目標設定は、組織の方向性を定め、社員のモチベーションやエンゲージメント向上など、業績向上に不可欠な要因を生み出します。しかしながら、「目標設定の方法がわからない」「自社に最適な目標を設定できていない」「目標は設定したもののうまく機能していない」など、目標設定に関する悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
そんな方に、目標設定のフレームワークを活用することをおすすめします。本記事では、目標設定のフレームワークを利用するメリットやおすすめのフレームワークを紹介します。さらに、目標を設定する際の注意点も解説するので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
- 目標設定のフレームワークを利用するメリット
- 目標設定のフレームワーク12選
- SMARTの法則|目標設定に迷ったらこれ
- HARDゴール|SMARTの法則より感情的メソッドを導入したい時におすすめ
- ベーシック法|基礎的な目標設定をしたい初心者におすすめ
- 三点セット法|ベーシック法で物足りない時におすすめ
- ランクアップ法|目標設定を自己成長につなげたい人におすすめ
- KPIツリー|中間目標を可視化したい人におすすめ
- ベンチマーク法|明確に目指すべき競合やロールモデルがいる人におすすめ
- マンダラチャート|9×9のマスを使って大谷翔平流で思考を整理したい人におすすめ
- 3C分析|市場感を把握した上での目標設定におすすめ
- SWOT分析|強みを活かした目標設定の際におすすめ
- MBO|評価と絡めた目標設定をしたい方におすすめ
- OKR|MBOよりもストレッチの効いた目標設定をしたい方におすすめ
- 目標設定の注意点
- まとめ
目標設定のフレームワークを利用するメリット
目標設定のフレームワークを活用することで、企業経営における以下のようなメリットを得ることができます。
- 目標の曖昧さが減り、何にフォーカスすべきかが明確になる
- 目標設定から目標達成までのプロセスが明確になる
- 目標達成に向けた進捗や成果を客観的に測定・評価できるようにできるようになる
- 部門やチームごとで過去の成果や失敗を整理し振り返ることで、継続的な改善を図れる
これらのメリットは、社員の達成感や満足感を増大させることができます。その結果、業務に対するモチベーションやエンゲージメントが向上し、組織活性化に貢献するでしょう。
目標設定のフレームワーク12選
それでは、目標設定を行う際におすすめのフレームワークを12個紹介していきます。各フレームワークはそれぞれ違う特徴を持っているため、自分に合っているかを考えながら読み進めていくことをおすすめします。
- SMARTの法則|目標設定に迷ったらこれ
- HARDゴール|SMARTの法則より感情的メソッドを導入したい時におすすめ
- ベーシック法|基礎的な目標設定をしたい初心者におすすめ
- 三点セット法|ベーシック法で物足りない時におすすめ
- ランクアップ法|目標設定を自己成長につなげたい人におすすめ
- KPIツリー|中間目標を可視化したい人におすすめ
- ベンチマーク法|明確に目指すべき競合やロールモデルがいる人におすすめ
- マンダラチャート|9×9のマスを使って大谷翔平流で思考を整理したい人におすすめ
- 3C分析|市場感を把握した上での目標設定におすすめ
- SWOT分析|強みを活かした目標設定の際におすすめ
- MBO|評価と絡めた目標設定をしたい方におすすめ
- OKR|MBOよりもストレッチの効いた目標設定をしたい方におすすめ
SMARTの法則|目標設定に迷ったらこれ
数多くある目標設定のフレームワークで迷ってしまったら、SMARTの法則を活用してみることをおすすめします。SMARTの法則とは、1981年にジョーン・T・ドラン氏によって提唱された古典的な概念です。決して新しいものではないため、ビジネスシーンによっては「一昔前の概念」という認識を持たれていることも確かです。しかしながら、目標設定における有効性は確実なことから、現代のビジネスシーンでも広く浸透しています。
SMARTとは、下記の5つの要素の頭文字を取った言葉です。
- S:Specific(具体的・5W1Hが明確)
- M:Measurable(数字で測定可能)
- A:Achievable(達成可能)
