能力不足な管理職が多い時の対処法!必要スキルや育成方法など解決方法を解説!

管理職が適切に職務を遂行するには、いくつかの能力が必要となります。

しかしながら、すべての管理職が求められている能力を備えているわけではなく、管理職として能力不足のまま業務を行っている場合もあります。そのような能力不足の管理職がそのまま指揮をとっていると、組織に様々な形で影響が出てきます。

この記事では、そのような管理職に必要なスキルや管理職の育成方法について徹底解説し、状況の改善へと導きます。


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目次

管理職でも能力不足の可能性はある

たとえ経験値がある状態で管理職になった人物でも、能力不足の可能性はあります。特に管理職になって間もないということであれば、最初から管理職としての能力が十分にある方が稀でしょう。

なぜなら、管理職に求められている業務内容や能力は、それまでに必要とされてきた能力と全く異なるからです。しかし、だからといって管理職が能力不足のままでいることは、組織に悪影響を与えます。不足している能力について自覚を持ち、それを補うために学んでいかなければ、やがて大きな問題やトラブルにつながってしまうかもしれません。

そのため、管理職には自らの能力不足を責めるのではなく、積極的に学び、必要なスキルを身につけていく姿勢が求められ、マネジメントのコツを掴む必要があります。

管理職の能力不足がもたらす会社への影響

企業のなかで大きな責務を負う立場の管理職が能力不足である場合、その影響は少なくありません。なぜなら、管理職のリーダーシップがどれくらい発揮されているかによって、それぞれのチームにおける成果や目標達成が左右されてしまうからです。

では、実際にどのような影響が懸念されるのか、ご説明します。

1. 全体のパフォーマンスが低下する

1つ目の影響は、管理職の能力が不足しているが故に、メンバーの仕事が円滑に行われず、チームでの業務に混乱を生んでしまいチーム全体のパフォーマンスが低下してしまうことです。

管理職はチーム内での仕事の振り分け決める立場にあります。管理職にこの能力がない場合、誰がどの仕事に取り組めば良いのかが非常に曖昧になってしまい、チーム内での仕事が円滑に進まなくなってしまいます。

このようなチーム全体のパフォーマンス低下は、やがて全社的な問題となり、企業全体の業績低下に影響を与える可能性もあります。

2. 目標が達成できない

2つ目の影響は、目標達成が難しくなってしまうことです。なぜなら、管理職のマネジメント不足により目標達成までの進捗管理が的確に行われず、期限までに目標に届かない可能性が高くなるからです。

例えば、仕事のボリュームや各期限に関しては、自分が関係しているものに限らず部下のタスクも管理する必要があります。このマネジメントが着実に行われないと、どこかのポイントで業務が滞ってしまう可能性があります。いつまでに終わらせてほしいタスクなのか、どのような準備が必要なのか等の進捗管理は、マネジメント側である管理職が行わなければなりません。

このように、マネジメント不足により目標管理が的確にできていないと、目標未達成が続き、結果的に企業の利益も落ちていく可能性があります。

3. トラブルが多発する

3つ目は、トラブルが多発してしまうです。理由としては、リスク管理が適切にされておらず、チームは問題が発生する可能性を抱えた状態になるからです。このような場合には、トラブルが発生した時の対応に関しても対策がなされていないことが多いです。

トラブルは、顧客や取引先間においてはもちろん、組織内でも発生します。例えば、パワハラ問題、人間関係のトラブル、ミスが増える、離職や求職が増える等のトラブルが発生しやすくなるので、注意が必要です。人材におけるトラブルが発生していると、取引のシーンを円滑に進めることが困難になり、負のスパイラルに陥り始めます。

このように、管理職に問題解決能力が不足している場合には、トラブルが起きてからの解決もいっそう難しくなります。そのため、発生したトラブルは解決されないまま蓄積されてしまい、会社は顧客や取引先からの信頼を失ってしまいます。事前に想定できるはずだったリスクも想定できず、予想外のトラブルが頻発するのです。

