【〜中小企業向け〜幹部主導で250%の業績UPを継続】コチームでMVV浸透/目標管理/1on1を連動させて自走型組織を実現させる裏側

・指示待ちの従業員が多い
・若手が育たない
・理念やMVVが浸透していない
・業績が上がらない

という課題をお持ちの方々は多いはず、今回ゲストにお呼びしたMeroneさんも元々は以上のような課題を抱えていましたが、コチームを使ったことによって導入から3ヶ月で250%の業績UPを実現し、今もなお右肩上がりの成長を続けています。
そんなMerone社COOに収益拡大と部下の自信強化を両立する背景について徹底解説!

MBOやOKR等の目標管理、賞賛・承認や1on1等を通じたフィードバック、360度評価にも対応する人事評価を一元管理できる国内初のパフォーマンスマネジメント支援サービス「Co:TEAM」の詳細を見る

Merone清水さんの自己紹介

清水翔自己紹介画像

司会:自己紹介をお願いいたします。

清水:清水翔と申します。現在はママさんの応援企業である株式会社Merone(以下Merone)でCOOとして2021年1月から勤めています。
元々、ブライダル領域に新卒で入社後、起業するも1億5000万円の負債をおったものの何とか返済しました。その後、SaaSベンチャーのCRO(Chief Revenue Officer / 最高収益責任者)を経て、現職に就いております。
人事や事業戦略などのバックヤードの部分を専門にしております。

谷本:谷本潤哉と申します。株式会社O:(以下オー)を2016年に創業しました。社内の平均年齢が23.6歳と若い人や学生も多い中、3年連続売上成長率270%を実現させているパフォーマンスマネジメントの取り組みをMeroneさんの事例を踏まえつつお話ししていきたいと思います。

今回は実際にオーが提供しているサービスのCo:TEAMを導入していただいているMeroneさんがどのようにミッション・ビジョン・バリュー(以下MVV)の浸透や目標管理・人事評価制度を連動させて成果を出しているのか、裏側を清水さんに聞いていきたいと思います。

Meroneの紹介

谷本:早速、Meroneさんの紹介を清水さんにしてもらいましょう。

清水:Meroneはママさん、女性の支援を行っている会社で、根幹の事業がオンラインスクールの運営です。
世の中には「働きたくても働けないママさん」がたくさんいらっしゃいます。子どもが理由で、パートをやりたいけど面接が受からないとか、働ける時間が夜中になってしまうなどの様々な事情で働けないママさんたちが大勢いらっしゃって、収入を上げたくても上げられないという悩みを持っています。

そのような中で、Meroneはアパレル業界に交渉をかけて、メーカーが売り切れなかった廃棄不用品をママさんに直接降ろさせてもらっています。
そして、ママさんは自宅に届く廃棄不用品をメルカリやラクマ、ヤフオクなどの買い手がたくさんいるプラットフォームで販売してもらうことによって、ママさんは自宅にいながら収入を得ることができるという仕組みになっています。

その仕組みをすぐに体験できるというオンラインスクールを展開し、国内で1200人くらいのママさんたちがビジネスに取り組んでいます。
こういったオンラインスクールで唯一ブックオフホールディングスさんなどの大手との連携もどんどん決まってきている会社です。

Meroneの体制

Meroneの体制図

清水:私の上に代表がいて、オンラインスクール事業に関しては、元生徒のママさん7名が講師となり1200名のママさんを教えています。

一人も社員がいないという特殊なチームになってはいるのですが、それでも業績を伸ばしていけるのは確実に人事をきちんと学べたからであると思っています。この辺りのお話もしていけたらと思っています。

MeroneのMVVについて

谷本:オーがMeroneさんをご支援させていただいたのはバリューを作り終えた直後でしたしたよね。

清水:そうですね。ちょうどMVVを作り終えて、このMVVをどうやって社内に浸透させていこうかというフェーズでオーにご支援いただき始めました。特にMVVの中でもバリューを浸透させるところが1番苦戦すると思っていたところでした。