- R:Relevant(上位目標との関連性がある)
- T:Time-bound(期限が明確)
これらの5要素は、現実的に達成できる目標を設定するためには必要不可欠だと考えられており、これらを意識しないと、不明瞭なゴールができてしまいます。
また、SMARTの法則は5要素を意識するだけで効果を発揮するため、「誰でも使える」という利点があります。これが、一昔前の概念であるにも関わらず現代でも定番化されている理由です。「複雑な目標設定のフレームワークを使いこなす自信が無い」「どのフレームワークが良いのか分からないけど、とりあえず使ってみたい」といった人におすすめします。
HARDゴール|SMARTの法則より感情的メソッドを導入したい時におすすめ
SMARTの法則より感情面をもっと重視したい場合は、HARDゴールの活用をおすすめします。HARDゴールとは、2010年にマーク・マーフィー氏によって提唱された比較的新しい概念です。マーフィー氏によると、ワークライフバランスが重要視されている現代において、SMARTの法則は変化に対応しにくいと言います。仕事だけでなくプライベートも含めた「人生」「生き方」の目標設定のフレームワークを提供してくれるのが、このHARDゴールです。
HARDとは、下記の4つの要素の頭文字を取った言葉です。
- H:Heartfelt(心からの)
- A:Animated(活気のある、具体的にイメージできる)
- R:Required(必要不可欠な)
- D:Difficult(困難)
HARD目標は、「心の底から達成したいか」「達成した後の未来をイメージでき、生き生きと努力できるか」「達成するために必要なスキル・知識は何か」「達成の過程でどのような困難に直面するか」を考えながら設定していきましょう。数字ではなく感情に従って目標設定を行うことで、自身が本当に理想としている生き方を明確にイメージすることができます。その結果、自発的に強い意志を持って目標達成を目指せるようになるでしょう。「自分や部下が目指している目標がよくブレてしまう」という悩みを抱えている方におすすめします。
ベーシック法|基礎的な目標設定をしたい初心者におすすめ
ベーシック法とは、最も基礎的な目標設定のフレームワークであり、様々なフレームワークの根底になっています。ベーシック法は「目標項目」「達成基準」「期限設定」「達成計画」の4つのステップから構成されています。
- 目標項目:自分自身が何を達成したいのかを明確にするステップです。この目標項目は、4つのタイプに分類することができます。
- 向上・強化:現状よりも成長を目指す目標タイプ。
- 改善・解消:現状の課題を解決する目標タイプ
- 維持・継続:現状で成果を挙げているものや続けることが重要な取り組 みを継続していく目標タイプ
- 創出・開発:今までやってきたことのないことに挑戦するための目標タイプ
- 達成基準:設定した目標が達成できたかの判断基準を明確にするステップです。このステップでは、達成基準の明確化が一番重要になります。達成基準を明確にするためには、3つのコツがあるとされています。
- 数値による定量的な基準
- 状態を表す定性的な基準
- スケジュールによる基準
- 期限設定:設定した目標をいつまでに達成するかの期限を設定するステップです。自分自身の状態や、目標の難易度に応じて適切な基準を設定しましょう。
- 達成計画:設定した目標を達成するために、具体的な行動計画を設定するステップです。
三点セット法|ベーシック法で物足りない時におすすめ
三点セット法では、ベーシック法と同様に目標設定の基本を抑えることができます。ただ、三点セット法はベーシック法をさらに深ぼった内容となっているため、ベーシック法では物足りない人におすすめします。
三点セット法では、以下の手順に沿って目標設定が行われます。
1. テーマ
まずは、大まかな目標そのものを何にするのかを決めていきましょう。後のステップでこの大まかな目標を具体化していくため、この段階では抽象的なもので構いません。もし良いテーマがなかなか思いつかない場合は、「業務はどのように行われるべきであるか」「業務を行う上で最も大切にするべきことは何か」「最も周りに迷惑をかけてしまう業務上の失敗は何か」などについて自問自答してみると、テーマが自然と見えてくるでしょう。
2. 達成基準
