
日報を書くことに対して、「意味ない」や「面倒くさい」なんて思っている方も意外と多いのではないでしょうか。
本記事では、日報がそのように思われてしまう理由や、より効果的な日報の活用方法などを解説していきます。
目次
日報は意味がないと感じる主な6つの理由
日報に「意味がない」「不要」と感じてしまう原因は人それぞれですが、より代表的だと思われるような6つの理由を紹介します。
理由1:日報の目的や必要性を理解していない
「日報の目的や必要性を理解していない」ことは、日報を意味がないと感じてしまう要因の一つです。
日報を書くことによるメリットを知らなかったり目的を見い出ないでいると、ただ「会社のルールだから」という理由だけで日報を書くようになってしまいます。このように目的意識なく義務感によって行う作業というのは、どうしても煩わしく感じてしまいますよね。
そうなってしまうと「日報を提出する」という手段が目的になってしまい、ただ「提出すればいいや」と今日あったことをつらつら報告するだけになってしまったり、あるいはただの感想文のような内容になってしまいがちです。そのため、日報を書くことによるメリットや目的、またはその魅力をしっかり社員に共有することが大切です。
理由2:日報が誰からも評価・フィードバックされない
せっかく日報を書いたのに誰からの評価・フィードバックを得られないと、わざわざ書く意味がないと思うのも無理はありませんよね。
会社のルールや業務上の指示として書くように言われている状況であるにもかかわらず、いざ作成した日報に反応やコメントがないと、会社や上司への不信感や不満にも繋がってしまいますし、自分の作成した日報が価値の無いもののように感じてしまうかもしれません。
簡潔にまとめられていたり考察が鋭かったりするような「良い」日報を適切に評価し、あるいは不足している部分は都度フィードバックを与えることで、社員の日報を書くモチベーションも向上するはずです。
理由3:日報が活用された経験がない
理由3つ目は「日報が活用された経験がない」、あるいは「活用されている実感がない」ような状況だと、日報を書く意義が感じられなくなります。
日報には、1日の業務内容の報告やそれを踏まえての考察や反省点、そして翌日の業務に関わる目標管理など、様々な情報が記載されています。
せっかく日報を書くことでそれらの有益な情報を提供しているにもかかわらず、それらが有効利用されている気配がないと、何のために時間と労力を割いて日報を書いているのか分からなくなってしまいます。
理由4:書くことに苦手意識を持っている
「書くことに苦手意識を持っている」と、日報に対する苦手意識も自ずと発生してしまうこともあります。
仕事自体は好きなものの、文章を書くことについては苦手意識があるという方も少なくはないのではないでしょうか。仕事やプライベートで文章に触れる機会がないと、どうしても文章を書くことが不慣れに感じてしまいますよね。
モチベーション自体はあるにもかかわらず、文章を書くことが苦手という理由で日報を書くことへのハードルが上がってしまうことは非常にもったいないといえるでしょう。
日報の形式的なテンプレートや報告文の型をあらかじめ決めておくなど、文章を書くことが苦手な人へのサポートを適切に行うことで、作成のハードルを下げてあげるような対策が有効です。
理由5:作成が面倒だと感じている
そもそも日報の作成を面倒に感じてしまっているのも、「日報離れ」の要因の一つです。
業務内容とは別に日報作成が課せられていたりすると、どうしても日報の作成が手間になってしまいがちです。
よくあるのが、飲食や小売業等で業務終了後に日報を作成しなければならないような事例です。一日の業務終了後で疲労が溜まっているうえに、就業時間外に日報の作成を求められるのは非常にストレスですよね。
日報は「ついで」などではなく、立派な情報共有の業務です。適切に一つの業務としてカウントすることが大切です。
理由6:行動を管理されたくないと考えている
「行動を管理されたくない」と感じることも、日報を書きづらくなる理由の一つです。
日報の内容として、その日の成果や進捗状況などの業務内容や、またそれらを踏まえたうえでの考察や反省などを具体的かつ事細かに要求されることもあります。
全ての業務内容を逐一事細かに伝達することは、上から行動を管理されているように感じたり、また信頼されていないように感じてしまうこともあります。
