人事評価のばらつきは、評価者の主観や思い込みが原因となることが少なくありません。そうした人事評価において、公平で効果的な判定を行うために欠かせないのが「甘辛調整」です。
これは、評価者ごとのばらつきを防ぎつつ、従業員のモチベーションを向上させ、組織の成果を最大化するための重要なプロセスです。適切に評価の「甘さ」と「厳しさ」を調整することで、組織全体の運営がよりスムーズに進むようになります。
本記事では、この甘辛調整の具体的な方法や、実際に運用する際のポイントや注意点、おすすめのシステムをご紹介します。本記事を通じて、その必要性や効果的な実施方法について理解を深めていただければ幸いです。
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目次
人事評価における甘辛調整とは?
人事評価における甘辛調整とは、評価調整と言われるもの(時には鉛筆なめなめとも)で「甘い評価」(優しい評価)と「辛い評価」(厳正な評価)とのバランスを取ることを意味します。
具体的には、従業員の業績や能力を従業員の上司が評価した後、必要に応じて経営者や役員、他の評価者を集めて評価を最終決定するために調整するプロセスを指します。
これは、評価そのものを修正するのではなく、評価者ごとの主観的なばらつきを是正し、一貫した基準を確立することを目的としています。
各部門において人材を公正に評価する必要がありますが、評価者の経験やスキルにより、評価にばらつきが生じることは避けられません。このような偏った評価がそのまま残されると、客観性を欠いた評価となり、被評価者である従業員に不満を生む可能性があります。
そのため、評価のばらつきを是正し、公平な評価へと平均化する作業が必要となります。
事前の対策として、評価者研修や基準の明確化によって評価のばらつきを防ぐ努力はされていますが、完全に防止することは困難なため、事後的な調整による対応が必要になります。
これが、人事評価における「甘辛調整」と呼ばれる工程です。
人事評価で甘辛調整が必要な理由
甘辛調査の概要について簡単にご説明しましたが、人事評価において甘辛調整が重要である理由としては、具体的にどのようなことが考えられるのでしょうか。
以下に、人事評価で甘辛調整が必要な理由を5つの観点から解説します。
評価の偏りが生じるため
人事評価で甘辛調整が必要な理由の1つ目は、「評価の偏りが生じるため」です。
先にも述べたように、評価者の経験やスキルの差異により、どうしても評価にばらつきが発生してしまいます。各評価者の判断基準や評価に対する理解が異なるため、同じ従業員の業績や能力が、評価者によって異なる評価を受けることがあるのです。
加えて、人が人を評価するときにはバイアスが発生する可能性があり、「真ん中の評価にしてしまいがち」「好き嫌い・相性などで評価基準がブレてしまう」など、さまざまな要素に基づくバイアスが、思い込みや判断の偏りを生み、人事評価に影響を与えている場合が多いです。
このような評価の偏りやばらつきを放置すると、従業員の間に不公平感が生じ、評価への納得感が低下する原因となります。そのため、甘辛調整は、評価の公正さを保ち、一貫性のある基準で評価を行うために不可欠なプロセスです。
評価者の力量不足
人事評価で甘辛調整が必要な理由の2つ目は、「評価者の力量不足」です。評価者が評価制度に対する知識や理解が不十分である場合、適切な評価を行うことが難しくなります。
例えば、評価基準を正しく理解していなかったり、評価結果に対して根拠を持った説明ができないといった状況が挙げられます。このような場合、評価者ごとの判断にばらつきが生じ、一貫性や公正性を欠いた評価になりかねません。
甘辛調整は、こうした評価者の力量不足による問題を解消し、組織全体で公平かつ納得感のある評価を実現するために必要なプロセスと言えます。
全員が同じような評価になってしまうため
人事評価で甘辛調整が必要な理由の3つ目は、「全員が同じような評価になってしまうため」です。
これは、「中心化傾向」と呼ばれる人事評価エラーの一種にあたります。中心化傾向とは、人事評価において従業員の「スキル」や「ポテンシャル」の状況にかかわらず、全体的に評価が中間値に偏る傾向を指します。
例えば、5段階評価の場合に評価が主に「3」に集中するケースが典型的です。この傾向は、評価者が自身の評価に自信がない場合や、周囲に過度な配慮をしてしまう場合に発生することがあります。
全員が同じような評価になってしまうことを防ぐためには、評価者が日頃から部下の実績や行動を注意深く観察・記録し、公平で客観的な評価を実施するための評価材料を集める必要があります。
また、組織はこういった評価エラーを事前に認識し、正確かつ公正な評価を行う仕組みを整えることが重要です。