「このような状態になったら目標達成」という達成基準を明確にしていきます。実際に達成できたかどうかを評価しやすくするために、可能な限り具体化・数値化することを意識しましょう。ただし、「〜〜0%を達成する」「〇〇を100%にする」などの0か100かというものにしてしまうと、達成難易度が非常に高くなってしまいます。そのため、目標によっては「〇〇の状態にする」というような、「目指したい状態」と上手く組み合わせると良いでしょう。
3. 達成手段
このステップでは、目標達成レベルに到達するためには、「具体的に何をすれば良いか」を明確にすることを目的としています。ポイントとして、「今の時期に最優先でやるべきこと」と「やっておいた方が良いこと」を分けてリストアップすることが大切です。そうすることで、時期に合わせた達成手段の設定が可能となり、より効果的な行動計画を策定できるでしょう。
ランクアップ法|目標設定を自己成長につなげたい人におすすめ
ランクアップ法は、「飛躍的な自己成長につながる目標設定の流れ」を知りたい人におすすめのフレームワークです。ランクアップ法とは、あと少し努力すれば実現できそうな目標である「ストレッチ目標」を設定することで、常に社員の自己成長を促すフレームワークです。
ランクアップ法では、以下の6要素から目標項目を考えていきます。
- 改善:課題を解決できる目標
- 代行:自分より熟練度が高い人の代行ができるようになる目標
- 研究:テーマについて研究する目標
- 多様化:さまざまな分野・業界の知識やスキルを習得する目標
- ノウハウの普及:習得したノウハウを第三者に伝えられる目標
- プロ化:自分のスキルをプロレベルにする目標
まずは、自身の課題を改善するための目標を設定し、次に上司や先輩などの「自分より高いレベルにいる人」の仕事を代行することで、自身のレベルアップを図っていきます。さらに、目標達成するために必要な様々なスキルを研究・習得することで、飛躍的な自己成長を目指します。自身がレベルアップしたら、後輩や部下などに自分のノウハウを伝承させていき、自分自身のスキルをプロレベルまで持っていきましょう。
KPIツリー|中間目標を可視化したい人におすすめ
KPIツリーは、「最終目標しか設定できていないがために、部下のモチベーション・エンゲージメントが低下している」という悩みを抱えている上司におすすめのフレームワークです。KPIツリーとは、最終目標(KGI)達成までの中間目標(KPI)を可視化するフレームワークです。KPIを設定することで、「KGIを達成するためには、複数のKPIを追っていけば良い」という様に、目標達成までの道筋を明確に捉えることができます。
例えば、営業部で「売上1000万」というKGIが設定されていた場合、KPIに「新規顧客売上300万」、サブKPIに「新規受注数15件」、サブサブKPIに「月間商談数50件、月間架電数1000件」といった、KPIツリー(ロジックツリー)を作ることができるでしょう。このように、「KGIが幹、KPIが枝となるような階層構造」を作ることで、「中間地点であるKPIに到達しなければ、最終地点であるKGIまでは到達できない」という認識を社員に持たせることができます。その結果、最終目標達成に向けて社員に取ってほしいアクションを誘導できるでしょう。
ベンチマーク法|明確に目指すべき競合やロールモデルがいる人におすすめ
次は「ベンチマーク法」です。「ベンチマーク」という言葉には、「指標・基準」という意味があります。ベンチマーク法は、自分が目標とすることをすでに達成している他者を指標にして、模倣する方法です。
ベンチマーキング法による目標設定の具体的な流れは、以下の通りです。
- ベンチマークの設定
- ベンチマーク、つまり指標とする人を決めます。ベンチマークとなる人は、自分に実現可能な範囲で、可能な限り身近な人の中から選びます。
- 対象の人についての情報収集・分析
- ベンチマークとなる人に関する情報を収集します。そして、収集した情報を分析し、その人にはあって自分に足りない点を考察します。
- 目標の設定
- 自分が持つ課題を把握できたら、その課題を克服するための目標を設定します。目標は、ベンチマークとなる人と自分との差を縮める目標を立てましょう。
- 検証
- ベンチマークとなる人と自分の差がどの程度埋められたか、といった観点から、取り組みの結果を考察しましょう。
