eNPSとは?従業員エンゲージメントとの関係性や算出方法とメリット、各業界の平均値について徹底解説!

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eNPSとは?従業員エンゲージメントとの関係性や算出方法とメリット、各業界の平均値について徹底解説!

eNPS」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。実は、「eNPS」とは従業員エンゲージメントと切っても切れない関係にあり、会社経営や人事施策の中で注目されている言葉です。「従業員エンゲージメント」は優秀な社員の離職防止、社員の生産性向上などの現代の企業が抱える重要課題への解決策として期待されています。そして、この従業員エンゲージメントを測る指標が「eNPS」です。しかし、eNPSは最近の言葉であり、馴染みの無い人が多いでしょう。そのため、本記事では、eNPSについて説明し、eNPSと従業員エンゲージメントの関係性理由メリット算出方法各業界の平均値について紹介します。


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eNPSとは?eNPSと従業員エンゲージメントの関係性

eNPSとは、Employee Net Promoter Scoreの略称で、従業員の職場や会社への愛着や信頼度を表す指標です。これまで、人事の追う指標・KPIであった「離職率」「定着率」といった定番指標と並んで、近年重要視されつつあります。特に、人事がリファラル採用紹介制度の導入や更新を検討する際に、この指標を追跡することは非常に有効です。

元々は、サービスや製品に対するロイヤルティを図る、マーケティング用語「NPS(Net Promoter Score)」から派生して出来た言葉であり、従業員エンゲージメントの測定を目的としています。

そのため、eNPSと従業員エンゲージメントの関係性は、eNPSが向上すること、従業員エンゲージメントを向上する関係性にあります。

近年、多くの企業では、優秀な人材を確保することが最重要課題となっており、そのための従業員エンゲージメントの向上に向けた取り組みとして注目を集めています。従業員エンゲージメントを高めることにより、生産性を向上させるだけでなく、離職防止による優秀な人材の確保をすることができます。離職防止については、従業員エンゲージメントの向上だけでなく、日常の業務における心がけによるところも大きいとされています。

eNPSの算出方法

eNPSの算出方法は、「この企業を友人に勧める可能性はどのくらいですか?」という質問に対して、0(全く可能性がない)から10(非常に可能性がある)の指標の回答を集計する事で算出します。

enps cal.

eNPSの計算は数値を平均するだけではなく、回答者が回答結果に基づいて以下の3つのカテゴリーのいずれかに分類されます。

  • 推進派‥おすすめできるかという質問に9〜10点と答えた従業員のグループ
  • 反対派‥おすすめできるかという質問に0〜6点と答えた従業員のグループ
  • 消極派‥おすすめできるかという質問に7〜8点と答えた従業員のグループ

アンケートの回答が得られたら、回答者全体における推進派の割合から反対派の割合を引く事で、eNPSを算出します。

eNPS = 推進派の割合 – 反対派の割合

eNPSは、+100(最高)または-100(最低)の値を取ることになりますが、ゼロ以下(=マイナスの値)を記録する場合には、現状に懸念すべきだと言えるでしょう。

なお、注意点としては、受動的な回答者(消極派)はこの計算に含まれません。そのため、eNPS調査が正しく機能するためには、この尺度を使用しなければいけません

eNPSによる従業員の分類

ここでは、先ほど紹介した「推進派」、「反対派」、「消極派」について詳しく説明します。

推進派

推進派は、おすすめできるかという質問に9〜10点と答えた従業員のグループです。

推進派は、自社にとって最大の支持者であり、対外的なブランディングや採用活動の推進にとって大きな資産となります。

これらの従業員は、SNSや私的なネットワークの中で求人情報や自社の優れた点についてを共有する可能性が高く、会社のブランド大使となります。

反対派

反対派の社員は、おすすめできるかという質問に0〜6点と回答したグループです。

反対派は、会社の成功の見通しに無関心なだけでなく、長期的にブランドを傷つける可能性があります。このような人々は、「友人、親戚、知人など、聞いてくれる人なら誰にでも愚痴をこぼす」ほど不満を持っていますが、その一方で、否定的な回答者のスコアは0から6の間で出されます。

