▼ この記事の内容
人事評価の目標設定は、職種別の例文を写すだけでは不十分です。成果・行動・期限・評価基準をそろえ、NG目標をSMARTで添削すると、期末評価と面談で説明しやすくなります。目標数を絞り、期中レビューで追える粒度まで落とすことが判断条件になります。
人事評価の目標は、主要成果に直結するものを3個前後に絞ると運用しやすくなります。目標数を増やすより、成果目標と行動目標を分け、期中レビューで追える粒度にし、評価者と本人が同じ証跡を確認できる状態にすることが判断条件です。
目標設定例を探す場面では、職種別の例文をそのまま使いたくなります。しかし、成果物や期限、評価基準が曖昧なままだと、期末面談で説明できる根拠が不足します。
この記事では、職種別の目標例を出発点に、NG目標をOK目標へ直すSMART添削法と、面談・期中レビューまで運用する考え方を整理します。
読み終えるころには、部下や自社の目標案を評価できる文面へ直せます。目標管理シートに落とし込む判断軸も持てるはずです。
職種別の目標例を、自社の評価シートに落とし込む型を確認できます。
カンタンに効果的な目標管理を実現するテンプレート集を無料公開中!
>>無料で『目標管理シートテンプレート集』をダウンロードする
目次
人事評価で使いやすい目標設定例
人事評価の目標設定例は、職種ごとに成果・行動・期限・評価基準を分けると使いやすくなります。例文を写す前に、期末評価で何を見れば達成と言えるかをそろえることが判断条件です。
営業職は売上目標を行動KPIに分解する
営業職の目標は、売上だけでなく商談数・提案件数・受注率などの行動KPIへ分けると評価しやすくなります。結果と行動を分けることで、期中レビューで支援点も見える設計です。
売上だけを目標にすると、担当エリアや既存顧客の差で評価がぶれます。KGIを売上、KPIを商談化率や提案件数に分けると、本人が動かせる範囲を確認できます。
目標例は「担当顧客への提案機会を毎月設定し、重点商品の受注につながる商談を増やす」です。評価基準には、商談化の有無、提案内容、期限内の行動記録を置くと確認しやすくなります。
| NG目標 | OK目標 | 評価で見る点 |
|---|---|---|
| 売上を伸ばす | 重点顧客への提案機会を毎月設定し、受注につながる商談を増やす | 提案機会、商談化、受注への接続 |
| 新規開拓を頑張る | 対象業界を決め、初回接点から商談化までの行動を週次で記録する | 対象選定、接点数、商談化率 |
営業職では、結果目標だけでなく行動目標も置くと、未達時の振り返りが具体化します。商材や役割でKPIは変わるため、評価者は本人が動かせる行動に絞って確認します。
この職種群では、成果物の提出先と利用場面まで決めておきます。期末には、作成した資料や改善案がどの会議・業務で使われたかを確認します。
事務職は品質と期限で成果を示す
事務職の目標は、処理件数だけでなく品質と期限を入れると評価しやすくなります。単純な件数目標に寄せすぎると、差し戻しや確認漏れを見落とすためです。
バックオフィス業務は成果が見えにくいため、完了物と締切を先に決めます。品質はミスの有無だけでなく、差し戻し理由や確認工程まで残すと評価材料になります。
目標例は「月次資料を締切前に提出し、差し戻し内容を記録して翌月の確認手順へ反映する」です。評価基準には、提出期限、差し戻し内容、手順への反映状況を置きます。
| 職種 | OK目標 | 評価で見る点 |
|---|---|---|
| 総務 | 備品申請の受付から手配までを期限内に完了し、未処理理由を週次で共有する | 期限、未処理理由、共有状況 |
| 経理 | 月次締め処理の確認項目を更新し、差し戻し内容を翌月の手順へ反映する | 確認項目、差し戻し、改善反映 |
