目次
人事評価コメントの目的と重要性
人事評価を行う際、多くの人が人事評価コメントを書く場面に直面したことがあるでしょう。人事評価コメントといえど、実際に何を書けばいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。
そもそも人事評価において、コメントを書く必要性が本当にあるのでしょうか。
本パートでは、人事評価コメントを書く目的と重要性について解説していきます。
人事評価では、設けられた評価項目ごとに対して適切な段階評価を行うだけでなく、評価の根拠やフィードバックなど、適切なコメントを記載する必要があります。人事評価コメントの主な目的として以下が挙げられます。
- 「客観的視点による改善点の発見」
- 「目標や、業務の方向性の明確化による自己成長」
- 「数字上での業績だけでなく、過程部分への成果の言及・着目による、従業員のモチベーションの向上」
人事評価コメントは、被評価者である従業員にとって大きな影響を及ぼすものであり、コメントの伝え方ひとつで従業員の納得度やモチベーション、これからの業務や次の目標への姿勢などを大きく左右すると言っても過言ではありません。そのため、適切な評価コメントの書き方を知ることはとても重要です。
また、適切な評価コメントを作成することは、従業員の生産性の向上や従業員エンゲージメントの向上に繋がることからも、重要性が伺えるでしょう。
人事評価コメントを書く上でのポイントや注意点
人事評価コメントでは前提として、上司や部下、評価項目問わず共通した、注意しなければいけないポイントが存在します。本パートでは、人事評価コメントを書く上でのポイントや注意点を解説していきます。
1. 具体例を挙げる
人事評価コメントを書く上での1つ目のポイントは「具体例を挙げる」ことです。
評価コメントを書く際は、なるべく具体的に書くように心がけましょう。結論だけでなく、その結論に至った論理的な根拠や具体例を挙げることが重要です。具体例を挙げることで状況や場面をイメージしやすくなり、評価者にとっても被評価者にとっても評価の理解度や納得度が高まります。
2. 良い点と悪い点をどちらも書く
人事評価コメントを書く上での2つ目のポイントは「良い点と悪い点をどちらも書く」事です。
人事評価コメントでは、良い点と悪い点を両方フィードバックすることが重要です。良い点ばかりに着目してしまうと、改善点がはっきりせず、自分の課題に向き合う機会を逃してしまう恐れがあります。逆に悪い点や改善点ばかりに着目し言及してしまうと、部下の自信やモチベーションを低下させる恐れがあります。人事評価コメントを書く際は、良い点と悪い点をどちらも言及しフィードバックするようにしましょう。
3. 人格を否定しない
人事評価コメントを書く上での3つ目のポイントは「人格を否定しない」ことです。
上司は、人事評価コメントにおいて部下の人格を否定・指摘するようなコメントは避けましょう。
人事評価は、あくまで「業務」に対しての評価を行います。コメントを作成する際は業務について評価するよう心がけましょう。特に情意評価のコメントを行う際は注意が必要です。情意評価は定量化しにくい分、評価者の主観でコメントをしてしまい、相手の人格について言及してしまう恐れがあります。被評価者自身が人格を否定されたと感じてしまえば、自信やモチベーションを失うだけでなく、上司と部下としての信頼関係も失ってしまう恐れがあるため、注意しましょう。
また、人格だけでなく、年齢や性別、主観的な先入観などに基づいたコメントも控えるようにしましょう。
4. 他者と比較しない
人事評価コメントを書く上での4つ目のポイントは「他者と比較しない」ことです。
人事評価コメントを行う際、被評価者と他の誰かを比較することは避けましょう。例えば、「成績の良い他の従業員と比較して〇〇が劣っている」といったコメントが挙げられますが、このようなコメントは被評価者の否定に繋がり、自信喪失やモチベーションの低下に繋がりかねません。