定性的な評価項目等で評価基準が定まっていないため
人事評価で甘辛調整が必要な理由の4つ目は、「定性的な評価項目等で評価基準が定まっていないため」です。
目標達成度などの定量的な評価項目は、数値や結果が明確であるため、評価者によるばらつきが生じにくい傾向にあります。しかし、誠実さや実行力などのコンピテンシー評価や、情意評価などの定性的な評価項目では、評価基準が不明確なことが多く、評価者によって解釈や感じ方が異なりやすいのです。
このような曖昧な評価基準のまま評価を行うと、評価者ごとの判断に大きな差が出てしまうため、甘辛調整を通じて基準を統一し、ばらつきを是正することが重要です。
納得度の高い評価を実現するため
人事評価で甘辛調整が必要な理由の5つ目は、「納得度の高い評価を実現するため」です。
同じような成果を上げているにもかかわらず、評価者によって評価が異なると、従業員の不満につながりやすくなります。この不公平感が積み重なると、従業員のモチベーションやエンゲージメントが低下し、生産性にも悪影響を及ぼします。
実際に評価に納得できないため離職してしまうケースや逆に納得感が高いと株価に好影響を与える(業績が向上する)というデータも出ています。
甘辛調整を行うことで、評価の一貫性を保ち、従業員にとって納得度の高い評価を実現することができます。これにより、評価結果に対する理解が深まり、従業員の評価に対する信頼感も向上します。
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甘辛調整を考慮した人事評価のスケジュール(半期に1回の場合)
甘辛調整を考慮した場合の人事評価のスケジュールについて、具体的な例をご紹介します。
なお、今回は半期に1回人事評価を実施するものとします。
評価対象期間 | 上期:4月〜9月/下期:10月〜3月 |
自己評価記入期間 | 上期:10月上旬〜中旬/下期:4月上旬〜中旬 |
一次評価記入期間 | 上期:10月中旬〜10月下旬/下期:4月中旬〜4月下旬 ※一次評価記入後、被評価者と一次評価者の面談を実施し、評価内容のすり合わせを行うことも有効 |
甘辛調整・最終評価記入期間 | 上期:11月上旬〜中旬/下期:5月上旬〜中旬 |
最終評価通知期間 | 上期:11月下旬/下期:6月下旬 |
フィードバック面談 | 最終評価通知後、2週間以内にフィードバック面談を実施し、評価結果について従業員に説明を行う |
このようなスケジュールに基づいて評価を進めることで、自己評価、一次評価、甘辛調整、最終評価の各プロセスを適切に行い、納得度の高い評価を実現することができます。
また、定期的なフィードバックを行うことで、従業員の成長や改善点を明確にし、次回の評価に向けて具体的な目標設定を支援できます。
よくある甘辛調整の具体的な方法
ここでは、甘辛調整の基本的な手法をご紹介します。
代表的な甘辛調整の方法としては、下記の5つが挙げられます。
- 部門平均点での調整
- 正規分布を使った調整
- 標準者と比較しての調整
- 標準偏差を用いた調整
- 上長を含めた評価者同士の話し合い
それぞれの手法にはメリットとデメリットがあるため、企業の方針や現状に最も適した方法を選択することが重要です。
部門平均点での調整
- メリット:理解しやすく、評価のばらつきを抑え、公平性を高めることができる
- デメリット:高い成績を上げている従業員が過小評価される可能性がある
よくある甘辛調整の具体的な方法の1つ目は、「部門平均点での調整」です。
この手法では、各部門の評価点数の平均を基準にして、評価者ごとのばらつきを修正します。全社の平均点を基準に、各部門の評価との差を調整することで、評価の公平性を確保する方法です。
例えば、営業部の平均点が78点、全社平均が70点の場合、営業部の評価は全体と比較して8点甘いと見なされます。この場合、営業部全体の評価点を8点減点して調整を行います。詳細は、以下の例をご覧ください。
営業部被評価者 | 佐藤 | 鈴木 | 高橋 | 部門平均点 |
---|---|---|---|---|
甘辛調整前 | 85点 | 75点 | 74点 | 78点 |
甘辛調整後 | 77点 | 67点 | 66点 | 70点 |
この方法は、シンプルで計算しやすいというメリットがあり、全社的なバランスを取るのにも有効です。
しかし、デメリットもあります。例えば、部門に評価対象者が少ない場合や、評価が極端に高いまたは低い従業員がいる場合、その従業員の評価が大きく修正される可能性があります。また、点数差が極端なケースでは、調整がうまく機能しないことも考えられます。
このような理由から、部門平均点での調整は、評価のばらつきを軽減する手段として効果的ですが、他の調整手法との併用でさらに精度を高めることが望ましいです。
