どのような仕事でも、確実に成果を出していくためには目標が必要です。しかし、目標を設定した瞬間に、それを達成するために「やらなければいけないこと」が現れて、それが負債のように感じられて目標設定に苦手意識やストレスを感じている方は多いです。
コーチングの現場でも言われることではありますが日本人はこの「目標を達成する」という考え方自体が苦手な方が多く、半分くらいの人たちは目標に対して抵抗感を持っていますという印象を受けます。さらにいえばリーダー層よりもメンバー層に顕著です。しかし、目標設定と目標達成は短期的にも長期的にも、評価や成長にかかわるとても重要な要素です。
この記事では目標設定が苦手な方向けにお勧めの目標設定方法をご紹介します。
目次
目標設定が苦手と感じる理由
目標設定が苦手な人が目標設定をできるようになるにはそもそもなぜ目標設定が苦手なのか把握する必要があります。目標設定を苦手と感じる理由は主に次の三つです。これらを把握して目標設定を効果的に行っていきましょう。
- 目標を達成しないと叱られる
- 目標が高過ぎて達成が困難
- 目標と自分のキャリアが結びついていない
目標を達成しないと叱られる
一つ目は「目標を達成しないと叱られる」です。
日本人は義務を重く見る傾向があります。そのため目標を立てると達成しなければ評価されないと思い込みすぎて目標自体がストレスになってしまいます。適度なプレッシャーはモチベーションの維持や成長に欠かせませんが、過度なプレッシャーがかかると失敗を恐れすぎる思考になってしまい、パフォーマンスが出せない可能性もあります。結果、企業やチーム全体のレベルを下げてしまうこともあるので、注意が必要です。
例えば目標を設定した際に、「○○ができなければほかの部署に異動だね」「○○ができないと全体に迷惑をかけるから気を付けてね」などとプレッシャーをかけてしまうとかえってやる気をそいでしまうことがあります。「○○ができれば昇進もできるかもね」「○○ができればみんなが助かる」などのようにネガティブなプレッシャーを与えるのではなく、ポジティブな未来とプレッシャーを与えるようにするとよいでしょう。
目標が高過ぎて達成が困難
二つ目は目標が高過ぎて達成が困難です。
会社や社員の能力から離れすぎた目標は達成できず、評価がされにくいのでおすすめしません。もちろん、ある程度高い目標は成長のために必要ですが、現状のレベルから離れ過ぎていると達成感が得られず、逆にモチベーションが下がってしまいます。
そのため、自身や部下の能力やスキルに見合った、実現可能な目標設定を行うことが重要です。具体例として、ある営業部門で前年比150%の売上目標が設定されました。しかし、市場環境の変化により達成が極めて困難になり、社員たちは徐々にやる気を失っていきました。結果的に、目標達成どころか前年の実績すら下回る事態となりました。
確かに、適度に高い目標は挑戦意欲を刺激し、パフォーマンス向上につながる可能性があります。しかし、高すぎるノルマは、逆効果となってしまいます。
目標管理を効果的に行うには、達成可能でありながらも挑戦的な目標設定が重要です。また、目標の進捗を定期的に確認し、必要に応じて柔軟に調整することも大切です。面談や1on1で社員の能力と環境を考慮した適切な目標設定をして、モチベーションを維持しつつ、組織の成長を促しましょう。
目標と自分のキャリアが結びついていない
三つめは目標と自分のキャリアが結びついていないです。
「従業員のやりたいキャリアと業務の関連性を擦り合わせの時間を作る」ことは目標設定の大切なポイントです。
従業員が希望するキャリアや資質と実際の業務に余りにもギャップがあると、仕事に対するモチベーションや現実的な達成可能性が減少してしまう可能性があります。
もしキャリア目標と業務内容が合致していないと、従業員が自分の強みや興味を活かせないために業務パフォーマンスが低下する恐れがあるだけでなく、「この会社では希望するような長期的なキャリアの見通しが立たない」と感じてしまうと、転職を考えてしまうという可能性もあります。
このようなリスクを回避するためには、従業員のキャリア希望を考慮しつつ、チームや会社全体でのビジョンや業務との整合性を図り、従業員のモチベーションやパフォーマンスを損なわないような目標設定を行うことが大切です。
苦手と感じられてしまう目標設定の特徴
目標設定を得意にするためには目標設定が苦手な方と得意な方の違いを確認する必要があります。目標設定を苦手と感じる方の目標設定には以下の特徴があります。
- 目標を会社や上司が一方的に決めてしまう
- 設定した目標に修正が入る
- 目標を見直さないので、設定する意味がない
目標を会社や上司が一方的に決めてしまう