つまり実質彼らは評価基準の半分以上を占めていることにも注意しましょう。

消極派

消極派の社員は、おすすめできるかという質問に7〜8点と回答したグループで、その立ち位置は受け身かつ中立です。

つまり、彼らは会社で働くことを気に入っているかもしれませんが、積極的に友人を紹介するほどではありません

実際には、この消極派の数字は最終的な計算には含まれません。

しかし、このグループからのフィードバックを理解し、彼らを推進派のカテゴリーに移動させるために何ができるかを発見することがとても重要です。

eNPSの結果の評価

eNPSスコアの最高値は100、最低値は-100です。eNPSスコアが100に近づくほど、従業員のエンゲージメントの高さを表します。反対にeNPSスコアが-100に近づくほど、組織内に不満が広がっていることを示しています。しかし、企業がこれらのスコアに近づくことはほとんどなく、大多数の企業にとって非現実的な理想値となっています。

一般的に、良いとされるのは0点より上のレベルですが、他社のベンチマークよりも自社のベンチマークに注目するべきです。市場調査をして競合他社の順位を知ることはできても、その調査結果はあまり役に立たないかもしれません。

この数値によって本当に追求したい点は、現在の状況で良いスコアは何かということです。

従業員が会社を「働きがいのある会社」として推薦する可能性は、人事部ではコントロールできないものも含め、さまざまな要因に影響されますが、例えば以下が挙げられるでしょう。

  • 非上場企業と上場企業の違い
  • 事業内容やビジネスモデルの違い
  • 組織の規模や歴史の違い
  • 低成長と高成長の違い  

ベンチマーキングを行う際には、まず徹底的に自社の分析を行い、そしてそのあとにはじめて競合他社をみるようにしましょう。

例えば、異なる部門や四半期ごとのeNPSの推移を比較することで、エンゲージメントの改善点をより実践的に理解することができます。

各業界のeNPSの平均

eNPSは業界によって大きく異なりますが、日本国内のeNPSの平均値は-20〜-40程度といわれています。

株式会社ビービットの『eNPSは何によって上がるのかー16業界eNPS調査』結果によるとeNPSスコアが高かったのは官公庁・自治体・公共団体で-41.3、その一方で、eNPSスコアが低かったのは、低い順に出版・印刷関連産業、サービス業、運輸・運送業という結果でした。また、「顧客への貢献実感」「評価」「報酬」ともに満点と回答した方のeNPSは32.39で、全ての評価が最低値と回答した方のeNPSは-96.88でした。

eNPSを向上させるメリット

eNPSを上げることがなぜ重要なのでしょうか。それはeNPSが向上することで、従業員エンゲージメントを向上させることが可能になるからです。

様々な調査でeNPSが高い企業ほど、従業員エンゲージメントも高くなる傾向にあることが明らかにされています。そして、従業員エンゲージメントが向上することで、企業には様々なメリットがあります。

そのため、本項では、eNPSを向上させ、従業員エンゲージメントが向上した際に得られるメリットを3つ紹介します。

  • 生産性の向上
  • 離職率の低下
  • 優秀な人材の確保

生産性の向上

eNPSを向上させ、従業員エンゲージメントが向上した際に得られるメリットの1つ目は、「生産性の向上」です。従業員エンゲージメントを高めることで、業務・生産性が向上し、売上が上がるという効果が期待できます。

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引用)株式会社リンクアンドモチベーション(2018)『「エンゲージメントと企業業績」に関する研究結果を公開

2018年にモチベーションエンジニアリング研究所と慶應義塾大学が共同研究した「エンゲージメントと企業業績」により、従業員エンゲージメントが高いほど労働生産性が向上することが明らかになりました。

また、同様の研究で従業員エンゲージメントが高いほど、営業利益も高くなることがわかっています。

このデータから、従業員エンゲージメントを高めることで、労働生産性が上がり、売上が上がるという効果が期待できます。

離職率の低下

eNPSを向上させ、従業員エンゲージメントが向上した際に得られるメリットの2つ目は、「従業員の離職の低下」です。従業員エンゲージメントを高めることで、退職や転職を防ぐことができます。

2019年に株式会社アスマークが従業員の離職とエンゲージメント(愛着心・思い入れ)の関係について調査しました。

エンゲージメントと離職率

出典)株式会社アスマーク(2019)『1万人データから探る、社員の離職要因とエンゲージメントに関する分析レポート【職種別・役職別】』

その結果によると、職種によって差はあるものの企業への満足度が高くなれば離職意向も低くなるということがわかりました。

このことから、従業員エンゲージメントを向上させることで、従業員の離職を防止することができると考えられます。


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優秀な人材の確保

eNPSを向上させ、従業員エンゲージメントが向上した際に得られるメリットの3つ目は、「優秀な人材の確保」です。従業員エンゲージメントを高めることで、優秀な人材の人材が入社しやすくなり、辞めにくくなります。

