企業文化を形成する3つの柱とは?競争優位性を生む目的・コミュニティ・成長環境

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企業文化を形成する3つの柱とは?競争優位性を生む目的・コミュニティ・成長環境

企業文化とは

企業文化とは、企業における、従業員同士の交流、規範、行動が総合されたものです。

企業文化は、従業員が有意義な仕事体験を得るための手段でもあります。

近年、社員たちはリーダーや企業に対して、過去数十年間とは全く異なるニーズや期待を持っています。

私たちはもはや、企業に対して、単に1週間のうち5日間だけ仕事をして、給料をもらえればいいとは思っていません。

私たちは企業に対して、自分たちの成長を助け、自分たちの信念や目的に沿ったものにしてほしいと考えています。

この傾向は、新型コロナウイルスの大流行により、多くの人がリモートワークへの移行を余儀なくされていることから、ますます顕著になっています。


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企業文化を形成する3つの柱とは

多くの人が、仕事に真摯に取り組むために求めているのは、「目的」「コミュニティ」「成長」という3つの要素です。

本パートでは、企業文化を形成する3つの要素を詳しく解説していきます。

組織の目的・ミッション

組織の目的やミッションは、働く社員の人生に意味を与えるものです。

毎日ベッドから起きる理由であり、人生の大半を過ごす理由でもあります。

人は大人になってから、起きている時間のほとんどを仕事に費やし、自分の仕事をするのはそのためです。

私たちがキャリアに意味を見出すには、自分の目的と仕事での過ごし方に明確な関連性を見出すことが必要です。

目的が一致すれば、会社や社会全体への貢献を理解する手段となります。

この意味があるからこそ、私たちは日々の仕事に全力で取り組み、献身的になれる理由であり、人間の最も基本的な欲求の1つである「自分が重要であると感じたい」という欲求を満たすものです。

これは利己的に聞こえるかもしれませんし、ある意味ではそうなのですが、だからといって悪いことではありません。

何か素晴らしいことをするために向けることができますし、人々が世界を助け、影響を与えると信じる会社で素晴らしい仕事をするために向けることもできます。

注意すべき点は、「正しく」「誰にでも当てはまる」目的というものは存在しないという事です。

ある人にとっては、世界中のあらゆる人々がきれいな水を飲めるようにするための技術を開発することを社会的使命としている会社で働くことを意味するかもしれません。

また、世界中の何百万人もの人々の職場でのコミュニケーションを変革した企業で働くことを意味する人もいるでしょう。

成功をどのように定義するかにかかわらず、自分の仕事が重要であり、誰かに貢献できることを知ることは、従業員にとって非常に重要です。

だからこそ、それを認識し、尊重し、話し合うことは、会社を作ることを考える上で非常に価値のあることなのです。

したがって、会社の目的を明確にし、それを社員の目的とどのように結びつけるかが、リーダーの役割の最も重要な側面の一つだと言えるでしょう。

このことは、当たり前のことのように思えるかもしれませんが、必ずしも簡単なことではありません。

まず、会社の目的、つまり、なぜ我々が存在しているのか、なぜ我々が存在し続けるべきなのかを明確にすることは、議論の余地があり、困難な作業となります。

私たちのミッションは何か?私たちの製品は誰のためのものか?自分たちの製品は誰のためのものなのか、自分たちは世界にどんな影響を与えたいのか。

そして、このミッションを継続的に社内に浸透させ、メッセージを絶えず思い出させ、強化していくという課題があります。

しばしば、ビジネスの運営面での話をするか、感情・情緒面での話をするかの選択をしなければなりません。

多くの場合、経営者やマネージャーは前者に傾き、後者に十分な時間を割くことができません。

しかし、リーダーが組織の感情的繋がりやミッションを確立し、維持することができれば、社員はそれをエネルギーとして使うことができます。

彼らは物語を共有し、会社が何を支持しているかについて情熱的に語り、個人的な教訓を共有し、そしてもちろん、業務上の目標を達成するために、より多くの主体的な努力をするでしょう。

コミュニティとしての機能

次にコミュニティとしての機能ですが、これは従業員が信頼、強いコミュニケーション、尊敬、平等、協力を見出している小グループ、チーム、あるいは組織全体で構成されています。

社内のコミュニティが充実していると、集団の努力が増幅され、個人では作り出せないような、より大きな、より良いものを作ることができます。

従業員は共通の目標や使命のために立ち、グループの各メンバーは進歩のために貢献することを望んでおり、この目的やアイデンティティを共有することで、強い関係が形成されます。

このように、コミュニティと目的は密接に結びついており、互いに影響し合い、社員同士の距離を縮めています。

帰属意識を持つことで、メンバーは自分が最も大切にしていることへのパフォーマンスや献身を高めるモチベーションを得ることができます。

今日、社員にとってコミュニティは非常に重要ですが、それには2つの理由があります。

第1に、会社が社員の生活の中でより重要な役割を果たすようになったことで、仕事上の関係がより強固になり、近所付き合いや家族といった「伝統的」なコミュニティの重要性が低下したことが考えられます。

第2に、インターネットやテクノロジーの台頭により、世界がよりグローバル化し、その結果、都市、国家、地域が人々にとって重要ではなくなってきたということも考えられます。