「ベンチマーク法」は、チーム内の他の人などモデルとなる人を特定して、目標設定する方法です。上司と部下間で、理想の人を共有したりして、部下のその時点のモデルを明らかにして設定していくと良いでしょう。
マンダラチャート|9×9のマスを使って大谷翔平流で思考を整理したい人におすすめ
マンダラチャートとは、9×9の81マスに自身の夢・目標を書き出し、思考・発想を視覚的に整理する目標設定のフレームワークです。
このフレームワークは、メジャーリーガー大谷翔平選手が高校時代に活用していたことで、一躍注目されました。大谷翔平選手の高校生時代の夢は「8球団からドラフト1位指名を受ける」でした。この夢を実現するために、「メンタル」「運」「人間性」「体作り」など、夢の実現のために必要な要素を8つに分解し、さらにそれらの要素を成し遂げるためにやるべきことを64個書き出しました。この際に大谷選手が使ったのがマンダラチャートです。
なお、マンダラチャートは以下の手順で活用されます。
- 縦3マス×横3マスのマス目を書き、中心に目標を書く
- 目標を書いたマスの周りのマスに、その目標を達成するために必要な要素を8つ記入する
- それぞれの要素を中心とした周りのマスに、要素を実現するためにやるべきことを8つずつ記入する
マンダラチャートを作成することで、物事を分解して整理できるため、目標達成に向けた新しいアイデアが生まれやすくなります。目標達成のために「今、自分がやるべき事」が可視化・明確化されていない人におすすめのフレームワークです。
3C分析|市場感を把握した上での目標設定におすすめ
3C分析は、特に市場感を把握する必要のある急成長市場に属している企業での目標設定におすすめなフレームワークです。3C分析とは、Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの視点で企業を取り巻く環境を分析するフレームワークです。顧客ニーズや競合の動きなどの市場分析を行うことで、自社の強みや弱みを明確にすることができます。そして、自社が「どの様な課題を抱えており、どの様な改善をするべきか」を考えながら目標設定を行うことで、会社全体の目標がより具体的で細かなものとなるでしょう。
3C分析の手順は以下の通りです。
- 顧客・市場分析
- 例:「1年で〇〇市場の総売上が何%アップした」
- 競合分析
- 例:「競合A社が〇〇という課題に対して、対策として××に取り組んだ結果、売上が何%伸びた」「競合B社が急成長市場である〇〇で新規事業を立ち上げた結果、売上が何%伸びた」
- 自社分析
- 例:「競合Cは急激な市場変化への対策として〇〇に取り組み、売上を伸ばしているのに対し、自社では対策が甘いために売上が低下傾向にある」
- 目標設定
- 自社分析で明らかとなった課題に対しての改善策を考えながら目標設定を行う。
SWOT分析|強みを活かした目標設定の際におすすめ
SWOT分析とは、自社の外部環境と内部環境を「Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)」の4つの要素で要因分析することで、既存事業の改善点や伸ばすべきポイント、新規事業の将来的なリスクなどを見つけることができるフレームワークです。
また、分析の際には「外部環境(Opportunity(機会)・Threat(脅威))」を分析し、「内部環境(Strength(強み)・Weakness(弱み)」を分析すると良いでしょう。
それぞれの項目の具体例は以下の通りです。
- Strength(強み)・Weakness(弱み)
- 認知度やブランド力、インフラ、価格や品質、資源、立地、サービス、技術力など他社と比較しての強み・弱みを分類すると良いでしょう。
- Opportunity(機会)・Threat(脅威)
- 市場規模や成長性など、競合の状況、景気や経済状況、政治の状況、法律などを「Opportunity(機会)」はプラス要因、「Threat(脅威)」はマイナス要因を記述すると良いでしょう。
MBO|評価と絡めた目標設定をしたい方におすすめ
MBO(目標管理制度)は、評価と絡めた目標設定をしたい方におすすめのフレームワークです。MBOとは、1954年に経営学者ビーター・ドラッカーによって提唱されたマネジメント手法です。この手法の特徴は、「自律的に自身の目標や役割を判断し、目標達成に向けて自主的に行動する」ことを、社員一人ひとりが実践していくことです。そして、目標の達成度・成果を振り返ります。この目標達成度が、各社員の人事評価につながっていきます。