社員に伝えるべき日報を書く6つの意味
日報を書く意味や目的を社員に伝えることは、モチベーションを上げるという意味でも非常に重要です。
ここでは、代表的な6つの日報を書く意味についてそれぞれ詳しく紹介していきます。
業務進捗を共有できる
「業務進捗を共有する」は、日報を書くことの何よりも重要な目的であり、また情報共有はビジネスシーンにおいて基本中の基本です。
プロジェクトやチームの規模が大きければ大きいほど、全体の進捗や成果などの情報をすべて確認・把握することは難しくなってしまいます。
日報は基本的に毎日の業務の終わりに作成され、その決まったタイミングで必ず一日に一度は全体での情報共有を行うことで、他所の部署や店舗に関する情報不足や認識の齟齬をカバーすることができます。
また、日報を通して事細かに一日の業務進捗を共有することで、何を「やった」か、あるいは「やってないか」が一目でわかるようになり、このことは仕事に取り組む上で非常に有益な情報となります。
例えば、
- 仕事をまだ「やってない」という思い込みによって、同じ業務を重複して行ってしまう等の無駄を防げる
- 各部署や各店舗の「やった」「やってない」状況や、作業スピードが分かることで、仕事の再割り振りやスケジュール調整がスムーズになる
といったようなメリットが、他の部署や店舗の業務進捗が明瞭に「見える化」することによって発生します。
また、日報を通して上司や他部署など、書き手・受け取り手の間でコミュニケーションが発生することも、日報を書くメリットの一つです。日報自体をコミュニケーションツールとして活用できると、職場内の人間関係や上下関係の潤滑油になるかもしれませんね。
業務の改善が図れる
日報を書くことにより、「業務改善が図れる」こともメリットの一つです。
日報には、単なる業務進捗の報告のみにとどまらず、反省や考察、また翌日の目標といった内容も自分で考えて書かなければなりません。一日の業務を通して「何がいけなかったか」「明日はどうすべきか」を主体的に考えることによって、今後の業務進捗をより向上させることができます。
自分の成長を振り返ることができる
「自分の成長を振り返ることができる」ことも、日報を書くことによるメリットの一つです。
日報は情報共有のツールでもありますが、一日の業務進捗が詳細に記載されているという点では記録や保管のためのツールであるとも言えます。
過去の日報をアーカイブすることによってその日の業務内容や進捗を詳細に見返すことが可能であり、また過去のものと直近のものを比較することで成長や変化を感じることもできます。
自己成長のためにうまく日報を活用してみましょう。
成果や努力を伝えられる
「成果や努力を伝えられる」ことも、日報を書くことによるメリットの一つです。
日報は、それを見る上司や関係者に自身の成果や能力をアピールする機会でもあります。
例えば、あなたが難しい商談を成功させたり、業務効率の改善を試みた結果より多くのタスクを処理できるようになったとしても、その成果が必ずしも上司に注目されたり適切に評価されるとは限りません。成果を過小評価されたり見落とされたりしないように、あくまで主観や誇張は入れずに実際の成果として記入するようにしましょう。
また、もちろん日報は一日の業務を通して得た成果や達成した数字などを報告する場でもありますが、加えて日報の内容や精度それ自体すらも「伝える」能力の尺度として評価の対象になり得るのです。
たとえばあなたが日報を読む上司の立場だったとして、分かりやすく簡潔に業務進捗が報告されていたり考察部分で反省点や改善点を鋭く見抜けていると一目で分かるような内容だと、スムーズに個人の業務進捗を把握できたり部下の仕事ぶりやスキルを見極める助けにもなるので非常にありがたいですよね。
このような「伝える」能力は何も日報業務だけでなく、どの業務内容や職種においても必要不可欠です。営業職であれば扱う商品についての「伝える」能力が営業成績に直結しますし、また顧客が存在しない職種においても、社内でのプレゼンやコンペにおいてわかりやすく「伝える」能力は大きな威力を発揮します。
身近な第一歩として、日報を「伝える」能力を養う機会として取り組んでみるようにしましょう。
知識や情報を共有できる