目標を作成する際には、個人個人の考えが反映されたものを用意する必要があります。会社や上司から一方的に押し付けられた目標では、達成に向けての意欲が低くなる可能性があるため注意が必要です。また、トップの考えのみを反映して、現場の状況や情報管理を行っているマネージャーの意見を無視した目標もダメです。
日々の業務において主体性は欠かせません。社員が自発的に目標達成に向けて行動させ、それをサポートする形の目標設定方法を考える必要があります。目標を作成する際には、社員一人一人と相談して決定したものを用意しなければ効果は出ません。会社や上司から一方的に押し付けられた目標では、現場の状態や数字に変化を起こすことはできないでしょう。
設定した目標に一方的に修正が入る
設定した目標に一方的に修正が入るのも目標設定を苦手なものにしてしまっている原因です。
目標をチェックし修正していくのは目標を運用するうえで重要なステップではありますが、それが一方的なものであると会社からの押し付けのように感じられてしまい、やはり意欲が低くなってしまいます。
立てた目標が会社や上司の想定していたよりも低いものの場合でも、理由を説明して、認識をすり合わせた上で部下が納得する形で目標を修正する必要があります。
上層部から一方的に目標を修正されると設定した目標が「人から押し付けられた目標」になり、期中の達成するための行動量や努力に大きな差が生まれるので、修正する場合は必ず双方が納得した上で修正しましょう。
目標を見直さないので、設定する意味がない
目標を逆に見直さないのも目標設定を意義のない面倒なものにしている原因の一つです。
目標は当初は目的に沿ったものであることが多いですが、毎日状況というのは目標を設定した最初の状態から変化しています。そのため本当に意味のある目標にしていくためには定期的に、または状況に応じてそれを変更していく必要があります。
目標を市場や環境の柔軟な変化に合わせて、変更できるようなシステムの運営を心掛ける必要があります。
どのような目標であれ、市場の変化や傾向に合わせて全く別の目標に取り換えることが必要なケースがあることを理解したうえで目標設定は行わなければなりません。
目標設定をするメリット
さて、目標設定は苦手になる人の多い難しい施策であることを説明してきました。しかし、目標設定には大きなメリットがあります。それらは大きく分けて以下の三つです。
- 行動指針を立てやすくなる
- モチベーションの向上
- 人事評価の明確化
行動指針を立てやすくなる
目標を持つことで何をすべきかが明確になり、行動指針を立てやすくなります。目標があることで方向性が決まり、正しい選択ができるようになるのです。
「目的達成」のための「目標設定」は、ゴールに辿り着くまでに今するべきことの迷いを無くします。迷いが無くなることで、優先順位が高い作業のみに集中して取り組むことができるため、優先順位の低い無駄な作業に手を取られる心配がなくなります。結果として、効率良く目的を達成することができます。
これらのことから、やるべきことの明確化は、目標設定の大きなメリットの1つといえるでしょぅ。また、目標を立てることで余計な経験に費やす時間を最小限に抑え、効率良くゴールまで到達しやすくなります。具体的な目標があれば必要なものと不要なものがわかるため抑えるべきポイントも明確になります。
モチベーションの向上
目標を設定することで、仕事に対するモチベーションの向上が期待できます。これから先の状況を全く想像できないなかで努力するのは苦痛で普通の人間には無理なものです。壁にぶつかったときにも乗り越えられず、投げ出してしまう可能性もあります。
社員一人ひとりがやるべきことを把握し、設定した目標に対する進捗を視覚化しながら取り組んでいくことが大切です。明確かつ目的に沿った目標を持ち、それを達成するという体験をさせることで、モチベーションをアップ、維持することができます。
人事評価の明確化
目標設定のメリットは人材管理の側面にもあります。「できた」「できなかった」が数字で把握できる基準となり、上司は評価がしやすくなります。基準を明確にするためにも、目標設定の際には具体的な数値を選ぶことが重要です。たとえば営業の場合、「リピーター客の獲得率を前年度比150%にする」「3年以内に規模の大きい株式会社3社と契約する」など、具体的な数値を用いることでより結果にコミットしやすくなります。
また同時に、数値に根拠があることも必要です。数字を示してもそれが明らかに達成不可能な数値であれば意味がありません。過去の市場の動きや事例などを分析し、根拠のある目標数値を設定しましょう。
効果的な目標設定をする6つのポイント
効果的な目標設定をするには6つのポイントがあります。
- 従業員のやりたいキャリアと業務の関連性を擦り合わせる
- 目標設定と評価を連動させる
- 目標に根拠を持たせる
- 目標を部下に決めてもらう
- 定期的に目標や進捗を振り返る
- 小さな目標を細かく設定して、目標を達成したら承認する