比較ではなく、「他の従業員の〇〇を参考にしたらどうか」など、アドバイスをするような書き方であれば、問題はないでしょう。もちろんアドバイスをする場合にも、相手が納得できる論理的かつ具体的な根拠が必要です。
5. 社歴や経験など相手に合わせた書き方をする
人事評価コメントを書く上での5つ目のポイントは「社歴や経験に合わせた書き方をする」ことです。
人事評価では、被評価者の社歴や経験、特性、役職など、様々な要素を考慮してコメントを作成することが重要です。どんなに適切なコメント内容であっても、相手が不快に感じてしまえば納得感は得られません。社歴や経験だけでなく、相手の社内での立ち位置や性格なども留意し、相応の敬意を持って言葉を選びましょう。
6. ポジティブな内容にする
人事評価コメントを書く上での6つ目のポイントは「ポジティブな内容にする」ことです。
人事評価コメントを作成する際、できなかったことなどのマイナス要素だけを記入するのではなく、必ず改善点なども含んだポジティブな内容にしましょう。評価者においても被評価者においても、次に繋がるようなコメントを作成することを意識することが大切です。
評価の項目別コメントの書き方ポイント
人事評価には、3つの評価項目があり、一般的にその評価項目に沿ってそれぞれコメントを作成します。本パートでは、人事評価項目別のコメントの書き方とポイントについてそれぞれ解説していきます。
成果評価(業績評価)
成果評価は、被評価者の業務における成果や業績に基づいて評価を行います。一定期間における成果や業績を定量的な数字で明確にし、評価の根拠を具体的な数字を用いてコメントすることが重要です。評価に客観性を持たせられ、被評価者の納得感も得られやすくなります。
成果を定量的に図ることが困難な職種の場合は、予め業務に対して定量的な評価基準を設けましょう。また、改善の余地がある場合には、できるだけ具体的かつ論理的に提示するようにしましょう。
情意評価
情意評価は、勤務態度や姿勢をもとに評価を行います。情意評価は数値化することが難しく評価基準も曖昧になりやすいため、評価者の主観が入ってしまったり、評価に客観性を保つことが難しいという特徴があります。そのため、上司は、普段から被評価者の姿勢や業務の取り組み姿勢などをよく観察することが重要です。
また、360度評価などを用いて部内のメンバーからの評価も参考にすることもおすすめです。被評価者の納得感を得られるよう、コメントを書く際は理論的かつ具体的な根拠を提示するようにしましょう。
能力評価
能力評価は、被評価者の知識やスキルをもとに評価を行います。職種によって求められる能力は様々ですが、具体的には企画力や提案力、実行力などを指し、その人が持っている能力がどのくらい業務に活かされたかについて具体的にコメントします。能力評価も数値化することが難しいため、予め具体的な目標を設定しておきましょう。また、コメントをする際は、実際に活かされた能力だけでなく、部下の能力面での成長についても触れるようにしましょう。
なぜ人事評価コメントは職種ごとに必要なのか
今まで、共通したコメントの書き方のポイントや、評価項目別の書き方のポイントを解説してきました。しかし、人事評価コメントを書く際には、職種についても考慮しながら作成しなければいけません。本パートでは、なぜ人事評価コメントは職種ごとに必要なのかについて解説します。
職種ごとに設定した目標や評価される成果、求められる役割は異なります。もちろん、前述したような、コメントを書く上での注意点などは全職種に共通して言えることですが、人事評価コメントの内容において、それぞれの職種に適した書き方やポイントを知ることはとても重要です。
職種別の評価コメント例と書き方ポイント
営業職
部下(自己評価)の場合
【書き方のポイント】
営業職は、達成すべき目標や成果が比較的定量的であり、目標達成状況についてできるだけ具体的な数字を使い明記することで、成果を客観的に分析することが可能です。自己評価を書く上で、客観的な分析はとても重要になります。
