プレイングマネージャーとは?意味・役割・必要スキル・成果創出のポイントについて解説
目次
プレイングマネージャーとは
プレイングマネージャー(プレーイングマネージャー、プレイングマネジャー)とは、プレイヤーの一人として数値目標を追いながら、属するチームのマネジメントを担うポジションのことを言います。
マネージャーのうち、プレイングマネージャーの割合が全体の約90%という調査結果からも日本ではかなり多くのプレイングマネージャーが存在していることがわかります(リクルートワークス研究所,2019)。
プレイングマネージャーの誕生の背景にはバブル崩壊、そののちの人手不足という企業経営の悪化がありました。
苦肉の策の上、マネージャーがプレイヤーもこなすという二足の草鞋を履いたポジションが誕生したわけです。
その後、このプレイングマネージャーの形態は崩れることなく現在に至っています。
ちなみに、 プレイングマネージャーは和製英語のためそのままでは英語では通じません。
プレイングマネージャーの役割
プレイングマネージャーは文字通りではありますが、プレイヤーとマネージャーの両方の役割を兼務します。それぞれにおけるプレイングマネージャーの役割を下記に記載します。
プレイヤーとしての役割
チームのトッププレイヤー
チーム内のトッププレイヤーがプレイングマネージャーになっていることは少なくありません。
実際に、プレイングマネージャーはトッププレイヤーとしての働き方が望まれるケースが多いといえるでしょう。
他のメンバーに対応できないような難しい案件を扱い、その背中を見せてメンバー育成に貢献します。
メンバーの負担軽減
メンバーが工数過多になってしまわないよう管理し、かつプレイングマネージャーがその工数を負うことが求められます。
また、チームの目標達成のためにチームメンバーだけでは補えない分の数字作りをプレイングマネージャーが担います。
マネージャーとしての役割
素早い経営判断
プレイングマネージャー自身が直接現場のことを熟知していることで経営判断が早くなります。
チームの目標/方針の管理
チームの目標達成のために自分がどのように動くかも含めてマネジメントしていく必要があります。
いかに効率化し生産性を上げられるかを自分がプレイヤーとして考えながら業務設計を行っていきます。
チームビルディング
モチベーションの高い士気の取れたチームを形成していくとともに、コミュニケーションを円滑にし役割分担ができるよう支援します。
なお、チームビルディングについては、下記の記事で詳しく解説をしています。
チームメンバーの支援
チームメンバーの底上げを図ることで組織の生産性向上に貢献します。
プレイングマネージャーに必要な能力・スキル
プレイングマネージャーが「やらなくてはいけないこと」で、プレイヤー時代にやらなくてよかったもの、それがマネジメントです。
プレイングマネージャーにはマネジメントスキルが求められます。
なお、営業マネジメントについては、下記の記事で詳しく解説をしています。
マネジメントスキルとして有名なのは「カッツ・モデル」です。
これはアメリカの経営学者ロバート・L・カッツ氏が提唱したもので、1950年代に提唱されたものですが、現代でも十分に通用します。
カッツ氏は、マネージャーに必要とされる能力を「テクニカルスキル(業務遂行能力)」「ヒューマンスキル(対人関係能力)」「コンセプチュアルスキル(概念化能力)」の3つに分類しました。
本パートでは「カッツ・モデル」をもとにプレイングマネージャーに必要な能力・スキルについて説明していきます。
テクニカルスキル(業務遂行能力)
テクニカルスキルは職務遂行のために欠かせない知識や技術、技術の熟練度を意味します。
専門的な遂行能力であり、現場で働く人材が活躍するために必要なスキルです。
テクニカルスキルの例としては下記が挙げられるでしょう。
- 営業職:「商品知識」「市場理解」「ヒアリング力」「提案力」「資料作成能力」
- 技術職:「機械操作技術」「プログラミング能力」
- 教育関係:「指導力」「コーチング力」
- 医療関係:「医療知識」「医療保険制度への理解」
ヒューマンスキル(対人関係能力)
ヒューマンスキルは対人関係(構築)能力のことであり、他者と良好な関係を築くために必要な能力のことをいいます。
例えば、商談での関係性作りやチーム内でのコミュニケーション等の場面で必要です。
ヒューマンスキルの例としては下記が挙げられるでしょう。
- コミュニケーション力
- 観察能力
- 交渉力
- プレゼンテーション力
- 傾聴力
- ヒアリング能力
- リーダーシップ
コンセプチュアルスキル(概念化能力)
コンセプチュアルスキルは本質を見抜く能力です。