日報を書くことによって、「知識や情報を共有すること」もできます。
蓄積されている過去の日報は、いわばきわめて具体的な事例を伴ったマニュアルでもあります。
例えば、自分一人の頭ではとうてい解決策が思いつかないようなミスやトラブルに直面したとします。ここで過去の日報を参考にしてみると、同様な事例を対処した記録や、あるいはそこで得られた改善点や反省についての記述を見つけられるかもしれません。そこで実際に有効であった対処法や手続きに関しては真似をしてみたり、「これがだめだった」「こうするべきだった」という反省点を踏襲することで、やみくもに対処法を探るよりも確実に安全に事を運ぶことができます。
このように「日報を知識や情報の共有・蓄積の場として活用する」ことは日々の業務を回すうえで非常に有益ですが、これには日報を紛失しないように保存することや、なるべく時間や場所を問わずにアクセスフリーな状態で管理することが求められます。
また、日付やキーワード等で索引検索ができるようになるとより一層マニュアルとしての有用性が上昇することは言うまでもなく、近年では日報を紙面ではなくデジタルなデータとして作成・管理するやり方のほうがメジャーになってきています。
上司とのコミュニケーションのきっかけになり、信頼関係が築ける
「コミュニケーションのきっかけになり、信頼関係が築ける」ことも日報を書くメリットの一つです。
日報は情報共有や記録のためのツールだけではなく、意思疎通のツールとしての役割も担っています。
上下関係にある上司と部下の間では、同僚や同期の仲間などとは違ってなかなかコミュニケ―ションが発生しづらいなんてこともあるかもしれません。
日報を通して、部下からは「日々こういうことを考えて仕事をしています」といったことを伝えられたり、また上司の立場から見ても部下の考えていることや性格、適性などを垣間見ることになり、日報は職場の人間関係を構築するうえで有用なツールであると言えます。コミュニケーションを活発にすることは離職防止にもつながります。
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社員が日報を書くようにするための7つの方法
では、社員に主体的に日報を書いてもらうようにするにはどのようにすれば良いのでしょうか?
ここでは特に有用な7つの方法について詳しく紹介していきます。
日報を書く目的・メリットを伝える
「日報を書く目的やメリットを知る」ことは日報を書く上での大きなモチベーションになります。
先ほど紹介したような日報を書く目的やメリットを社員に知ってもらうことで、日報を書くことが単なる目的ではなく業務効率化を図るうえでの有効な手段の一つであるという目的意識を持ってもらうことが大切です。日報を書くこと自体をゴールと捉えてしまうとただ「空欄を埋めて作成する」作業になりがちですが、業務進捗の共有や改善点や反省点の洗い出しといった目的に沿って作業するようになると、より中身のある日報を作成できるようになります。
日報を基に振り返りを行う
「日報を基に振り返りを行う」ことを推奨することも、日報作成のモチベーションに繋がります。
過去に作成された日報を参照することで、現在までの成長や変化を目に見えて実感することができます。
例えば、
- とある過去の日には2日掛かっていたタスクが直近だと半日掛からずできるようになっていた
- 一商談で獲得した数字が過去のものに比べて大幅に大きくなっていた
など、日々忙しく仕事に励む中でなかなか意識しづらい成長や実績の変化を感じてもらうためにも、日報を活用した振り返りを行うようにしてみましょう。
振り返りには1on1を活用するのがお勧めです。
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テンプレートを用意する
「テンプレートを用意する」ことは、文章を書くことが苦手な社員に対して日報作成のハードルを大幅に下げる効果を持ちます。
日報を書こうという意思はあるのに書き方が分からない、そもそも書く作業が好きではないという社員にとっては、テンプレートを使用できることで日報作成のハードルが大幅に下がるはずです。
このような社員には、PDCAサイクル(Plan:計画・Do:実行・Check:評価・Action:改善)を意識した項目のテンプレートを用意してあげると良いかもしれません。