バリューを私たち運営メンバーだけでなく、オンラインスクールに通う生徒にとっても大切にしてほしいと考えていました。というのも、今までバリューに書いているようなことを大事にできている生徒たちが結果を出していたからです。お客さんである生徒たちも一緒にこの文化で学んでいきましょうと共有する部分は珍しいのかなと感じています。

Meroneとパフォーマンスマネジメント

谷本:そのような状況でお手伝いをさせていただいたMeroneさんでした。その中でオーが力を入れている「パフォーマンス・マネジメント」というものをMeroneさんに実際に取り組んでいただきました。

この「パフォーマンス・マネジメント」についてご説明させていただきます。

人事のグランドデザイン

人事の教科書的に組織を強くするということは画像にあるポイントを抑えることが重要です。特に「組織文化と価値観」「マネジメントの概念的理解・努力して作られ維持される良好な信頼関係・強みを引き出し育てる風土」「給与・報酬制度 / 評価制度 / 等級(昇進・昇格)制度 / 人材育成(制度)」の図中下3つが重要なのです。

人事の重要な3要素

実際にMeroneさんには、この下3つの関連領域のご支援をさせていただいておりまして、社内の状態も良く、文化というものが競争優位性を高めていると感じています。
実際にMeroneさんで行ったことは「1on1の導入」や「人事評価制度の見直し」などです。

これまでは、MBO(目標管理制度 / Management by Objectives)と呼ばれる評価スタイルで、3ヶ月や半年、1年に1回だけ上司と部下の方が、フィードバック・中間評価をして終わりというパターンが非常に多かったです。

ですが、定期的に1on1という形で1週間〜1ヶ月に1回の非常に高頻度で目標に対してのフィードバックを行うという新しいマネジメントスタイルにMeroneさんは切り替えていかれました。

Meroneさんでは1on1は2週間に1回や月に1回の方が混在している感じですよね?

清水:最近だと週に1回の方も増えてきました。

谷本:素晴らしいですね。

清水:Meroneの場合ですと、講師7名のメンバーが対象になりまして、3名が週1、4名が月1という頻度で1on1を実施しています。

谷本:素晴らしいです。1on1を実施する期間が短ければ短いほど非常に効果があるという統計データが出ていまして、「週に1回15分」と「月に1回1時間」行うのを比較すると、時間は同じなのですが、「週に1回15分」の頻度が多い方が成果に繋がりやすいことがわかっています。

そして、Meroneさんでは人事評価も3ヶ月に1回という期間で行われていますよね?

清水:そうですね。いわゆる4半期、クウォーターごとに行っております。

谷本:素晴らしいですね。週に1回の1on1だったり、4半期ごとの人事評価だったり、「なかなかそんなことができるのか」「大変そうだな」と思われるかもしれませんが、これらの取り組みが非常に有用であることがわかってきて、今まさに潮流にあります。

実際に何が変わるのかというところですが、まず「メンバーの自走力が高まる」ことが1番のポイントかなと思います。

他にも、テレワークが普及したり、私自身も昭和世代なんですが若い方とノリが通じなかったりコミュニケーションが以前よりも取りずらい状況で、4年目〜8年目ぐらいのこれから活躍していくだろうという方が、組織から抜けてしまうという悲しいお話をよくお聞きしますが、そのような方達の離職防止策として非常に優れていることがわかっています。

そのような効果がある「パフォーマンス・マネジメント」というものが2004年にアメリカで生まれた概念で、アメリカで非常に主流になりつつあり、日本でも導入する企業が増えてきている状況になっています。

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パフォーマンス・マネジメントがマッチする会社

谷本:頻度の多い1on1や人事評価といった「パフォーマンス・マネジメント」の取り組みがマッチする会社は、従業員の個人の目標(キャリアプランや夢など)と現在の仕事内容がズレてしまっていてパフォーマンスが出なかったり、離職してしまったりすることに課題を抱えている会社やマネージャー層が育成できなかったり、若手のハイパフォーマーの離職が多い組織などですね。
こういった会社や組織にパフォーマンス・マネジメントは非常にマッチする仕組みになっています。