4. 人材が育たない

4つ目は、人材が育たないというケースです。管理職は、新入社員や部下に対して指導やフィードバックを行い、スキルアップをサポートする立場にあります。しかし、管理職の能力が不足している場合、部下の教育が十分にされず、チーム全体の生産性が向上しません。

例えば、管理職が効果的なコーチングやメンタリングを行わないと、部下は自分の強みや改善点を理解できず、スキルの向上が停滞します。反対に、たとえ優秀な部下がいたとしても、部下はその能力を適切に発揮できなくなってしまいます。

また、適切な目標設定や評価が行われないことによって部下のモチベーションも低下し、結果として離職の引き金にもなってしまうでしょう。

このように、管理職の役割の一つである部下の指導やマネジメントが適切に行われないことによって、次世代の人材育成が不十分となってしまいます。

5. 離職が増加する

5つ目は、離職が増加してしまう例です。これは、4つ目で例に挙げた人材育成の未熟さにより、社員が自己成長できないことに不満を抱え、より成果を追えるような環境を求めて転職してしまうことが原因です。

例えば、管理職が効果的なコーチングやメンタリングを実施しないと、部下は自分の強みや改善点を理解できず、スキルの向上が停滞します。また、適切な目標設定や評価が行われないと、部下の仕事に対するモチベーションも低下し、本来であれば発揮できる能力も発揮されません。

このような理由から、メンバーはよりスキルを得られ、能力が発揮できる組織が他にないか考えるようになり、不満を募らせた末に離職されてしまうリスクとなります。


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能力不足の管理職の8つの特徴と必要スキル

このような能力不足の管理職には、共通した特徴があります。ここではそれぞれの事例と、その改善に必要なスキルに関して具体的に解説していきます。

1. 目標達成への意欲が不足している

能力不足と言われる管理職には、目標達成に対する意欲が不足しています。これは、目標達成までのマネジメント能力が不十分であるのに対策が行われず、未達成で終わってしまうことが多いのが原因です。

例えば、目標設定や遂行が適切ではないと、部署全体のパフォーマンスが低下し、目標が未達成となってしまいます。管理職の能力は、部署で目標が達成できたかどうかでも評価されるため、管理職のマネジメントが十分に行われていないと、目標達成に対する意欲が欠けていると見なされます。

つまり、能力不足と言われてしまう管理職には、自分自身が目標達成により会社と部署にどのような成果がもたらされるのかを見直し、チームのリーダーとして組織を牽引するスキルが必要不可欠です。

2. 自分の仕事で手一杯になっている

管理職が能力不足と言われる背景には、管理職自身が自分のタスクに追われており手一杯になっているケースが多いです。なぜなら、部下やチームを指導し取りまとめるための時間が確保できておらず、結果としてマネジメントができなくなってしまうからです。

管理職にはチームのマネジメントを行うことが期待されています。しかし、効率が悪かったりコミュニケーション能力が十分でないと、自分の仕事の調整やチーム内での業務の割り振りが負担となり、マネジメントにしっかりと注力することができなくなってしまいます。マネジメントが適切に行われていないチームにおいては、目標達成や業績に結果となり現れてしまうことも多く、能力不足が疑われてしまいます。

このことから、管理職には業務量や業務内容の効率化を図り、チームで一丸となってプロジェクトを進めることが求められます。そのためには、管理職がマネジメントスキルを身につけ、積極的にチームとしての方向性を示すスキルが必要です。

3. 適切な仕事配分ができない(任せられない)

能力不足の管理職は、チームメンバーに適切に仕事の配分ができないと言われています。なぜなら、管理職が部下の能力や適性を正しく把握できていないと、適切な仕事を割り当てることや、信頼して任せることが難しくなるからです。