現在は人材の流動性が高くなり、優秀な人材が自社に不満を抱えている場合、転職しやすくなっています。そのため、優秀な人材の流出を防ぐことを経営層や人事は考えなくてはなりません。

この解決策として、従業員エンゲージメントが注目されています。従業員エンゲージメントを高めることで、優秀な人材がその企業で働きたいと考え、優秀な従業員が転職を考える機会がなくなることが期待できます。その結果、優秀な人材の流出を防ぐことができるでしょう。

2024内定理由

出典)株式会社プレシャスパートナーズ(2023)『就職活動に関する調査』

また、株式会社プレシャスパートナーズが行った2024年の新卒者を対象にしたアンケート調査では、内定先の決め手が「社風や雰囲気」(28.5%)が最多となりました。また「成長できる環境である」(15.7%)、「やりたいことがやれる」(14.3%)など、エンゲージメントに関わる部分が上位になっています。

そのため、優秀な新卒社員の獲得にも従業員エンゲージメントに期待することができます。

eNPS測定の始め方

eNPS測定は「この企業を友人に勧める可能性はどのくらいですか?」という質問を使って測定します。そのため、eNPS測定を始めるためには、アンケート調査を企業で始める必要があります。エンゲージメント調査では数分かかることもありますが、アンケート調査では数秒で完了するため、進捗状況を一貫して把握することができます。また、定期的なアンケート調査を実施している場合は、eNPSの質問を組み込んでもよいでしょう。

アンケート調査では通常複数の質問をしますが、eNPSの質問は、できるだけ従業員がアンケートで最初に目にする質問にしましょう。従業員の気持ちを正確に読み取るだけでなく、詳細なコメントを得られる可能性を最大限にしたいからです。

従業員のコメントは、企業文化の問題を診断する上で非常に重要であり、人事部やマネージャーに特に注意を払うよう勧めましょう。

アンケートの最後に設問を入れてしまうと、従業員のフィードバックやコメントという形での回答をなかなか得ることができなくなってしまいます。

また、この質問を早めに切り上げることで、他の質問が従業員の回答に影響を与える可能性を軽減することができるでしょう。

eNPSと他のアンケート調査を併用したアプローチ

前項で、定期的なアンケート調査を実施している場合は、eNPSの質問を組み込んでもよいと説明しましたが、eNPSと他のアンケートを併用することでより高い効果を期待することができます。つまり、帰属意識やワークライフバランス、その他の重要な人事課題に関する質問と組み合わせることで、eNPSを本当に意味のあるものにし、より広範な従業員調査戦略の一部として用いることができます。

しかし、社員が毎日行っていることすべてを1つの質問にまとめるのは困難です。そのため、帰属意識やワークライフバランス、その他の重要な人事課題に関する質問と組み合わせることが重要になってきます。特に重視すべき質問は、以下の2つの質問です。

  • 優秀な人材の確保経営陣の掲げるビジョンとミッションを信じていますか?
  • 会社の方向性を信じていますか?

このような質問は、満足度を超えて、従業員が職場に来る本質的な動機を語るものです。

eNPSを包括的な調査項目として捉えるのではなく、行動指針のようなものだと考えましょう。eNPSは、あなたが乗り越えなければならない障害や危険なことのすべてを明らかにするわけではありませんが、物事の全体的な状態を把握することができます。

そのため、従業員のエンゲージメントを測る他の質問を補完するには最適ですが、代わりにはなりません。

また、さまざまな質問を試すことに加えて、さまざまな調査方法を試してみることも良いでしょう。企業のニーズに応じて、パルスサーベイ月例アンケートなど、まったく異なる方法を試してみてはいかがでしょうか。

eNPSの注意点

eNPSは従業員の満足度やロイヤルティを測定するのに便利なツールですが、人事の専門家は、従業員のエンゲージメントを読み取るためだけにeNPSを使用することには注意が必要です。