事務職の評価では、早さだけを見ると品質が下がるおそれがあります。期限と品質を同じ目標文に入れると、評価者は処理量と安定性を分けて見られます。
運用へ落とし込む際は、開始条件、確認担当、利用する記録を一つずつ決めます。判断の前提を文書化しておけば、担当者が変わっても同じ基準で見直せます。
人事・企画・専門職は成果物と改善貢献で示す
人事・企画・専門職の目標は、専門性そのものではなく成果物と改善貢献に変換すると評価しやすくなります。評価者が確認するのは、完成物、期限、利用された状態です。
専門職の目標で「制度を改善する」「企画力を高める」と書くと、期末に評価根拠が不足します。成果物の名称、提出先、反映条件を置くと、本人の貢献範囲が明確になります。
たとえば人事なら「評価項目の見直し案を作成し、管理職からの確認結果を反映して期初面談前に共有する」です。企画職なら「施策案を検証し、結果と次回判断を月次会議で報告する」と書けます。
| 職種 | OK目標 | 評価で見る点 |
|---|---|---|
| 人事 | 評価項目の見直し案を作成し、管理職からの確認結果を反映する | 成果物、確認結果、反映状況 |
| 企画 | 施策案を検証し、結果と次回判断を月次会議で報告する | 検証内容、報告内容、判断材料 |
| 専門職 | 主要業務の手順書を更新し、関係部署からの確認依頼を月末までに反映する | 成果物、反映期限、利用状態 |
人事や専門職の目標は、本人の努力ではなく、組織が使える成果物に変換すると評価しやすくなります。弊社が支援した評価制度運用の整理でも、成果物と改善貢献を分けることで評価者の確認観点がそろいました。
運用へ落とし込む際は、開始条件、確認担当、利用する記録を一つずつ決めます。判断の前提を文書化しておくと、担当者が変わっても同じ基準で見直しやすくなります。
管理職はチーム成果と育成目標を分ける
管理職の目標は、チーム成果と育成目標を分けて書くと評価しやすくなります。個人の売上や作業量だけで見ると、マネジメント行動が評価から抜けます。
管理職には、部門目標の達成だけでなく、部下の目標設定、進捗確認、育成支援も求められます。人事評価では、チーム成果と育成行動を同じ文に詰め込まず、評価基準を分けます。
目標例は「チームの重点目標を期初に合意し、月次で進捗と障害を確認して支援策を更新する」です。評価基準には、目標合意の記録、1on1での確認内容、支援策の更新状況を置きます。
| NG目標 | OK目標 | 評価で見る点 |
|---|---|---|
| チームを成長させる | メンバーごとの目標を期初に合意し、月次で進捗と支援内容を更新する | 目標合意、進捗確認、支援内容 |
| 部下を育てる | 担当メンバーの課題を面談で確認し、次回までの行動を合意して記録する | 面談記録、合意内容、行動の変化 |
管理職の目標では、プレイヤー成果だけを高く評価すると育成行動が後回しになります。職種別の例を把握した後は、目標文を評価基準に変える書き方を確認すると、期末評価で説明しやすくなります。
運用へ落とし込む際は、開始条件、確認担当、利用する記録を一つずつ決めます。判断の前提を記録しておけば、担当者が変わった場合も共通の基準で見直せます。
評価しやすい目標の書き方
評価しやすい目標は、成果・行動・期限・評価方法が一文の中で確認できる目標です。SMARTは制度名ではなく、目標文の不足を点検する確認表として使います。
SMARTは評価基準をそろえる確認表として使う
SMARTは人事評価制度ではなく、目標文に具体性・測定方法・期限・妥当性があるかを確認する表です。評価者は人事評価の目標設定で確認される具体性や測定可能性を順番に点検し、評価基準のずれを減らします。