例えば、目標達成を目指すまでの過程においては、管理職がチームメンバーの能力を信頼し、ある程度の仕事を任せマネジメント側に回ることが業務効率化のカギとなります。自分が任されたチームの中に、自分よりも優れた能力をもった人材がいるのであれば、自分がプレイヤーとなり仕事をこなそうとするのではなく、その人に仕事を任せることもひとつの方法です。

その上で、管理職としては仕事を任せた責任が自分にあることも忘れてはいけません。このように、仕事と人材配置の適性を正しく判断し、自分以外のメンバーに任せるべき振り分けも判断する適材適所のスキルが必要です。

4. 決断できない

管理職が能力不足であると、必要な判断を迅速に行う事ができず、大切な場面において決断ができないと言われています。なぜなら、能力が不足している管理職には知識が十分にないため、適切なビジネス戦略を立てることが難しく、決断を頭を悩ませることが多いからです。

ビジネスは、不確実な事柄に対して重要性を判断し、下した決断を実行するという作業の繰り返しです。特に、DX推進や働き方改革を得たビジネス環境、顧客ニーズの変化が速い現代において、競合と闘うためには決断と実行、リスクマネジメントや改良をスピーディーに行っていく必要があります。

そんな中、管理職には迅速に決断をする能力が求められています。状況を冷静かつ的確に把握し、その時の最良の選択を進めていくスキルがビジネスにおける重要なポイントとなります。

5. 部下を育成しようとしない

部下を育成しようとしていない管理職は、能力不足と言われています。なぜなら、部下を育てないことによりチームが育たず間接的に組織全体が発展しないといったデメリットが発生するからです。

例えば、管理職が適切な指導やフィードバックを行えない場合、部下は自分の弱点や改善点を認識できず、成長の機会を失います。部下は、成長ができないことによって仕事にやりがいを感じず、チームの雰囲気も悪くなり、離職者の増加も考えられます。もし優秀な人材が採用されたとしても、力を発揮することができないチームにおいては、能力を発揮できることなくストレスがたまる可能性もあります。

このように、間接的に組織を発展に導くためにも、管理職には部下を育成するスキルが求められています。部下を育成することによって、チームの自主性が上がり、組織全体のモチベーション向上に貢献することができます。

6. 経営に関する知識が少ない

能力不足の管理職の特徴として、経営に関する知識が少ないことが言われています。なぜなら経営に関する知識が不足している場合、ビジネスの戦略的な視点が欠けるため、組織の成功や競争力の向上に繋がりにくくなってしまうからです。

例えば、経営に関する知識が不足している管理職は、組織内の問題を適切に分析し、解決策を見つける能力に制限が生じます。すると、リスク管理や資源配分などの重要な業務を適切に行うことができません。そのため、経営に関する知識が不足している管理職は、組織全体の成果に影響を与える可能性があります。

具体的に必要とされる知識には、限られた経営資源を効果的に分配する経営戦略策定の方法や、外部環境の予測スキル、環境変化への対応力などが挙げられます。さらに、生産管理や販売管理、顧客関係管理や人事管理なども求められます。

管理職レベルでこれら全ての分野に詳しくなる必要はありませんが、将来的な経営者としての活躍を見据え、経営視点を早い段階から獲得しておいても損はありません。経営に関する知識を身につけながら管理職としての経験を積んでいくことで、より効果的な組織の運営が可能となり、成果を上げることができるようになります。

7. ロジカルシンキングができない

ロジカルシンキングのスキルが不足している管理職は、能力不足と言われることが多いです。なぜなら、ロジカルシンキングができないと、業務において部下が結論に納得できるような説明を行うことができないからです。

ロジカルシンキングとは、物事を正しく洞察し、それを相手にわかりやすく伝えるために筋道立った論理を展開する考え方です。例えば、ロジカルシンキングの力によって部下の質問やトラブルに対して矛盾のない助言ができるほか、意思決定の場面でも筋の通った結論を導くことが可能です。

このように、根拠を明確にし、他者に理解してもらいやすい説明を行うスキルがある管理職は、部下からも信頼され、リーダーとして組織をマネジメントする上で必要とされます。