正規分布を使った調整
- メリット:評価点数が均一化され、公平性を高めることが可能である
- デメリット:評価結果が合理的でない場合があるため、注意が必要である
よくある甘辛調整の具体的な方法の2つ目は、「正規分布を使った調整」です。
この方法では、従業員の評価を正規分布に基づいてバランスよく割り振ることで、評価の偏りを修正します。
例えば、SABCDの5段階評価を使用する場合、事前にSを5%、Aを15%、Bを60%、Cを15%、Dを5%といった割合を設定しておきます。その後、絶対評価で各従業員に点数を付けた後、相対評価で被評価者をこれらの割合に応じて振り分けます。
この手法のメリットは、評価がバランスよく分散するため、評価者ごとのばらつきを抑えることができる点です。
対して、デメリットとしては、従業員の能力や業績がきれいな正規分布に従うとは限らないため、事前に設定した割合が実際の成果やパフォーマンスに見合わない可能性があります。そのため、評価が必ずしも適正に行われない場合がある点に注意が必要です。
例えば、成績優秀な従業員が多い部門でも、SやAに割り振られる人数が事前の割合に制限されてしまうため、優秀な従業員全員が正当に評価されないことがあります。また、逆に成績が低い従業員が多い場合でも、D評価が一定の割合でしか割り振れないため、真の評価が反映されにくいというリスクも存在します。
正規分布に基づく調整は、評価のばらつきを抑えるための有効な手段ですが、あくまで補助的な方法として利用し、必要に応じて柔軟な調整が求められます。企業の状況や従業員のパフォーマンスに応じて、最適な割合設定や評価基準を見直すことが重要です。
標準者と比較しての調整
- メリット:相対評価により、公平性の向上が期待できる
- デメリット:標準者の選定に主観が影響しやすく、不公平な評価になることがある
よくある甘辛調整の具体的な方法の3つ目は、「標準者と比較しての調整」です。
この方法では、標準となる評価を受けている従業員(標準者)との比較を通じて、評価のばらつきを調整します。
例えば、各部門から4~5人の標準者を選び、その評価を基準として他の従業員の評価と比較するとします。もし、標準者との比較で甘辛の度合いに問題がなければ、その部門の評価をそのまま適用します。一方で、何らかの問題があると判断された場合には、部門全体の評価を上下に修正して調整します。
この標準比較による調整のメリットは、実在する従業員を基準とするため、比較が容易であり、評価しやすい点です。具体的な基準があることで、評価の透明性が向上します。
しかし、デメリットとしては、この手法が相対評価に基づいているため、合理性が担保されず、被評価者が結果に納得しない可能性もある点が挙げられます。
また、全ての従業員を熟知している人事担当者がいない場合、適切な標準者を選ぶこと自体が難しくなる場合があります。このような理由から、一部の意見では、標準者による調整が実務的な方法とは言えないという見解も存在するため、運用する際は注意が必要です。
標準偏差を用いた調整
- メリット:数値に基づいて合理的に評価を修正できるため、公平性を向上させることができる
- デメリット:計算が複雑で、従業員が理解するのが難しい場合があるため、説明が必要である
よくある甘辛調整の具体的な方法の4つ目は、「標準偏差を用いた調整」です。
この方法では、標準偏差を活用して評価点を再計算します。「標準偏差」は、点数のばらつき具合を示す数値で、値が大きいほど平均点からの離れ具合を表します。計算方法は、各点数と全社平均点との差を2乗し、その合計を被評価者の人数で割った後、平方根を求めます。
例えば、全社の平均点が70点とします。営業部の各従業員の点数を以下の表に示します。
営業部被評価者 | 評価点数 | 全社平均との差 | 差の2乗 |
---|---|---|---|
佐藤 | 80点 | +10 | 100 |
鈴木 | 60点 | -10 | 100 |
高橋 | 90点 | +20 | 400 |
この場合、統計値は、以下のとおりです。
- 2乗の合計:100 + 100 + 400 = 600
- 2乗の平均:600 ÷ 3 = 200
- 標準偏差 :√200 ≈ 14.14
統計値を求めたうえで、各従業員の点数を次の式で修正します。
【全社平均点+全社平均との差×(全社の標準偏差÷営業部の標準偏差)】
例えば、全社の標準偏差が8の場合、各従業員の調整後の点数は次のようになります。
営業部被評価者 | 評価点数 | 調整計算式 | 調整後の点数 |
---|---|---|---|
佐藤 | 80点 | 70+10×(8÷14.14) | 77.1点 |