MBO(目標管理制度)の実施手順は以下の通りです。
- 目標設定
- 社員一人ひとりが主体となって、それぞれ個人目標を設定していきましょう。しかしながら、いきなり個人目標から立ててしまうと、会社の根幹である組織目標の達成に貢献しない目標になってしまうリスクがあります。そのため、まずは組織目標や部門目標、チーム目標をメンバー全体に共有してから個人目標を考えてもらう様にしましょう。そうすることで、個人目標の達成度で各社員の人事評価を決めやすくなります。
- 目標達成のための手段・行動計画
- 目標達成に向けた手段・行動計画を決めていきましょう。ポイントとして、5W1Hを具体的に決めることで、実際の業務で迷いが生じないように注意しましょう。また、定量化・数値化できるものは、数値目標を定めると良いでしょう。そうすることで、進捗状況が可視化され、目標達成度を評価しやすくなります。
- 計画の実行
- 立てた計画を実行していきましょう。各社員に任せきりにするのではなく、定期的に進捗を確認し、必要に応じてサポートを提供することが大切です。ここでは、定期的に上司・部下で週に1回〜月に1回ほどの頻度で面談(いわゆる1on1ミーティング)を導入することをおすすめします。
- 評価と振り返り
- まず部下自身で目標達成度やアクションを自己評価し、その後に上司から部下へ評価を伝えます。ポイントとして、評価結果を伝えるだけではなく、「評価期間中の取り組み」を一緒に振り返ることが大切です。そうすることで、部下の評価結果に対する納得度が上がり、「経験を学びに変える」ことができます。
1on1ミーティングとは
1on1ミーティングとは週に1回30分や、隔週に1回30分といった短いサイクルでリーダーとメンバーが定期的に1対1で話す施策のことです。
1on1ミーティングを実施することで、上記のMBOサイクルを高頻度で回すといった「目標の進捗管理を高頻度でできる」ことができるようになります。目標達成に苦戦しているメンバーの状態をいち早くキャッチアップして、サポートすることで目標達成に向けたアクションをきちんと取れるようになります。
また、1on1の中で「今、目標達成をするためには何を重要視するべきだと思う?」「今の売り上げの状況とあなたの状態を教えて」などの質問に答えて行く中で、メンバー自身が「目標達成のためにどんな情報を把握しておくべきなのか?」「目標達成のためにどんな方法を検討、実施していけばいいのか?」ということを自身で考えて実行できるようになってくるため、部下の成長を促進させることも出来ます。
このように1on1ミーティングで目標の進捗確認などを実施することで、会社全体の目標達成力の向上が期待できます。
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OKR|MBOよりもストレッチの効いた目標設定をしたい方におすすめ
OKRとは、「Objectives and Key Results」の略で、日本語に訳すと「共通の目標と主要な結果指標」という意味になります。
OKRは、インテル社の元CEOアンディ・グローブが、ドラッカーのMBOを「ストレッチな目標設定手法」にアレンジしたものです。MBOが「目標を100%達成」が基本なのに対し、OKRは「目標を70%達成」を目指します。そのため、各社員は一見達成が非現実的な目標に挑戦でき、予想していた成果・達成度よりも大きく上回った結果を出すことが可能になるのです。
このフレームワークは、MBOよりもストレッチの効いた目標設定を行うことで、自身の限界を打破したい人におすすめです。
目標設定の注意点
ここでは、目標設定の注意点を解説します。
- 従業員・会社・マネージャー3方よしになる目標設定をする
- ギリギリ達成できるくらいの目標にする
- 目標を評価に反映させる
従業員・会社・マネージャー3方よしになる目標設定をする
目標設定の注意点の1つ目として、従業員・会社・マネージャー3方よしになる目標設定を心がけましょう。マネージャーの意見を一方的に押し付けてしまうと、従業員から不満が出てきてしまうでしょう。さらに、部門目標や個人目標は会社の組織目標達成のために存在するため、会社全体としての目標から逸れてもいけません。だから、従業員・会社・マネージャー、3つの立場の意見を目標設定に取り入れる必要があるのです。