いずれにしても、今日の社員は職場でのコミュニティを強く求めており、何かの一部になりたいと考えているのです。

コミュニティは人間の基本的な欲求であり、職場はこれまで以上にその役割を果たしています。

だからこそ、社内のコミュニティづくりは、非常に重要であるということをリーダーは知っておく必要があります。

コミュニティは、多くの意味で最も困難な時期に築かれるものであり、何か困難なことがあっても、それを一緒に乗り越えられるような信頼関係が生まれる瞬間があります。

会社のコミュニティや社員が必要としているものを考えるとき、それはお祝いやパーティーだけを意味するものではありません。

むしろ、コミュニティづくりに求められるのは、お互いの意思や目的を再確認するような困難な瞬間のことです。

従業員の成長する環境

このような目的意識とコミュニティは、従業員の成長を促すのにも役立ちます。

多くの企業では、従業員が自分のキャリアの方向性を決める手助けをすることはほとんどありません。

多くの企業は、日々の業務に注意を払い、大局的かつ中長期的な視点を欠いており、長期的に成功を収めることはできないでしょう。

困ったことに、多くのマネージャーは、時間に追われて各従業員の目標、強み、改善点などを考える余裕がないか、どこから手をつけてよいかわからないことが多いのです。

重点的に取り組むべき分野は、各従業員にとって非常に個人的なものであり、画一的なガイドラインに従うことはできません。

従業員とマネジャーが協力して、明確で個別のキャリア開発プランを構築し、各人が自分の進むべき道を明確にイメージできるようにすることが重要です。

しかし、必要なのは個人の成長だけではなく、組織の成長でもあります。

成長する環境があるからこそ、文化を強くする他のすべての要素が可能になるのです。

成長は、従業員が新しい責任、新しい役割、そして新しい問題に挑戦するための土壌を提供し、人々が成長せずにはいられない環境、それが素晴らしい企業文化を実現します。

もちろん、成長にはさまざまな意味がありますが、その核心は、改善と進歩の追求です。

「目的・ミッション」とは、自分が取り組んでいることが重要であることを知ること、つまり、自分が貢献していることを知ることであり、自分の仕事が他の人々の生活を向上させていることを知ることです。

そして、「コミュニティ」とは、同じ目的と進歩に向けて働くグループの一員であるという帰属意識です。

これらの要素の組み合わせが、人々が仕事に求めるものです。

企業文化は、成功した意義あるビジネスのこれらの柱を実現するために使用する手段です。

強い企業文化を持つ企業は、そうでない企業と同じ課題に直面していますが、これらの3つの要素を企業文化に組み込むことで、課題を乗り越えることが容易になり、従業員が高いモチベーションを保つ事に成功しています。

2020年のビジネス環境の特徴は、「不確実性」でしたが、1年先はおろか、3ヶ月先も不透明な状況で、経営者やマネージャーはどうすれば難しい判斷を下せるのでしょうか?

リモートワークに全面的にシフトするのか、事業を縮小するのか。これらの決断は決して容易なものではありませんが、将来があまりにも漠然としている場合は、特に決断の難しさは増す事になるでしょう。

そこで、あなたの会社の価値観が重要になります。

会社の価値観は、意思決定の拠り所であり、何もないところに少なくともある程度の明快さを与える安定した力となります。

しかし、経営陣やマネージャーにとっては、強い文化の価値は必ずしも分かりにくいかもしれません。

従業員が幸せであることは確かに重要ですが、健全な利益を得るために組織の効率性と同じくらい重要なことでしょうか?

しかし、強い文化を持つということは、単に会社で働く人々が充実感を得て、目的意識やコミュニティ、自己成長を楽しむことだけではありません。

文化や価値観を優先することは、どんなビジネスにも重要な戦略的恩恵をもたらし、組織をより効率的で軽快なものにします。

例えば、優れた文化は自己回復力があり、有機的に成長をする一方で、組織文化が不健全な企業では、政治や社内のいざこざなど、さまざまなことに悩まされがちです。

組織文化がしっかりしている企業は、このような非効率な要素がなく、適応して前進することが容易になり、成功する企業とそうでない企業を分けてきました。

そして、新型コロナウィルスの流行により、ニューノーマル等の概念が登場し、ビジネスの常識が大きく変わろうとしている今、会社が進化する能力はこれまで以上に重要になってきています。

もちろん、従業員が共通の目的のために団結し、コミュニティ意識を育み、成長を促すような文化を持っていたとしても、新たな課題から組織を守ることはできません。

成長が困難な時期でも、企業はコミュニティとしての結束を強め、共通の目的に向かってより一層努力することで乗り切ることが出来るでしょう。

まとめ

企業は毎年、市場戦略と製品戦略の計画と策定に多くの時間を費やしていますが、なぜ人材戦略の策定に同じことをしないのでしょうか?

経営者やマネージャーにとって、企業がどのように従業員と関わっていくかだけでなく、どのように目標を達成していくかを計画することが重要です。

会社を人財中心の組織文化に変革し、高いパフォーマンスを発揮する健全な文化を構築・維持する事を始めましょう。