自社のコアバリューをただ知っているだけの状態と、意味を理解し実際の行動に移せている状態とでは、大きな差があります。
コアバリューは、組織全体の運営においては、基本指針となります。会社の短期的な目的や役割・部門よりも非常に重要な意味を持ちます。
コアバリューは非常に高度な考え方のため、上手くいけば、企業に一体感をもたらす可能性があります。
一方で、従業員にとっては、抽象的でなおかつ理解しにくいと感じ易いものです。
理論としては完璧であっても、組織内で実践するにあたっては、漠然としたとっつきにくいものになりがちです。
そもそも、一体感のある企業文化を生み出したいと考えている企業にとって、コアバリューを持つことはそのための第一歩に過ぎません。
コアバリューを企業文化の核として落とし込みたいのであれば、企業文化を強固にするための戦略が重要となってきます。
そのための最も効果的な方法の 1 つが、コアバリューを重視した称賛・表彰制度を導入・することです。
本記事では、その理由と方法について解説します。
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目次
承認・表彰制度が特定の行動を強化する理由
承認・表彰制度は、ポジティブなことが行動を強化するという、人間心理の最も基本的な原則に基づいてるため、従業員の行動に強力な影響をもたらすことができます。
ポジティブなことによって行動が繰り返されるという現象は、「条件付け」として知られるメカニズムによって発生しています。
このメカニズムによって、受け手は、自身の行動と肯定的な結果を関連づけます。
子どもを例に考えてみると、宿題をすることとご褒美をもらうことを関連付けることが当てはまります。
子どもほど単純では無いにせよ、より複雑な環境にいる大人にも当てはまります。
与えられた行動に対して繰り返し報酬を受け取れば、行動とその結果との間に関連性を見出せるでしょう。
報酬が明確なものであるかどうかは関係なく、関連性を見いだすことができれば、追加の報酬を得るために、報酬と関連付けられた行動をするようになります。
従業員の行動を良いものとして表彰すれば、従業員は行動と表彰を結び付けが効果的に作用するようになります。ポイントのような形で報酬を提供していても、望ましい結果はもたらされます。
これは、チームのメンバーが従業員の行動と報酬と関連付けることを学ぶにつれて、従業員を表彰する行動がより頻繁になることを意味します。
これらを踏まえると、表彰制度を用いれば、日々の業務における会社のコアバリューに沿った行動を強化することが出来るでしょう。
コアバリューに基づく承認・表彰制度
従業員の承認・表彰制度を作成する際に、最も重要なことは、評価される従業員像を正確につくりだすことです。
コアバリューを中心に表彰制度を作成することさえできれば、従業員がコアバリューを実現するための、心理学に裏付けられた戦略を生み出すことができます。
従業員に会社のコアバリューを理解してもらい、それに従って行動するよう促すには、従業員がその行動をしたときに報酬を与えるに尽きます。
行動に対して報酬を与えることによって、従業員は会社のコアバリューに従った行動をするようになる上、行動と結果のポジティブな関係を見出すようになります。
会社のコアバリューに従って活動をすることが直接自身の利益につながることを理解すれば、従業員のモチベーションは自然と高くなります。
承認・表彰制度こそが最も直接的に会社のコアバリューを強化するのに役立つ方法です。
さらに、承認・表彰制度は、さまざまな方法で企業のコアバリューを実践する手助けとなります。
コアバリューを従業員表彰プログラムの中心に据えることは、コアバリューを抽象度の高いとっつきにくいものではなく、従業員がアクションに移しやすく努力しやすいものに変わる第一歩です。
以下のメリットを組み合わせることで、従業員表彰プログラムは、コアバリューは従業員の日常業務の不可欠な要素となっていくでしょう。
組織にとって望ましい行動が明確になる
従業員の表彰は、コアバリューを実際にどう行動に移せばよいのかの参考になります。
従業員が、過去に同僚がどのような行動で評価されたのかを振り返ることで、会社のコアバリューを理解することの意義を見出すようになります。
従業員同士の対話や議論の起点となる
称賛・表彰制度は、業績などの様々な評価を行うための指標となります。
コアバリューを実現するために、どうすれば良いのか従業員同士で話し合う時に、具体例として機能するようになります。
組織にとって望ましい行動が促進される
従業員表彰プログラムの内容を、従業員が毎日確認できる場所に掲示することで、コア バリューを常に念頭に置かれるようになります。
会社のコアバリューに沿った行動をしている仲間が承認されているのをみれば、自然と他の従業員も同じように行動するように促されます。
報酬と企業文化を調和させる
コアバリューに基づくの表彰制度の一番の利点は、それに伴う報酬です。
会社ごとの企業文化に合わせて表彰を独自のものにしていくことが重要ですし、最高の従業員表彰プログラムは、会社のコアバリューを実現するにあたって意味を成す行動への報酬を、カタログのような形にすることです。
これらは、企業文化を強化するという視点からの調整も可能です。
たとえば、会社のコアバリューの 1 つに「常に学習し続けること」があるとします。
従業員がポイントを使用して、キャリア開発の講義の受講料に充てることができるよう、報酬のカタログをデザインすることができます。
別の例としては、会社が社会貢献を重視している場合には、従業員が獲得したポイントを慈善団体に寄付できるようカタログをデザインすることもできます。
まとめ
報酬と承認・表彰制度が企業文化と調和していれば、すべてが従業員の行動に影響を与え、企業文化をより強固にする手段となります。
なお、承認・報酬制度の導入には、ツールの活用が効果的です。
通常は非常に手間のかかる、承認や報酬の集計、送り手と受け取り手の特定、具体的な承認(レコグニション)の内容を一元的に管理し、スピーディーかつ効果的な表彰制度の運用をサポートします。
表彰制度のメリットや導入方法について理解を深められたら、導入を進めるための具体的な方針の策定や、制度をより良くしていくためのツールに関する情報収集を行うのが良いでしょう。
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パフォーマンスマネジメントを実践することにより、上記のような効果が期待できます。
パフォーマンスマネジメントには「コアバリュー」のような理念を浸透させる必要がありますので、コチームはコアバリューを浸透させるのに大きく役立ちます。
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