鈴木 | 60点 | 70−10×(8÷14.14) | 62.9点 |
高橋 | 90点 | 70+20×(8÷14.14) | 82.9点 |
このように、標準偏差による調整のメリットとしては、合理的に点数を修正できることが挙げられます。
ただし、計算が複雑であるため、理解が難しい従業員もいるかもしれません。そのため、調整方法についての説明を丁寧に行うことが重要です。
上長を含めた評価者同士の話し合い
- メリット:上長が組織全体の目標を理解しているため、企業の方針に沿った評価が期待できる
- デメリット:上長の主観が影響しやすく、公平性が損なわれる可能性がある
よくある甘辛調整の具体的な方法の5つ目は、「上長を含めた評価者同士の話し合い」です。
この方法では、自身の持つ部下と他の評価者が持つ部下との評価基準のズレがないかを確認し合い、最終的な決定を上長の承認のもとで行います。
上長は全体の組織ビジョンや目標を理解しているため、企業や組織の方針に沿った評価を実施できることが期待されます。
ただし、上長の主観が影響を与える可能性があるため、公平性が損なわれるリスクも存在します。
したがって、上長による最終調整を行う際には、評価基準やプロセスを明確にしておくことが重要です。透明性を確保することで、全ての評価者が納得できる結果を導くことができます。
甘辛調整を不要にするためのポイント
ここまでご説明してきたように、甘辛調整は人事評価において重要であり、現実的には必要と言えるでしょう。しかし、できることなら不要にしたいものです。
そこで、ここでは甘辛調整を不要にするための4つの評価運用成功ポイントをご説明します。
評価基準を明確にする
甘辛調整を不要にするための1つ目のポイントは、「評価基準を明確にする」ことです。
人事評価を行う上では、評価基準を明確化することが重要です。人事評価を行うのはあくまでも人間であり、評価基準が曖昧であると評価者の主観が強く反映されやすくなり、評価に偏りが生じる原因となります。
例えば、営業成績の評価を行うとき、その基準が曖昧な場合、営業担当者AとBが同じ成績を上げても、評価者の主観で評価にばらつきが出てしまうことになります。こういった問題を防ぐために、具体的な評価項目を明確に定義し、それを評価者に徹底して周知することで、基準に基づいた客観的な評価が可能になります。
評価基準が明確であれば、不公平な人事評価の発生を抑制し、現場のみの運用で甘辛調整がなくとも公正で納得感のある評価を浸透させることができます。
評価者研修を実施する
甘辛調整を不要にするための2つ目のポイントは、「評価者研修を実施する」ことです。
社内での評価基準を一定にするために、評価者教育や評価者研修を実施することが効果的です。評価者の中には、不確かな方法で評価している評価者がいる場合があり、その影響で評価にばらつきが生じ、公平性が保たれなくなる恐れがあります。
甘辛調整を行わずとも公正な人事評価を実施するには、評価基準や評価方法などの知識を評価者が正確に理解し、共通認識を持てている状態が望ましいです。
そのために、社内の有識者や外部のサービスを活用して評価者研修を行うことを検討してみてはいかがでしょうか。人事評価の目的や注意すべき点、正しい考え方について学び、評価スキルを総合的に向上させることで、甘辛調整に頼らずに、より公正かつ納得度の高い評価を遂行できます。
日常的に評価材料を集める仕組みを作る
甘辛調整を不要にするための3つ目のポイントは、「日常的に評価材料を集める仕組みを作る」ことです。
納得感のある評価を行うためには、日常的に評価材料を集めておくことが重要です。日常的に評価材料を集める仕組みを作るうえでは、「1on1ミーティング」を導入することがおすすめです。
1on1ミーティングでは、1on1シートなどを活用し、ミーティングの記録をとります。そして期末に1on1の記録を振り返ることで、社員がどんな目標を達成を立てているのか、達成したのかどうか、目標に対してどんな創意工夫をしたのかなどの進捗をチェックすることができます。
評価期間中でも、現在のままで進んだ場合に、どういう評価になるのかを社員に伝えることができるため、納得感の低下原因である「自己評価とのずれ」が起こりづらくなります。
また、目標以外でも「最近、会社に貢献していることはある?」と聞くことで、社員から「実は後輩を育成しようと思っていて、毎日30分相談に乗っている」などというように、普段の業務ではわからない情報も評価に組み込むことができます。
このように、1on1ミーティングを導入し、記録を残すことで社員の評価の根拠が明確になり、納得感のある評価を行ったうえで、被評価者への説明も簡単にできるようになります。甘辛調整を必要とすることも少なくなるため、効果的な方法と言えるでしょう。
