目次
エース社員とは
エース社員とは、他社員に比べパフォーマンスが高い社員のことであり「どこでも通用する優秀な人」であるといえるでしょう。
周囲からも信頼され、売り上げも高いエース社員は、まさに会社を引っ張る中心人物といえます。ところが、そんなエース社員が突然離職してしまうケースが増えているといわれています。
エース社員の離職は想像以上に会社に大きなデメリットをもたらします。本記事では、エース社員の離職理由や、引き止める方法について詳しく解説します。
エース社員が突然離職する背景
エース社員が突然離職する背景として、離職の意思を周りに相談しないことが挙げられます。
エース社員は優秀で会社の売り上げを引っ張る存在であるため、離職の意思表示をすると周囲が引き止めることは明らかです。エース社員は、周囲に相談しても引き止められることを自覚しているため、あえて周りに相談をしない選択をします。
さらに、エース社員はその優秀な能力ゆえに、他社からのヘッドハンティングなど転職市場からの需要も高いため、転職先に困ることがありません。そのため、周囲からは「突然離職してしまった」と感じるケースが多いといえるでしょう。
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エース社員が辞める会社の特徴
では、エース社員が辞める会社にはどのような特徴があるのでしょうか。
本パートでは3つの特徴について解説します。
タテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーションが少ない
組織よりも「個」が重視される時代に移り変わる今、以前に比べ会社への帰属意識が希薄になってきていると言われています。
会社に所属し続けることが当たり前ではなくなった現代において、それでもなお、社員の帰属意識を醸成するためには「タテ・ヨコ・ナナメ」の関係作りが必要です。
- タテ = 上司、経営トップ
- ヨコ = 同僚、同期
- ナナメ = 他部署の上司
エース社員が辞めてしまう会社の特徴はこうした多方向のコミュニケーションが少ないことが特徴として挙げられます。
さらに、社員同士のコミュニケーションの内容が業務内容のみになってしまっている場合、より一層帰属意識は生まれづらい環境と言えるでしょう。
こうしたコミュニケーションの方向性、質が低い組織は、エース社員が退職しやすい環境となってしまっています。
イノベーションへの取り組みが少ない
既成概念にとらわれずこれまでの手法から脱却したり、新規事業を立ち上げたりと、新しいことへチャレンジする風土がないことは、エース社員のモチベーションを下げてしまう大きな要因となっています。
前提として、日本経済は大きくグローバル化し、人材の流動化が年々加速しています。どの会社でも活躍できるであろうエース社員を報酬だけで留めておくことは非常に難しくなってきていると言えるでしょう。
働く意味が「お金を稼ぐこと」や「安定」から、「やりがい」や「自己実現」へ大きく変化した今、社内にイノベーションへの取り組みがあるかないかはエース社員のモチベーションに大きく影響します。
現状維持、試行錯誤がない組織に、エース社員が留まる理由が少なくなってきている事実は把握しておきましょう。
評価制度が整っていない
エース社員は仕事ができるからこそ、多くの仕事を任されている傾向にあります。
また、任されている仕事だけでなく、役割が明確でない仕事に関しても積極的に処理しているケースも多くあるでしょう。
こうした、会社に対して有益な行動や姿勢など、数字以外の会社の貢献度を、しっかりと評価できているかはエース社員の定着に大きな影響を与えます。
エンバイトが2018年にサイト登録者を対象に行なった「退職を考えたきっかけ」では、エース社員が該当するであろう25〜35歳の41%が「給与の低さ」を退職理由に挙げています。
このように、仕事量に見合った評価をしっかりとできていない会社はエース社員が定着しない組織となってしまいます。
エース社員の離職要因
エース社員の離職要因は、会社の経営方針や意思決定に対する不満から発生することがあります。
エース社員の離職を防ぎ、会社に長期的に貢献してもらうためには、経営層とエース社員の間でしっかりとコミュニケーションが取れていることが重要です。
ここでは、エース社員の離職要因について詳しく解説します。
経営者に対する不満
エース社員の離職要因1つ目は、経営者に対する不満です。
エース社員は人よりも多くの業務量を担っているため、業務全体の方向性に対する当事者意識をもっています。
そのため、経営者の仕事の決定や方針に賛同できない場合、エース社員はモチベーションが下がってしまうといえるでしょう。
リクナビNEXTが公表している「転職理由と退職理由の本音ランキングBest10」によると、転職理由の1位として「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」がランクインしています。
それほど、上司や経営者の仕事の進め方や方針がエース社員のモチベーションに与える影響は大きいといえます。
評価に対する不満