SMARTの各項目を埋める目的は、きれいな目標文を作ることではありません。期末に何を見て達成と判断するかを、本人と評価者の間でそろえることです。
管理職ごとに目標の粒度がばらつく場合は、SMARTを添削時の共通言語にします。人事評価の目標設定で納得感を高める考え方も合わせて確認すると、総論とのつながりを整理できます。
| SMART項目 | 確認すること | 目標文への反映例 |
|---|---|---|
| Specific | 対象業務や成果物が明確か | 月次レポートを作成する |
| Measurable | 達成判断の材料があるか | 提出期限と差し戻し内容を記録する |
| Achievable | 本人の役割で実行できるか | 担当範囲内の改善に絞る |
| Relevant | 評価項目や部門目標とつながるか | 部門の重点課題に接続する |
| Time-bound | 確認時期が決まっているか | 四半期末までに完了する |
参考:人事評価の目標設定で確認される具体性や測定可能性|One人事
表で点検すると、曖昧な目標の弱点が見えやすくなります。特に定性目標では、測定方法と期限を補うだけで、評価面談で確認する材料が増えます。
運用へ落とし込む際は、開始条件、確認担当、利用する記録を一つずつ決めます。判断の前提を記録すれば、担当者の交代後も同じ基準で見直せます。
成果目標と行動目標を分けて書く
成果目標と行動目標を分けると、期末に結果とプロセスを混同せず評価できます。成果は到達点、行動は本人が期中に実行する取り組みとして書くものです。
成果目標だけに寄せると、外部要因で未達になったときに評価根拠が弱くなります。行動目標だけに寄せると、作業量は増えても成果への接続が見えにくくなります。
事務職なら、成果目標は「月次資料の差し戻しを減らす」です。行動目標は「確認項目を更新し、差し戻し理由を翌月の手順へ反映する」と分けます。
- 成果目標: 期末に確認する到達点を書く
- 行動目標: 本人が期中に実行する行動を書く
- 評価材料: 記録、成果物、確認結果を残す
目標は作って終わりではなく、評価時に何を成果として見るかまでそろえる必要があります。成果と行動を分けると、上司は支援すべき点も早めに判断できます。
期限と観察方法まで明記する
期限と観察方法がない目標は、期末評価で根拠が弱くなります。いつまでに、何を見て、誰が確認するかを目標文に入れると評価しやすくなります。
「改善する」「意識する」のような表現は、本人の努力を否定しにくい一方で評価材料が残りません。期限と観察方法を足すと、進捗確認のタイミングも決まります。
よくある直し方は「顧客対応を改善する」を「四半期末までに問い合わせ対応手順を更新し、差し戻し理由を月次で確認する」へ変える方法です。これなら成果物、期限、観察方法がそろいます。
期初面談で部下の目標案が抽象的すぎる場合でも、いきなり書き直す必要はありません。評価者は、成果物、期限、確認方法の順に質問すると、本人案を残しながら具体化できます。
期限と観察方法まで書けると、次はNG目標をOK目標へ直す添削がしやすくなります。曖昧な表現を成果物や行動頻度へ置き換えると、評価できる目標に近づきます。
NG目標をOK目標に直す失敗パターン
NG目標は、本人の意欲が低いから生まれるとは限りません。成果物、行動頻度、達成条件のどれかが抜けていると、人事評価で確認できない目標になります。
目標設定の添削では、抽象表現を責めるより、評価者と本人が同じ基準で見られる言葉へ置き換えるのが有効です。期初に直しておくと、評価面談で説明する根拠を残しやすくなります。
抽象的な目標は成果物に置き換える