私がMeroneさんにご支援させていただく中でとても嬉しかったのが、リーダー2名の方がとても成長してマネージャーとしてしっかりやられているということをお聞きした時ですね。

清水:谷本さんも彼女らの働きっぷりを直に見られてきたと思うのですが、この2名が本当に見違えるように変わりました。
変わったというのは、パフォーマンスや考え方といったところもですが、彼女たち自身が変われた理由を「バリューを体現したから」と2人とも言ってくれています。

このMVVを設計した代表の森川と私からすると、MVVを体現できる組織になっていけるといいよねと思っていたことがドンピシャで実現したので、めちゃくちゃ嬉しいと思っています。

谷本:これはまさに森川さんと清水さんが理念浸透に対してもかなりアプローチした結果だと感じています。
もう1点嬉しかったことは、売上が向上したことです。
HRの施策ってどうしても守りの施策というイメージを持たれている場合が多いのですが、この売上の向上を実現した部分についてお伺いさせてください。

清水:結論から言いますと、メンバーがMVVをすごく大事にしてくれて、(メンバーの)パフォーマンスが伸びた分野が売上の分野でもパフォーマンスが伸びていたということになります。

これが実現できたのは、代表の森川が1on1で、バリューである「お客様を大事にして与える人である」を実践できていますかと何度も言ってくれたのが1番大きかったと思います。

具体的には、メンバーの1人が(オンラインスクールの)セミナーに登壇して成約率が15%程度でしたが、今では成約率が40%〜50%になっています。

そのメンバーは元々、資料を読んで伝えるというただ説明する人になっていたのですが、
そうではなくて「来てくださる人がどういう思いで来ているのか」「何が聞きたいのか」などをセミナーが始まる前までにきちんとお客様とコミュニケーションを取るというお客様一人ひとりに向き合って話すことを1on1を通じて伝えていくことで、メンバーの意識や話す言葉、進行の仕方がガラッと変わっていきました。

その結果、成約率が15%だったのが、高い時には75%、平均でも40〜50%という高い成果を出せるようになってくれました。

それだけではなく、運営の方でも統括をやってくれるようなめちゃくちゃ頼れるメンバーに育ってくれました。MVVに即して何を大事にしてほしいかを1on1で徹底して伝え続けたことが、このような結果に繋がったのかなと思っています。


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谷本:ありがとうございます。
売上を上げようとした時に「売れている人のやり方をコピーする」という形をとる企業さんが多いと感じています。
森川さんもとんでもなく売ることのできる方なんですが、実際に森川さんのやり方を細分化したりして、どういう風にやったらいいのかなどの会話を1on1で行っていたりしたのですか?

清水:森川からはもちろんテクニック的な部分のお話もありましたけれども、それ以上にせっかく時間を割いて来てくれているお客様にバリューを体現できていますか?ということを伝えてくれたことが大きいと思っています。

私たちのバリューの話になって恐縮なのですが、「与える人である」というバリューには与えているつもりになるなという側面もあってですね。

例えば、お節介おばさんをイメージしてくださるとわかりやすくて、あなたにはこれも必要ですよね、これもこれもと与えているつもりが、受け取っている側からするとエネルギーとか時間とかが奪われていると感じてしまうんですね。

セミナーできちんと言葉が届いているのか、来てくださっている方がどういう人か理解しようとしているのか、その時に今の伝え方・資料・間で伝えたいことがきちんと伝わっているのか、というところまで考えを巡らせられていますかということが私たちのバリューなのです。