8. コミュニケーション能力が低い

能力不足と言われてしまう管理職には、他者とのコミュニケーション能力が低いという特徴があります。管理職は組織内、取引先問わず、多くの人達とコミュニケーションが必要な立場であり、コミュニケーション能力が欠けていると、円滑な業務の遂行に支障をきたす場合があります。

例えば、定期的なミーティングや1on1の機会を設けることにより、積極的に部下の意見を聞き、適切なフィードバックを提供することが可能です。特に社内において、管理職は経営陣と一般社員の間に存在し、双方の報連相を行う立場となります。代表が求めるものと、部署側の意見を正しく理解・伝達し、公平な立場で調整したり、時には交渉するスキルが必須です。

このように、コミュニケーション能力は、管理職にとって重要な基本スキルの一つであり、チームの信頼関係を構築し、パフォーマンスの最大化に貢献します。さらに、問題が発生した際には、迅速かつ明確に情報を伝え、チーム全体で解決策を考えることができるリーダーシップを発揮することも可能になります。

能力不足の管理職が生まれる原因

では、このような管理職の能力不足はどのように発生してしまうのでしょうか。組織の風土から考察した、5種類の原因について解説していきます。

原因1:管理職の能力要件が明確でない

管理職にはどのような能力を求めるのか、といった能力要件が明確でない場合も、成果を創出できない管理職を生んでしまいやすくなる環境です。なぜなら、能力用件がない事によって管理職によるパフォーマンスの差が出てしまい、リーダーに求められる役割が発揮できない可能性が高くなるからです。

例えば、管理職に求める能力が曖昧だと「経験年数が多いから管理職」「毎年個人目標を達成できているから」といった基準で選定してしまいやすくなります。その場合、管理職を務められる能力を持っていないのにもかかわらず、管理職に昇格させてしまうこともあるでしょう。基準が曖昧では、一人ひとりの選定基準がバラバラになってしまい、管理職におけるパフォーマンスのムラにもつながります。

また、こうした曖昧な基準で管理職に昇格させた場合、いざ職務に就いた際にリーダーとして必要な役目をこなせず、成果が出ないチームとなってしまうケースもあります。

これらの理由から、管理職の能力要件が明確でない場合、管理職の能力不足が発生してしまいます。組織は明確な役割定義や目標設定、フィードバックの提供、セミナーやトレーニングを通じて、管理職の能力向上を促す必要があります。

原因2:管理職に必要なスキルを身につける機会がない

そもそも必要なスキルを身につける機会がないことも、管理職が能力不足になってしまう原因の一つです。なぜなら、組織や業界によって管理職に求められるスキルは異なり、その求められる水準を個々に勉強して超えることは簡単ではないからです。

例えば、原因1でお伝えしたように明確な能力用件を設けることは有効ですが、その要件を満たすスキルに関しては企業や業界特有の技術なども含まれます。そのような場合に、全ての管理職がそのスキルを求められるレベルまで均一に獲得することはハードルが高く、中長期的な研修制度の整備によるアプローチも必要となります。

このように、管理職の能力不足を克服するには、企業の方針や業界にマッチした研修制度を確立することも重要です。研修によって一律のスキルを得た者が管理職となることで、組織内での管理職のスキルのムラがなくなり、安定した結果を出すことが可能になります。

原因3:キャリアパスが管理職に限定されている

優秀な管理職を育成するためには、適性に合わせた役割の選択肢を提供することが重要です。なぜなら、人材によっては管理職ではない役割を与えたほうが、組織にとってはメリットとなるケースが存在するからです。

例えば、専門職としてのスキルが卓越しており、そのポジションで活躍してもらった方がよい人材には、専門職として活躍する機会を提供することで、仕事へのやりがいやモチベーションを高め、さらなる成果を出しやすくなります。逆に言えば、管理職に向いている人材を管理職に任命することが、能力不足の管理職を生み出さないための施策の一つです。