以下で、3方よしになる目標例をいくつか紹介します。
従業員のキャリア成長目標
- 目標
- 従業員Aがプロジェクトマネージャーとしてのスキルを向上させる。
- 従業員の利益
- スキルアップによりキャリアの進展と昇進の可能性が高まる。
- 会社の利益
- 高度なプロジェクトマネジメントスキルを持つ従業員が増えることで、プロジェクトの成功率が上がる。
- マネージャーの利益
- 管理するチームの能力が向上し、マネージャーの評価も向上する。
顧客満足度向上目標
- 目標
- 顧客対応時間を平均10分短縮し、顧客満足度を5%向上させる。
- 従業員の利益
- 効果的な顧客対応スキルを習得し、個人の評価が向上する。
- 会社の利益
- 顧客満足度の向上により、顧客のリピート率が上がり、売上が増加する。
- マネージャーの利益
- 部下の成果が顕著になり、部門全体の評価が上がる。
ギリギリ達成できるくらいの目標にする
目標設定の注意点の2つ目として、ギリギリ達成できるくらいの目標を設定する様にしましょう。目標がメンバー本人の能力では明らかに達成不可能な場合、「努力したところで達成はできないだろう」と始める前から目標達成を諦めてしまうことがほとんどです。
その一方で、目標が本人のレベルにしては簡単すぎる場合、「精一杯努力しなくても目標達成できるから少しくらい怠けてもいいだろう」と考えてしまい、目標設定の本来の目的である「モチベーションの向上」が叶わなくなってしまうリスクがあります。そのため、設定する目標は、各メンバーに合った達成難易度のものであることが重要です。
しかしながら、各メンバーの能力に合った目標を、初めから100%正確に設定することはなかなかできないものです。そんなときは、ミニマム目標とマックス目標を考えてみて、その中間を目標として設定することをおすすめします。
ある研究では、このマックスとミニマムの中間を目標としたグループと、この様なことは考えずにただ目標を立てた2グループに分けて、どちらが目標達成をする割合が大きかったか?という実験を行いました。
その研究結果は、「マックスとミニマムを考えて目標を立てたグループの方が目標を達成する割合が大きかった」となりました。これは、「人の予測が甘くなりがちなことを防ぎ、最低限できる事を考えた結果である」と結論づけられました。以上のことから、メンバーに最適な目標を上手く立てられていないリーダーは、メンバーのマックス目標・ミニマム目標をまずは考えてみると良いでしょう。
目標を評価に反映させる
目標設定の注意点の3つ目として、目標を評価に反映させましょう。あしたのチームが2018年11月に実施した「企業の人事評価制度の構築・運用に関するインターネット調査」によると、「人事評価制度の運用面での課題は?」という質問に対して、企業の39%が「目標設定の曖昧さ」と回答しました。
この課題は、目標を設定する際に人事評価を考慮していないことが原因で生じ、最終的に「社員の人事評価に対する不満」につながってしまいます。そこで、「目標達成は人事評価を上げるためのもの」「この評価は個人目標達成度が反映されたもの」という認識を社員に持たせることで、個人目標が評価ベースで作られる様にになるでしょう。その結果、人事評価に納得してくれる社員数の増加が期待できます。
またポイントとして、数量的・定量的な目標が評価基準として設定されているかを確認しましょう。そうすることで、具体的に「いつまでに何をすることが期待されているのか」が明確になり、自分のパフォーマンスを客観的に評価できます。この客観的な評価を通じて、「自分には何が足りなかったのか」を把握することができ、人事評価への納得度がさらに高まることでしょう。
まとめ
本記事で紹介したように、各フレームワークには特徴があるため、自分自身がいる業界や会社に合っているフレームワークを見つけることが大切です。
適切なフレームワークをいきなり見つけることは難しいため、いくつかお試しで活用してみるのも手かもしれません。実際に目標設定を行う際には、「従業員・会社・マネージャー3方よしになる目標設定をする」「ギリギリ達成できるくらいの目標にする」「目標を評価に反映させる」を意識してください。本記事が、少しでも自社の目標設定に役立てば幸いです。
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