抽象的な目標は、評価できる成果物に置き換えると人事評価で扱いやすくなります。「改善する」「強化する」「貢献する」だけでは、期末に何を見ればよいかが曖昧です。
営業職なら、顧客理解を深めるではなく、重点顧客ごとの課題整理資料を作成するのように直します。人事職なら、採用力を高めるではなく、面接評価シートの改訂案を提出するなど、成果物を指定します。
添削時は、目標文の中に提出物、完了物、変更後の状態が入っているかを見ます。本人の姿勢を評価したい場合でも、評価者が確認できる資料や業務結果へ落とす必要があります。
抽象目標を成果物へ直すときは、次のように表現を変えると判断しやすくなります。
【目標添削例】
抽象目標を直すときは、本人の姿勢ではなく、期末に残る成果物・変更後の状態・確認期限を先に決めます。評価者が確認できる材料に置き換えることで、本人案を否定せずに評価可能な目標へ近づけられます。
| NG目標 | OK目標 | 評価できる理由 |
|---|---|---|
| 顧客対応力を高める | 主要顧客の問い合わせ内容を分類し、月末までに改善提案を提出する | 対象、成果物、期限が確認できます |
| 採用活動に貢献する | 面接評価シートの記入項目を見直し、次回選考から使用する改訂案を作成する | 貢献内容が成果物として残ります |
| 業務改善を進める | 請求処理の差し戻し理由を集計し、四半期内に削減案を実行する | 改善前後を確認しやすくなります |
表のように、抽象語をそのまま残さず、何を作るか、何を変えるか、いつ確認するかを入れますが、成果物が見えれば、次の努力目標も行動へ直しやすくなります。運用へ落とし込む際は、開始条件、確認担当、利用する記録を一つずつ決めます。判断の前提を記録しておけば、担当者が変わっても共通の基準で見直せます。
努力目標は行動頻度に直す
努力目標は、実行頻度や提出物へ直すと確認しやすくなります。「頑張る」「意識する」「積極的に取り組む」だけでは、評価者が行動の有無を判断できません。
事務職なら、ミスを減らすよう努力するではなく、毎週金曜にチェックリストで処理漏れを確認するのように直します。管理職なら、部下育成に力を入れるではなく、月2回の1on1で目標進捗と障害を記録するなど、頻度を入れます。
頻度を入れると、評価が気合いや印象に寄りにくくなります。ただし、回数だけを増やしても成果につながらない場合があるため、行動の目的も同じ文に入れる必要があります。
添削では、行動、頻度、確認方法の3点をそろえると、目標文の粒度が安定します。努力を否定せず、努力が業務上どの行動として表れるかを言語化することが論点です。
行動頻度が決まると、高すぎる目標も段階に分けて調整しやすくなります。運用では、開始条件、確認担当、利用する記録を一つずつ決めます。
高すぎる目標は達成条件を分ける
高すぎる目標は、基準値と挑戦値を分けると納得感を保ちやすくなります。すべてを必達目標にすると、本人が最初から達成不能だと感じ、期中レビューも形だけになりがちです。
売上目標であれば、最低達成ライン、標準達成ライン、挑戦ラインを分けて書きます。企画職であれば、提案書の提出、関係者合意、施策実行後の振り返りを段階に分けると、進捗を確認しやすくなります。
高い目標を置くこと自体は悪くありません、問題は、未達時に何を評価するのか、どこまで到達すれば標準評価なのかが決まっていないことです。基準値を分けると甘い目標になると感じる方は多いです。しかし、挑戦値を評価不利益に直結させず、標準ラインと追加挑戦を分けるほうが、本人の挑戦行動を残しやすくなります。
NG目標をOK目標へ直す型があると、管理職ごとのばらつきを抑えやすくなります。高すぎる目標や曖昧な目標を、そのまま期末に持ち越さないための整理に使えます。
カンタンに効果的な目標管理を実現するテンプレート集を無料公開中!
