人事領域において、自社の課題を解決する際、コンサルタントに依頼しようとする人は多いでしょう。
しかし、人事コンサルタントと聞くと、どうしても「胡散臭い」や「怪しい」といったイメージを持つ人も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、なぜ人事コンサルタントは胡散臭いと思われてしまうのかや、怪しいコンサルタントの特徴、コンサルタントの選び方やポイントなどを解説します。
目次
そもそも人事コンサルタントとは
そもそも人事コンサルタントとは、どのような仕事を行うのでしょうか。
組織・人事コンサルタントとは、課題を抱えている企業に対し、人事領域の改善策を提案し実行のサポートを行う仕事を指します。主な仕事内容として、情報収集を行い人事課題を分析し、人事採用、人材育成、人事・評価制度の構築や設計、組織の風土改革など、さまざまな視点から、原因解明と解決策の提案を行います。
人事コンサルタントが胡散臭いと思われる理由
本パートでは、人事コンサルタントが胡散臭いと思われる主な理由について解説していきます。
1. コンサルタントの技量を把握できない
人事コンサルタントが胡散臭いと思われる1つ目の理由は「コンサルタントの技量を予め把握できない」ことです。
コンサルタントの実力や能力は、一般的には過去にどのようなプロジェクトに関与してきたかや、どのくらいの成功を収めたかなどを通じて評価されます。
しかし、コンサルタントが実際にどのようなプロジェクトに参加し、どのような成果を出してきたのかを知ることは難しい場合があります。またコンサルタント各個人の専門性を定量的に判断することも難しいため、実際に依頼をし、高額を支払ってコンサルティングが始まらないと、コンサルタントの技量を知ることができません。
リスクの高い買い物になってしまうため、コンサルタントが胡散臭いと思われる原因になってしまいます。
2. 専門サービスの良し悪しを専門外の人が理解することが難しい
人事コンサルタントが胡散臭いと思われる2つ目の理由は「専門サービスの良し悪しを専門外の人が理解することが難しい」ことです。
コンサルタントは専門的なスキルや知識を用いて業務を行います。そのため、専門外の人が、コンサルタントが提供するサービスのクオリティの良し悪しを判断することは困難な場合がほとんどです。
結果、コンサルタントが何をしているのか把握することが難しく、またその困難を利用し粗悪なサービスを提供する悪質なコンサルタントもなかには存在するため、コンサルタントは胡散臭いと思われてしまう原因になります。
3. 公的な資格がいらない
人事コンサルタントが胡散臭いと思われる3つ目の理由は「公的な資格がいらない」ことです。
コンサルタントを名乗る際は、公的な資格を必要としません。つまり「コンサルタントになろう」と思えば誰でもコンサルタントを名乗ることができます。
そのため、中には最適な知識を持ち合わせていないコンサルタントも存在し、また、こういった状況の中で最適なコンサルタントを選ぶことは難しいため、高額を支払ったにもかかわらず成果を得られなかったなどの問題が発生するケースも少なくないでしょう。以上のことから、コンサルタントが胡散臭いと思われてしまう原因に繋がります。
4. 成果や商材を可視化することが難しい
人事コンサルタントが胡散臭いと思われる4つ目の理由は「成果や商材を可視化することが難しい」ことです。
コンサルタントの商材、つまりサービスは、通常、具体的な製品や物理的な成果物ではなく、アドバイスや戦略などの知識ベースのサービスです。このような抽象的な性質のため、コンサルタントが具体的な成果物を提供することが難しい場合があります。
また、コンサルティングの成果は、長期的な変化や改善に関連していることが多いです。しかし、これらの成果は時間の経過とともに現れるため、コンサルタントが直接的な結果を示すことが難しい場合があり、コンサルタントが胡散くさいと思われる原因に繋がります。
5. 専門用語や抽象的な言葉が多くわかりにくい
人事コンサルタントが胡散臭いと思われる5つ目の理由は「専門用語や抽象的な言葉が多くわかりにくい」ことです。
コンサルタントは専門的な知識を扱う分野であるため、コンサルタントの中には、説明の際に専門用語を多用する人も少なくありません。また、抽象的なビジネス用語や、定義が明確でない流行語を使うコンサルタントも存在するため、コンサルタント側が提示する提案に具体性を感じることが難しくなります。