その概念の理解度の確認や本当にちゃんと体現できているかの問いかけを1on1でしっかりと実施できたので、メンバーが本当にガラッと変わりましたね。

以前のセミナーは聞いていてちょっと寝ちゃうようなものだったんですけど、今は私にちゃんと言ってくれているんだなと伝わるようなセミナーになったので、本当に大きな変化だったと思っています。

谷本:ありがとうございます。MVVの浸透の本当の重要性を理解している経営層が、実際は少ない印象があるので、すごく素敵だなと思いました。

Meroneが1on1の強化に至った背景

谷本:Meroneにはカリスマ社長の森川さんがいる一方で、清水さんも人事の知識はお持ちですが「専任の人事の方がいないということ」や「納得のある評価ができていない」という課題があるとお伺いしていました。

そして最初のオーダーとしては森川さんがいなくなっても上手くいくチームを作りたいということでしたよね。

清水:まさにそうですね。私も人事のプロだった訳ではなく、1on1の大事さというのは今までの経験からやった方がいいとは思いながらも、1on1の事前準備に相当手が掛かっていて本当に正しくできているのかと自信がなかったタイミングでした。

谷本:ありがとうございます。その中で、最初にスタートしたのが1on1の取り組みでした。その取り組みのポイントを5つにまとめてみました。

1on1の5つのポイント

すごい1on1

谷本:森川さんや清水さん、講師のママの皆さんも含めて、一緒にどういった1on1をすればいいのかについてや、運用のルールなどをディスカッションしながら進めていきました。

これが1つ目2つ目のポイントになっています。

あまりこの部分を意識しないまま1on1を導入してしまうと、1on1を導入する側(例えば人事部など)と現場の溝ができてしまって、なかなか1on1が運用されずに形骸化されてしまうことがよくあります。
現場も一緒になって1on1の導入を進めていくことで、形骸化のリスクを防いでいます。

また、Meroneさんの場合は、弊社のコチームというツールを使って、1on1のやりとりを記録しつつ、公式のアジェンダを講師の皆さんを巻き込んで作りました。

そして、その話した内容を人事評価に繋げるというまさにポイントを全て押さえる形で運用してきました。
そうしたこともあり、今ではほぼ100%の形で1on1が実施されている状態になっています。

1on1完全マニュアル

1on1のキーマンはマネージャー

谷本:1on1の定着のポイントとなるのがマネージャーで、Meroneの場合、5人の方々ですね。

1on1以外の他の人事施策も含めてなんですが、人事施策って押し付けになってしまうとあまり上手くいかないということがありまして、「なんかまた新しいこと始めたぞ」みたいななるべくネガティブな感情を現場に持たれないように、マネージャーの方・講師の方も巻き込みながら定着させる方針で進めてきました。

Meroneさんではマネージャーの方に寄り添いながら、最初は目的と公式アジェンダ、公式運用ルールを作っていったような流れとなっております。

1on1定着について

谷本:教科書的な1on1では画像の右側にあるようなことを話していきましょうと言われているのですが、そのままやるよりも組織ごとに、見本を基に、我々はどういうことを話せばいいんだということをマネージャーの方を含めて会話して合意をとっていくというプロセスが非常に重要であると感じています。

画像に短期の「直近の行動計画」や「課題の特定/解決策の特定」とありますが、短期的に今困っていることはマネージャーは放っておいても結構会話をする傾向にあるんです。

一方で、中・長期あたりのところがちょっと怪しくなってくるというところがあります。

特に「個人の視点」にある「その人がどうなりたいのか」「なりたいところに今の仕事がちゃんとマッチしているか」というところは、忙しいとあまり会話されないんですよ。

けど、これが働くメンバーにとって非常に重要なところなんです。
そのような部分も含めて各社さんごとにカスタマイズすることがオススメです。


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Meroneの公式アジェンダの策定

Merone公式アジェンダ

谷本:Meroneさんが実際に作ったアジェンダは上の画像のものです。

戦略の共有だったり、コンピテンシーだったり、先ほどお話しいただいたバリューやキャリア、健康面のことがあります。個人的に1番Meroneさんらしいものは、1番下にある「Merone以外での環境の変化を教えてください」というMeroneさん以外でも所属して仕事をされている方がいらっしゃり、そのような環境の変化までもお話しされるところが素敵だなと感じています。

このような公式アジェンダを作られる過程で気をつけられた点とかって覚えていらっしゃいますか?

