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人事評価制度の課題・問題点とは?エンゲージメントを高める解決方法・成功事例

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人事評価制度の課題・問題点とは?エンゲージメントを高める解決方法・成功事例

多くの企業で導入されている人事評価制度は、社員の能力や成果を適切に評価し、社員の業務に対するモチベーションを上げるために非常に重要です。

また、昨今では厚生労働省から生産性向上のための人材評価制度整備に助成金が設けられるなど、国単位でもその注目度の高さがうかがえます。

しかし、その評価の仕方の適切さに疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

実際に、アデコ株式会社が実施した「『人事評価制度』に関する意識調査」のデータを見てみましょう。

「自分が適切に評価を行えていると思いますか。」という質問に対し、8割近い人が「そう思う」、「どちらかというとそう思う」と回答したものの、「そう思う」とした回答者は2割未満にとどまっています。

このことから、自信をもって自身の評価が適切だといいきれる評価者は限られていることがわかります。

アデコ株式会社 「『人事評価制度』に関する意識調査」 https://www.adeccogroup.jp/power-of-work/062 

本記事では、そんな疑問の原因となる人事評価制度の課題・問題点を挙げ、その解決法や実際の成功事例を紹介していきます。

人事評価制度の課題・問題点

では、現在とられている人事評価制度の多くにはどのような問題点があるのでしょうか。

ここではまず、人事評価制度における問題点を4つに分けて紹介します。

1. 評価基準に問題がある

1つめの問題点は、「評価基準が適切でない」という点です。

具体的には下記の様なものが例として挙げられるでしょう。

  • 評価者の人柄や能力に依存してしまう
  • 相対評価により、評価が周りのレベルによって変わってしまう
  • 評価基準が曖昧で、何をもとに評価されているのかがわからない
  • 評価者からのフィードバックがなく、何をもとに評価されたのかがわかからない

評価基準が適切でなければ、評価に対する社員の納得度は低くなってしまい、モチベーションの低下など社員に悪い影響を及ぼすことになります。

2. 外部環境の変化に対応できていない

2つめの問題点は、「評価基準が社会などの外部環境の変化に対応できていない」という点です。

「VUCA」の時代とも呼ばれる現代においては、あらゆる環境が目まぐるしく変わります。これは人事評価においても例外ではなく、その時々によって「会社にとって何が求められ、優先されるべきか」に関しても変化していきます。

会社が社員に対して求めることと実際の評価基準が乖離してしまっては、評価に対する納得度は低下してしまいます。

3. 評価が待遇に結びつかない

3つめの問題点は、「評価が直接待遇に結びつかない」という点です。

一時の人事評価の上昇をすぐに昇給や昇格といった待遇の変化に反映させることは難しいとはいえ、継続的に評価が高かった場合に待遇が変わっていなければ、社員のモチベーションは低下してしまいます。