このように、キャリアや組織の目指す方向性に応じて、各社員に適した役割を提供し、キャリアパスや評価制度を明確にすることが重要です。適性のある人材のみを管理職に昇進させ、管理職ではなく専門職として活躍してもらいたい人材には、専門職として活躍できる道を用意することが必要です。

原因4:降格制度がない

組織に降格制度がないことも、管理職の能力不足をもたらします。なぜなら、一度管理職に昇格した後には努力や学ぶことを怠っても、役職から外されてしまう心配がなく、向上心が沸きにくくなってしまうからです。

例えば、目標が「管理職への昇格」という社員が一度管理職に就いた場合に、降格のリスクがなければ、努力をしなくても管理能力に関係なくそのポジションに居座ることができます。この状態が続いてしまうと、さらに能力のある人材がいても管理職を入れ替えることができないほか、向上心のない管理職にマネジメントを任せなければならないチームが生まれるため、組織全体の雰囲気が悪くなり、業務のパフォーマンスが落ちるため成果も上がりにくくなってしまいます。

そのため、降格制度がない組織の環境においては、管理職が能力不足に対して努力を続けるモチベーションを期待できず、パフォーマンスの低下はやがて組織全体の問題となります。

原因5:失敗が許されない組織風土

失敗が許されない組織の雰囲気は、管理職の能力不足を助長します。なぜなら、リスクを取ることや新しいアイデアを試すことが抑制される環境では、本来必要とされるものであっても、管理職は安全な道を選びがちになるからです。

例えば、チームでプロジェクトを進めていく上でそこに明らかな障壁があったとします。管理職としてはこのような状況でマネジメント能力を発揮しなければいけませんが、その解決方法が前例のないものであり、成功するか失敗するかわからず挑戦を迷った際に、失敗が許されない環境においてはたとえその施策が有効に働くものであっても、挑戦することができません。

そのような環境では、新しいスキルや知識を習得する意欲も低下し、組織の将来に必要なリーダーシップ能力が育成されなくなります。さらに、失敗を恐れるあまり、管理職が問題を隠蔽しようとする可能性があります。問題を放置すればそれがさらなる失敗を招き、組織全体の健全性に影響を与える可能性もあります。

このように、失敗が許されない組織の風土においては、管理職は挑戦よりも現状の維持を優先させようとし、マネジメントとパフォーマンス向上の範囲を狭めます。その結果、組織の成長とイノベーションが阻害され、管理職の能力が不足することにつながります。

管理職の能力不足を解消するための対策

管理職におけるスキルや能力の必要性がわかりました。では、管理職の能力不足を解消するには、どうすればよいのでしょうか。

ここでは今からでも取り組めることをご紹介します。

1. 管理職の能力要件を明確化する

管理職の能力用件を明確にするのは効果的です。なぜなら管理職は自分に何が求められているかを理解しやすくなり、現状とのギャップを補うために自律的に対策を考えることができるからです。また、一定の能力水準を持った管理職が選ばれることで、周囲の納得も得られます。

一般的に、管理職には、例えば計画の推進能力や目標設定、コミュニケーション能力、論理的思考力、経営への知識などが求められます。そうした能力を参考にしつつも、自社の管理職にはどのような能力が必要とされるのかを判断し、自社の管理職の能力要件を明らかにすることが大切です。

このように管理職の能力要件を明確化し、それに応じた成果を出すことができれば、自己成長やモチベーションの向上につながります。管理職が自分の役割に適切に適応し、組織に貢献できるという自覚を持つことが大切です。

2. 管理職に求められる役割を伝える

管理職に求められる役割を明確に伝えることも対策の一つです。なぜなら、組織全体の方向性や目標を管理職に伝えることで、リーダーとして行動するための具体的な目標や戦略を理解することができるからです。これにより、組織全体が一貫した方向性を持ち、効果的な行動をとることができます。