清水:公式アジェンダを作る以前のアジェンダは、都度都度私が自分で組むみたいな流れでやっていたので、どうしても「この人直近こういうことあったからこういうこと話さないとな」「こういうアジェンダで話してこれを伝えないとな」という結構その人によって引っ張られるようなアジェンダになっていました。

皆さんにとっても安心感のあるような「これを話せば私たちの不安はちゃんと吸収されるな」と思えるようなアジェンダを作りましょうと、谷本さんより提案をいただいたのが非常に印象的です。

その中で、私だけでは出なかったのが「Merone以外での環境の変化」ですね。本当に今、美容院を経営しながらやってますとか、日中バリバリ会社員やってますとか色々なメンバーがいる中で、気兼ねなくそこで話していいんだということが作れました。

「私には本業もMeroneの仕事もあるけど、個人としてはこういうこともやろうと思っているんですよ」というコミュニケーションが取れるようになったので、それに対して「Meroneが応援できる部分はこうだけど、ここは協業になっちゃったら揉めかねないから気をつけようね」とかの話が、個人の成長・組織の成長ためにもポジティブかつフラットに話せる場が担保されたのがすごい大きいと思っています。

谷本:ありがとうございます。なかなかこのような話をシステマチックにされていることって難しいと思うんですけれども、実践されているというのが今の好調に繋がっているんだなと勝手ながら感じております。

コチームの紹介

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谷本:Meroneさんには弊社のコチームというツールを使いながら実践いただいておりまして、簡単にツールのご紹介に移りますが、このツール上ではまさに1on1の支援という機能があります。

Meroneさんのように公式アジェンダを作って話していこうとなった時に、清水さんならやれてしまうかもしれないのですが、普通の人はこうやって話しましょうと言っても、忙しくて1on1のことばかり考える余裕がないので、大体「あれどうなってる?」「最近調子どう?」「何か最近問題ある?」といった3つの会話で終わってしまう場合が多いです。

このように公式アジェンダがあっても無視されてしまうことが結構あったりするのですが、(コチームでは)きちんと話すべき内容が登録されています。

さらに、事前に皆さんがアジェンダに対してコメントを書いてくださることで、1on1時間の削減に繋がります。

Meroneさんでも実際に意識的に書いてくださることによって、かなり時間の削減になったのではないでしょうか?

清水:めちゃくちゃ削減されました。以前は、1on1に入る前に30分〜1時間ほど1on1の設計が都度発生するというのがあったのですが、今はその時間が完全に0で、ほぼほぼ0でスタートできるというのはありがたい限りです。

かつ、私にとってだけじゃなくて、メンバーにとっても納得感のある1on1ができるようになりました。

私にとっては工数が下がって、メンバーにとっては満足度が上がって、消化できるアジェンダ数も以前の約3倍ぐらいになっています。

そうしたこともあって、1on1の頻度が上がったメンバーがいるのが本当にありがたい限りです。

谷本:ありがとうございます。1on1の事前準備をメンバーの方にしてもらって、話す内容を事前に整理して書いてもらってからスタートすることができるので、マネージャーの方も楽になりますし、非常にうまくいく流れでオススメの方法になっています。


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清水さんへの個別1on1サポート

谷本:清水さんには、個別の1on1サポートをさせていただいていました。

例えば、メンバーのモチベーションを上げるために、逆に下げないためにどうしたらいいのかの会話パターンなどのメンバーとのコミュニケーションにおいての不明点を適宜お伝えさせていただいていましたよね。

清水:そうですね。狙い通りのことが実現できたのはありがたいことだなと思っています。

谷本:関わらせていただいた2年弱を振り返って、このアドバイス良かったなとか何かありますか?

