しながら各プロジェクトに取り組むことができます。
このような状態は、会社の求心力や結束力を向上させることで、業務遂行の効率性や生産性が高まり、より大きな成果を上げることを可能にします。
ワンマン経営のデメリット
それでは、ワンマン経営にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
ワンマン経営の主要なデメリットを4つ紹介します。
- 後継者が育たない
- 業績が経営者に依存する
- 社員のモチベーション低下
- 社員の離職率が上がりやすい
デメリット1:後継者が育たない
ワンマン経営のデメリット1つ目は、後継者が育たないことです。
ワンマン社長の下では、その社長が裁定権を持っているため、部下に会社の業績に関わる大きな意思決定を任せる機会がほとんどありません。その結果、会社のトップとして必要不可欠な、「リーダーシップスキル」や「判断力」を習得する機会が不足してしまう恐れがあります。
さらに万が一、経営者が不慮の事故・事件に巻き込まれてしまい、会社の核であるリーダーの不在という危機に瀕した場合、会社内にはリーダーとして相応しいNO.2と呼べる人材が不足している可能性があります。
この状況は、会社経営の安定性や継続性に重大な悪影響を及ぼし、最悪、倒産に追い込まれるケースも少なくありません。そのため、どのような状況にも対応できるように、経営における効率性だけでなく、NO.2と呼べる後継者の育成にも力を入れる必要があります。
デメリット2:業績が経営者に依存する
ワンマン経営のデメリット2つ目は、業績が経営者に依存することです。
ワンマン経営では、経営者が全ての意思決定を独占し、会社内での部下の意見・考え方を排除する傾向があります。その結果、経営者の個人的な能力や判断力に業績が依存することになります。経営者が優れたビジョンやリーダーシップを持っている場合は良い面もありますが、彼らの能力や判断が限られている場合や判断ミスを犯した場合、会社の業績に直接的な影響を及ぼすことがあります。
さらに、経営者による一元的な意思決定は、従業員が経営者の指示に従うことで自己のアイデンティティや意見を抑圧され、会社全体の創造性やイノベーションを抑制してしまう可能性があります。その結果、ワンマン経営スタイルでは、経営者の創造性や開発能力が不足している場合、会社の持続可能な成長や発展に障害が生じる可能性があります。
デメリット3:社員のモチベーション低下
ワンマン経営のデメリット3つ目は、社員のモチベーション低下です。
ワンマン経営では、経営者が全ての決定権を握り、部下の意見は無視されることが多い傾向にあります。このような状況下で、従業員は自身のアイディアや提案が尊重されず、経営者の一方的な方針に従うことを求められます。その結果、従業員は自身の貢献や意見が無視されることに失望し、モチベーションが低下する可能性があります。
また、ワンマン経営において、経営者の判断や行動が失敗に終わった場合、従業員は「積極的にプロジェクトに参加し、役割を全うしたとしても、努力が報われない」と感じ、モチベーションが低下する可能性があります。さらに、経営者の一方的な指示や命令によって、従業員の自己成長やスキル向上の機会が制限されることもあり、モチベーション低下の要因となります。
デメリット4:社員の離職率が上がりやすい
ワンマン経営のデメリット4つ目は、社員の離職率が上がりやすいことです。
ワンマン経営では、基本的に経営者の意向が採用されることがほとんどのため、経営者の考えや意見が絶対的なものとなり、従業員が「自分の意見を自由に発言する機会」を制限してしまうリスクがあります。このような状況下では、社員は自己の能力や意見、パフォーマンスが評価されず、会社内での成長や発展の機会を失うことに不満を抱くケースが多くなります。
その結果、社員は会社内での成長や満足感を見出せないと感じ、他の機会を求めて離職する可能性が高まります。特に、優秀な社員や自己実現を重視する社員は、自己の能力や意見が評価されない環境では満足せず、他の企業への移籍を考えることがあります。
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ワンマン経営が持つリスクへの対策
上記のリスクから脱却・回避するためには、以下で紹介するポイントを注意しながら対策を講じると良いでしょう。
- 従業員の成長を促進する
- 社員の意見やフィードバックを受け入れる