PDCAサイクルとは、計画・目標段階から始まり(Plan)、実際に計画に沿って行動して(Do)、その行動に対して事後評価を行い(Check)、そしてそれを踏まえた改善点を考察する(Action)という一連のサイクルのことを指します。
■PDCAサイクルに則った日報作成の一例
- 計画、目標を記述する(Plan):その日設定していた進捗目標や計画を説明する。
- ex)新規顧客への訪問3件
- 実際の行動、結果を報告する(Do):計画に沿って実行した結果や得られた成果を報告する。
- ex)新規顧客への訪問2件(A社は先方理由により●月×日に延期)
- 事後評価を行う(Check):実際に得られた結果や成果について評価する。
- ex)訪問が完了した2社に関してはいずれも前向きな反応を得られた。B社から資料に不足している情報について尋ねられたので、A社訪問までに資料を更にブラッシュアップする必要あり。
- 考察する(Action):結果や評価を踏まえて、「課題は何か」や「次どうするべきか」を考える。
- ex)新規顧客訪問時に持参する資料について、B社から質問があった○○に関する詳細な記述を追加する。→明日の進捗目標に追加
このように、一日の業務を4つのセクションに分けて整理することで、文章を書く力量を問わずに分かりやすく体系的な日報を作成できるようになります。
日報の効果的な書き方を教える
「日報の効果的な書き方を教える」ことも、日報により親しんでもらうための方法の一つです。
日報を書くときは、テンプレートの有無にかかわらず、上記の「PDCAサイクル」に則って記述することをおすすめします。「PDCAサイクル」に則ると、日報を作成する上での大まかな枠組みが見えるため書き手として非常にありがたいのは言うまでもありませんが、読み手としても体系的且つ時系列的にタスクやイシューの「計画」から「考察」までを一連の流れとして読み進めることができるため、非常に効果的な書き方であるといえます。
このようにある一定の書き方の基準を伝えることで、心理的な負担も減り、日報が定着していきます。
日報をチームや組織で共有する
「日報をチームや組織で共有する」ことで、さらに効果的に日報を活用することができます。
日報は、何も部下から上司へと報告を上げるためだけのものではありません。他人や他店舗が作成した日報を公開や共有してもらうことによって、書かれているノウハウや取り組みの中から自身の業務においても活用できそうな学びや企業の状態がわかります。
また、仕事内容に関する疑問点や問題点を記入することで、それに対するフィードバックや有効な意見を得られる可能性もあります。普段は関わりが薄いような社員や同僚間で日報が共有されることで、作成者の仕事ぶりや姿勢、考え方を伺い知ることができる数少ない機会にもなり得ます。
メモを取る習慣をつけさせる
「メモを取る習慣を付ける」ことで、日報作成は簡単になります。
商談がまとまった時やイレギュラーな対応をした時、あるいは取引先との電話のおおまかな内容など、「これは日報に書くことになるかも」と思うようなタイミングがあればその都度メモに記録しておきましょう。きちんとメモに取っていると、その内容を繋ぎ合わせるだけで日報の報告部分は完成するので、一日の終わりの仕事を大幅に減らすことができるため効率的でもあります。
日報作成を楽にするだけでなく、その日報の正確性や客観性を担保するためにもメモを残しておくことは大切です。人の記憶とはあてにならないもので、どんなに記憶力に自信がある人であったとしても、その日のすべての出来事を一片たりとも間違いもなく記憶することは不可能でしょう。
日報を書くために一日の終わりにすべてを思い出そうとして不明瞭な部分が残ってしまうのは当然ですが、自信を持てない部分をあやふやにぼかして日報を作成してしまう等の「ごまかし」は、読み手によって認識の齟齬を生んでしまったりとトラブルに繋がりかねません。
部下自身に作成した日報に対して責任を持ってもらうためにも、メモを取る習慣をつけさせましょう。
管理職・マネージャーを中心に部下の日報をきちんと見る習慣をつける
「部下の日報をきちんと見る習慣をつける」ことは、日報を書いてもらうようにする上で最も重要であるといっても良いでしょう。