また、目標の達成状況だけでなく、その結果に至った根拠を具体的かつ論理的に分析し、不十分だった点については、来期を見据えた改善策も明記しましょう。
私は昨年の営業目標を120%達成しました。具体的には、新規顧客獲得に注力し、年間で10件の新規契約を獲得しました。これは、営業目標達成において非常にポジティブな成果だと考えています。
しかし、契約締結までのプロセスにおいて、リードフォローアップや顧客ニーズの把握において一部課題がありました。一部のリードが見逃され、契約までのスピードが遅れることがありました。
今後は、リード管理のプロセスを改善することが重要だと考えています。顧客とのコミュニケーションを強化し、迅速かつ効果的なリードフォローアップを行うために、自動化ツールやタスク管理ツールの活用を検討します。また、早い段階で顧客のニーズを把握するために、より詳細な調査や顧客インタビューを行い、顧客の期待に応えるソリューションを提供したいと考えています。
上司の場合
【書き方のポイント】
部下の自己評価よりもさらに客観的な評価が求められます。部下の目標達成進捗を基盤とし、目標を達成するために起こしたアクションや日頃の行動、チーム内での立ち回りなども考慮した上で評価を行いましょう。数字的な目に見える成果に着目することも重要ですが、「目標達成に向けてどのように努力したのか」についても着目し評価することもポイントです。
あなたは、目標達成に向けて一貫して積極的な姿勢を示していました。成果として、昨年の売上目標を105%達成し、売上高を前年比20%増加させました。また、新規顧客獲得のために積極的に営業活動を展開し、20件の新規契約を獲得しました。
しかし、報告書作成や顧客情報の記録において、正確性や詳細さに欠けることがあったと感じました。情報の漏れや不正確さは、信頼性に影響を及ぼす可能性があります。
次回からは、報告書や顧客情報の記録に対してより細心の注意を払い、正確性と詳細さを向上させましょう。また、定期的な情報共有とチーム内のコミュニケーションを強化し、情報の漏れや不正確さを最小限に抑えることもいいでしょう。さらに、新たなデータ管理ツールの導入やトレーニングを検討し、業務の効率化と情報管理の向上に取り組むのも良いでしょう。
企画・マーケティング職
部下(自己評価)の場合
【書き方のポイント】
企画・マーケティング職では、担当する製品やプロジェクトにおける具体的な実績や、調査・データ分析など具体的な取り組みについて自己分析・コメントを行いましょう。関わったプロジェクトの成果が数字として確認できるのであれば、そちらを記載し、具体的な成果や実績がない場合は、企画立案やプロジェクトチーム内での自分の役職・立ち回りなど、具体的な行動について言及することがポイントです。
私は製品Aのマーケティングキャンペーンに参加し、成功を収めました。キャンペーンの期間中、SNS広告のクリック率を20%増加させるための戦略を立案し、実施しました。結果として、製品Aの売上は前年比で30%増加しました。
しかし、プロジェクト開始時に目標設定や予算管理において、一部誤算がありました。ターゲット市場の需要予測が甘く、広告予算の割り当てが不適切だったことが明らかになりました。
今後は、より詳細な市場調査と競合分析を行い、リアルな需要予測に基づいて目標を設定することが必要だと考えています。また、予算管理においては、過去のデータと市場の動向を踏まえ、より正確な予算割り当てを行うように努めます。プロジェクトの成功のためには、よりリアルな予測と柔軟な予算管理が求められるからです。
上司の場合
【書き方のポイント】
企画・マーケティング職では、実績が見えやすいものとそうでないものが存在するため、部下の業務内容や行動などをきちんと把握して評価することが大切です。個人目標の達成やプロジェクトでの成果を挙げるために、どのように努力し取り組んだかに着目しましょう。もちろん数字として成果が出ているのであれば、そちらも考慮して評価を行うと良いでしょう。