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評価のフィードバック面談を必ず実施する
甘辛調整を不要にするための4つ目のポイントは、「評価のフィードバック面談を必ず実施する」ことです。
評価結果のみを通知されると評価が査定的になり、従業員が不公平な評価によって人事評価に不満を感じ、やる気をなくすのを防ぐために、きちんと「なぜその評価結果になったのかの理由」を説明する評価後のフィードバックを充実させることが効果的です。
一般的なフィードバックの例としては、以下のような観点が挙げられます。
- 評価基準の説明
- 改善すべき点
- 次回までの目標
- 具体的なアドバイス
- 期待していること
各従業員に個別の面談を設け、上記のようなポイントを伝えましょう。評価に必要な情報を効率的に把握することはもちろん、より適切なフィードバックを実践することができます。
人事評価の目的は、評価を通じて仕事のやり方を見直し、従業員の成長を促すことであり、甘辛調整に頼らずに納得感のある評価を実現するためにも、従業員自身が自分の現在地を把握するためにも適切なフィードバックが欠かせないと言えるでしょう。
最後に期待を伝えて終わることもポイントです。
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甘辛調整機能がある人事評価システムの比較
最後に、甘辛調整機能がある人事評価システムについて3つご紹介します。
甘辛調整を効率化させたい場合は、ぜひ活用して効果的に人事評価を行ってみてください。
Co:TEAM(コチーム) – 株式会社オー
最初にご紹介する甘辛調整機能がある人事評価システムは、株式会社オーが提供する「Co:TEAM(コチーム)」です。
「コチーム」は、1on1・目標管理・人事評価を一元管理し、納得度の高い評価と成果を上げることに貢献するシステムです。
甘辛調整機能では、各被評価者ごとに自己評価・一次評価・二次評価などの評価ステップごとの評価状況やマネージャーごとの評価を比較でき、評価調整会議を効果的に行うことができます。
また、1on1の記録や目標の進捗状況などを評価者が評価する際に1つの画面で閲覧することができ、確認しながら評価を実施できるので、納得度の高い評価を実現できます。
評価者が評価材料を集めるための1on1テンプレートアジェンダも用意されているので、評価者も確実に評価材料を集めることができるようになります。
そのほかにも、評価シートを自動作成・配布・収集など人事担当者の負担を軽減する機能があるため非常におすすめのシステムです。
HRBrain – 株式会社HRBrain
2つ目にご紹介する甘辛調整機能がある人事評価システムは、株式会社HRBrainが提供している「HRBrain」です。
「HRBrain」は、組織診断サーベイやストレスチェック、労務管理などの機能を搭載した人事評価システムです。組織診断サーベイでは、オリジナルの設問により組織の状態を可視化し、クロス分析により部署/年代別の課題の詳細を洗い出せます。ストレスチェックでは、結果をもとに報告書を自動作成し、電子申請が可能です。
人事評価では、シートの配布から集計までワンストップで人事評価の業務を行えることを強みとしています。各部署・上司の評価傾向を可視化でき、甘辛調整が可能です。
カオナビ – 株式会社カオナビ
3つ目にご紹介する甘辛調整機能がある人事評価システムは、株式会社カオナビが提供している「カオナビ」です。
「カオナビ」は、社員リストやエニアグラム、ポジション管理などの機能を搭載した人事評価システムです。カスタマイズ性が高く、ニーズに合わせた設定が可能な点が強みです。
従業員の顔写真と名前、部署が一覧表で確認できます。入社時期や採用区分などの条件で絞り込み、リストアップも可能です。性格診断テスト「エニアグラム」の診断結果を従業員同士の相互理解や組織づくりに活用できます。評価ワークフローの調整マップを使用して、評価の甘辛調整を行えます。
まとめ
本記事では、人事評価における甘辛調整について、その目的や具体的な方法、実施できるシステムをご紹介してきました。
甘辛調整は、無い方が良いに越したことはないですが、どうしても実施しなければならない場面に直面してしまうこともあるかもしれません。
その場合は、今回ご紹介した甘辛調整の具体的な方法やスケジュール、甘辛調整を実施できる人事評価システムを参考に、効果的に甘辛調整を行い、公平で納得感のある人事評価の運用に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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