当たり前ですが、管理職やマネージャー職など、いわゆる「上司」からより高い評価を得ることは全社会人の基本的な目標の一つです。日報を通してポジティブなフィードバックを貰えるとなるとそれ以上のモチベーションなどないですし、改善点や不備などについてアドバイスを受けたとしてもそれはきちんと上司に気にかけてもらえている証でもあります。
また、「上司」という立ち位置にある人は、「ちゃんと日報読んでますよ」という部下への意思表示のためにも、きちんと評価やフィードバックを与えるところまで完遂するところが非常に重要なポイントです。ただ上がってきた日報をチェックするだけで終わってしまうと、見ているのか否かを知るすべのない部下からすると、見ていないことと同じになってしまいます。
部下の日報を書く努力や内容の精度を適切に評価して、日報を書く意味を見出せるようなモチベーションを持たせてあげることが大切です。
ツール別の日報管理方法の比較
1)SFAやCRMによる日報管理
日報の記録方法の難しさについては、各組織内でよく議論になる話です。昨今でいえばSFA(Sales Force Automation)やCRMといった「顧客管理」に対する取組においても、業務日報とほぼ同じ課題が挙げられています。
日報の書き方を考える場合、何パターンかありますが、実際のビジネスで最も活用される「営業日報(詳報)」について話を移しましょう。
こちら、ビジネスに寄せれば寄せるほど、入力項目が増える為、エクセルなどではなく、「SalesForce」などの専門のアプリケーションやクラウドシステムを使う傾向が強くなる点が特徴です。
とにかく、入力の負担が大きいため、定着させるための社内調整が大変です。
2)Excelによる日報管理
その真逆の方法として、「業務日報を定型化して入力負担を減らす」目的でエクセルで作成する日報で多くみられます。
こちらの場合は、日報に合わせて仕事をし始める人が出てくるなど、何のために日報を書いてるんだっけ?というケースが多くなりやすく、ビジネスとの関連性を考えた構図じゃないと実施する意味がなく、惰性でやっていないかのチェックが必要なパターンとなります。
3)タスク管理ツールによる日報管理
最近は、上述のSFA利用やエクセル利用の発展型として「日報を廃止して、週報に切り替える」パターンが、主に営業やシステム開発をしている方々において、短期・中長期の仕事が織り交ざる仕事をしている人々が進捗を確認する為に用いられます。
この場合はクラウド型の「タスク管理ツール」を補足的に利用されるケースが散見されます。
週報パターンは新人・新規加入者など「管理される側」は指示を受けるだけでOKなので、週報そのものの必要性を感じないようです。
ですが、全体を統括する立場になると誰がどこまで進んでいるのかを確認する上で、週報でのチェック確認は必須と中堅以上の人はマストとなり、業務円滑化につなげるうえで非常に重要になります。
4)ToDoリストによる日報管理
最後に日報の超簡略版ともいえる「ToDoリスト」があります。
今日やる事を書いて、実施していく、というものですが、広義で言えば、これを記録していけば日報になります。
簡易的なこともあり、SlackやTeams、chatworkといったコミュニケーションツールで必要最低限の情報を記入するパターンがベンチャーやスタートアップに増えています。
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「無意味な日報」から脱却し、意義ある日報にするための方法
整理しますと、書く内容に困らない日報の書き方としては、今日やる事をメモしたものを、そのまま日報に落とし込めれば問題ありません。
ですが、それだと短期的な仕事が中心になってしまう為、中長期的な視点が欠如するケースが多くなることが欠点です。
短期的な仕事、中長期的な仕事という視点で見た場合、時間軸での管理がなされることでより効果的になり、重要な案件なのかどうかのジャッジを加える事で、「to doリスト」の延長線上の「真に効果的な」業務日報を書く事ができる、といえます。
日報ではなく、その日やるべき事を書き出し、予実管理(この場合は、予定と実行の管理)を整理する事で、一日の終わりではなく、一日の始まりに書くものと変える事が出来ると言えます。

みなさんは1日の実施業務はいくつくらいあるでしょうか。