清水:元々、1on1をするという文化が徹底できていなかったのですが、今はやっぱり1on1をちゃんとしないとメンバーも気持ちが悪いというような文化にできたことが大きくて、1on1をやめます!となったら、メンバーからブーイングが出そうなくらい1on1が定着しているのは、この1個のアドバイスが、とかではないですね。

1on1をすることによって、ちゃんとメンバーの課題や希望を聞けたり、それに対する組織のリクエストとのすり合わせの期間が定期的に取れたりするなど、適切なタイミングで声を聞ける仕組みが作れたのはすごく大きいと思っています。

やっぱりその中でも具体的なケースはちょっとありすぎて、逆に答えづらいですが、でもすごく(1on1が)根付いています。

谷本:1on1を結構失敗された会社さんが多いですが、本当にちゃんと上手くやると今お話しいただいたような状態になりますよね。

Merone社が取り組んだこと「評価の見直し」

谷本:今度は、Meroneさんが取り組んだ「評価の見直し」について聞いていきたいと思います。

Merone人事評価新旧比較表

Meroneさんの評価制度について、新しいものと以前のものを比較する形で私の方でまとめさせてもらいました(上図)。

以前は清水さん1人でほとんど評価を見られており、評価を見直したのも清水さんがいなくても回るチームを作るためだったと思うのですが、清水さんへの属人性が課題だったりされていたんですか?

清水:属人性というよりも拡大フェーズの評価制度をどう作るのかが課題でした。
私が入ったのは拡大手前のフェーズだったので、元々森川が報酬に関して設計しようと思っていた部分や、それに対して私がこういう風にアレンジした方がいいのかなと考えていた部分って、今思うと正直そこまで考え抜かれていなかったのかなと思います。

黎明期を支えるには十分な評価の仕組みだったんですけど、この拡大フェーズに入ってきた時に納得感のある評価制度をどう作るのかが課題でした。
また、評価制度って何をベースに、何を大事に、作れば、メンバーにとっても違和感がないのかというポイントが当時は全くわかっていなかったですね。

谷本:今のMeroneさんはパフォーマンス・マネジメントという短い間隔で対話を積み重ねて、そのデータを元に人事評価をなるべく短いスパンでやっていくということに取り組まれております。

(従来の人事評価のスパンだと)半年前のことを言われてもあまり覚えていなかったり、嬉しさも少なくなったりしますよね。
Meroneさんでは、3ヶ月のスパンで給与まで反映されていますもんね、すごいですよね。

清水:そうですね。3. 4. 5月の評価を6. 7. 8月に行って、9. 10. 11月の報酬に反映されるという形になっています。

谷本:すごいですよね。クイックに行うことで、人事評価も非常に形骸化しづらくなっていますよね。人事評価が形骸化されている会社さんが多い中、形骸化を防ぐようにしっかりとやり切られていますよね。

Meroneさんの事例をより具体的に見ていきますと、以前の評価はスキルが中心だったり、何をやるかっていうところを中心に人事評価されていらっしゃいました。
成果等の元々あったものに「コンピテンシー」というものが加わって、新しい評価になっていったと思うんですが、従来のものから評価項目を変えて行ったあたりのお話を聞かせてください。

清水:問題だったのが、「メンバーがどういうことに取り組んでいけば、自分自身の成長に繋がっていくのか」「メンバー自身の現在地」という部分がメンバー自身もわかっていなかったことです。

「コンピテンシー」という項目を導入してから、メンバーが「私って今、コンピテンシー何点ですか?」という質問がすごく増えました。それに対して、「コンピテンシーは何点ですよ。なぜなら、こうだからです。」というフィードバックを具体的なエピソードを交えてするといいですよということを谷本さんから教えてもらったことを実践していました。