- 社長の意見が絶対という風土をなくす
- 多様な経営メンバーを採用する
- 事業理念・ビジョンの浸透を促す
従業員の成長を促進する
ワンマン経営が持つリスクへの対策1つ目は、従業員の成長を促進することです。
ワンマン経営スタイルを採用することによって、経営者一人だけで会社内の意思決定を下してしまう会社が多い傾向にありますが、これでは各従業員の成長は期待できません。そのため、経営者一人に全ての意思決定を任せるのではなく、従業員にもそれぞれの業務において必要な深い知識やスキル、経験を身につけ、最終的には自らの業務に関する意思決定を行うことが求められます。その具体的な方法として以下の例が挙げられます。
- 研修プログラムの提供
- 従業員に対して定期的な教育や研修プログラムを提供し、従業員全体の業務スキルや知識の向上を促進します。
- キャリア開発のサポート
- 個々の従業員のキャリア目標や成長ニーズに焦点を当て、彼らが自己成長できるような機会やリソースを提供します。これには、キャリアカウンセリングや成長のための挑戦的なプロジェクトへの参加などが含まれます。
これらのプログラムは、従業員の業務に対する自信を深め、主体性を向上させることに繋がります。特に、「新しいスキル習得の場」と「チャレンジの場」を提供することで、習得したことが実際の業務でどのように活きるかを体感することができます。
これは、社員1人ひとりが自分自身の業務を深く理解し、プロフェッショナルとしての自覚を持って業務に取り組むことを促すため、従業員個人の成長だけでなく、会社として進化するための大切な要素になります。
社員の意見やフィードバックを受け入れる
ワンマン経営が持つリスクへの対策2つ目は、社員の意見やフィードバックを受け入れることです。
会社内で経営者のみが決定権を持っていると、現場の従業員の声が経営者まで届かず、会社としての意思決定に反映されないことが多々あります。これにより、「現場の問題点が改善されない」「イノベーションの欠如」「従業員のモチベーション低下」など様々な問題が生じます。これらの問題の発生を防ぐために、以下の方法で従業員のフィードバックを受け入れることが推奨されます。
- オープンなコミュニケーションチャンネルの設置
- 従業員が自由に意見やフィードバックを提供できるようなコミュニケーションチャネルを設置します。これには、定期的なフィードバックセッションやアイデアボックスの設置などが含まれます。
- フィードバックを企業文化の一部にする
- 週に一回程度の1on1面談を導入し、フィードバックを受け入れることを企業文化の一部として位置付けることで、従業員が自発的に意見を提供しやすくなります。
これらの対策を講じることで、「従業員が日々の業務において直面した問題」「業務プロセスの改善」などについてのフィードバックを経営者に提供しやすい職場環境を作りあげることができます。また、従業員が自分の声が尊重され、考慮されていると感じると、会社に対する信頼が高まり、業務に対するモチベーション向上につながります。
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社長の意見が絶対という風土をなくす
ワンマン経営が持つリスクへの対策3つ目は、社長の意見が絶対という風土をなくすことです。
経営者という立場にいる人の意見は、従業員から贔屓目に見られることが多い傾向があります。そのため、強い影響力を持つ経営者の意見は、社員から一切疑われることなく受け入れられることがほとんどです。
しかしこのような状況では、意思決定の偏りによって、従業員の「自主性」「創造性」「多様性」などが欠如してしまいます。これらが欠如することで、会社の生産性や業績低下につながってしまうリスクがあります。このリスクへの対策として、以下のような取り組みが考えられます。
- 意思決定プロセスの改善
- 問題特定や情報収集、選択肢の評価などの意思決定プロセスを透明化し、従業員に共有することで、会社全体で議論できるような仕組みを導入します。
- リーダーシップの育成
- 経営者以外の従業員にもリーダーシップを発揮させる機会を提供し、個人の能力や成長を促進します。リーダーシップトレーニングやプロジェクトリーダーの役割をローテーションさせるなどの方法が有効です。
これらの対策を講じることで、各従業員は経営者が行なっている意思決定プロセスの改善点を把握でき、リーダーシップスキルやリーダーの視点を養うことが可能です。その結果、イエスマンになってしまっている従業員と経営者間での意見交換がより頻繁に行われるようになり、各従業の自主性や創造性、多様性が発達します。