>>無料で『目標管理シートテンプレート集』をダウンロードする
運用へ落とし込む際は、開始条件、確認担当、利用する記録を一つずつ決めます。判断の前提を明文化すれば、担当者が変わった後も同じ基準で見直せます。
目標設定前に確認すべき項目
目標設定前には、評価項目、職務範囲、成果、行動、期限、管理職間の粒度を確認する必要があります。事前確認を省くと、例文を使っても期末評価で説明しにくくなります。
評価項目と職務範囲を確認する
目標設定前に評価項目と職務範囲を確認すると、職務外の目標を避けやすくなります。本人に期待する役割と評価制度上の項目を先に照合するためです。
営業事務に新規開拓件数を置くような目標は、職務範囲とずれる場合があります。本人が管理できない成果を置くと、期末評価で納得感が弱くなります。
職務範囲が曖昧な場合は、目標文を作る前に人事と上長で役割を確認します。評価項目と職務のずれを解消してから、成果と行動の設計へ進むと無理が減ります。
成果・行動・期限の整合を確認する
成果、行動、期限を先にそろえると、例文を自社の評価シートへ移しやすくなります。成果だけ、行動だけ、期限だけの目標は評価材料として不足します。
確認項目は、目指す成果、本人が実行する行動、確認する期限、評価者が見る証跡です。この4点がそろうと、目標管理シートへ転記しても意味が崩れにくくなります。
期限だけを決めても、何を達成とみなすかは明確になりません。成果と行動の接続を確認しておくと、管理職間の粒度合わせもしやすくなります。
管理職間で目標の粒度を合わせる
管理職間で目標の粒度を合わせると、部門ごとの評価ばらつきを抑えやすくなります。同じ等級や職種で、目標の細かさが大きく違わないか確認します。
ある部署は数値と期限まで書き、別部署は姿勢だけを書く状態では、公平な人事評価が難しくなります。人事担当者は、代表例を数件見比べて粒度差を確認します。
全職種を同じ数値基準へ寄せすぎる必要はありません。職務に合う成果、行動、証跡をそろえることで、定性業務の目標設定にも進みやすくなります。
定性業務の目標設定方法
定性業務の目標設定は、数値化を無理に進めるより、品質、前後差、行動証跡に分けると評価しやすくなります。人事評価では、成果そのものが見えにくい仕事ほど、何を見て判断するかを先に決める必要があります。
定性目標は、次のように評価軸を分けると、職種や担当者によるばらつきを抑えやすくなります。
| 業務例 | 評価軸 | NG目標 | OK目標 | 観察方法 |
|---|---|---|---|---|
| 問い合わせ対応 | 品質 | 丁寧に対応する | 対応後の差し戻しを減らし、回答基準に沿って処理する | 差し戻し件数とレビュー記録 |
| 業務改善 | 前後差 | 業務を効率化する | 月次処理の手順を見直し、作業時間や確認回数の変化を記録する | 改善前後の手順と所要時間 |
| 育成支援 | 行動証跡 | 後輩を育成する | 週次でレビューを行い、指摘内容と改善状況を記録する | 面談メモとレビュー履歴 |
表の要点は、定性業務を数値だけで評価しないことです。品質や行動の証跡を残すと、期末の評価面談で説明できる材料がそろいます。
品質はチェック基準で測る
定性業務の品質は、良し悪しを感覚で決めず、チェック基準に分けると評価しやすくなります。事務職や総務職では、期限内処理、差し戻し、確認漏れなどを基準に置くのが現実的です。
本人案を直す場面では、丁寧さや正確さを否定するのではなく、何を見れば品質が高いと言えるかを一緒に決めます。問い合わせ対応なら、回答速度だけでなく、再確認の少なさや回答基準への適合も評価材料になります。
品質基準は、多くしすぎると管理職も本人も運用できません。最初は重要な確認項目を二つから三つに絞り、期中レビューで記録できる形にすると、次の改善活動にもつなげやすくなります。
改善活動は前後差で評価する