経営者は、顧客のロイヤルティを測定するための「特効薬」のようなアプローチを好みます。そのため、eNPSは導入当初、究極の質問と称されていました。しかし、eNPSは結局のところ、ビジネスへの信頼の尺度であって、個人の幸福や生産性を測定することができません。なぜなら、従業員満足度は、同僚との関係経営陣の質やりがいやモチベーションの高いプロジェクト文化などの要素で構成されているため、eNPSと従業員の満足度とは直接的な関係にないからです。eNPSは重要な指標ではありますが、それだけではすべてを語ることはできません。

そのため、eNPSを利用する際には、個人の幸福や生産性などの従業員満足度と別物であることを念頭に置いておくことが重要になってきます。ある企業では、eNPSの質問の後に、回答者にその点数をつけるに至った理由を回答してもらい、その原因を深堀りして調査するようにしています。このように深堀をすることで、従業員の満足度も考慮に入れることができるでしょう。

eNPSは社員全体の風向きを教えてくれますが、それは従業員の経験の一面に過ぎません。

eNPSの作成に携わった人たちも、eNPSがエンゲージメントの直接的な尺度であるとは言っていません。しかし、そのシンプルさから人気の指標なのです。

eNPSを測った後の施策

eNPSを計測した後は、eNPSの値を評価する必要があります。eNPSが低かった場合はeNPSが向上できる施策を導入する必要があります。

そのため、本項では、eNPSが改善できる施策を3つ紹介します。

  • 経営理念・ビジョンの浸透
  • 評価制度の見直し
  • 1on1ミーティングの導入

経営理念やビジョンの浸透

eNPSが改善できる施策の1つ目は、「経営理念やビジョンの浸透」です。理念とビジョンが浸透すると、同じ方向に向かって一体感を持ち仕事に取り組むことができるため、仕事にやりがいをもって働くことができます。その結果、会社の情報や考えが従業員に浸透されていることで、従業員が会社へ不信感を抱くことがなくなり、eNPSは向上しやすくなります。

働きがいと経営理念

出典)株式会社ノースサンド(2019)『経営理念×やりがいに関する調査』

実際に、株式会社ノースサンドが2019年に行った『経営理念×やりがいに関する調査』によると、働きがいを持っていない人は、会社の経営理念に共感している割合がわずか21.4%、5人に1人ということがわかりました。

一方で、働きがいを持っている人の80.4%は会社の経営理念に共感していることもわかり、働きがいを持っている人と持っていない人との間で約4倍の差があることが明らかになりました。

このことから、働きがいと経営理念やビジョンの浸透は大きく関係していることがわかり、eNPS改善の施策として、非常に重要であることがわかるでしょう。

評価制度の見直し

eNPSが改善できる施策の2つ目は、「評価制度の見直し」です。評価制度を見直し、従業員の貢献度を評価に落とし込めるようにすると、人事評価に透明性が生まれます。その結果、eNPSの改善につなげることができます。

組織の方向性に共感し、強く貢献したいと従業員が感じていたとしても、従業員の行動やパフォーマンスが正当に評価されなければ、eNPSは向上できません。なぜなら、適切に評価しないと、従業員が「会社から必要とされていない」と感じてしまうからです。そのため、従業員の行動を適切に評価する仕組みを作ることが重要です。また、人事制度を見直すだけではなく、社内の雰囲気も従業員の行動を称賛するような仕組みにするとより効果的になります。

1on1ミーティングの導入

eNPSが改善できる施策の3つ目は、「1on1ミーティングの導入」です。1on1ミーティングを導入することで、社内でコミュニケーションが活発化でき、eNPSを改善することができます。

コミュニケーションを活性化することでeNPSの向上には強い関係性があります。例えば、上司と部下の関係が悪いとコミュニケーションが取れず、無駄な作業が増え、残業が多くなったりと労働環境にも悪影響を及ぼします。そのようなコミュニケーションが円滑に行えない労働環境ではeNPSは改善できないでしょう。


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本記事では、eNPSについて解説しました。eNPSを高めることは、従業員エンゲージメントを向上する事につながり、企業の成長には重要になってきます。従業員エンゲージメントの関係性や理由やメリット、算出方法、各業界の平均値について紹介しました。ここまでお読みいただきありがとうございました。

まとめ

本記事では、eNPSについて解説しました。eNPSを高めることは、従業員エンゲージメントを向上する事につながり、企業の成長には重要になってきます。従業員エンゲージメントの関係性や理由やメリット、算出方法、各業界の平均値について紹介しました。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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