結果、コンサルタントの胡散臭さに繋がってしまうのです。もちろん、顧客側がビジネス用語についてある程度知識を持っていれば円滑に進みやすくなりますが、あえて専門用語や抽象的な言葉を多用し、一方的な説明をして相手を無理やり納得させようとするコンサルタントもいるでしょう。怪しいかどうかの見極めには注意が必要です。
6. 人事領域には終わりがない
人事コンサルタントが胡散臭いと思われる6つ目の理由は「人事領域には終わりがない」ことです。
人事領域は、人々の行動や意識、組織文化などの複雑な人的要素に関連しています。人々の行動や思考は多様で変化しやすいため、特定の問題に対する解決策が1つだけ存在するわけではありません。この複雑さと多様性は、人事コンサルタントが1つの状況や課題に対して完全な解決策を提供することを難しくしていると言えるでしょう。
また、人事領域の課題解決において絶対的な「終わり」はありません。ビジネス環境の変化においても人事領域は都度影響を受けるため、結果としてコンサルタントが胡散臭いと思われる原因に繋がってしまいます。
7. 提示される金額の根拠がわからない
人事コンサルタントが胡散臭いと思われる7つ目の理由は「提示される金額の根拠がわからない」ことです。
前提として、コンサルタントの依頼料は高額なことが多いです。また前述したように、コンサルタントの技量が事前に把握できなかったり、コンサルタントの成果や商材が可視化できないケースがほとんどであり、コンサルタントのサービスや導入効果は、高額な費用を支払った後でなければ判断できません。依頼者側からしてみれば、高額の内訳が不透明であるため、コンサルタントに対し胡散臭いと感じる要因になってしまいます。
怪しい人事コンサルタントの特徴
それでは、実際にどのようなコンサルタントが怪しいのでしょうか。本パートでは、怪しい人事コンサルタントの特徴を解説していきます。以下のような特徴が見られるコンサルタントに遭遇した場合は、慎重に判断し、見極めることが重要です。
1. 詳しい実地調査を行わない
怪しい人事コンサルタントの1つ目の特徴は「詳しい実地調査を行わない」ことです。
人事領域では、現地視察やヒアリング、様々な人事データなどをもとに現状を把握するべきなのにもかかわらず、一部の経営者や人事担当の主観的な話だけを把握し、進めようとするコンサルタントには注意しましょう。
2. 顧客側の話を詳しくヒアリングしない
怪しい人事コンサルタントの2つ目の特徴は「顧客側の話を詳しくヒアリングしない」ことです。
コンサルタントにおいて、顧客の話に耳を傾け相談内容を理解することは、とても重要なことです。ひたすら自分から話をしようとするコンサルタントや、憶測だけで話すコンサルタント、専門用語などを多用し一方的に話を進めようとするコンサルタントには注意しましょう。
3. 定義のはっきりしない言葉を使う
怪しい人事コンサルタントの3つ目の特徴は「定義のはっきりしない言葉を使う」ことです。
定義のはっきりしない言葉や流行り言葉を多用し、その言葉の説明を求めても、抽象的な言葉ではぐらかそうとするコンサルタントには注意しましょう。
4. 根拠のない言い切りや提案をする
怪しい人事コンサルタントの4つ目の特徴は「根拠のない言い切りや提案をする」ことです。
根拠を提示せず「必ず」や「100%」といった言い切りの表現を多用するコンサルタントには注意しましょう。有能なコンサルタントは、課題に対し確実に改善できると主張する場合、明確な根拠を必ず提示します。また、目の前のコンサルティング内容の域を超え、スケールが大きく漠然とした話をするコンサルタントにも注意しましょう。
5.「トレンド」や「一般的」を基に提案をする
怪しい人事コンサルタントの5つ目の特徴は「トレンドや一般的を基に提案をする」ことです。
怪しい人事コンサルタントは、個別の組織の特性や独自の課題を無視して、「一般的」なアプローチを押し付ける傾向があります。また、表面的な知識やトレンドに基づいて提案を行う傾向もありますが、このような提案は特定の組織のニーズや状況には適合していない場合があります。
6. 最初から提示したいソリューション(解決策)が決まっている
怪しい人事コンサルタントの6つ目の特徴は「最初から提示したいソリューションが決まっている」ことです。
初めから提案したいソリューションが決まっており、他にもっと効果的な解決策があったとしても考慮せず、一方的に押し通そうとするコンサルタントは怪しいと言えるでしょう。