改善活動の目標は、実施したことではなく、改善前後の差分を残すと成果として説明しやすくなります。業務フロー、確認回数、処理時間、差し戻し内容など、変化を比べられる材料を決めます。
よくあるNG目標は、業務改善に取り組むという書き方です。OK目標では、月次集計の手順を見直し、確認回数を減らすなど、改善対象と観察方法をそろえます。
外部要因が大きい成果は、前後差だけで評価すると不公平になりやすいです。その場合は、改善案の提出、関係者への説明、試行後の見直しなど、本人が動かせる行動も合わせて見ます。
協働や育成は行動証跡を残す
協働や育成の目標は、印象評価にせず、行動証跡を残すことで評価材料になります。レビュー記録、面談メモ、引き継ぎ資料、フィードバック履歴などを残すと、本人の貢献を説明しやすくなります。
ここでは、協働や育成の支援内容を時系列で残す記録を『協働育成ログ』と呼びます。誰に、いつ、何を支援し、相手の業務がどう変わったかを残すと、見えにくい支援行動を評価基準へ近づけられます。
協働や育成は、人間関係の良し悪しだけで評価しないことが大切です。行動証跡をそろえると、次の目標設定面談で本人案と評価者の期待値をすり合わせやすくなります。
目標設定面談で確認する質問
目標設定面談では、本人案の成果物、評価者の期待値、期中の見直し条件を順番に確認します。質問で具体化すると、部下の案を否定せずに評価できる目標へ近づけられます。
本人案の成果物を確認する質問
本人案が抽象的な場合は、最初に成果物を確認すると具体化しやすくなります。何を作るか、何が変わるか、誰が確認するかを質問で引き出します。
部下が「業務改善に取り組みます」と書いてきた場合、評価者がすぐに修正案を出すと押し付けに見えます。面談では、本人が考える完了物や改善後の状態を先に言語化します。
- 期末に何が残っていれば達成と判断できますか。
- 成果物は資料、手順、記録、数値のどれで確認しますか。
- 本人だけで完了できる範囲はどこまでですか。
質問の目的は、本人案を採点することではありません。明らかに職務外の目標は修正しつつ、本人が動かせる成果物へ落とすことで、面談後の合意内容が評価に使いやすくなります。
評価者の期待値をすり合わせる質問
評価者の期待値は、目標文に入れる前に面談で言葉にすると期末のずれを減らせます。期待する水準、優先順位、評価基準を質問でそろえます。
よくあるずれは、本人が「提出すれば達成」と考え、評価者は「現場で使われる状態まで」を期待している場面です。コチームが重視する1on1では、目標設定後に行動記録、期中レビューの論点、評価者と本人の認識差を短い周期で確認します。
早い段階でずれを拾うと、期末面談で初めて期待値を説明する状態を防げます。期待値のすり合わせは、一方的な条件提示ではなく、本人の役割と評価者の期待を合わせる作業です。
- 標準評価と高評価の違いは何で判断しますか。
- この目標で最も優先する成果は何ですか。
- どの状態になれば期待水準を満たしたと言えますか。
水準が言語化できると、期中レビューで見るべき変化も決めやすくなります。
期中の見直し条件を決める質問
期中の見直し条件は、目標設定面談の時点で決めておくと環境変化に対応しやすくなります。変更してよい条件と、変えずに追う条件を分けます。
案件数、担当範囲、人員体制が大きく変わる職場では、期初の目標がそのまま使えない場合があります。ただし頻繁に変えすぎると評価基準が揺れるため、見直しの条件を先に合意します。
- どの状況になったら目標を見直しますか。
- 見直す場合、成果、行動、期限のどれを変更しますか。
- 変更理由はどの記録に残しますか。
見直し条件を決めると、未達の言い訳ではなく、前提変化への対応として扱えます。面談で合意した内容は目標管理シートに残し、次のセクションで扱う期中運用へつなげます。
カンタンに効果的な目標管理を実現するテンプレート集を無料公開中!