私の知っている企業のスタッフに聞くと「今日のタスクは50個」というスタッフもいれば、「2〜3つしかない」というスタッフまで存在します。
同じ仕事をしているにも関わらず、大きなばらつきが生じますが、「多すぎる人と少なすぎる人がいる」という時点で、そもそも業務管理ができていない可能性が大です。
日報を書く意味としては、こうした業務を整理して進捗状況を共有(主に上司と)する為に書くのが本分です。
日報を正しく書く事によって、上長との意思疎通や進捗管理の共有をすることで、より精度の高い仕事をしていく事が、業務日報を書く意味と言えるでしょう。
意味ある業務日報を書くにあたって重要なのは、その仕事/業務がどこに位置する仕事なのか、整理する事にあります。
先述の「業務数を多くカウントする人」についてお話すると、仕事ではなく、「一つの作業」を業務としてみなしており、その全体像を把握せずに、思いついた仕事から片付けているケースが多い傾向になります。
結果として、「忙しそうにしていますが成果につながるケースに乏しく、頑張っているが仕事で成果を出しているのか」という肝心なところに問題を抱えがちです。
逆に業務数のカウントが少なすぎる人は、「自分のすべき仕事を把握しておらず、特に中長期的な仕事や人から依頼された仕事を忘れている人が多く、仕事の抜け漏れの多い人」と周囲から評価されるパターンが非常に多い。
いずれのケースも仕事の見積や評価を正しくできておらず、また彼らを上長が正しくマネジメントできていない事が原因となっています。
日報の書き方に関する具体例:4象限型日報
では、具体的にどのように日報を書くのが良いのでしょうか。
まず最初に取り組むこととしては、その仕事やタスクが上の図で「どの象限」に含まれるかを整理する事です。
「Ⅰ~Ⅳ」のどの仕事なのかを1つ1つ整理する事で、「いま取り組むべき仕事」や業務の優先度がかなり分かりやすくなります。
1日の業務比率として、ⅠとⅡの「重要度が高い仕事」に掛ける時間を60%程度と設定するだけで、仕事の質が目に見えて変わってきます。
単なるToDoリストですと「やる事の羅列」になりますが、売上やKPIに関係する事柄と限定する事で、優先順位が自然と明確となります。
もし「ⅠやⅡの仕事が分からない」といった相談があるのであれば、それこそマネージャーの腕の見せどころになります
「書く内容が分からずに書けない」というのは、自分がどういった仕事をしているのか、全体を俯瞰できていない事に起因しています。
日報を書かせる事で整理、あるいは俯瞰できていない事が明確になる事で、報告・相談に関する指示が変わり、仕事の質を向上させる事ができます。
そこでオススメな日報が「4象限型日報」です。
従来型の日報は、1日の仕事の振り返りが多かったですが、「4象限型日報」では、1日の仕事の設計から始まり、自分の仕事を俯瞰して考える機会を提供できます。
さらに、入力負担としては、それがなければ始まらないという図式となるので、日報を書くための負担ではなく、仕事の一部となりますし、何より運用定着に関しては抜群の効果があります。

「4象限型日報」では、各タスクを上記のⅠ〜Ⅳのいずれかにプロットされるかを記載するような運用となります。
日報の管理は、基本的に「日報を書いた/書いてない」というレベルから始まり、「日報の内容の良し悪し」、次いで「日報を読んで何か変わるのか?」といったように、段階ごとにその本来の目的とは異なる問題が生じます。
ですが、「4象限型日報」では1日のやるべき仕事の精査、その実施有無、どのくらい売上やKPIに寄与する仕事をしているのかが可視化できるようになります。
また日報を書く、という独立した業務ではなく、一連の業務の起点になるため、定着させる事も一般的な日報に比べると容易である点も評価できます。
4象限型日報が効果的な4つの理由
業務日報の書く内容をどうすべきか、というテーマで書かせて頂いたのですが、最後に4象限型日報がなぜ効果が出るのかについて、「業務日報を書く意義」からお伝えします。
これには4つのポイントがあると考えており、正しい日報の書き方をマスターする事で、管理職へのステップアップする為のスキル修得ができると考えています。(もちろん、そういった意味が見いだせる構図にする必要がありますが)