従業員のやりたいキャリアと業務の関連性を擦り合わせる
効果的な目標設定をするための一つ目のポイントは従業員のやりたいキャリアと業務の関連性を擦り合わせることです。
自分自身のキャリアをイメージさせたうえでその目標を達成したい理由を明確にしておくことで、途中で目標達成の意義や最終的な目的を見失ってしまうことを防ぐ効用があります。
ときたま、ほかからcopyしただけのような目標を見かけます。たとえ、具体的な数字や期限を含んだ目標を掲げていたとしても、目標達成した後のことを考えていないと、目標達成自体が目的になってしまうため、なぜその目標を達成したいのかを考えなければ目標を達成したいという気持ちにはならないでしょう。そのため、従業員のやりたいキャリアと業務の関連性を擦り合わせたうえでメンバーの人生につながる目標設定が重要です。
目標設定と評価を連動させる
目標設定と評価を連動させるのも重要なポイントの一つです。
もちろん評価の連動によりプレッシャーをかけすぎるのは職場にとってマイナスな目標設定ではありますが、達成した際のメリットを明確にするという点で人事評価と連動させるのはとても重要な施策といえます。
人事評価は、従業員の配置や能力開発に活用するため、成果や成果を出すまでの取り組みなどを評価することです。基本的には、従業員の成績や勤務態度、成長意欲といった多角的な基準から総合的に評価が行われます。
評価を行うにあたって、まずは管理者が「なぜこのような目標設定にしたのか?」「目標達成事の報酬はどのようなものがあるのか」を従業員と目線を合わせながら、目標を設定する必要があります。目標設定事に、従業員と目線を合わせておき、従業員目標の達成度合いを適切な手順で評価することによって、評価に納得感を持たせることができるからです。目標に即した人事評価は、従業員のモチベーションを高めるだけでなく、成長意欲を引き出したり、企業との信頼関係を深めたりする効果が期待できます。
設定する目標は、各従業員にとって適切な難易度であり、業種の特性に合わせたものが理想的です。総務や情報システムといった成果を数値化しづらい部署では、頑張りをどう見つけ、そして公平に評価するかが課題となります。
目標に根拠を持たせる
3つめは目標に根拠を持たせることです。
目標があいまいなものであったり、突拍子のないものでは従業員はついていくことができません。職場の人材の一部分に納得してもらうのではなく、全体に納得できるように常に根拠を持った目標を設定する必要があります。
例えば「1回目のイベントでは50人の集客に成功したから、2回目は75人を目指そう」「今年はこの企業は3年目であるから売り上げ75%向上を目指そう」のように以前のデータや経験のような根拠を持たせるのがいいでしょう。明確なデータに基づく説明があれば、目標設定を合理的に受け止められますし、きちんとデータによって実現可能性が担保された目標として達成のためのモチベーションを持ちやすくなります。
目標設定に際して明確な根拠を示すことで、組織に一体感が生まれます。
この一体感は組織全体のモチベーションをも高め、目標達成へのモチベーションを引き出す効果があり、結果として組織全体のパフォーマンス向上につながるでしょう。
SMARTの法則の活用
目標設定の際に有効な法則がSMARTの法則です。
SMARTの法則を活用した目標設定は、誰が見ても達成度がわかるような客観性を持ち、個人の行動をよりスムーズにするため、達成可能な目標設定方法として注目を集めています。SMARTとは、Specific (具体的な)・Measurable(測定可能な)・Achievable(実現可能な)・Relevant(関連性のある)・Time-bound(期限のある)で構成されており、目標を達成するために必要な5要素と考えられているのです。
ここでは、SMARTの法則を活用した営業部門における目標設定例をご紹介します。
・Specific(具体的な)
2024年の第四半期に、前年同期比10%の売上増加を達成する。
・Measurable (測定可能な)
前年同期と比較した売上の増加額を具体的に数値で示すことで測定可能。
・Achievable(実現可能な)
現在の市場動向と企業のリソースを考慮して、10%の売上増加は達成可能な目標であると判断できる。
・Relevant(関連性のある)
営業部門の目標は、企業の収益増加に直結しており、組織全体の成長に寄与する。
・Time-bound(期限のある)
2024年第四半期中に、目標を達成する。
このように、具体性があるか、達成度が測定できるか、達成が可能か、達成によって会社に利益があるか、期限が定められているか、を確認しながら目標設定を行うと、部門全体として明確な目標に向かって業務に取り掛かることができるため、目標達成の精度が飛躍的に向上します。