エース社員の離職要因2つ目は、評価に対する不満です。
効率的に仕事を進められるエース社員は、他の社員と比べ多くの業務を担っています。
多くの業務を任されているにもかかわらず、相応の評価がされなければ「自分の頑張りを見てくれていない」と感じ、業務へのやる気が低下してしまうでしょう。
エース社員の業務量とその成果を踏まえた上で、エース社員が納得する評価を行うことが必要です。
革新的な取り組みが少ない
エース社員の離職要因3つ目は、革新的な取り組みが少ないことです。
エース社員は仕事に対して意欲的であるため、革新的な取り組みに関心がある場合があります。
例えば、組織の意思決定が遅かったり、古い規則から変化することが難しい状態であれば、エース社員は転職を考え始める恐れがあるでしょう。
エース社員のモチベーションを維持するためには、社会の動向に対して柔軟に対応できる組織であることが重要です。
会社の方針や社風が合わないため
エース社員の離職要因4つ目は、会社の方針や社風が合わないことです。
エース社員は業務量が多く、責任ある業務を任されることが多いため、会社の方針に誰よりも当事者意識をもっています。
そのため、会社の方針に賛同できなければ、業務そのものの意義を見出せなくなってしまう恐れがあるでしょう。エース社員が業務に対してどのような思いを抱いているのかをまずは把握することが大切です。
キャリアアップのため
エース社員の離職要因5つ目は、自身のキャリアアップのためです。
エース社員は上昇志向で、組織の目標達成だけでなく、自分の成長も常に考えています。また、キャリアアップと同時に、現在よりも高い役職につくことで給料を上げたいという目的もあるでしょう。
そのため、現在の会社で自分自身のスキルや給料が伸ばせないと感じてしまうと、転職を考え始めてしまいます。
エース社員の退職がもたらす悪影響
エース社員の離職は、他の従業員へも大きな悪影響を及ぼし、結果として企業の業績に悪影響を及ぼします。
ここでは、エース社員の退職がもたらす影響について詳しく解説します。
業務の生産性が下がる
エース社員がもたらす悪影響として、会社全体の生産性が下がることが考えられます。
エース社員は業務の中核を担っているため、エース社員に依存している場合生産性が低下してしまいます。
また、エース社員は長期的な難しい業務を任されていることが多いです。
そのため、エース社員が離職してしまうと、職場が回らなくなってしまう恐れがあります。
残された社員の負担が増える
エース社員がもたらす悪影響として、残された社員の負担増加が懸念されるでしょう。
エース社員が抱えている業務は多く、かつ重要性が高いことがほとんとです。エース社員が退職すると、エース社員が抱えていた業務がその分他の社員に任されてしまいます。
たとえ引き継ぎ資料ができていたとしても、引き継ぎ業務を任せられる部下の育成ができていない場合、突然の離職に伴い残された社員の負担はますます大きくなるでしょう。
ロールモデルとなる人材がいなくなる
会社で長期にわたって活躍していたエース社員が離職してしまうことで、会社にとってロールモデルとなる人材がいなくなってしまいます。
ロールモデルの人材がいなければ、部下や新入社員が仕事を通してどの様に成長していけるのか想像しにくくなってしまいます。
能力やスキルで尊敬できるエース社員が離職してしまうことで、他の従業員のモチベーションは大きく低下してしまうと考えられるでしょう。
離職が連鎖する
離職連鎖のきっかけは、多くの場合ある1人の従業員の離職です。会社に対して少しでも負の感情を抱いていた場合、他者の離職をきっかけにやめようと決心することにつながるからです。
そして、そのきっかけとなる人物がエース社員の様な会社のキーマンであるほど、離職連鎖が発生しやすくなってしまいます。
不満をあまり抱いていなかった場合でも、会社の業績や経営方針に大きく関係していたエース社員が離職することで、会社の状況が良くないのではないかと感じ、離職を検討し始める場合もあるでしょう。
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エース社員が辞める予兆
エース社員は、周囲から引き止められることを防ぐために、相談せず突然退職するケースが多いと述べました。
しかし、エース社員の離職にもなにかしらの予兆があります。ここでは、エース社員の離職予兆について解説します。
会議での発言が減った
エース社員が辞める予兆の1つ目は、会議での発言が減ることが挙げられます。
エース社員は、業務の大方を担う人材として、会議でも積極的に発言をしています。
そのため、会議での発言が減るということは、自分が業務に今後携わらないことを見据えて、当事者意識が薄れているということであると考えられるでしょう。
小さなミスが増えた
エース社員が辞める予兆の2つ目は、これまではなかったような小さなミスが増えることが挙げられます。
小さなミスが増えるということは、目の前の仕事に集中できていないということです。
これまでには無かったようなミスが見られる場合は、転職について悩んでいたり、会社の業務に不満を抱えている可能性があります。