コンセプチュアル・スキルがあると一つの経験から多数の学びを得ることができたり、一見違う問題に対しても共通点を見出し、解決に導くことができます。
この能力はプロジェクトの方向性を決めるときに重要となります。
コンセプチュアルスキルの例としては、下記が挙げられます。
- ロジカルシンキング(論理的思考)
- ラテラルシンキング(水平思考)
- クリティカルシンキング(批判的思考)
- 多面的視野
- 柔軟性
- 受容性
- 知的好奇心
- 探究心
- 応用力
- 洞察力
- 直感力
- チャレンジ精神
- 俯瞰力
- 先見性
プレイングマネージャーとして成果を出す3つのポイント
プレイングマネージャーは忙しすぎる、マネジメントができていないなどの悪いイメージが強いですが、リクルートワークス研究所の調査ではプレイヤー業務の割合が60%未満の場合マネージャー専任の場合より生産性が高いと報告されました。
プレイングマネージャーが成果を上げていくためにはどうしたら良いでしょうか。
50%以上はマネジメント業務にコミットする
プレイングマネージャーの中でもプレイヤーにかける時間も割合が30%未満の方が生産性は高いという結果が出ています(リクルートワークス研究所,2019)。
マネジメントに重点を置いたことで生産性が上がったという考察ができます。
メンバーへの権限移譲と役割分担を推進する
チームのメンバーが忙しくて工数過多になってしまってるからと言って何でも肩代わりすると生産性の向上に繋がりません。
他のメンバーができない業務を率先してこなし、メンバー育成につなげましょう。
プレイヤー業務をマネジメント業務に生かす
プレイヤーとしての視点をマネジメントに生かします。
業務効率化や役割分担、タイムマネジメントの改善材料をプレイヤー業務中に現場から見つけることでマネージャーとしても効果的な施策を生み出すことができるようになります。
これは、まさに「兼務」である事によって生まれる相乗効果であると言えるでしょう。
また、現場でメンバーの様子が間近に見えることで特別1on1の機会を持たずとも、日頃からフォローアップが行えるためエンゲージメント管理にも役立ちます。
プレイングマネージャー支援サービス「Co:TEAM(コチーム)」
プレイングマネージャーが工数を削減するためにはプレイヤーとマネージャーのどちらも工数削減をする必要があります。
しかし、世の中にはプレイヤーのための工数削減ツールは溢れかえっていますが、マネジメントの工数削減ツールは少ないように感じます。
マネジメントを可視化することでマネジメント工数が削減できたらいいですよね。
コチームはマネージメント業務を可視化してくれる忙しいプレイングマネージャーの味方です。
コチームは、組織に発生する「仕事への認識」のズレを可視化、注力すべきポイントを明確にすることで最適なコミュニケーションを可能にする、マネジメント支援サービスです。
コチームを活用する事で、マネージャーは、チーム及びメンバーの目標と目標に紐づくアクションの進捗度と優先順位を簡単に確認出来るようになり、生産性と成果をさらに向上させる事が可能になります。
日々の1on1から目標管理・人事評価までできるオールインワンツール「Co:TEAM(コチーム)」なら簡単に1on1をモニタリング!
・マネージャーごとに実施状況・実施内容をチェックできる分析機能!
・各アジェンダの使用率もモニタリング!
>>1on1の運用が楽々できる「コチーム」の詳細はコチラ!!
まとめ
日本に存在するマネージャーのほとんどがプレイングマネージャーであり、個人でチームの目標を追いながら、チームのマネジメントを同時に行っています。
プレイングマネージャーは日本が抱える労働人口減少問題に対する解決策であり、生産性を上げることも可能です。
生産性を上げるためのポイントはいかにマネジメントに時間が割けるか、マネジメントを成功させることができるかです。
トッププレイヤーからプレイングマネージャーに抜擢された場合、マネジメントスキルの習得やスキル・経験不足を補う仕組みやツールを利用する事がポイントとなるでしょう。
お役立ち情報
-
全170P超の目標マネジメントパーフェクトガイド近年増えている目標マネジメントへの不安を解消するあらゆる手法やマインドなど目標管理の全てが詰まっている資料になっています。
-
【100P超のマネージャー研修資料を大公開!】マネジメントと1on1って何ですか?「これさえ実践すれば間違いないという具体的なHOW」に焦点をあてて、マネジメントや1on1を実践できる内容となっています。
-
【全260スライド超】メンバーの成長・マネジメントを最適化させるプロが実践する1on1パーフェクトガイド組織開発・1on1 ・評価の設計運用で 100 社以上の企業に伴走してきた弊社の知見をもとに作成したガイド資料になります。