そうすると、メンバーは「だから私は3なんだ」と納得するだけでなく、「(評価の表を見て)レベル3に書いてなくてレベル4に書いてあることをすれば、私はレベル4になれるんだ」と自分の現在地のみではなく、次どうするべきかということまで明確になりました。

1on1などのコミュニケーションを取らなくても、各メンバーがやるべきことが勝手に明確になり、勝手にそこに向けて頑張れる仕組みができて、1on1では「今月何を頑張りましたか」ということがアジェンダに組み込まれているので、「今月は私、このコンピテンシーのこの部分をこうやって頑張ってきました」ということが自動的に上がってくる仕組みが作れたのは、本当に良かったと思っています。

谷本:さっき1on1をやめるとメンバーからブーイングが出るというお話がありましたけど、このような評価制度があって、1on1でマネージャーとメンバー間の認識のズレが表面化して、ズレを埋めていくことがしっかりなされていたからなんだと感じています。

MeroneとOKR

OKR説明画像

谷本:MeroneさんはOKR(Objective and Key Results)を導入されていまして、ずっと運用されていますよね?

清水:全メンバーに適用できているかと言われるとあれなんですけど、トップを走っているメンバーとかにはOKRをちゃんと追いかけてもらっていますね。

谷本:素晴らしいですね。どれくらいの頻度で目標管理や進捗確認を行っているのですか?

清水:OKRに関しては、基本的には最低でも月1で行っています。毎週コミュニケーションがあるメンバーに関しては、毎週の1on1で進捗を確認したりしています。
以前はOKRの目標期間である3ヶ月で何をどこまでやらなければいけないのかが分かっていなかったことが多かったんですが、今は「50%進んでいなきゃいけないのが40%までしか進んでいない、まずい。だからこれやります」みたいなのがちゃんと上がってくる仕組みになっています。

谷本:素晴らしいですね。そもそも人事評価を運用するためには、目標が運用されていないとできないということがありますが、その辺りも同時並行で進められているんですね。

評価設計や目標の運用など押さえるべきところを押さえていらっしゃいますよね。

「コチーム」ツール上での評価作成支援

谷本:私たち「コチーム」というツールでは、タレントマネジメントのツールのように立てた目標から人事評価をすることができ、評価シートを作成したり、人事評価を行ったりすることができます。

MBOサイクル

谷本:今日お聞きした中で、ポイントと感じたところがあります。

多くの企業さんは(上図の)左側のサイクルのように、期初に「目標設定」をし、期中に「目標への取り組み」を確認することになっているんですが、それでは形骸化した状態で「期末評価」をして、その評価が終わった後にフィードバックをして終わりという形が多いんです。

一方で、Meroneさんでは(上図の)右側にあるように、1on1でズレを防いでいたり、組織としてこういう風になって欲しいという明確な提示があって、そこに至るためにどうしたらいいかが会話されるという状態です。

人事評価の認識の違い

左側の状態では人事評価は「査定」と思われがちですが、右側では査定という要素もありつつも「成長やエンゲージメント」に繋がる状態になっています。

清水:そうですね。メンバーも「あぁ、評価か…」というよりも、どちらかというと食い気味に「私の今の現在地教えてください」という感じで、ちょうど今ウェビナーの最中でもメンバーから「今の私のコンピテンシー・バリュー何点ですか?」と連絡がきているくらい前向きです。

個々が自分自身の成長のために貪欲になっていける仕組みが作れて、本当に良かったです。

「成長と基準値をあげろ」というバリューがある中で、どんどんもっと上の視野と視座に登っていくような流れができたことはめちゃめちゃ嬉しいです。

キャリブレーション

谷本:Meroneさんのお話の中で、最後のポイントは「キャリブレーション」と呼ばれるものだと考えています。いわゆる「評価調整と評価会議」と呼ばれたりもします。

最近、人事評価でもトレンドな取り組みですが、大体1次評価者が評価をつけた後に、ああ分かりましたと2次評価者があまり確認せずに行われることもあります。

こういう風になっていくと、最後みんなの評価が開示されると、何か全然バラバラだったり、同じようなことをやって、同じような成果なのに部署・マネージャーが違うと全然評価ランクが違うということが起こってしまいます。
それに対して、鉛筆なめなめや甘辛調整と呼ばれる調整作業を社長が1人でおこなっているというのがほとんどの会社の実情だと思います。