あなたは、マーケティングプロジェクトにおいて優れた戦略を立案し、成功に導きました。例えば、新製品のローンチにおいて、的確なターゲット設定とターゲットメッセージングにより、市場シェアを10%伸ばしました。また、競合分析と市場調査を通じて、新たなニーズと機会を発見し、売上高を前年比15%増加させました。
しかし、プレゼンテーションスキルには改善の余地があると思います。情報をわかりやすく伝えるためのストーリーテリングや視覚的な要素活用などの工夫でもうすこし成長できると感じます。
今後は、プレゼンテーションスキルの向上に注力してみるといいかもしれません。具体的には、ストーリーテリングの技術やビジュアルデザインの基礎を学び、情報を魅力的かつ明瞭に伝える能力を高めましょう。また、他のチームメンバーとのフィードバックセッションやトレーニングを通じて、プレゼンテーションスキルを磨いていってください。
事務職の場合
部下(自己評価)の場合
【書き方のポイント】
事務職では、基本的に日常業務をこなすことがほとんどです。仕事内容にも大きな変化は無く、具体的な成果も見えにくいため、目標や達成基準が不明確になりがちで自己評価がしにくい職種とされています。そのため、業務の完成度の向上や作業効率の向上など業務改善面で行ったことや、普段の業務で得たスキル、発生した問題を解決するために起こしたアクションなど、どのように業務に取り組んでいたかを具体的に記載しましょう。
私は業務の完成度と作業効率の向上に努めてきました。例えば、業務プロセスの見直しを行い、タスクの優先順位付けとスケジュール管理を改善しました。これにより、締切に追われることなく業務を遂行し、エラー率を前年比で10%低減させることができました。また、Microsoft Excelの高度な機能を学び、データ処理の効率化と分析レポートの作成時間の短縮に貢献しました。
しかし、時にストレスによるミスが発生することがありました。忙しい状況下での作業において、注意力が散漫になり、文書の誤字や軽微なミスが見つかりました。
今後は、ストレス管理により一層の注意を払いたいと考えています。具体的には、タスクの適切なプライオリティ設定とタイムマネジメントを行い、作業に集中するための環境づくりに努めます。また、業務におけるチェックリストや校正手法の導入により、ミスを最小限に抑えるための取り組みを行います。自己管理やストレス対策にも積極的に取り組み、業務の品質を更に向上させます。
上司の場合
【書き方のポイント】
事務職は成果が数字で見えにくい職種なので、普段から部下の仕事ぶりや様子をよく観察しておく必要があります。また、業務達成率や業務の改善化・効率化のための努力、どのくらいミスを減らせたかなどに定量的な評価基準を設けることも良いでしょう。部下の成長など細かい変化にも気を配ることが重要です。
あなたは業務の効率化に対する積極的な取り組みを行っています。例えば、先月のデータ入力業務では、新しい自動化ツールの導入を推進し、処理時間を約30%削減しました。
しかしながら、一部のルーティーン業務において、まだまだ改善の余地があると感じました。特に、ファイリングシステムの整理において、正確性や一貫性に欠ける箇所が見受けられました。
効率化の一環として、業務の整理と正確性を向上させるためのプロセスを見直しましょう。ファイリングにおいては、分類基準を明確にし、チーム全体で一貫性を保つことが大切です。また、業務の可視化やタスク管理ツールの活用により、スケジュールや優先順位の把握を改善することも検討するといいでしょう。
サービス(販売・外食)職
部下(自己評価)の場合
【書き方ポイント】
サービス業では、お客様が入店してからお店を出るまで気持ちの良いサービスを受けられたか、またその一連の過程に自分がどのように寄与できたかを具体的に記入しましょう。普段から心がけていることや、自分が起こしたアクションでお客様に喜ばれたこと、業務改善のための行動などに触れて記入することも大切です。また、一緒に働いているスタッフとのチームワークの中での自分の立ち回りや、チームに対しどのような行動を通して貢献できたかなども記入すると良いでしょう。