7. 高圧的な態度を取る
怪しい人事コンサルタントの7つ目の特徴は「高圧的な態度を取る」ことです。
自身の知識や経験を過度に強調し、他の意見や考えを軽視したり、自己陶酔的な態度を取り、自分のアイデアや提案を絶対的なものとして押し付けようとするコンサルタントには注意しましょう。顧客側のニーズに耳を傾けない場合が多いため、課題解決に至れないケースが多いです。
8. 心理学に知見がない
怪しい人事コンサルタントの8つ目の特徴は「心理学に知見がない」ことです。
人事は、心理学の応用分野とも言われています。人事領域を扱うコンサルタントにおいて、心理学についての知見の有無はとても重要です。心理学は人間の行動や思考、感情などに関する科学的な知識を提供するため、心理学の知見が無いコンサルタントは、適切なアドバイスや戦略を提供することが難しいと言えます。
9. 話が抽象的で、具体性がない
怪しい人事コンサルタントの9つ目の特徴は「話が抽象的で、具体性がない」ことです。
一般論や抽象的なアイデアを提示するだけであり、実際の経験や根拠に基づいた具体的な例を提供することが難しいコンサルタントは怪しいと言えるでしょう。専門用語を乱用したり、抽象的な概念や理論ばかりを話す場合は注意が必要です。
コンサルタント選びのポイント
それでは、悪質なコンサルタントに騙されないために、どのようなことに注意してコンサルタントを選べばいいでしょうか。本パートでは、コンサルタントを選ぶ際のポイントについて解説していきます。
1. 公開されている事前情報を確認する
コンサルタント選びの1つ目のポイントは「公開されている事前情報を確認する」ことです。
まずはホームページやSNS、などに記載されている情報をしっかりと確認しましょう。サービス内容や、料金、専門としている領域、得意分野、導入実績の紹介の有無なども事前に確認することが必要です。また、公的な認定などの安心情報の有無も信頼要素になるので、確認しておきましょう。
2. コンサルタントの実績や顧客企業の実名を確認する
コンサルタント選びの2つ目のポイントは「コンサルタントの実績や顧客企業の実名を確認する」ことです。
コンサルタントの導入実績の確認はとても重要になります。実際にどのような企業に対し、具体的にどのような改善策の提案を行い、どのような成果を提供しているのかを確認しましょう。導入実績記載がなかったり、導入企業の実名や写真の提示が無いコンサルタントは、信頼に足りるとは言えないでしょう。
3. お試し相談などを利用する
コンサルタント選びの3つ目のポイントは「お試し相談などを利用する」ことです。
コンサティングを依頼する場合、まずは有料/無料のお試し相談を利用しましょう。お試し相談でも親身に答えてくれるかどうかや、コンサルタントの対応、説明の明瞭さ、質問に対する回答の適切さなどを注視しましょう。また、お試し相談を利用することで、コンサルタントとの相性やコミュニケーションスタイルを確認することができます。コンサルタントの提案やアプローチが自社のニーズや目標と一致するかどうかを確認することで、契約前のリスク軽減につながります。
コンサルタントに依頼する前に
コンサルタントにただ依頼したからと言って、問題を全て解決できるわけではありません。コンサルタントに依頼をする前に、依頼者側も留意しておくべきことがいくつかあります。
本パートでは、コンサルタントに依頼する前にやっておくべきことについて解説します。
1. 経営理念やビジョンを明確にしておく
コンサルタントに依頼する前の1つ目の注意点は「経営理念やビジョンを明確にしておく」ことです。
まず前提として、企業理念や企業のビジョンを明確にしておく必要があります。経営理念やビジョン、企業が目指したい方向性などが明確でないと、コンサル側も提案の方向性を決められません。また、特に人事領域において、企業理念やビジョンを会社全体に浸透させることはとても重要になります。
コンサルに依頼する前に、まずは企業理念やビジョンを明確化し、全社的に共有を行いましょう。
2. 解決したい課題や、コンサルに依頼する目的を明確かつ具体的にしておく
コンサルタントに依頼する前の2つ目の注意点は「解決したい課題や、コンサルに依頼する目的を明確かつ具体的にしておく」ことです。
コンサルに依頼したからといって、確実に会社の状態が良くなるとは限りません。中には、現状の経営状況を脱却するために、とりあえずコンサルに依頼する人もいるのではないでしょうか?