このようなことではなくて、1次評価者の人が評価が終わったタイミングで集まって、自分の部下を何でこういう評価にしたのかと他の方に発表したりして、それに対してフィードバックをもらっていくという仕組みを取り入れていくと

「同じようなことをしている部下に対して、他のマネージャーは自分と全然違う評価をしている」ことに気づいたり、「自分たちでもう一度調整しよう」という気持ちが働いたり、「ちゃんと見ないとダメなんだな」という気持ちが醸成されたりします。

その中で、マネージャーじゃない人の見ている目線も含めて、評価調整後のメンバーへのフィードバックをする内容がメンバーの成長の糧にとても重要なんです。

この部分をMeroneでは、森川さんと清水さん、私でお時間とっていただいて、設計していきましたよね。その辺りはいかがでしたか?

清水:この「キャリブレーション」という概念が全くなかったのですが、結論からいうとめっちゃ良かったです。やっぱりどうしてもそのシステマティックな評価を作ったとしても、その使い方そのものが属人的になってないかっていう問題は、どのシステムでも制度でも何でもあると思うんです。

ただ、出した評価に対して、「本当にその観点でいいんだっけ?」という客観的なフィードバックを得られて、自分だけでは出せなかった結果に着地でき、メンバーにとっても「ものすごく納得感のある内容です」という声も上がってきています。

逆に「キャリブレーション」をやらずして評価を投げてたら怖かったなというのが正直な感想です。

ちょっと工数はかかるものの、絶対やらないよりはやることによって、今いるメンバーも人事制度そのものを大事にできる良い取り組みだと思っています。

谷本:非常に参考になりました、ありがとうございます。

まとめ

谷本:私から振り返りでお話ししますと、制度設計よりも「運用」が人事評価の取り組みのポイントになっています。

アデコ株式会社調査結果

評価って大体不満を持っていまして、「現状の評価制度に満足している」と社会人にアンケートをとると「満足している」は6%しか無いという有名な調査があったりするんです。

評価制度のどこに不満があるのかを調査したアデコ株式会社さんのアンケートによると、ほとんどが制度そのものではなく、運用に問題があるんです。

それにもかかわらず、制度の方を変えようとする。
制度を良くすれば運用されると思われるのですが、全然そんなことはないんです。

評価をうまく行かせるポイントは5つ

評価がうまくいく5大要因

「1次評価者が日常から評価材料を集めている」「1次評価者が高頻度で面談を実施している」についてはまさに1on1で押さえられるところです。

「1次評価者の評価基準が組織内で統一されている」に関しては、清水さんがお話しされていた内容だったり、1on1で評価基準を取り扱うということで、マネージャーが評価を意識しやすい状況を(Meroneさんでは)環境的に仕組まれていると思っています。

「目標の運用が現場に定着する」には(Meroneさんでは)OKRがきちんと高度にこなされていて、最後の「評価調整(キャリブレーション)が実施されている」ということの全てがMeroneさんでは押さえられていて、パーフェクトですね。

大体、日本の企業では、5つの中でもできてて1つぐらいなんですけど、Meroneさんでは全部やられているので、Meroneさんの成果も納得です。

最後に、以前清水さんにお聞きした自己評価と今の状況を比較して、率直に今の自己評価をお聞かせください。

清水:現時点では、全部◯だと思えるような会社なのですが、嬉しい誤算で、評価制度に収まりきらない成長をしているメンバーが出てきて、評価制度は完成しきっていないと感じているので、そこのアップデートは日々しないといけないと思っています。

谷本:ありがとうございます。

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