私はお客様に対して常に笑顔と丁寧な接客を心がけています。例えばある日、難しいお客様がいらっしゃいましたが、私は冷静に対応し、お客様の要望を正確に理解しました。その結果、お客様は大変満足してくださり、再来店の約束もいただきました。
しかし、ピーク時の忙しさにおいて、一部のお客様に対して待ち時間が長くなってしまったことがありました。スタッフのタスク分担や効率的な時間管理に関して課題があります。
今後は、チームと協力して効率的なタスク分担を行うことにより、待ち時間の削減に取り組みます。また、忙しい時でも的確なコミュニケーションと調整を行い、お客様の待ち時間を最小限に抑えるように努めたいと考えています。定期的なスタッフミーティングや研修を通じて、チーム全体のサービス品質向上に貢献します。
上司の場合
【書き方ポイント】
サービス業では、「お客さまにとって気持ちの良いサービスを提供できているか」が重要です。サービスには、お客様の入店時の挨拶から、接客、会計、見送りだけでなく、店内やスタッフ自身の清潔感、勤務態度まですべて含まれるため、評価者はスタッフを日頃からよく観察することが重要です。また、気配りや積極性、一緒に働いているスタッフとのチームワークなどのポイントも評価しましょう。
あなたは、常に笑顔でお客様に対応し、親切かつ丁寧なサービスを提供しています。お客様からのフィードバックも高く、85%のお客様がスタッフのサービスに満足しています。また、自発的にテーブルの片付けや清掃作業を行うなど、店内の清潔感を保つ努力が見受けられました。
しかし、応対中において、時折緊張や不安が見られます。特に、クレーム対応時に冷静さを欠いていると感じる場面が見受けられました。
今後は、緊張や不安を軽減するための対策を考えましょう。具体的には、ロールプレイや研修を通じて、クレーム対応や難しい状況への対処法を学び、自信を持って対応できるようにしましょう。また、他の経験豊富なスタッフとの情報共有やアドバイスの受け取りを通じて、自己成長を図っていくこともいいでしょう。
エンジニア(機械・ものづくり系)職
部下(自己評価)の場合
【書き方のポイント】
エンジニアなどの技術職では、企業の課題に対していかに技術貢献できたが評価ポイントになります。しかし成果を定量化しやすいものとそうでないものが存在するため、質の向上や作業工程の効率化、コスト削減などの貢献度を明確に記載しましょう。
私はプロジェクトXにおいて、開発期間を短縮するために新たな開発フレームワークの導入を提案しました。このフレームワークの導入により、開発プロセスの効率化と品質向上が実現しました。具体的には、開発作業時間の30%削減とバグレポートの20%減少を達成しました。
しかし、コミュニケーション不足により他のチームメンバーとの連携が不十分であったと感じました。
今後は、より積極的に他のチームメンバーとのコミュニケーションを取ることを意識していこうと考えます。定期的なミーティングや進捗報告を通じて、情報共有や意見交換を促進し、プロジェクト全体の進行に寄与していきます。また、他のチームメンバーとの技術的な相談や知識共有を積極的に行い、互いの成長とプロジェクトの成功に貢献したいと考えています。
上司の場合
【書き方のポイント】
エンジニアなどの技術職では定量的な成果が見えにくい場合が多いため、具体的な技術貢献度が評価対象になります。品質の向上や作業工程の効率化、コスト削減、進捗など、予め具体的な評価基準を設けていくと良いでしょう。具体的に何に対してどの程度貢献したのかを数値化することも、客観的な評価につながります。
あなたは、品質管理において高いレベルの貢献をしました。例えば、QAプロセスの改善を導入し、バグ数を前年比50%減少させました。また、リリース前のテストにおいて、不具合を早期に発見するためのテストケースの網羅度を向上させ、リリース後のクライアント報告数を30%削減しました。
しかし、部下Eのプロジェクトマネジメントスキルにはもう少し改善の余地があると感じました。タスクの優先順位付けやリソースの適切な管理において、時に調整が不十分な場合が見受けられました。