目標を部下に決めてもらう
目標を最終的には部下に決めてもらうのも重要です。もちろん大まかな方向性は示す必要がありますが、自分自身で決めることで目標に納得感を持って目標達成しよう臨むことができます。また、その際にチームに貢献する個人目標を決めてもらうのも有効です。
チームに貢献する個人目標を立てることで、自分自身の成果達成にのみならず、チーム全体での成果達成にも影響を与えるため、責任感やモチベーションの向上が期待できます。具体的には、「自分が怠けてしまったら他の誰かに迷惑をかけてしまう」といった責任感が強くなり、業務に対するモチベーション維持・向上にも繋がります。
そのため、チームに貢献する個人目標を掲げることで、チーム全体の生産性向上が期待されます。
目標設定はマネージャの力量が鍵
目標設定を自分で決めてもらうのが有効といっても、自分だけでなくチームのための目標を立てさせるのは難しいでしょう。ここはマネージャーの実力が出る場面です。
マネージャーは部下のやりたいことや将来のビジョンを聞いたうえで会社のやりたいことやメンバー自身の能力を説明してその妥協点をうまくさぐることで部下をこの業務で成果を出したい人に変えなければなりません。難しい内容ではありますが、1on1や承認をうまく使うことでプロのマネージャーはそれを行っています。そのコツを無料で知れるのが以下の研修です。
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定期的に目標や進捗を振り返る
定期的に目標や進捗を振り返って修正するのも重要です。
目標は一定ですが基本的に状況は刻一刻と変化していきます。目標自体がそれにそぐわないものになることも多いでしょう。そういった場合に備え、細かく目標や進捗を振り返り修正していく必要があります。そのためには「作業工程を見直しミスの多い工程を見つけて改善することにより、ミスの発生率を5%以下に押さえ、作業効率を10%増加させる。その結果、昨年度より生産量を10%上げる」というように、具体的で測定可能な目標を設定することが必要です。このアプローチにより、何をすべきか、どの程度達成できたか、そして今後どのような改善が必要かが明確になります。
目標設定時には、具体的な行動計画、数値目標、達成期限を含めることで、進捗の追跡が容易になり、チーム全体で方向性を共有しやすくなります。また、定期的な進捗確認と必要に応じた目標調整を行うことで、プロジェクトの成功率を高め、継続的な改善サイクルを確立できます。
小さな目標を細かく設定して、目標を達成したら承認する
良い目標設定では基本的に小さな目標から細かく設定する方法をとっています
大きな目標のみを決めるのは、目標に向かって前進している実感が得られにくいため、途中で挫折してしまうことがあります。また、万が一、その大きな目標を達成できなかった場合、「なぜその目標を達成できなかったのか」や「どの段階で躓いてしまったのか」などの原因分析を特定できず、次の業務活動に活かすことができません。
一方、段階的な細かい目標を立てることで、小さい達成感を目標達成ごとに得ることができ、モチベーションを維持できます。さらに、目標達成が叶わなかった場合でも、明確な原因分析を行い次の業務に活かすことができます。
部下に苦手と思われない目標設定の流れの具体例
部下に目標設定を苦手と思われないためにはやり方の指導などの支援を行っていくことが重要です。ここからはその具体例を以下のステップで解説します。
1.部下の描きたいキャリアを一緒に作る
2.会社の状況とメンバーの期待役割を伝える
3.目標設定のコツや手順を教える
4.メンバーに目標を立ててもらう
5.メンバーの立てた目標にFBをする
6.目標を振り返る
1.部下の描きたいキャリアを一緒に作る
まず、目標に対するモチベーションを作り上げるためにもその燃料となる部下の描きたいキャリアをはっきりさせることが重要です。
とはいえ、現代ではそこまではっきりとしたキャリアイメージを描いている方というのはとても少数派といえるでしょう。そういう方が相手の時はキャリアをもはや一生に作ってあげるというのがいいです。そうすることで多少キャリアを自社が必要としている人材と近づけることでこのあとのフェーズが楽に進みます。
これを行うには普段から部下とコミュニケーションをとっていくことが大事です。LINEしろとまではいいませんがマネジメントサービスや1on1などを通してエンジニアなどの業種を問わず相手を理解しようと努力しましょう。
2.会社の状況とメンバーの期待役割を伝える
次に会社の状況とメンバーに期待することを伝えます。この際重要なのはうまく、先ほど決めたキャリアイメージと絡める形になるような言い方を心がけることです。あらかじめ会社として求めるものを一覧として登録したうえでそれに絡められるのは何かなと考えながら一つ目の手順をこなすのがお勧めです。