1 望ましいタイムマネジメントの実現 2 優先順位の明確化(Ⅰ~Ⅳでの評価) 3 俯瞰的な業務の計画 4 誰が忙しいのかが把握しやすくなる |
1)タイムマネジメント
時間管理のスキルを習得させるためには、日常業務だけでは難しく、「時間配分について常日頃から考えて仕事をする」習慣を身につける必要があります。
「4象限型日報」においては、Ⅰ~Ⅳまでの段階で、仕事の優先順位(重要度)を評価分類する事で、どの仕事領域に、自分の時間をどの割合で割くかを考えるトレーニングができるようになります。
むしろ、そこまで意味がある事を説明した上で実施すると、より効果的です。
現場スタッフはもちろんの事、中間管理職のマネジメントが上手く行かない理由の一つが、時間配分が上手くなく、結果、自分のするべき仕事を後回しにして、残業残業で疲弊してパフォーマンスが落ちる、というのが定番コースになっています。
これを回避するためのスキルとしてのタイムマネジメントを専門的な研修をせずに、一定レベルで修得する事ができます。
2)優先順位の明確化
上述のタイムマネジメントでも重要ですが、仕事の評価(重要度の把握)は「理解することと実践」において乖離があるという事を、多くのビジネスパーソンは実感しているのではないでしょうか。
「やらなくてはならないが手が回らない」という場合にも関わらず、「今やらなくてもよい仕事」に注力しがちなケースがあります。
まとまった時間を使わないとできない仕事なのに、細切れに実施する事で、効率が悪く、精度の低い仕事をしているケースなどもあります。
明確に評価スコアをつける事で、何をすべきかを整理する能力もまた、管理職へステップアップする上で重要なスキル・見識となります。
今回は、「売上・KPI」と「今やるべきか?」といった分類ですが、これは職種業界によって組み合わせは複数あり、自社にあった二軸を設定する事で、スタッフやメンバーが育つ土壌が社内に生まれます。
3)俯瞰的な業務計画の設計
これは上記のタイムマネジメントと優先順位の明確化の副産物といえますが、この2つのスキルを身に着ける過程で、仕事を俯瞰的に考えられるようになります。
全体像が見えなければ、スケジュールが立たず、スケジュールをこなすためには優先順位を見誤っては進まない、といった形で知らず知らずに、「物事を俯瞰的に見て判断する」習慣が身につきます。
修羅場をくぐった開発スタッフなどは、結果として、俯瞰的な業務計画の全体像を見るスキルを有しているケースもあります。
ですが、日報を効果的に書かせる事で修得できるのであれば、そちらの方がより建設的と言えるかと思います。
4)業務工数(多忙度)の可視化
ⅠとⅡの仕事の割合が常時8割を超えるスタッフがいるのであれば、業務過多である可能性が高いです。
おおよそ処理能力が高いか、低いかのどちらかになりますが、その場合は支援が必要となります。
単に業務日報を読むだけでは見えにくいですが、業務の評価と時間比率を可視化する事で、誰に仕事が集中しているのか、というのも見えてきます。
このあたり面白い点は、優秀なスタッフとまだ戦力化しきれてないスタッフの可視化数値が類似する傾向があるという点にあります。
慣れているスタッフは実施業務が毎日目まぐるしく変わり、まだ成長途上のスタッフは「同じタスクが永遠と残り続ける」という点で異なります。
中間管理職のスタッフも多忙の中、効果的なマネジメントをする上で、業務日報は正しく運用されるのであれば、マネジメントの一助としてだけでなく、チーム全体の生産性を上げるツールにもなりえるものと言えます。
「業務日報で何を書くべきか」迷われたり、悩まれている方は、是非、日報で何をしたいかから再検証することをオススメします。
日報は意味ないと思う理由について解説しました
「意味がない」「何のために書いているのか分からない」と思われてしまいがちな日報ですが、いままで紹介したような目的やメリットなど、様々なポジティブな効果をもたらします。
もちろん会社のルールとして会社側や上司に「報連相」するためのものでもありますが、日報を作成することは自分自身の成長にも大きく寄与するということが、ここまで読んでいただけ方には分かるのではないでしょうか。
日報をうまく活用して、日々の業務により円滑に取り組めるようにしていきましょう。
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