引継ぎの準備を始めた
エース社員が辞める予兆の3つ目は、自分が辞めた後のことを見据えて引き継ぎの準備を始めることが考えられます。
エース社員は自分が抱えている業務量の多さや難しさを認識しています。
エース社員は責任感が強いため、自分が居なくなっても職場が回る様に引き継ぎをしっかりと準備すると考えられるでしょう。
業務以外のコミュニケーションが減った
これまでのコミュニケーションの質と量に変化がある場合は何かしらの不満やストレスを抱えてしまっています。
以前は、仕事以外の会話も多くしていたにもかかわらず、業務内のみのコミュニケーションへと変化した場合は、社内のメンバーに対しての信頼感の減少や会社への帰属意識の低下の現れと言えるでしょう。
出社、退社時間が変わった
これまでに比べ、就業時間ギリギリに出社するようになったり、定時ですぐに退社するようになった場合は注意が必要です。
このようにエース社員の「変化」を人事や上司がいち早くキャッチできるかは非常に重要となります。
エース社員の離職防止対策
エース社員の離職は会社に大きな損失をもたらします。
では、どうしたらエース社員の離職を防止できるのでしょうか。ここでは、エース社員の離職を防止する具体的な方法について解説します。
会社の方針とエース社員のビジョンをすり合わせる
エース社員の離職防止策1つ目は、会社の方針とエース社員のビジョンをすり合わせることです。
エース社員は、業務量や業務の責任が大きい分、仕事の意義を感じなくなってしまうと人一倍モチベーションが低下してしまいます。エース社員のビジョンが会社の方針に沿っていることで、エース社員は当事者意識を持って仕事に取り組み続けることができます。
そのため、エース社員のビジョンを定期的にヒアリングし、会社の方針とずれがないか確認することが必要です。
具体的には、1on1や人事評価面談や、さらには普段の業務上でも適切なフィードバックを行うことで、社員と綿密にコミュニケーションをとっていくことが大事でしょう。
エース社員への評価を見直す
エース社員の離職防止策2つ目は、エース社員に適切な評価が与えられているか評価を見直すことです。
仕事で成果を上げた社員に対し、人事が評価して待遇に反映する環境を整えることは非常に重要です。仕事への貢献度が昇進や昇給として反映されない制度は不満につながります。
そのため、エース社員の努力をしっかりと評価できるような制度設計や社員の努力過程を可視化する仕組みが必要です。
従業員に適切な評価をするために活用できる離職防止ツールを知りたい方は下記の記事をご覧ください。
エース社員の裁量を見直す
エース社員の離職防止策3つ目は、エース社員の裁量を見直すことです。
エース社員は能力が高いため、他の従業員よりも仕事が集中する傾向にあります。しかし、業務の負担が増えているばかりで仕事の裁量が与えられていないければ、エース社員のやる気は低下してしまいます。
エース社員の業務量をみなおすとともに、裁量を与えることも重要です。エース社員を「会社の次世代リーダー」として、裁量を与えていきましょう。
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エース社員を引き止める方法
エース社員の離職は会社に大きな損失をもたらすため、できれば会社に留まってもらいたいと考えるはずです。
ここでは、エース社員の離職を引き止める適切な方法について解説します。
退職理由を受け入れる
エース社員の離職を引き止めたい場合、まずは相手の退職理由をしっかりと受け入れる必要があります。
もちろん、エース社員が不在となってしまうことによる組織への悪影響を考えると、どうしてもエース社員を引き止めたくなるでしょう。
しかし、組織全体の利益ばかりを優先してしまうと、エース社員は「自分のことを理解してくれていない」と感じてしまうかもしれません。まずはエース社員の退職理由を受け入れることが大切です。
迅速な対応を心がける
エース社員の離職を引き止めるには、迅速に相談に応じるようにしましょう。
エース社員から退職の意思表示をされるにあたって、レスポンスや相談対応が遅れてしまうと、エース社員の離職意志はどんどん強まってしまいます。
エース社員のことを大切な人材と認識していることを示すためにも、優先順位を高く対応するようにしましょう。
サポートできる部分を提示する
エース社員の離職理由を、受け止めた後は、それを踏まえて改善できる部分の提案を迅速に行いましょう。
例えば、エース社員の評価の見直しや、業務量の見直し、業務における裁量を与えるなど、社内にとどまってもらうために改善できる箇所は多くあるはずです。
エース社員が不満を解消した上で、働き続けてもらうための提案を、できるだけ早く柔軟に示せるようにしましょう。
まとめ
エース社員が離職すると、会社には多くの損失がもたらされます。会社を引っ張るエース社員がモチベーション高く仕事に取り組めるよう、今一度、エース社員への対応や評価を見直しましょう。
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