リーダーシップとは「目標達成に向けてグループを導く能力」のことです。リーダーにはいくつかのスタイルがあり、それは過去の経験や性格によって変化します。1970年代以降、企業や研究機関によって多様なスタイル判別方法が研究されてきましたが、あくまで手段の1つに過ぎません。
大切なのは、自分のリーダーシップスタイルを理解することです。それにより、より効果的にリーダーシップを発揮できます。
本記事では、自身のスタイルを知る重要性と、その特定方法について解説します。
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ダニエル・ゴールマンが提唱した6種類のリーダーシップスタイル
アメリカの心理学者ダニエル・ゴールマンが提唱した以下の6種類のリーダーシップスタイルを紹介します。
- ビジョン型リーダーシップ
- コーチ型リーダーシップ
- 関係重視型リーダーシップ
- 民主型リーダーシップ
- ペースセッター型リーダーシップ
- 強制型リーダーシップ
ビジョン型リーダーシップ
ビジョン型リーダーシップは、6種類のスタイルの中でもっとも前向きで、多くのメンバーを巻き込むタイプです。
リーダーが明確なビジョンを示し、実現に向けてメンバーが一体となって取り組むのが特徴です。方法や手段を押しつけず、メンバーの自主性を尊重します。
このスタイルは帰属意識を高め、企業の急成長期によく用いられます。企業規模を問わず、大きな目標達成を求められる場面で有効です。
ただし、リーダー自身が強い信念を持ち、ブレない姿勢を貫くことが前提となります。
コーチ型リーダーシップ
コーチ型リーダーシップは、リーダーがメンバーと1対1の関係を重視し、コーチングを通じて成長を支援するスタイルです。
メンバーの目標に寄り添い、強みや性格、価値観を尊重しながら個々に合ったサポートを行うのが特徴です。
実務経験者や主体性のあるメンバーが多い組織で有効で、高いモチベーションを維持しつつ組織目標の達成に近づけます。
ただし、全員に目を配る必要があるため、リーダーの負担が大きくなる点には注意が必要です。
関係重視型リーダーシップ
関係重視型リーダーシップは、メンバー同士の関係性や感情に配慮するスタイルです。
一人ひとりの人間関係を良好に保ち、チーム内の信頼関係を築くことが特徴。利害の異なるメンバーが集まるプロジェクトや、信頼関係が乱れたチームを立て直す場面で有効です。
ただし、関係性を重視するあまり目標達成が後回しになる恐れがあるため、ほかのリーダーシップスタイルと併用することが望まれます。
民主型リーダーシップ
民主型リーダーシップは、メンバーの意見を広く集め、提案を歓迎し、合意形成を重ねながら進めるスタイルです。
リーダーがメンバーと同じ目線で考え、良好な関係を保つことも特徴です。
複雑な課題でリーダーだけでは判断できない場合や、新規事業・業務改革など斬新なアイデアが必要な場面で効果を発揮します。
ただし、意思決定はメンバーの意見を反映して進むため、一人ひとりが高い能力と自律性を持つことが前提となります。
ペースセッター型リーダーシップ
ペースセッター型リーダーシップは、リーダーが高い実務能力を発揮し、先頭に立って組織を牽引するスタイルです。
リーダー自身が一流のプレイヤーであるため信頼を得やすく、組織全体のパフォーマンス向上にもつながります。特に営業や開発など、個人のスキルや経験が成果に直結する部門で効果的です。
ただし、リーダーがプレイヤー業務に偏りすぎると、人材育成が進まない恐れがある点には注意が必要です。
強制型リーダーシップ
強制型リーダーシップは、上司が部下に強い指示や命令を出すトップダウン型のスタイルです。
他のリーダーシップが通用しない場面や、災害時など迅速な意思決定が必要な場合に有効です。
業務を円滑に進められる一方で、メンバーの士気低下や離職率の上昇を招く恐れがあります。そのため、状況に応じて短期的に活用するのが望ましいスタイルです。
リーダーシップを知るために、自身の強みを理解する
自身のリーダーシップのスタイルを知ることはすなわち自分の強みと弱みを知ることです。
自身の強みと弱みを知ることは職場でのあなたの行動や決定が他の人にどんな影響を及ぼすか知ることにも繋がります。
職場での他者との関わり方を意識することで、リーダーとしてより慎重な決定を下し、成長と成功の機会を得ることができるのです。
プレッシャーのかかる意思決定の場面に直面し、少ない選択肢の中で受動的に意思決定を下している人は、成長の少ないありきたりな対応をしてしまう傾向があります。
しかし、自分自身のリーダーシップのスタイルを意識することで、新たな選択肢が現れるのです。