管理職にリーダーやマネージャーとして求められる役割を理解してもらうためには、下記のような方法が有効です。

  • 管理職研修を受ける
  • 同じ管理職に就くメンバーと意見交換をする
  • 上司やロールモデルとなる人物からフィードバックを受ける

このような方法により、 管理職に求められる役割を明確に伝えることで、自らの責任を理解しやすくなります。これにより、管理職はより意欲的に業務に取り組み、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。

3. 目標設定のやり方を教える

管理職に、目標の設定方法を改めて教えるのもよいでしょう。なぜなら、チームのキャパシティを考慮した適切な目標設定により、メンバーが発揮できるパフォーマンスが向上し、管理職自身がマネジメントにおいて困難を抱える可能性が減るからです。

日本において目標設定や目標管理が一般的になったのは、1990年代以降のバブル崩壊後です。そのため、現在管理職に就いているほとんど目標そのものに不慣れである場合も多く、そもそも正しい目標設定のやり方さえもわからない人も少なくないというのが実情です。このような時代背景もあり、改めて適切な目標設定のやり方を教えることが非常に重要です。

管理職が目標達成までのプロセスを適切に管理することができれば、能力不足を解消することができ、チームのパフォーマンスも向上します。目標を確実に達成するためのマネジメントツールの活用などもおすすめです。このように、管理職が業務全体の管理および部下一人一人の進捗確認を、総合的に行うことが必要です。


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4. 管理職研修を実施する

管理職研修の実施は、管理職のスキルや能力不足を補う効果的な方法の一つです。なぜなら、企業が求めるものや能力を研修によってシェアすることにより、共通で一律の認識を持ってもらうことができるからです。そのためには、人事担当者が組織のニーズや戦略に基づき、いつまでにどのようなスキルを身に付けさせるか等を把握し、計画を立てなければなりません。

管理者の能力には、「教育によって身に付くもの」と、「本人の素質により備わっていて、教育によって身に付けることが困難なもの」の2つがあります。例えば、ストレス耐性や積極性、リーダーシップなどは、生まれもった性質に大きく依存します。しかし、教育によって身に付く能力である「コミュニケーション能力」「ロジカルシンキング能力」「経営者の視点」「人材育成スキル」の4つに間しては、水準の引き上げが可能です。

人材に合わせた時間軸と成長速度を考慮した上で、効果的な研修プログラムの内容と頻度を計画し、受講してもらうことで、管理職のスキル・能力の向上を実現しましょう。

5. キャリアパスを多様化させる

「昇進=管理職」という環境は、能力不足の管理職が生まれる原因の一つです。企業の方針として「将来は管理職になるしかない」という選択肢のみを見せている場合、客観的には適性がない人材や、管理職になりたくないと思っている人材も、管理職に就いてしまうことになります。

例えば、メンバーと十分にコミュニケーションが取れなかったり、部下のやる気を損ねる指導をしてしまう人材には、管理職として出せる成果も限られてきます。専門職として優秀で自身が高い成果を残せていたとしても、部下をマネジメントする能力があるかどうかは、また別の話です。

そうしたミスマッチを防ぐために、管理職ではないポジションで力を発揮できる適性のある人は、そのポジションで専門職としてキャリアを築けるようにすることが大切です。キャリアパスが限られていると、管理職としての職務を果たしにくい人材が数多く管理職になってしまう環境に陥り、組織のパフォーマンスが低下するでしょう。

このことから、キャリアパスを多様化させることは、管理職の能力不足を解消し、組織全体の成果とパフォーマンスを向上させるための重要な手段となります。幅広いキャリアパスを提供することで、管理職が自身の能力や志向に合った役割で活躍し、組織の持続的な成功に貢献することが期待できます。

6. 降格制度を導入する

管理職の能力不足を解消するには、降格制度の導入が効果的です。なぜなら、降格のリスクを設けることによって管理職は自分の能力不足の可能性と常に向き合う必要があり、自己研鑽に努めることが必然となるからです。