「○○さんがやりたいことはうちのこの業務に要素があると思うんだけどどうだろう」
のような言葉をかけると勝手に部下は連想してくれるようになるため良いかもしれません。また、ここで評価にもかかわる、ということを伝えることでさらに「部下の目標に対するやる気、責任感を高めることができます。
3.目標設定のコツや手順を教える
目標設定の方向性を納得させ、動機づけしたあとは正しく目標を設定させることが重要です。
目標設定のコツを先に教えて「失敗させない」ようにしましょう。ここで失敗させてしまうと、目標設定が苦しいものや面倒なものに変わるため結果として目標設定が嫌いになってしまうことがあります。
4.メンバーに目標を立ててもらう
次に実際にメンバーに目標を立ててもらいましょう。
このとき、やはり自分自身で決めたという形になると目標に対するやる気などが向上します。例えば、上司から「あなたの目標は○○です」と一方的に言われるよりも「会社の目標は○○なんだけどこれを達成するにはどうすればいいでしょう?」「○○さんのやりたいことと一致しているから今月はこれを頑張ってみるのはどうだろう?どのぐらい頑張る?」などと相手になぜその目標が必要なのか納得させたうえで相手が自主的に目標を決めれるように誘導すればメンバーにやる気をもたせてその目標に取り組ませることができるでしょう。
5.メンバーの立てた目標にFBをする
メンバーの立てた目標にフィードバックをします。この際必ず承認・共感を効果的に使うようにしましょう。ネガティブな指摘があまりにも多いと、メンバー側に嫌な印象を持たせてしまい目標に取り組むことに対する安心感がなくなってしまいます。
そのため、承認の時間を設けて目標に取り組むことに関して良い印象を持ってもらう事が大事です。一般的には日本人は、3回承認して1回アドバイスをするくらいの頻度で承認をすると良いとされています。
例としては「サービス理解を深めてて素晴らしい」「今月も色々企画してくれて助かった」「最近、現場全体を見渡せていて良いね」と承認をした後に、「お客様が納得できるような資料を作ってみるのはいかがでしょう?」とアドバイスをするとよい印象を持ってもらうことができます。
また、アドバイスをする際も「資料作らないとダメですよね。」と否定的に言うのではなく、「資料を作るとより良いと思ったんだけどどう思う?」を疑問形で相手に合意を取らせる形の方が良いでしょう。そのぐらい人間は肯定を混ぜなければ反感を抱いてしまう生き物です。フィードバックの際には注意するようにしましょう。
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6.目標を振り返る
目標を随時振り返りながら最後に評価をしましょう。振り返り(リフレクション)とは、自己の経験や行動を省察し、そこから学びを得るプロセスです。経験学習理論の提唱者であるコルブは、具体的経験、内省的観察、抽象的概念化、能動的実験という4段階のサイクルを提唱しました。振り返りはこのサイクルの重要な一部であり、特に内省的観察の段階に相当します。
この振り返りを効果的に行う場として1on1ミーティングも適しています。上司と部下が定期的に対話することで、目標に対する進捗や課題を共有し、深い洞察を得ることができます。この過程で、経験を言語化し、新たな気づきを得ることで、次の行動計画を立てる基礎となります。
振り返りを通じて、個人は自己の強みや弱みを認識し、改善点を見出すことができます。また、組織にとっても、メンバーの成長を促進し、パフォーマンスを向上させる重要な機会となり。定期的な振り返りの習慣化は、継続的な学習と成長のサイクルを確立する上で不可欠です。問題がなければOKなのですが途中途中で目標に問題があったら修正していくことも重要です。
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まとめ
目標設定は企業および個人に様々なメリットをもたらす重要な施策のフレームの一つです。目標設定は、その効果や必要性を発揮するためにその取り組み方を再考する時期に来ています。急速に変化する現代のビジネス環境では、従来の目標設定システムは柔軟性を欠き、真の生産性向上や従業員の成長を阻害する可能性があります。
現場のメンバーが目標設定を「時代遅れ」「無意味」「ストレス要因」と感じる背景には、システムの硬直性や個人の成長への配慮不足があります。これらの問題に対処するには、目標管理の概念を根本から見直し、より適応性の高いアプローチを採用する必要があります。部下に面倒と思われないようこれらのポイントを押さえて目標設定をうまく行っていきましょう。
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