積極的な意識改善は、行動を変える強力なツールであるとも言えるでしょう。
また、他者からの客観的な意見なしに自己認識することは難しいことが常ですが、自身のリーダーシップのスタイルについて学ぶことは、他の人があなたの行動をどのように評価しているかを理解することにも役に立つのです。
それは多くの誤解や行き違いの防止につながり、効果的かつ強力なリーダーシップの発揮が可能となります。
あなたのリーダーシップのスタイルを深く理解することで、あなたが他の人に与えている影響や、彼らがあなたをリーダーとしてどのように思っているかを理解することにもつながります。
自身のリーダーシップスタイルを特定する3つの方法
残念ながら自分のリーダーシップのスタイルを見つけるための「正しい方法」はありません。
伝統的な評価を支持してる専門家もいますし、自身の編み出した検査の方が優れていると主張する専門家もいます。
したがって、本パートではリーダーシップのスタイルを特定する一般的な3つの方法を紹介します。
テストまたは診断を受ける
企業で働いたことがある人なら、おそらく何らかの形で人格評価やリーダー適正のテストを受けたことがあるでしょう。
これらのテストは、肯定主義や自由主義、または革新主義といったの特定の「タイプ」のリーダーとして分類します。
しかし、さまざまなテストや診断があるため、受けるテストによっての結果のばらつきが見られます。
このようなリーダーシップのスタイルの評価方式は、長所の発見のに役立ちます。
したがって、それらの強みを伸ばすことでより効率的に組織をリードすることができるのです。
さらに、このタイプ別のリーダーシップスタイルの評価は、短所を認識するのにも役立ちます。
つまり、自分の盲点を知ることができ、あなたやあなたの組織に対する外部からの評価があまり好意的ではない場合においても役に立つのです。
自分に似ている人を探す
リーダーシップスタイルを特定するというのは、「あなたはこうです」と言われた結果を受け止めるだけでは意味がありません。
それを踏まえてあなたがなりたいと思うリーダーの特性やスキルを反映し、それらを実行するために努力することで、あなた自身ののリーダーシップスタイルを確立することができるのです。
私たちは一人で働いているわけではありません。
あなたの周りのうまくやっているリーダーをを観察することで、貴重な情報を得られます。
そして、あなた自身、彼らと同じスキルを培うことができるのです。
こういったスタイルの特定のプロセスは、観察、反省、そして行動が伴いため、時間を確保し、自分の価値観を理解し、リーダーとしてどのようになりたいかを考えることが重要です。
外部に意見を求める
まず、あなたのリーダーとしてのパフォーマンスについてチームメンバーに直接意見を求めることは、お勧めしません。
あなたが管理者としての立場がある場合、直属の部下があなたのことをどう思っているかを率直に伝えることに抵抗を覚える場合があります。
しかし、外部からの意見は、あなたのリーダーシップ スタイルの成長に大きく役立ちます。
リーダーシップは単独で存在するものではありません。組織の人があなたをどのように認識しているかなど、様々な要因が相互に結び付き合っているのです。
周囲の人に、あなたをリーダーとしてどう思っているか聞くのはいつでもかまいません。
匿名でチームメンバーからあなたをリーダーとしてをどう思うか、決断力があると感じているかなどについてフィードバックを得ることも有効でしょう。
パフォーマンスの評価は、チームがリーダーのスタイルやパフォーマンスをどのように感じているかを知る絶好の機会です。周囲の人にあなたのリーダーシップのスタイルやパフォーマンスについて意見を聞いたときに、浮き彫りになる特徴は貴重なので、その情報を存分に活用しましょう。
自分が成長するための重要な礎になります。
真のリーダーは、自分の組織、選んだ分野、そして自分自身について学ぶ機会を逃しません。
自分のリーダーシップのスタイルを特定するにはエネルギーと主体性が必要ですが、その行動によって自己認識が高まり、チームや人々をリードする能力が開花します。
まとめ
リーダーシップのスタイルに関する自己理解を深める事によって、マネージャーとしての自身のレベルを一段階押し上げる事が可能です。
一方で、リーダーシップ開発の取り組みは、測定だけでは完結するものではなく、具体的な行動・意識・姿勢の改善や修正を伴うものとなります。
まずは、第一歩として、記事中で示した3つの方法に基づいて、自身のリーダーシップスタイルの方向性や特性を理解する事から始めてみましょう。
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