今後は、プロジェクトマネジメントスキルの向上に取り組みましょう。具体的には、優先順位付けの基準やリソース管理の手法を学び、効果的なプロジェクト計画の策定と実行に注力してみましょう。また、他の経験豊かなメンバーとの情報共有やアドバイスの受け取りを通じて、プロジェクトマネジメントのスキルを向上させることもおすすめです。
保育士職
部下(自己評価)の場合
【書き方のポイント】
保育士の評価対象は、「子供が安全で健康に過ごせる環境づくりに寄与したか」です。
保育士職は成果を定量的に図ることが難しいため、自分が行ったことをなるべく具体的に書く必要があります。子供たちが過ごしやすい環境を形成するためにどのように行動したかや、事故などの発生を防ぐためにどのように動いたか、子供だけでなく保護者との健全かつ円滑なコミュニケーションのために努力したことなどを書くと良いでしょう。
また、子供たちそれぞれにも特性などがあるので、年齢や性格に適した接し方ができたかどうかや、その具体的な努力なども具体的に記入しましょう。
私は子供たちが安全で健康的に過ごせる環境づくりに積極的に取り組んできました。例えば、毎日の保育室の清掃と消毒を徹底し、病気の感染リスクを最小限に抑えました。また、子供たちが安全に遊べる遊具や教材の配置を見直し、事故や怪我の発生を予防しました。さらに、子供たちの特性に合わせた活動プログラムを作成し、年齢や性格に適した教材やアクティビティを提供しました。
しかし、保護者とのコミュニケーションにおいて改善が必要だと考えています。保護者との情報共有や進捗報告が不十分な場合がありました。
今後は、保護者とのコミュニケーションを強化していきます。具体的には、保護者向けの定期的な会議や連絡ノートの活用を通じて、子供たちの日々の成長や様子を共有します。また、保護者のフィードバックや要望に敏感に対応し、信頼関係を築く努力を続けます。保護者との円滑なコミュニケーションを通じて、子供たちの保育環境の充実度を更に高めたいと考えています。
上司の場合
【書き方のポイント】
保育士は成果を定量的に図るのが困難な職種です。そのため、上司はスタッフの具体的取り組みや努力を日頃からよく観察しておく必要があります。
子供や保護者に対する接し方や、子供が過ごしやすい環境を形成するためにどのような行動を起こしたか、さまざまな課題に対しての取り組みなどを評価し、コメントしましょう。また、部下のモチベーション向上に寄与するような今後の期待なども記入することもおすすめです。
保育士としてのあなたの関わり方は、非常に素晴らしいと感じています。子供たちとのコミュニケーションにおいては、個々の特性に配慮し、年齢や性格に適した接し方を心掛けているように見受けられました。また、子供たちの成長や発達に合わせた適切なプログラムや活動を提供してくれており、子供たちが楽しく過ごせる環境を整えてくれていることに感謝しています。特に、遊びの中での学びや社交的なスキルの向上に注力している姿勢は非常に素晴らしいです。
一つ改善が必要な点としては、保護者とのコミュニケーションにおいて、情報共有や連絡の遅延が見られることがありました。保護者からの問い合わせや要望に対して、より迅速かつ適切に対応することが求められます。
今後は保護者とのコミュニケーションを強化することに焦点を当ててみましょう。例えば、保護者向けの定期的な会議や情報共有の場を設けることで、子供たちの成長や活動に関する進捗報告を行います。保護者のフィードバックや関心事に対しても迅速かつ適切に対応し、信頼関係を築いていきましょう。また、保護者への感謝の気持ちを示すために、イベントや手紙などの形で積極的に関与することも重要です。
看護師職
部下(自己評価)の場合
【書き方のポイント】
看護師においての評価対象は、通常業務だけでなく患者やその家族に対する態度や接し方も含まれます。看護師は、患者や家族の意見をよく聞き尊重することが重要です。そのため、患者や家族とのコミュニケーションで努力したことや、日頃の業務の効率化・改善のために行ったことなどを記入しましょう。また、能力面での努力や、一緒に働くスタッフとのチームワークについての努力について言及することも大切です。