人事評価を社員のモチベーションにつなげるために、評価の待遇への反映は必須といえます。

人事評価制度の課題・問題点に対する解決方法

前述した問題点に対して、どのような方法をとればそれらを解決できるのでしょうか。

ここでは、人事評価制度の課題・問題点に対する解決方法を7つに分けて解説します。

1. 企業の目標を明確にし、評価基準に反映させる

「評価基準に問題がある」という問題点に対して、明確な企業の目標を人事評価基準に反映させることが有効な解決法の一つです。

企業の目標と人事評価基準をリンクさせることにより、会社の生産性の向上と人事評価の上昇を紐づけることができます。

また、それによって個人における評価基準の達成と会社の成長が結びつき、結果的にモチベーションの維持・向上につながるのです。

2. 評価基準を社員に事前に認知させておく

「評価基準に問題がある」という問題点に対しての解決法の一つとして、評価基準を事前に認知させておくことも有効な解決法の一つです。

仮に評価基準が変わった時に、評価基準を事前に社員が知っておけば、期間内に自分が生み出した成果と評価がずれることは起こりにくくなります。

社員にとって、自分の成果が直接評価と結びつくことはモチベーションの維持に不可欠です。

3. フィードバックを適切に行う

「評価基準に問題がある」という問題点に対する解決法として、評価に関する上長からのフィードバックを適切に行うことも有効な解決方法です。

具体的には、評価を下すのと同時に、どのような観点からその評価になったのかというような細かい評価プロセスを明らかにするという形です。

人事評価基準のみでは納得できなかった社員の自分自身への評価も、その具体的なプロセスを明らかにすることで納得感は格段に上がるのです。

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4.ツールを利用する

「評価基準に問題がある」という問題点を解消するために、ツールの利用も効果的です。

定量的な評価基準であれば、ツールの利用によってその達成度を可視化し、それが共有することによって、下された評価に対する納得感を高めることができます。

5. 独自の評価制度を導入する

「社会の変化に対応できていない」という問題点に対して、その企業の規模や風土に応じた独自の評価制度を導入することは有効な解決法の一つです。

会社の成長や外部環境の変化によって社員それぞれに求められる役割や成果が変わっていっても、独自に作成した評価制度を導入していれば、それを軸にして変化に合わせた修正が可能です。

これにより、長期的に適切かつ社員に戸惑いの少ない評価制度にできます。

6. 評価制度が適切かレビューする機会を設ける

「社会の変化に対応できていない」という問題点に対して、運用している人事評価制度が適切なものかを見直す機会を設けることも有効な解決法の一つです。

外部環境の変化に応じて評価の基準を見直すことにより、常に最適に近い人事評価制度に保つことができます。

また、これは人員配置などの内部環境の変化への適応にも有効です。様々な変化への適応のために、制度の見直しは定期的に行うべきでしょう。

7. 第三者の意見を取り入れる

前述したすべての問題点に対して有効な解決方法が、人事評価制度の作成・修正において社外の第三者の意見を取り入れることです。

社外の第三者は、社員には持ちえない客観的な視点を持つことができます。それにより、社員では気づかなかった改善点がみつかることもあるため、第三者の意見を取り入れることは有効であるといえます。

人事評価制度運用の成功事例

前述した解決法は実際にはどのように利用され、その結果どのように企業全体としての改良がみられたのでしょうか。

ここでは、株式会社メルカリとGMOインターネット株式会社の2社を成功事例として紹介します。

株式会社メルカリ

株式会社メルカリでは、2015年より目標達成の指標・評価制度としてOKRを導入しました。

具体的には、会社の上のレイヤーで決定された全社OKRを受けて個人のOKRを決定させることで企業と個人の目標を連動させ、ハイレベルに設定したOKRに対するプロセスによる評価を推進しています。

また、個人のOKRについては、マネージャーとの1on1を四半期ごとに実施し、そこでOKRを設定します。

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さらに、マネージャー同士で「キャリプレーションMTG」を実施し、各マネージャーの評価が妥当かどうかを確認することにより、全社的に公正な評価を実現しています。

出典:OKRのリアルなハナシ ~(株)メルカリの場合~ |DIO https://wevox.io/media/mercari-story/ 

GMOインターネット株式会社

GMOインターネット株式会社では、人事評価制度として役割等級制度を導入しています。役割・等級をオープンにし、一人ひとりがその役割・等級を担っているかを客観的に判断することで、人事評価として待遇が決まる仕組みになっているのです。

また、その客観的判断のために360度評価を導入しています。360度評価ツールの導入によって評価結果をスピーディーに集め、かつ短期間で評価・反映を行っています。

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これにより、人事部の負担低減や公正な人事評価に結びつけられたというものです。

出典:導入事例|360度評価支援システム https://360do.jp/case_studies/view/1 

まとめ

本記事では、人事評価制度の3つの問題点と、その解決法としての7つの方法を紹介しました。

前述のように、様々なことが変化する現代において、全社に共通する人事評価制度の正解はありません。また、そのときには最適であっても、5年後も同じ制度が最適であるとはいえません。

社内の状況や会社をとりまくあらゆる環境の変化に対応し、最適な人事評価制度を運用し続けるために、本記事での課題や解決法を参考にしてみてはいかがでしょうか。

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