課題や目的が明確でなく、ただ闇雲にコンサルに依頼してしまうと、コンサル側も専門分野に取り掛かる以前の段階で挫折してしまうため、費用や時間が無駄になってしまう可能性があります。そのため、まず自社が何に対して課題を感じており、どのような問題を解決する必要があるのかを明確にする必要があります。
また、課題に具体性を持たせることも大切です。具体的に何をどのようにしたいかなどのビジョンも用意しておくこともいいでしょう。課題が具体的に明確化されていることでコンサルタント側も最適な提案を行いやすくなります。
3. そもそもコンサルに依頼する必要があるのかを検討する
コンサルタントに依頼する前の3つ目の注意点は「そもそもコンサルに依頼する必要があるのかを検討する」ことです。
もちろんコンサルに依頼することが必要な場合もありますが、自社で解決できる可能性もないとは言い切れません。特に企業規模が大きめで人事担当などの人数が多く、課題解決に人材や時間を割く余裕のある企業などは、自社解決を検討してみてもいいでしょう。
自社が抱えている課題を明確にした上で、解決するために具体的に何をしたらいいかを検討し、計画・実行できそうであれば実施してみるのもおすすめです。
4. 依頼する前に基本的な分野知識を学んでおく
コンサルタントに依頼する前の4つ目の注意点は「依頼する前に基本的な分野知識を学んでおく」ことです。
コンサルに依頼する際、全てをコンサルに丸投げしてしまっては、得られる効果も得られなくなってしまいます。コンサルタントは専門分野を扱うため、専門的な視点から改善策を提案します。もちろん予め専門的な知識をつける必要はありませんが、人事分野についてある程度基本的な知識は持っておきましょう。ある程度の知識がないと、コンサルタントの提案を理解することが難しくなり、コンサル側も単純化した提案や一方的な提案をすることになってしまいます。
5. わからない単語や提案などはすぐに解説や論理的根拠の説明を求める
コンサルタントに依頼する前の5つ目の注意点は「わからない単語や提案などはすぐに解説や論理的根拠の説明を求める」ことです。
コンサルタントは専門的な視点から改善策を提示するため、中には専門用語を多く使うコンサルタントも存在します。わからない単語が出てきた時などは躊躇わず説明を求めましょう。提案についても、論理的根拠の提示を求めるようにしましょう。また、説明を求めた際、抽象的な言葉ではぐらかされてしまう場合もあります。できるだけ具体的でわかりすい説明を求めるようにしましょう。
6. 長く接する
コンサルタントに依頼する前の6つ目の注意点は「長く接する」ことです。
コンサルタントを依頼する際、「いいかも」と思った人にすぐ依頼するのではなく、できるだけ長くその人の発信を観察することが重要です。SNSやブログ、メルマガなど様々な発信媒体をもとにその人の日頃の発信に触れることで、言葉の使い方や人柄、考え方、知識や経験の量などが見えてくるでしょう。観察をすることで、相手との相性や、自社の課題解決に適切かどうかが見えてきます。
まとめ|人事コンサルティングなら株式会社O:(オー)
株式会社O(オー)は、パフォーマンスマネジメントツール「Co:TEAM」を提供している企業です。オーは、離職率改善のコンサルティングに加えて、日々の業務実践をサポートするツールも提供しています。特に管理職のマネジメント向上や離職率改善、人材育成において専門的な知識と経験を持っています。
オーは中小企業に特化しており、離職率の上昇に悩む企業に最適です。1on1や人事評価を通じて、従業員の満足度向上に取り組むことで、平均的に離職率を30%減少させる成果を上げています。企業の成長と従業員の定着を促進するため、オーは独自のアプローチと実績を持っています
- MVV策定ワークショップ
- 1on1研修
- 目標管理
- 評価者研修
- マネジメント研修
などのサービスを中心に提供しています。
お役立ち情報
-
全170P超の目標マネジメントパーフェクトガイド近年増えている目標マネジメントへの不安を解消するあらゆる手法やマインドなど目標管理の全てが詰まっている資料になっています。
-
【100P超のマネージャー研修資料を大公開!】マネジメントと1on1って何ですか?「これさえ実践すれば間違いないという具体的なHOW」に焦点をあてて、マネジメントや1on1を実践できる内容となっています。
-
【全260スライド超】メンバーの成長・マネジメントを最適化させるプロが実践する1on1パーフェクトガイド組織開発・1on1 ・評価の設計運用で 100 社以上の企業に伴走してきた弊社の知見をもとに作成したガイド資料になります。