私は患者やその家族とのコミュニケーションに積極的に取り組んできました。彼らの意見や懸念を常に聞き、尊重するように心掛けています。具体的には、患者との会話中に質問を積極的に投げかけ、彼らが自分の状況や治療計画を理解しやすいように努めました。
業務の効率化と改善に対する取り組みに関して、まだ改善の余地があると自覚しています。例えば、日常業務の中でより効果的なタスク管理や文書化の方法を探究することが必要です。これにより、よりスムーズで効率的な看護ケアの提供が可能となると考えています。
看護師としての日常業務の中で、より効率的な方法や最新のベストプラクティスを学ぶことを心がけます。業務の改善に向けて、関連する研修やセミナーに参加し、同僚との情報共有を積極的に行うことで、業務の効率化を促進したいと考えています。
上司の場合
【書き方ポイント】
看護師は、患者や家族とのコミュニケーションや日々の通常業務が主な仕事です。そのため、その仕事に対してどのように向き合い、具体的にどのような努力をしたかを評価すると良いでしょう。もちろん、看護師の仕事を行う上でのスキルアップや、一緒に働くスタッフとのチームワークを形成する上での努力なども評価対象として含まれます。
職務遂行において、患者やその家族とのコミュニケーションにおいて素晴らしい成果を上げていました。常に耳を傾け、患者や家族の意見や懸念を尊重し、適切なアドバイスや情報提供を行っていました。特に、ある患者のケアにおいて、彼らが不安や心配を抱えていることに対して積極的にコミュニケーションを図り、その安心感を提供することができました。
しかし、非常に忙しい状況下で働く際に、ストレス管理においてもう少し改善が必要であると感じました。
私たちの組織では、ストレス管理に関するリソースとサポートが整っており、それを活用してストレスの影響を最小限に抑えるための方法を見つけることが重要です。ストレス管理に取り組むために、定期的なリフレッシュや休息の時間を確保することを目指しましょう。また、ストレス管理のスキルを向上させるための研修やコーチングを検討することもいいでしょう。自己ケアに重点を置くことで、より健康的でバランスの取れた看護師としてのキャリアを築くことができます。
公務員職
部下(自己評価)の場合
【書き方ポイント】
公務員職は、仕事内容によってコメントの書き方が変わってきます。定量的な成果を上げられた場合は、具体的な数値を用いて記入すると良いでしょう。成果として定量的な数値を提示することが難しい場合は、日々の業務や業務改善に対する貢献、業務の進捗、コミュニケーション面での努力など、具体的に起こした行動を記入すると良いでしょう。
チーム内および他部署との円滑なコミュニケーションを図るために努力しました。具体的には、メールや会議を通じて情報共有を積極的に行い、スムーズな業務遂行に貢献しました。また、他部署との協力関係を築くために積極的に連携し、問題解決に向けた努力を行いました。
しかし自己啓発やスキルアップへの取り組みが不足していたと感じています。特に、新しいソフトウェアやツールの習得、専門知識の更新において積極的に取り組む必要があります。
次回は、学習計画を立て、専門能力の向上に注力したいと考えています。そのため、自己啓発やスキルアップに積極的に取り組むことを目標とします。新しいトレーニングプログラムやセミナーに参加し、専門知識や技術を継続的に向上させることで、業務の品質向上と自己成長を促進します。
上司の場合
【書き方のポイント】
公務員は、国家公務員と地方公務員は同様に、「能力評価」と「業績評価」を行います。能力評価では、実際に業務で活かされた能力について評価し、業績評価では、上司と部下で設定した目標に対してどの程度達成したかをみて評価しましょう。