>>無料で『目標管理シートテンプレート集』をダウンロードする
期末評価まで目標を運用する方法
人事評価の目標は、期初に決めた文面を保存するだけでは機能しません。目標管理シート、1on1、期中レビュー、評価面談をつなぐと、評価時に説明できる根拠が残ります。
目標管理シートに更新履歴を残す
目標管理シートは、目標文だけでなく変更理由、進捗、次の確認事項を残すために使います。例文を実際のシートへ落とす流れは、目標管理シートで運用する書き方を確認すると整理しやすくなります。
【運用チェック】
更新履歴には、変更した目標文、変更理由、確認した面談日、次回までの行動を残します。シートに残す情報を絞ると、期末評価前に根拠を探し直す負担を減らせます。
期初に決めた目標が期末まで使われない不安がある場合は、まず更新履歴を残す型をそろえるのが現実的です。目標例を自社の評価シートへ落とす入口として、こちらを参照できます。
1on1で進捗と障害を確認する
1on1では、目標の達成度だけでなく、進捗を止めている障害と支援内容を確認します。評価の場で初めて問題を指摘するより、期中に修正機会を作るほうが運用しやすくなります。
部下が目標から外れた行動を続けている場合、責める前に環境変化や優先順位のずれを確認します。管理職は、本人の努力不足だけでなく、目標そのものが現状に合っているかも見直します。
コチームのように目標管理と1on1を同じ流れで扱う仕組みでは、面談記録と評価材料を分断しにくくなります。ツールの有無にかかわらず、確認した障害と次回までの行動を同じ場所に残すことが判断の前提です。
評価面談前に根拠をそろえる
評価面談前には、目標文、更新履歴、進捗、行動証跡をそろえて確認します。根拠がそろうと、評価者の印象だけで判断したように見えるリスクを下げられます。
定量目標では数値の達成度、定性目標では成果物、品質基準、行動証跡を並べます。メトリクスマネジメントでは、成果指標と行動指標を分けて見るため、目標と評価の接続を説明しやすくなります。
期末直前に材料を集めると、目標変更の経緯や支援の有無が抜けやすくなります。期中レビューと1on1の記録を残しておくと、評価面談では結果だけでなくプロセスも確認できます。
よくある質問
人事評価の目標設定では、目標数、定性業務の扱い、部下とのすり合わせで迷いやすくなります。本文で扱った判断基準を、期初面談で使いやすい短答として整理します。
人事評価の目標は何個が適切ですか
人事評価の目標は、主要成果に直結するものを3個前後に絞るのが現実的です。多すぎる目標は期中レビューで追いきれないため、成果目標と行動目標を分けて優先度を決めます。
数値化できない仕事はどう評価しますか
数値化できない仕事は、無理に件数だけで評価せず、品質基準、期限、行動証跡で補います。定性目標は評価者が確認できる成果物や記録に落とすと、評価面談で説明しやすくなります。
部下の目標が低すぎる場合はどう直しますか
部下の目標が低すぎる場合は、期待役割と達成条件を面談で確認してから修正します。上司の基準を押し付けるのではなく、標準値と挑戦値を分けると合意しやすくなります。具体的な進め方は組織の現状に応じて調整します。
まとめ
人事評価の目標設定例は、職種別に成果・行動・期限・評価基準を分けると使いやすくなります。営業職、事務職、専門職、管理職で見るべき成果は異なるため、例文をそのまま写すのではなく、自社の職務範囲に合わせて添削する必要があります。
SMARTは目標文をきれいに整えるためではなく、期末に何を見て達成と判断するかをそろえる確認表です。抽象的な目標は成果物へ、努力目標は行動頻度へ、高すぎる目標は標準値と挑戦値へ分けると、評価者と本人の認識差を減らせます。
目標を期初に作ったまま放置すると、評価面談の直前に根拠を集めることになり、説明の納得感が弱くなります。本人は何を頑張ればよいか分からず、管理職も支援すべき点を見失いやすくなります。
期初の目標が期末評価で使えない状態を防ぐため、目標設定から期中レビューまで同じシートで整理しましょう。担当者個人にとっても、添削・面談・評価準備の手戻りを減らしやすくなります。
※具体的な数値は導入企業の許可を得た範囲で一部加工しています
導入判断の確認項目と具体的な進め方は、以下の資料で詳しく確認できます。
カンタンに効果的な目標管理を実現するテンプレート集を無料公開中!
>>無料で『目標管理シートテンプレート集』をダウンロードする
お役立ち情報
-
全170P超の目標マネジメントパーフェクトガイド近年増えている目標マネジメントへの不安を解消するあらゆる手法やマインドなど目標管理の全てが詰まっている資料になっています。
-
【170P超のマネージャー研修資料を大公開!】マネジメントと1on1って何ですか?「これさえ実践すれば間違いないという具体的なHOW」に焦点をあてて、マネジメントや1on1を実践できる内容となっています。
-
【全260スライド超】メンバーの成長・マネジメントを最適化させるプロが実践する1on1パーフェクトガイド組織開発・1on1 ・評価の設計運用で 100 社以上の企業に伴走してきた弊社の知見をもとに作成したガイド資料になります。