また、従業員の自主性向上により、ワンマン社長一人による意思決定の機会が減るため、社長の責任・負担が会社全体に分散します。
多様な経営メンバーを採用する
ワンマン経営が持つリスクへの対策5つ目は、多様な経営メンバーを採用することです。
経営者は、常に様々な分野・業界のトレンドや推移を敏感に感じ取る必要があります。そのため、多方面からの情報や視点が非常に重要になってきます。ここでもし、経営メンバー全員が同じバックグラウンドや専門性しか持っていなかった場合、特定の分野の情報や視点が偏ってしまいます。
その結果として、会社の危機やチャンスにつながる可能性のある、経営メンバーの専門外分野における重要なトレンドの変化を見過ごす可能性があります。このリスクへのアプローチとして、以下のような対策例を紹介します。
- 採用プロセスの改善
- 採用プロセスにおいて、異なるバックグラウンドや経験を持つ候補者を積極的に求めることが重要です。採用基準や面接プロセスを適切に設計し、多様性を促進することが求められます。
- 能力開発プログラムの提供
- 新たに採用した経営メンバーやチームメンバーに対して、適切なトレーニングや能力開発プログラムを提供することで、彼らの能力やポテンシャルを最大限に引き出します。
これらのアプローチによって、異なる業界や文化、専門分野からのさまざまな視点や経験を活用することができます。これにより、包括的でバランスの取れた意思決定を行うことが可能となり、多様な分野における重要なトレンドの変化を見逃すことがなくなることで、企業業績向上につながります。
事業理念・ビジョンの浸透を促す
ワンマン経営が持つリスクへの対策4つ目は、事業理念・ビジョンの浸透を促すことです。
自社の事業理念やビジョンは、経営者だけでなく従業員全体と共有されて初めて、将来的な実現が見えてきます。ビジョンが従業員と十分に共有されていない場合、会社全体として向かうべき方向が明確でないため、各従業員が異なる方向を向いてしまいます。
その結果、たとえ優れたリーダーシップを持っていたとしても、経営者と従業員が一致団団結して会社のゴールに向かうことは難しいでしょう。このリスクへの対策として、以下の具体例が挙げられます。
- 定期的なコミュニケーション
- 定期的な1on1面談を通じて、会社のビジョンに基づいた業務内容に対するフィードバックや改善策を各従業員へ提供する(から受ける)ことで、従業員がビジョンの重要性や意義を理解しやすくなります。
- 具体的な行動のモデリング
- 経営者自身が事業理念・ビジョンに基づいた行動を示し、その価値を体現することが重要です。これにより、従業員はそれを見て学び、自らも行動に移しやすくなります。
この対策により、会社全体とビジョンが共有されるのみならず、各従業員の「なぜこのビジョンが重要なのか」「ビジョンに基づいた具体的な行動」についての理解を深めることが可能です。結果として、「会社全体が一致団結して会社のゴールに向かえる」という効用が期待できます。
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1on1面談とは
1on1面談とは週に1回30分や、隔週に1回30分といった短いサイクルでリーダーとメンバーが定期的に1対1で話すことです。1on1は、定期的に部下の業務での悩みを聞き出し、それに対してアドバイスやフィードバックを行うことで、効果的かつ効率的に人材育成を行うことができます。
1on1面談は簡単に始められるという良さがあります。実施する際には、リーダーは何を話すべきか事前に決めておきましょう。また、メンバーには事前に聞きたいことを整理しておいてもらいましょう。この準備によって1on1ミーティングを有意義な時間にできます。
まとめ
ワンマン経営には、スピード感ある意思決定や責任者の明確化などのメリットがある一方、従業員の「後継者問題」「経営者依存」「モチベーション低下」「高い離職率」など企業業績に大きく影響するデメリットが多く存在します。そのため、これらのデメリットに対して対策を立てることが必要不可欠です。
本記事が、少しでも自社に最適な経営スタイルのヒントになれば幸いです。
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