業務において優れた専門知識やスキルを活かして、的確な判断と迅速な対応を行いました。例えば、新たな法律や規制の変更に対応するために積極的に情報収集を行い、適切な指針を作成しました。また、高いコミュニケーション能力を活かして、上司や同僚と円滑な連携を図り、業務の効率化に貢献しました。
しかし、一部の業務において、深い専門知識が必要となる場面で、スキルの不足を感じました。具体的には、新たな技術やシステムの導入において、より高度な知識やトレーニングが必要となるケースでの苦労が見受けられました。より高度な専門知識が求められる業務において、自己啓発に積極的に取り組む必要があると感じています。
具体的には、関連するセミナーや研修への参加や、専門書籍の研究を通じて、最新の情報とスキルを習得し、業務に生かしましょう。
管理職・マネージャー
部下(自己評価)の場合
【書き方ポイント】
管理職やマネージャーは、自分が請け負っている部署や組織での結果や業績について評価します。定量的な業績の数字だけでなく、予め設定されていたノルマや目標に対する進捗や、達成するためにどのように努力したかなどを具体的に書きましょう。また管理職は、部下を成長させることも仕事の一つです。部下の成長を促すためにどのような努力をしたのかも記入しましょう。
部署の業績向上に貢献しました。具体的には、売上目標を10%上回る成果を達成し、部署の収益性を向上させました。また、部下の成長を促進するために積極的に取り組みました。個別の目標設定やフィードバックセッションを通じて、部下の強みと課題を明確化し、彼らの成長をサポートしました。
しかし、部下の成長促進において、個々のニーズに適切に対応することができなかった点がありました。一部の部下のスキル開発やキャリアプランのサポートが不十分であり、彼らのモチベーションやパフォーマンスに影響を及ぼしたと感じています。
部下の個別のニーズにより焦点を当て、個別の成長プランを策定するための時間を割く必要があると考えています。1対1のフィードバックやメンタリングセッションを通じて、彼らのキャリア目標を明確にし、適切な研修やプロジェクトの割り当てを行うようにします。さらに、部下とのコミュニケーションを強化し、彼らの意見やフィードバックに積極的に耳を傾けるよう努めます。
上司の場合
【書き方ポイント】
管理職やマネージャーに対する評価は、基本的に被評価者が請け負っている部署や組織の業績やノルマの達成度などの具体的数値をみて判断します。また、部下の育成なども管理職の仕事に含まれるため、リーダーシップ面やマネジメント能力面でも評価することが重要です。
部署の売上目標を達成するために、的確な戦略と計画を策定し、チームを率いて効果的に実行しました。具体的な成果として、売上高を前年比10%増加させ、市場シェアを拡大しました。また、新規プロジェクトの獲得に成功し、収益性を向上させました。
しかし、チームメンバーの成長とスキルアップに対するフォーカスが少々不十分だったと感じました。個々のメンバーのニーズを把握し、適切なトレーニングやキャリア開発の機会を提供することにおいて改善が必要です。また、コミュニケーションにも注意を払いましょう。情報共有や意思決定のプロセスに支障が生じる場面がありました。チームメンバーの成長とスキルアップに重点を置き、個別のニーズに合わせたキャリア開発プランを策定しましょう。
部下との定期的な目標設定やフィードバックセッションを通じて彼らの成長を支援し、モチベーションを高めることが重要です。さらに、チーム内のコミュニケーションを強化し、情報共有と意思決定の透明性を高めることで、協力と効率性を向上させることができます。
まとめ
人事評価コメントは、評価とフィードバックがセットになっていることが重要です。コメントひとつで、被評価者のモチベーションやパフォーマンスを上げることも下げることも可能です。このように、従業員の今後の成長に大きく影響するからこそ、人事評価コメントを作成する際は、注意が必要です。本記事で解説したポイントに留意し、適切なコメント作成に努めましょう。
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