具体的な降格の判断理由には、「マネジメントを十分行わないため、部下の職務遂行が疎かになり、業績が減少した」「明らかに成績不良の部下に高い評価を与え、人事評価の不平等を生じた」「パワハラがひどく、部下が次々に辞めてしまう」等の事情が考えられます。

管理職は、部下を指揮監督し、組織の運営を担当する権限を有している反面、必要な権限を適正に行使すべき義務を負っています。能力不足や業績の不振が明らかになれば、適切な責任を負う必要があり、それによって結果が出ない場合は適切な措置を取る必要が生じます。

このように、降格制度を導入することで、管理職は自分のパフォーマンスと責任が密接に関連していることを理解し、能力の向上に努めます。

7. 360度評価を導入する

360度評価と呼ばれる画期的な評価制度の導入も、管理職の能力不足の解消に有効です。なぜなら、この評価制度によって管理職が偏りのない評価を受け、自分の弱みと強みを把握することができるからです。

360度評価とは、別名「多面評価」とも呼ばれ、上司だけでなく、同僚や部下、他部署など複数の関係者から評価を行う手法として注目されています。通常の評価の場合、上司は部下を評価するだけで、部下に評価される機会はないため、お互いの間で認識のズレが生じることも少なくありません。

一方、360度評価(多面評価)では、他者評価だけではなく自己評価も行うため、両者の評価のギャップが明らかになります。近年では360度評価は「上司が部下を評価する」のではなく、「部下が上司を評価する」ことを目的に導入するケースが多く、リモートワークやテレワーク、時短勤務に代表されるように、働き方や仕事への価値観が多様化する中で、部下の期待と上司のマネジメントのミスマッチを防ぎます。

このように、360度評価制度の導入により、管理職自身が評価のギャップが生じている理由を探ることによって、本人の意識・行動変革を図ることが可能です。

8. 後継者育成に関する仕組みを整備する

組織の後継者を育成するための研修や制度を整えるのも大切です。

次期管理職の能力開発を行うことも、現状の管理職の能力不足を補うための重要な対策です。有望な若手から将来のリーダー候補を早期に見極め、適切なトレーニングプログラムやメンターシップを提供することで、次期管理職としての準備を整えることができます。

例えば、管理職候補に対して定期的な評価とフィードバックを行い、個別の成長プランを策定することが有効です。また、実際の業務に近いシミュレーションやプロジェクトを通じて、実践的なスキルを習得させることも重要と言えます。

さらに、現在の管理職からの引継ぎを効率的に進めるための「ペアリング」「クロスファンクショナルなチーム作り」も効果的です。企業として環境を整えることで、持続的なリーダーシップの強化と組織全体の成長を実現することが可能になります。

9. 部下のチャレンジを推奨する組織風土を作る

組織全体で部下のチャレンジを推奨する風土を作っておくのも、能力のある管理職を育てることに貢献します。なぜなら、そのような風土によって多くの部下が自発的に挑戦することにより、リーダーは指図するだけではなく、チームメンバーをサポートし、彼らのポテンシャルを最大限に引き出すことを学んでいくからです。

例えば、チャレンジが推奨されている風土においてはプロジェクト推進中にチームメンバーが新しい状況や課題にチャレンジすることがあります。管理職はそれをマネジメントする側として、変化に対応できる能力を育てることができ、結果的に組織として高いモチベーションを維持することができます。

このように、組織が部下のチャレンジすることを奨励することで、間接的に管理職が彼らを成功に導くためにリーダーシップスキルを磨く必要が生まれるという相乗効果があります。

まとめ

このように、能力不足と言われてしまう管理職でも、原因をきちんと分析し、それに合った対策を行うことで、本人のリーダーシップとパフォーマンスを最大限に引き出すことも可能です。

管理職自身の努力はもちろんですが、企業としては、管理職のモチベーションを高める施策や学習環境の整備、候補となる人材の能力開発を積極的に行うことが効果的です。企業全体として、管理職の能力向上を支援することも検討してみましょう。

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